【IKIGAI TOWN プレスリリース|2026年8月23日】 授業料は制度が見る。家庭が積むのは月4.6万〜7.5万円 ── 就学支援金の対象は授業料で、通学関係費・教材費・部活動費・塾代は家計の側に残る ※本リリースは報道関係者向けの情報提供資料です。 ※本調査の「授業料」は就学支援金等による減免分を差し引いた家庭の実負担額です。  定価は公立118,800円、私立は平均約457,200円(制度資料の記載)。 ※金額は令和5年度=制度改正前の調査値です。改正後の授業料額を推計したものではありません。 ※末尾の【必ず併記してください】を含めてご出稿ください。 ■ 見出し案 (28字)授業料は制度が見る。家庭が積むのは月4.6万〜7.5万円 (38字)高校でいちばん重いのは1年生。公立70万円・私立139万円で3年平均を上回る (13字・全角換算11.5字)重いのは高1、公立70万円 ■ リード 2026年4月、高等学校等就学支援金の所得制限が撤廃され、授業料の支給上限は公立118,800円・ 私立457,200円になった。ライフプランメディア「IKIGAI TOWN」(運営:スペシャリスト・ドクターズ株式会社) 編集部が、文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」で高校でかかるお金の内訳を確認したところ、支援の対象で ある授業料は学習費総額の私立23.7%・公立7.6%で、家庭が用意するのは私立で年900,091円、公立で年 551,682円だった。月あたりでは私立約75,008円・公立約45,974円。公立で最大の費目は通学関係費 97,634円(通学のための交通費・制服・通学用品の合計)だった。 ■ 本文 ▼ 制度:所得制限が撤廃された 高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律(令和8年3月31日成立・4月1日施行)により、高等学校等 就学支援金の所得制限の撤廃が行われた。年収に関わらず、高等学校等に通う生徒が支援の対象になる。  公立          118,800円 (制度資料の注記=公立高校の授業料)  私立(全日制)     457,200円 (同=私立高校の平均授業料を勘案した水準)  私立(通信制)     337,200円  ※新制度の対象外となるのは、国籍・在留資格等の要件(在留資格が定住者で日本への永住の意思がない、   在留資格が家族滞在で日本の小・中学校を卒業していない、外国人学校に在籍しているなど)に該当する   生徒であり、所得によるものではない。日本国籍で通常の高校に通う生徒は在校生・新入生とも新制度の   対象で、所得制限はない。対象外の生徒には旧制度と同水準の支援があり、在校生と新入生で条件が異なる。 支援されるのは授業料である。では、高校でかかるお金のうち授業料はどれくらいを占めるのか。 ▼ 支援の対象は授業料。家庭が用意するのは、その外側 文部科学省「子供の学習費調査」は、授業料だけでなく通学費・教材費・部活動費・修学旅行費、さらに塾などの 学校外活動費まで含めた総額を調べている。令和5年度の高等学校(全日制)は次のとおり。                     公立       私立  学習費総額           596,954円  1,179,261円  うち学校教育費         351,523円  832,650円  うち学校外活動費(塾など)   245,431円  346,611円  うち授業料(減免後の実負担)  45,272円  279,170円  授業料が学習費総額に占める割合   7.6%     23.7% この「授業料」は、就学支援金等による減免を差し引いたあとに家庭が実際に払った額である。旧制度には所得制限が あったため、支援を満額受けた世帯と対象外だった世帯が混ざり、平均で公立45,272円・私立279,170円になっている。 2026年の改正では所得制限がなくなり、支給上限は公立118,800円・私立457,200円。制度資料はこの水準を 「公立高校の授業料」「私立高校の平均授業料を勘案した水準」と説明している。上限が授業料そのものの水準に 置かれているため、授業料の負担は大きく下がる。 一方、授業料を除いた部分は就学支援金の対象外で、公立で年551,682円、私立で年900,091円。月あたりでは 公立約45,974円・私立約75,008円である。ここには塾などの学校外活動費が含まれるので、学校に払う分 (学校教育費)だけに絞ると公立で年306,251円(月約25,521円)、私立で年553,480円(月約46,123円)となる。 ただし授業料以外がすべて自己負担というわけではない。高校生等奨学給付金は「教科書費、教材費など、授業料以外の教育費を支援する返還不要の給付金」で、 令和8年度から対象世帯が拡充された。文科省リーフレットは私立高校・全日制の目安として、住民税所得割が 非課税の世帯に約15万円、年収270万円以上380万円未満に約5万円、380万円以上490万円未満に約4万円と示している。 就学支援金とは別に申し込みが必要で、都道府県によって実施状況が異なります。 なお表の「授業料が学習費総額に占める割合」は減免後の実負担ベースである。授業料の定価で置き直すと 公立17.7%・私立33.7%になる。