【IKIGAI TOWN プレスリリース|2026年8月19日】 相続税がかかった人が、初めて10人に1人を超えた ── 課税割合10.4%は昭和58年以降で最高。ただし国の税収の伸びに占める相続税は3.4%にとどまる ■ 見出し案 (27字)相続税の課税割合10.4%、初めて10人に1人を超える (48字)相続税がかかった人が初めて10人に1人を超えた ── なのに国の税収の伸びに占める割合は3.4% (全角11字)課税割合、初の10%台 ■ リード 相続税の課税割合が、令和6年分で10.4%となった。財務省が公表する昭和58年以降の長期系列で、初めて10%を超えた(それ以前の最高は昭和63年の7.9%)。 亡くなった方のおよそ10人に1人に相続税がかかった計算になる。基礎控除が引き下げられる前の平成26年分は4.4%だった。 一方で、国の税収の側から同じ相続税を見ると、様相が変わる。令和6年度から令和7年度にかけて一般会計税収は 89,905億円伸びたが、そのうち相続税は+3,069億円。寄与は3.4%にとどまる。 税収に占める相続税の構成比は4.95%→4.72%→4.58%と、2年連続で下がっている。 ■ 本文 ▼ 課税割合は10.4%、基礎控除引下げから9年で4.4%の2倍以上に 国税庁「令和6年分 相続税の申告事績の概要」(令和7年12月公表)によると、令和6年分の被相続人数(死亡者数)は 1,605,378人。うち相続税の申告書の提出に係る被相続人数は166,730人で、 課税割合は10.4%となった。前年(令和5年分)の9.9%から0.5ポイント上昇している。 平成27年に基礎控除が「5,000万円+1,000万円×法定相続人数」から「3,000万円+600万円×法定相続人数」へ 引き下げられ、課税割合は4.4%から8.0%へ一気に倍増した。その後は令和元年分に一度下がったものの再び上昇し、9年後の令和6年分に10.4%へ達した。 課税価格は233,846億円(前年比108.1%)、申告税額は32,446億円(同108.0%)。 国税庁は、被相続人数・課税価格・申告税額のいずれも「基礎控除額の引下げがあった平成27年分以降で最高となりました」としている。 ▼ それでも、国の税収の伸びの3.4%にすぎない 財務省「租税及び印紙収入、収入額調」の決算額(概数)で年度ベースに揃えると、令和6年度から令和7年度にかけて 一般会計税収は89,905億円増えた。税目別の内訳は、法人税+38,348億円(寄与42.7%)、 源泉所得税+38,204億円(同42.5%)、消費税+10,065億円(同11.2%)。この3税目だけで増加額の96.3%を占める。 相続税は+3,069億円で、寄与は3.4%だった。 さらにその前年、令和5年度から令和6年度にかけては、一般会計税収が31,559億円伸びたのに対し、 相続税は△140億円と減っている。2年を通算すると、税収増121,465億円のうち相続税は+2,929億円で2.4%にとどまる。 ▼ 税収に占める構成比は2年連続で低下 相続税の決算額と一般会計税収の関係は、令和5年度35,663億円/720,761億円=4.95%、 令和6年度35,523億円/752,321億円=4.72%、令和7年度38,593億円/842,226億円=4.58%。 対象となる人は増え、申告税額も平成27年分以降で最高を更新しているが、国の税収に占める割合はむしろ縮んでいる。 相続税が減ったからではなく、賃金・企業収益・物価に連動する所得税・法人税・消費税の伸びが上回ったためだ。 ▼ 相続財産で最も伸びていないのは「土地」 相続財産の金額(相続税額のある申告書ベース)を、基礎控除引下げの初年である平成27年分と令和6年分で比べると、 有価証券が23,368億円→43,676億円で1.87倍、現金・預貯金等が47,996億円→85,602億円で1.78倍。 これに対し土地は59,400億円→74,074億円で1.25倍と、最も伸び率が低い。 課税対象の広がりが、地価だけでは説明できないことを示している。 ■ 調査概要 調査名:相続税の課税割合と税収寄与の調査(IKIGAI TOWN 編集部調べ) 調査主体:スペシャリスト・ドクターズ株式会社(IKIGAI TOWN 運営) 集計日:2026年8月19日 使用データ: ・国税庁「令和6年分 相続税の申告事績の概要」(令和7年12月公表) ・国税庁「令和5年分 相続税の申告事績の概要」(令和6年12月公表)=課税割合の推移(平成26年分〜令和5年分) ・財務省「租税及び印紙収入、収入額調」(令和6・7・8年度 各5月末)の「前年度 決算額(概数)」欄 ・財務省「相続税の税収、課税件数割合及び負担割合の推移」(昭和58年以降の長期系列) ・財務省「一般会計税収の推移」(照合用) 検算:財務省の各表について「当年度予算額 ÷ 前年度決算額」が表に印字された比率(相続税 92.3/97.4/98.9、    一般会計分計 96.6/103.4/99.4)と一致することを確認。加えて一般会計分計・所得税・法人税・消費税の    決算額が、別ファイルである財務省「一般会計税収の推移」の値と完全に一致することを確認した。 加工の有無:すべて公表値。推計・按分・独自モデルによる補正は行っていない。       寄与率は「各税目の増減額 ÷ 一般会計税収の増加額」として算出。 ■ 記事化にあたっての必須注記 ・課税割合は「亡くなった方に占める割合」であり、世帯や個人の資産分布を直接示すものではありません。 ・国税庁の申告事績は「年分」(亡くなった年)、財務省の税収は「年度」ベースで期ズレがあります。  相続税は死亡から10か月以内が申告・納付期限のため、令和6年分の申告税額は令和6年度後半から  令和7年度前半にまたがって納付されます。両者を同じ年で足し引きすることはできません。 ・令和7年度の決算額は概数です。確定値で微修正される可能性があります。 ・本リリースは報道関係者向けの情報提供資料であり、個別の税額計算・控除の適用判定・税務相談・  申告書作成に関する助言は含みません。これらは税理士の独占業務です(税理士法第2条・第52条)。 ■ 媒体別の切り口メモ ・経済/財政面:課税割合が昭和58年以降で最高でも税収寄与は3.4%。税収の伸びを作っているのは所得・法人・消費の3税目。 ・生活/シニア面:基礎控除引下げから9年で4.4%→10.4%。「うちは関係ない」の前提が変わっている。 ・資産/マーケット面:相続財産の伸びは有価証券1.87倍・現金1.78倍に対し土地1.25倍。 ・地方面:課税割合は全国値。地域別の内訳は本リリースには含まれない(国税庁は国税局別を別途公表)。 ■ 出典表記(コピペ用) 出典:IKIGAI TOWN 編集部調べ(相続税の課税割合と税収寄与の調査/国税庁・財務省公表資料より) https://ikigai.town/ja/press/2026-08-19/ ■ 図表・データ 図1 相続税の課税割合の推移:media/fig1-kazei-wariai.png / .svg 図2 令和7年度の税収増の税目別内訳:media/fig2-zeishu-kiyo.png / .svg 集計データ(5表):data/sozokuzei-kazei-wariai-2026.csv 本リリースの図表・数値・本文は CC BY 4.0(出典明記で改変を含め自由利用可・事前連絡不要)。 ■ お問い合わせ スペシャリスト・ドクターズ株式会社(IKIGAI TOWN 編集部) support@ikigai.town(メールのみ)