基礎知識

住み替え・リバースモーゲージ・リースバック徹底比較
【2026年版】60代の住宅出口戦略

公開日:2026年4月11日 更新日: 執筆:IKIGAI TOWN 編集部

60代を迎えて「子どもが独立して部屋が余っている」「住宅ローンがまだ残っている」「老後資金を確保したい」——そんな時に選択肢になるのが、住み替え・リバースモーゲージ・リースバックの3つ。いずれも一見便利ですが、それぞれに"向いている人・絶対に向いていない人"があります。家計の専門家として現場で使っている判断基準を整理します。

3つの出口戦略を30秒で整理

  • 住み替え:今の家を売却し、より小さい/安い家に買い替える
  • リバースモーゲージ:自宅を担保にしてお金を借り、死亡時に自宅を処分して返済する
  • リースバック:自宅を不動産会社に売却し、賃貸契約でそのまま住み続ける

共通するのは"自宅という資産を現金化する"という目的ですが、住み続けるか/引っ越すか/所有権を手放すかの組み合わせが異なります。

住み替え|ダウンサイジングの王道

子どもが独立して3LDK→2LDKへ、戸建て→駅近マンションへ、地方→子ども世帯の近くへ——こうしたダウンサイジング住み替えは、60代の住宅出口戦略として最も王道の選択肢です。

メリット

  • 光熱費・固定資産税・管理費などのランニングコストが削減できる
  • 階段のない物件に移ることでバリアフリー化が一気に進む
  • 売却益でローン完済+余剰金を老後資金に充てられる

デメリット・注意点

  • 売却と購入のタイミングがずれると"仮住まい費用"がかかる
  • 住み替え先のエリアで人間関係をゼロから構築する負担
  • 住み替えローン(買い先行)を組む場合、60代では審査が厳しい
  • 譲渡所得税(3,000万円特別控除の適用要件を必ず確認)

リバースモーゲージ|自宅を担保に老後資金を借りる

リバースモーゲージは、自宅を担保に金融機関から資金を借り、契約者が亡くなった時点で自宅を売却して一括返済する仕組み。毎月の支払いは「利息のみ」または「返済不要」のタイプがあります。

向いている人

  • 子どもが独立済みで、自宅を相続させる必要性が低い
  • 公的年金と貯金だけでは老後生活に不安がある
  • 今の家に死ぬまで住み続けたい

注意点

  • 金利上昇リスクがある(契約後に金利が上がると利息負担が増える)
  • 長生きリスクで融資額が担保評価額を超える可能性
  • 不動産価格下落リスクで追加担保を求められるケース
  • 戸建て中心で、マンションや地方物件は対象外のことが多い
  • 配偶者が契約者の死亡後も住み続けられるかは商品による

注意

リバースモーゲージは金融機関ごとに商品設計が大きく異なります。「金利」「対象物件」「配偶者の継続居住」「相続時の精算方法」の4点は必ず契約前に確認してください。

リースバック|売却した家に賃貸で住み続ける

リースバックは、自宅を不動産会社や投資家に売却し、その後は賃貸契約でそのまま住み続ける仕組みです。「引っ越さずに現金化できる」という点がリバースモーゲージと似ていますが、所有権が完全に相手に移る点が決定的な違いです。

メリット

  • まとまった現金を一度に受け取れる(老後資金・医療費・事業資金など)
  • 引っ越さずに住み続けられる
  • 固定資産税・修繕費が不要になる

デメリット・注意点

  • 売却価格が市場価格の6〜8割程度にとどまることが多い
  • 家賃は周辺相場より高めに設定されやすい
  • 契約更新ができず、数年後に退去を求められるケース
  • 「買い戻し特約」がある商品でも、実際の買戻し価格が割高

自宅の価値と老後資金、見える化しませんか?

住宅出口戦略は、老後資金シミュレーションと一緒に考えるべきです。
プロFPとAIが一緒に整理します。

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3択の比較表

項目住み替えリバースモーゲージリースバック
住み続けるか引越し住み続ける住み続ける(期限あり)
所有権新居に移る契約者保持手放す
受取現金の目安売却益 − 新居取得費担保評価の50〜70%市場価格の60〜80%
毎月の支出新居の費用利息(または0)家賃
相続への影響新居を相続自宅は売却されて清算自宅は既に売却済み
向いている人動ける60代独居・子なし・戸建て急ぎで現金が必要

現場で見てきた「やらないほうが良かった」事例

家計の相談現場で見てきた、選択を後悔するパターンを3つ共有します。

  1. 体力があるうちに住み替えを検討しなかったために、70代後半で引越しが肉体的に厳しくなり、結果的に合わないエリアに住み続けざるを得なかったケース
  2. リースバックを急いで契約した結果、契約更新時に退去を求められ、高齢で賃貸契約の審査が通りづらい状態になったケース
  3. リバースモーゲージで借りすぎた結果、長生きで融資額が担保評価を超えて、追加担保または返済を迫られたケース

いずれも共通するのは「目先の現金需要だけで判断し、10年20年後のシナリオを想定していなかった」こと。住宅の出口戦略は、老後資金全体のシミュレーションと切り離して検討してはいけません。

※ 本記事は2026年4月時点の一般的な制度・商品特性を整理したもので、各金融機関・不動産会社の実際の商品内容を保証するものではありません。譲渡所得税・相続税・商品ごとの契約条件は必ず最新情報を専門家に確認してください。