保険・医療

医療保険は必要か・いらない?公的医療保険と預貯金で足りる人・足りない人を中立解説

公的医療保険と預貯金、民間医療保険の役割を家族で整理する場面
医療保険が必要かどうかは、公的医療保険・預貯金・就業形態を分けて整理すると判断しやすくなります。

医療保険が必要かどうかは、一律に決まるものではありません。日本では公的医療保険が手厚く、高額療養費制度によって医療費の自己負担には上限があります。会社員などは傷病手当金で療養中の収入減を一定程度カバーできる場合もあります。そのため、十分な預貯金があり公的保障が手厚い人ほど、民間医療保険の必要性は相対的に低くなります。一方で、預貯金が少ない人や、傷病手当金の対象外となる自営業・フリーランスでは必要性が高まります。「必要」「不要」のどちらかではなく、公的保障と預貯金で足りない部分があるかどうかで判断するのが基本的な考え方です。

目次
  1. 医療保険は必要か(結論:公的保障+預貯金との兼ね合い)
  2. 公的医療保険でカバーされる範囲(高額療養費・傷病手当金)
  3. 預貯金で備えるという選択肢
  4. 必要性が高いと考えられるケース
  5. 必要性が低いと考えられるケース
  6. 必要かどうかを見直すときの考え方
  7. よくある質問
  8. セカンドオピニオンで相談する
  9. 運営者情報
  10. 出典

はじめにご確認ください

本ページは、医療保険が必要かどうかを考えるための一般的な情報提供を目的としたものです。個別の保険商品の内容説明、特定の保険会社または保険商品の推奨、契約の勧誘を目的とするものではありません。

保障内容、保険料、給付の条件、各種特約等は商品ごとに異なります。個別の商品を検討する場合は、必ず契約締結前交付書面、契約概要、注意喚起情報、商品パンフレット、ご契約のしおり・約款等をご確認ください。

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  • 公的制度も改定されます。高額療養費制度など公的カバーの前提が変われば、民間の保険で備えるべき範囲も変わります。

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このページの要点

  • 医療保険の必要・不要は一律に決まらず、公的保障と預貯金で足りない部分があるかで判断します。
  • 高額療養費制度により、1か月の医療費の自己負担には上限が設けられています。
  • 会社員などは傷病手当金により、療養で働けない期間の収入減を一定程度カバーできる場合があります。
  • 十分な預貯金があり公的保障が手厚い人ほど、民間医療保険の必要性は相対的に低くなります。
  • 預貯金が少ない人や、傷病手当金の対象外となる自営業・フリーランスでは必要性が高まる傾向があります。

医療保険は必要か(結論:公的保障+預貯金との兼ね合い)

「医療保険は必要か」「医療保険はいらないのではないか」という問いには、一律の答えはありません。判断の起点になるのは、公的医療保険でどこまでカバーされるかと、いまある預貯金でどこまで対応できるかの2つです。この2つで足りる範囲については、民間医療保険の必要性は相対的に低くなります。反対に、公的保障と預貯金では不安が残る部分があれば、その部分に備えるかどうかが検討材料になります。

大切なのは、「保険に入るか・入らないか」を先に決めるのではなく、まず公的保障と預貯金で足りない部分を洗い出すことです。足りない部分が小さければ「最低限」でよい、あるいは「不要」という結論になり得ますし、大きければ「必要性が高い」という結論になります。医療保険そのものの仕組みや種類は、医療保険とは(公的医療保険でカバーされる範囲・民間医療保険の種類と選び方)のページで整理しています。

公的医療保険でカバーされる範囲(高額療養費・傷病手当金)

日本は国民皆保険制度をとっており、原則としてすべての人が公的医療保険に加入します。医療機関の窓口で支払う自己負担は、年齢や所得に応じて医療費の1〜3割が原則です。[1]さらに、自己負担が高額になったときに負担を抑える仕組みがあるため、必要性を考えるうえではまずこの範囲を押さえることが大切です。

高額療養費制度

高額療養費制度は、同じ月(1日から末日まで)にかかった医療費の自己負担額が一定の上限額を超えた場合に、超えた分が払い戻される公的な仕組みです。上限額は年齢や所得区分によって決まります。[2]この制度があるため、公的医療保険の対象となる医療費の自己負担が青天井になることは原則ありません。詳しい仕組みは 高額療養費制度 のページで解説しています。

