基礎知識

住宅ローン 変動 vs 固定【2026年最新】
日銀利上げ局面でどっちが正解?

公開日:2026年4月11日 更新日: 執筆:IKIGAI TOWN 編集部

日銀が金融政策正常化へ舵を切った2024〜2026年、「変動と固定、どちらを選べばいいのか?」という相談が急増しています。本記事では、2026年4月時点の金利水準(変動0.3〜0.5%/フラット35 1.9%前後)を前提に、総返済額シミュレーション・損益分岐金利・家計タイプ別の選び方を、家計の専門家が整理します。

2026年の金利環境を30秒で整理

2024年3月にマイナス金利政策が解除され、その後も段階的な利上げ局面に入りました。2026年4月時点で、住宅ローン金利の主要な目安はおおむね以下のとおりです(各行ごと・時期により変動します)。

区分2026年4月時点の目安動きの特徴
変動金利(都銀・ネット銀行)年0.3〜0.5%前後短期プライムレート連動。利上げ局面では半年ごと見直し。
10年固定年1.0〜1.5%前後10年国債利回り連動。以降は変動or再固定選択。
フラット35(全期間固定)年1.9%前後完済まで金利変わらず。返済計画が最も読みやすい。

2022年頃までは「変動0.3% vs フラット35 1.3%」程度の差でしたが、2026年4月時点ではフラット35の上昇により「変動0.4% vs フラット35 1.9%」と、金利差が1.5ポイント前後まで広がっています。この1.5ポイントの差が何を意味するかを、次にシミュレーションで確認しましょう。

変動金利の仕組みと「5年ルール・125%ルール」の罠

変動金利は多くの銀行で「半年ごとに金利見直し/5年ごとに返済額見直し/見直し後の返済額は従前の125%まで」という3つのルールで運営されています。一見すると「急に返済額が倍になることはないから安心」に見えますが、これは"支払う利息が減らないまま元本が残る"ことで調整されているだけで、総返済額の増加は避けられません。

注意

5年ルール・125%ルールを採用していない銀行(ソニー銀行など)も一部あります。また、未払い利息が発生した場合の扱いは各行で異なります。契約前に約款で必ず確認しましょう。

固定金利(フラット35等)の特徴

フラット35は住宅金融支援機構の買取型・保証型の全期間固定金利ローンで、完済まで金利が変わらないことが最大の特徴です。2026年の金利環境下では、「35年先まで返済額が確定している」ことに年間約15〜20万円の安心料を支払う構図になっています(次のシミュレーション参照)。

総返済額シミュレーション(3,500万円・35年)

借入3,500万円・返済期間35年・元利均等返済の条件で、変動金利と全期間固定のシンプルな比較を行います(手数料・保証料は除く概算)。

シナリオ適用金利月々返済総返済額固定との差額
変動がずっと0.4%0.4%約 89,300円約 3,750万円−約 600万円
変動が5年後に1.5%に平均 約1.2%推移あり約 4,200万円−約 150万円
変動が10年後に2.5%に平均 約1.7%推移あり約 4,400万円+約 50万円
全期間固定(フラット35)1.9%約 114,000円約 4,350万円ベース

「変動がずっと0.4%」のままなら変動の勝ち(総返済額で約600万円安い)。しかし「10年後に2.5%まで上がる」シナリオでは、固定とほぼ互角になります。つまり変動派の勝敗は、将来10年間でどこまで金利が上がるかにほぼ依存します

あなたの家計では、変動と固定どちらが合う?

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損益分岐金利|変動が何%まで上がると固定が有利か

ざっくり覚えておきたい「損益分岐金利」は、固定金利と変動金利の当初差を、将来の金利上昇がどれだけ打ち消すかで決まります。2026年4月時点の「変動0.4% vs 固定1.9%」の1.5ポイント差であれば、一般的な前提で以下のような目安になります。

  • 変動が5年以内に2%台まで上昇 → ほぼ互角〜固定やや有利
  • 変動が10年以内に1.5%程度で推移 → 変動有利
  • 変動が当初10年は据え置き、その後2%台半ば → 変動やや有利〜互角

つまり、"10年以内に変動金利が2%まで上がるか"が大きな分岐点です。日銀の現在の見通し(2026年度末にかけて政策金利を段階的に正常化)を素直に受け取れば、「変動が10年以内に1%台後半に到達する」シナリオを基準に考えるのが妥当です。

家計タイプ別・私たちの判断フレーム

シミュレーションだけでは決まらないのが住宅ローン選び。家計の専門家として現場で使っている判断フレームをお伝えします。

変動を選んで良い人

  • 借入額が年収の5倍以内で、可処分所得にまだ余力がある
  • 金融資産(現金・有価証券)が借入残高の30%以上ある
  • 繰上返済用の余裕資金を毎月積立できる
  • 共働きで、片方の収入だけでも返済可能
  • 「金利が1%上がったら〇〇万円返済額が増える」を即答できる

固定(フラット35)にすべき人

  • 家計の黒字幅が小さく、金利上昇のショックを吸収できない
  • 借入額が年収の6倍を超える
  • 共働きでなく、収入源が1本
  • 教育費のピーク(高校〜大学)がローン返済期間中に重なる
  • 「毎月の支払額が35年変わらない」という安心感に価値を感じる

まとめ|「安心料」をどう考えるか

変動と固定の選択は、数学的な損得だけでなく"何に対していくら安心料を払うか"の意思決定です。1.5ポイントの金利差(3,500万円借入なら年間約15〜20万円)を「安心のための保険料」と見るか、「運用に回したほうが得」と見るかは、ご家庭の価値観次第です。

IKIGAI TOWNでは、ご家庭の年収・家族構成・教育費・老後資金を総合的に見た上で、"あなた専用の"住宅ローン選びをサポートしています。シミュレーションだけで決められないときは、ぜひご相談ください。

※ 本記事は2026年4月時点の公表金利・一般的傾向を整理したもので、各金融機関の実際の適用金利・審査基準を保証するものではありません。記載のシミュレーションは概算であり、実際の返済額は金融機関の計算方法・優遇・手数料等により異なります。住宅ローンの選択は、必ず複数金融機関の提示条件と、ご自身の家計状況を踏まえて判断してください。