また金額はいずれも平均値で、学習塾費が0円の世帯は 公立61.4%・私立62.4%ある(同調査 表8-2)。 ▼ 公立でいちばん大きい費目は、通学関係費 本調査では「通学関係費」は通学のための交通費・制服・通学用品費の合計、部活動は「教科外活動費」 (クラブ活動、学芸会・運動会・芸術鑑賞会等)に分類される。  授業料             公立 45,272円 (12.9%) 私立 279,170円 (33.5%)  通学関係費           公立 97,634円 (27.8%) 私立 136,790円 (16.4%)  図書・学用品・実習材料費等   公立 62,284円 (17.7%) 私立 73,312円 ( 8.8%)  学校納付金等          公立 35,630円 (10.1%) 私立 127,346円 (15.3%)  教科外活動費          公立 49,499円 (14.1%) 私立 63,440円 ( 7.6%)  修学旅行費等          公立 36,500円 (10.4%) 私立 62,778円 ( 7.5%)  入学金等            公立 18,027円 ( 5.1%) 私立 80,290円 ( 9.6%)  その他             公立 6,677円 ( 1.9%) 私立 9,524円 ( 1.1%) 公立で最大の費目は通学関係費97,634円。次いで図書・学用品・実習材料費等が62,284円、部活動を含む 教科外活動費が49,499円と続く。部活動を足しても、通学関係費のほうが大きい。 押さえておきたいのは出ていく時期である。通学関係費のうち交通費は毎月だが、制服と通学用品は入学時に まとまって出る。修学旅行費等36,500円、入学金等18,027円も特定の時期に集中する。 ▼ いちばん重いのは1年生 ── 3年間で均等にはかからない 学年別の学習費総額(表2)は次のとおり。             公立    3年平均との差   私立    3年平均との差  第1学年    700,240円  +105,275円  1,392,712円  +218,925円  第2学年    580,958円   -14,007円  1,150,924円   -22,863円  第3学年    503,697円   -91,268円  977,725円   -196,062円  3年平均    594,965円      -  1,173,787円       - いちばん重いのは第1学年である。3年平均でならして積むと、公立で105,275円、私立で218,925円足りない。 第3学年は逆に平均より公立91,268円、私立196,062円少ない。 同調査も「公立のうち最も多いのは,高等学校(全日制)第1学年の約70万円」としている。 この総額には塾代も含まれている。学習費総額=学校教育費+学校外活動費で、塾などの補助学習費は 学校外活動費に入る(高校に学校給食費はない)。内訳は次のとおり。           総額    = 学校教育費  + 学校外活動費(塾など)  公立 第1学年  700,240円   505,049円   195,191円  公立 第2学年  580,958円   355,197円   225,761円  公立 第3学年  503,697円   184,497円   319,200円  私立 第1学年 1,392,712円  1,099,413円   293,299円  私立 第2学年 1,150,924円   769,651円   381,273円  私立 第3学年  977,725円   609,865円   367,860円 1年→3年で学校外活動費は増える(公立+124,009円、私立+74,561円)。それでも総額が下がるのは、 入学金・制服・通学用品が消えて学校教育費が大きく減る(公立-320,552円、私立-489,548円)ためである。 差引で公立-196,543円、私立-414,987円。**塾代を除いたから1年生が重く見えるのではなく、含めてなお重い。** 学校外活動費だけを取り出すと、動きは逆になる。                        公立      私立  学校外活動費             245,431円  346,611円  うち補助学習費(塾・予備校など)   200,994円  238,422円  (第1学年)学校外活動費       195,191円  293,299円  (第1学年)うち補助学習費      140,247円  169,414円  (第3学年)学校外活動費       319,200円  367,860円  (第3学年)うち補助学習費      285,156円  304,816円 公立高校の補助学習費は第1学年140,247円から第3学年285,156円へ、3年間で約2倍になる。私立も同じ傾向で、 第1学年169,414円から第3学年304,816円である。 それでも学習費総額が第1学年で最も多いのは、塾代の増加を、入学時費用がなくなる分が上回るためだ。 塾に通わせるかどうかは各家庭の判断で、学習塾費が0円の世帯は公立61.4%・私立62.4%ある。 備える時期は高校入学より前にある。 ■ 調査概要 調査名:高校でかかるお金と就学支援金の対象範囲の整理(IKIGAI TOWN 編集部調べ) 調査主体:スペシャリスト・ドクターズ株式会社(IKIGAI TOWN 運営) 対象:文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」の高等学校(全日制)に関する数値(表1・表4-4・表5)/    高等学校等就学支援金の支給上限額 出典:文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査 調査結果の概要」    https://www.mext.go.jp/content/20260116-mxt_chousa01-000039333_3.pdf    同 調査票(授業料の記入方法。令和7年度調査のもので記入要領は同じ)    https://www.mext.go.jp/content/20250317-mxt_chousa01-100012572_2.pdf    文部科学省「高等学校等就学支援金・新制度の概要」    https://www.mext.go.jp/content/20260616-mxt_shuukyo03-100002595_7.pdf    文部科学省「就学支援金新制度対象外となる生徒等への支援」    https://www.mext.go.jp/content/20260616-mxt_shuukyo03-100002595_5.pdf    文部科学省「高校生等奨学給付金」    https://www.mext.go.jp/content/20260616-mxt_shuukyo03-100002595_18.pdf    文部科学省「高校生等への修学支援」    https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/index.htm    (いずれも2026-08-22確認) 方法:公表値をそのまま転記した。編集部が算出したのは、授業料が学習費総額・学校教育費に占める割合、    授業料以外に残る額(学校外活動費を含む場合と学校教育費のみの場合)とその月あたり概算(年額÷12)だけ。    本調査の「授業料」は就学支援金等による減免分を差し引いた家庭の実負担額であるため、    実費である他費目との倍率は算出していない。 検算:学校教育費の費目別内訳の合計が学校教育費と一致すること、学校教育費と学校外活動費の合計が    学習費総額と一致すること、学校外活動費の内訳が学校外活動費と一致すること、    第1学年の補助学習費が学校外活動費および第3学年を上回らないことを確認した。 文部科学省への事前確認:行っていない。誤りがある場合はご連絡いただければ速やかに訂正する。 ■ 必ず併記してください(数値・図表のみの引用時も同様) ・本調査の「授業料」は就学支援金等による減免分を差し引いた家庭の実負担額であり、  定価は公立118,800円・私立は平均約457,200円である ・金額は令和5年度の調査値であり、制度改正前の年度である ・本リリースは改正後の授業料額を推計したものではない ・個々の学校の授業料は支給上限を超えることがある ・新制度の対象外となるのは国籍・在留資格等の要件に該当する生徒で、所得によるものではない ・授業料以外の教育費には高校生等奨学給付金(令和8年度から対象世帯を拡充)がある ・金額は平均値。学習塾費が0円の世帯は公立61.4%・私立62.4%ある ・金額はすべて年額・生徒1人あたり・全日制である ・制度の正式名称は「高等学校等就学支援金」(文部科学省は「高校無償化」は俗称と明記) ・本リリースは制度の是非や十分性を評価するものではない ■ 媒体別の切り口メモ ・生活/家計面:授業料の負担が下がるぶん、月あたり公立約45,974円・私立約75,008円をどう積むかが残る。 ・教育面:公立で最大の費目は通学関係費97,634円(交通費・制服・通学用品)。部活動は教科外活動費で別。 ・受験期:補助学習費は公立で第1学年140,247円→第3学年285,156円と増えるが、      学習費総額でみると最も重いのは第1学年(公立700,240円)。入学時費用が効く。 ・政策面:所得制限の撤廃で支援の裾野は広がった。授業料以外には高校生等奨学給付金があり、令和8年度に拡充。 ・統計の読み方:学習費調査の授業料は減免後の実負担額。定価と混ぜて倍率を取ると大小が逆転する。 ・統計の読み方:学年別の総額は第1学年がピーク。塾代(学校外活動費)を含めた総額での比較であり、         塾代を除いたから1年生が重く見えるわけではない。平均だけを見ると出ていく時期を読み違える。 ■ 出典表記(コピペ用) 出典:IKIGAI TOWN 編集部調べ(文部科学省「子供の学習費調査」「高等学校等就学支援金」より) https://ikigai.town/ja/press/2026-08-23/ ■ 図表・データ 図1 授業料と、それ以外に家庭が用意する額:media/fig1-nokoru-okane.png / .svg 図2 高等学校(全日制)の費目別 年額:media/fig2-himoku-uchiwake.png / .svg 集計データ(5表):data/koukou-gakushuhi-2023.csv 本リリースの図表・数値・本文は CC BY 4.0(出典明記で改変を含め自由利用可・事前連絡不要)。 ■ お問い合わせ スペシャリスト・ドクターズ株式会社(IKIGAI TOWN 編集部) support@ikigai.town(メールのみ)