ただし、差額ベッド代(個室などを希望した場合)、先進医療の技術料、入院中の食費の一部、通院のための交通費などは、公的医療保険の対象外で高額療養費の計算にも含まれません。これらは公的保障で「足りない部分」になりやすい費用です。

傷病手当金

傷病手当金は、健康保険の被保険者(主に会社員など)が、病気やけがの療養のため仕事を休み、給与の支払いを受けられない場合に、一定の要件のもとで支給される給付です。[3]療養中の収入の減少を一定程度カバーする役割があるため、会社員にとっては「働けない期間の収入減」への公的な備えになります。

一方で、自営業・フリーランスなど国民健康保険に加入している方は、原則として傷病手当金の対象外です。働けない期間の収入減に備える必要性は、就業形態によって変わります。詳しくは 傷病手当金 のページをご確認ください。

預貯金で備えるという選択肢

医療費の自己負担に上限がある以上、その自己負担分を預貯金でまかなえるなら、その範囲については保険の必要性は低くなります。これが「医療保険はいらない」という考え方の根拠の一つです。預貯金は、医療費だけでなく他の用途にも使える点で柔軟性が高く、保険料という固定費もかかりません。

一方で、預貯金で備える場合は次の点を確認しておく必要があります。

確認したいこと考え方
当面の自己負担をまかなえるか高額療養費制度の自己負担上限を、いまある預貯金で支払えるか。生活防衛資金とは別に確保できているか
収入が減る期間に耐えられるか療養で働けない間の生活費を、預貯金(と傷病手当金)でどのくらいの期間まかなえるか
保険適用外の費用に余裕があるか差額ベッド代や先進医療の技術料など、公的保険の対象外の費用が重なっても家計が崩れないか
取り崩したあとを補えるか医療費で預貯金を使った後、生活防衛資金を再び積み上げられる見通しがあるか

つまり「預貯金で備える」と「保険で備える」は対立する選択肢ではなく、公的保障で足りない部分を、預貯金と保険のどちらで(あるいは両方で)補うかという配分の問題として整理できます。

必要性が高いと考えられるケース

次のような場合は、公的保障と預貯金だけでは不安が残りやすく、医療保険の必要性が相対的に高いと考えられます。あくまで一般的な傾向であり、最終的な判断は個別の状況によります。

必要性が高まりやすい例

  • 預貯金が少なく、急な入院・手術の自己負担を支払うと生活防衛資金が不足してしまう
  • 自営業・フリーランスなどで傷病手当金の対象外であり、働けない期間の収入減を公的制度で補いにくい
  • 家計を主に支えていて、療養による収入減が家族の生活に直結する
  • 差額ベッド代や先進医療の技術料など、保険適用外の費用が重なったときに家計の余裕が少ない
  • 長期の療養・通院が続いた場合に、生活費まで取り崩す不安がある

これらに当てはまる場合は、貯蓄では不安が残る部分に絞って、必要な保障を検討するという順番が考えられます。

必要性が低いと考えられるケース

反対に、次のような場合は、公的保障と預貯金で対応できる範囲が広く、医療保険の必要性が相対的に低い、あるいは「最低限でよい」と考えられることがあります。こちらも一般的な傾向です。

必要性が低くなりやすい例

  • 高額療養費制度の自己負担上限を、いまある預貯金で無理なく支払える
  • 会社員などで傷病手当金の対象であり、療養中の収入減が一定程度カバーされる
  • 生活防衛資金とは別に、医療費に充てられる預貯金を確保できている
  • 勤務先の福利厚生や団体保険などで、すでに一定の備えがある
  • 差額ベッド代や先進医療の技術料などを希望せず、公的保険の範囲内の治療を想定している

このような場合は、保障を厚くするより、まず重複や過不足を点検し、不要になった保障を整理するという考え方が役立ちます。

必要かどうかを見直すときの考え方

医療保険が必要かどうかは、一度決めたら終わりではなく、生活の変化に合わせて確認することが大切です。次のようなタイミングで、いまの状況に合っているかを見直すとよいでしょう。

タイミング確認したいこと
結婚・出産家族が増え、療養中の収入減や生活費への備えが必要になっていないか
転職・退職・独立就業形態が変わり、傷病手当金の対象かどうかが変わっていないか
預貯金が増えたとき自己資金で対応できる範囲が広がり、保障を抑えられないか
公的制度の改定高額療養費の上限額などの改定で、必要な備えが変わっていないか

見直しの際は、保障を増やすことだけでなく、いまの不安と合わなくなった保障を整理することも含めて確認します。保険全体の見直しの考え方は 保険の見直し のページを、終身型の医療保険が必要かどうかを考えたい方は 終身医療保険は必要か のページもあわせてご確認ください。

よくある質問

医療保険はいらない・不要だといわれるのはなぜですか?
日本の公的医療保険には高額療養費制度があり、1か月の医療費の自己負担に上限が設けられています。会社員などは療養で働けない期間に傷病手当金を受けられる場合もあります。そのため、十分な預貯金があり公的保障が手厚い人にとっては、民間医療保険の必要性は相対的に低いと考えられることがあります。一方で、預貯金が少ない、自営業・フリーランスで傷病手当金の対象外、といった事情があれば必要性は高まります。一律にいらないとはいえず、公的保障・預貯金・就業形態とのバランスで判断が変わります。
医療保険は最低限でよいですか?
公的医療保険と預貯金でどこまで対応できるかによって変わります。高額療養費制度で自己負担に上限があることや、貯蓄で当面の自己負担をまかなえることを確認したうえで、貯蓄では不安が残る部分(保険適用外の費用や長期療養中の収入減など)に絞って備えるという考え方があります。保障を厚くするほど保険料は上がるため、家計とのバランスで優先順位をつけることが大切です。
預貯金があれば医療保険は不要ですか?
預貯金で急な入院・手術の自己負担をまかなえる場合、その範囲については保険の必要性は低くなります。ただし、長期の療養で収入が減る、保険適用外の費用がかさむ、といった事態に備える預貯金まで確保できているかは別途確認が必要です。預貯金を取り崩すと生活防衛資金が不足する場合は、不足部分に保険を使うか、貯蓄をさらに積み上げるかを比較して考えます。一概に不要とはいえず、預貯金の額と用途、就業形態によって判断が変わります。
会社員と自営業・フリーランスで、医療保険の必要性は変わりますか?
変わることがあります。会社員などは健康保険の傷病手当金により、療養で働けない期間の収入減が一定程度カバーされる場合があります。一方、国民健康保険に加入する自営業・フリーランスは原則として傷病手当金の対象外で、働けない期間の収入減を公的制度で補いにくい傾向があります。そのため、収入が止まったときの備えをどう確保するかが、必要性を左右する大きな要素になります。
医療保険が必要かどうかは、何を確認すれば判断できますか?
主に4点を確認します。1点目は公的医療保険でカバーされる範囲(高額療養費制度の自己負担上限、傷病手当金の有無)。2点目はいまある預貯金で当面の自己負担や収入減にどこまで対応できるか。3点目は保険適用外の費用(差額ベッド代・先進医療の技術料など)や長期療養に不安があるか。4点目は家族構成や就業形態です。これらを整理すると、保険で補うべき部分があるか、預貯金で足りるかが見えてきます。

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医療保険が必要かどうかは、公的医療保険でカバーされる範囲・預貯金・就業形態が一度に関わる判断です。すでに提案や見積もりを受け取っている方も、これから検討する方も、現在の提案元とは別の視点から、必要・不要の判断材料を一緒に確認できます。

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担当ファイナンシャル・プランナー

中尾 紀子(FP2級・相続診断士)

得意分野:公的制度活用・資産形成。医療業界出身の視点から、特定の商品をすすめるのではなく、いまの保障・保険料・公的制度の使い方を、複数の保険会社を取り扱う生命保険募集人として、事実に沿って一緒に点検します。

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最終確認日:
作成・監修:スペシャリスト・ドクターズ株式会社/塩飽 哲生(保険募集人登録番号:04DAACE029657)

出典

  1. 厚生労働省「我が国の医療保険について」(確認時点:2026年6月)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/iryouhoken01/index.html
  2. 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」(確認時点:2026年6月)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html
  3. 全国健康保険協会(協会けんぽ)「傷病手当金」(確認時点:2026年6月)https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139/
  4. 金融庁「保険会社向けの総合的な監督指針」(確認時点:2026年6月)https://www.fsa.go.jp/common/law/guide/insurance/index.html
  5. 一般社団法人 生命保険協会(確認時点:2026年6月)https://www.seimei.or.jp/