新NISA 完全ガイド【2026】
つみたて/成長投資枠・限度額・始め方を1本で
新NISAは、年360万円・生涯1,800万円まで非課税で投資できる恒久制度です。2024年に恒久化・無期限化され、つみたて投資枠(年120万円)と成長投資枠(年240万円)を併用できるようになりました。本記事では、限度額の仕組み、口座開設の手順、オルカン/S&P500/FANG+といった定番商品の選び方、iDeCoや住宅ローン繰上返済との使い分けまで、家計の専門家の立場で整理します。
結論ボックス
- 年360万円(つみたて120万円+成長240万円)/生涯1,800万円(成長枠は最大1,200万円まで)非課税
- 迷ったら「つみたて投資枠でオルカンかS&P500を毎月積立」が基本形
- 住宅ローンや教育費と並行するなら、生活防衛資金6か月分の確保 → NISA積立 → 繰上返済の順で
- 60歳まで引き出さない老後資金なら、iDeCoを併用して節税メリットを取る
新NISAとは|30秒でわかる全体像
新NISA(少額投資非課税制度)は、投資で得た利益(売却益・配当・分配金)に通常かかる約20.315%の税金をゼロにできる制度です。2024年1月から恒久化され、非課税期間も無期限になりました。旧NISAの「5年・20年の期限」「つみたてNISAと一般NISAの選択制」はすべて廃止されています。
ポイント
「nisaとは」で検索する人が最も知りたいのは「結局いくら得なのか」。たとえば20年間で運用益1,000万円が出た場合、通常口座では約203万円が税金ですが、NISAならゼロ。この差が新NISA最大のインパクトです。
限度額|年間360万円・生涯1,800万円の仕組み
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 年間上限 | 120万円 | 240万円 | 360万円 |
| 生涯上限 | 1,800万円(成長枠と共通) | 最大1,200万円 | 1,800万円 |
| 対象商品 | 金融庁基準の長期積立向け投信・ETF | 上場株式・投資信託・ETF・REIT | — |
| 買付方法 | 積立のみ | 積立・スポット(一括) | — |
| 非課税期間 | 無期限 | 無期限 | — |
生涯投資枠1,800万円は「簿価(取得価額)」で管理されるため、売却すると翌年以降に枠が復活します。ただし年間360万円の上限は復活しないので、同一年に売買して枠を増やすことはできません。
出典:金融庁「新しいNISA」
つみたて投資枠と成長投資枠の違い
つみたて投資枠(年120万円)
金融庁が定めた「長期・積立・分散」に適した投資信託・ETFのみが対象です。信託報酬が低く、毎月一定額を買い付ける積立運用に向いています。初心者の最初の一歩はここからが定石です。
成長投資枠(年240万円)
個別株・ETF・REIT・アクティブファンドも含めて幅広く選べます。一括購入もできるため、ボーナスや退職金の非課税投資、配当株投資、テーマ型ファンド(FANG+など)に向きます。ただし高レバレッジ型・毎月分配型は除外されています。
始め方|口座開設4ステップ(SBI・楽天)
- 証券会社を選ぶ:SBI証券または楽天証券が2大定番。どちらもオルカン/S&P500のクレジットカード積立でポイントが貯まります。
- NISA口座を申込:すでに特定口座を持っているなら、Web上で「NISA口座開設」を追加するだけ。1〜2週間で税務署の確認が終わります。
- 積立設定:つみたて投資枠で月1万円〜10万円、クレカ積立にすると還元ポイントが上乗せされます。
- 商品を選ぶ:迷ったらオルカンかS&P500。次章で比較します。
年の途中からでも満額埋められる
月10万円×12か月=年120万円がつみたて枠の上限ですが、証券会社によっては「ボーナス設定」「年初一括」で年の途中から始めても120万円を満額利用できます。
おすすめ商品|オルカン・S&P500・FANG+ 比較
| 商品 | 投資対象 | 信託報酬(税込) | 想定リターン | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン) | 先進国+新興国 約3,000銘柄 | 年0.05775% | 年4〜6% | 迷ったらこれ。60代の守りにも |
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 米国大型株500銘柄 | 年0.09372% | 年6〜8% | 米国経済にベット・男性に人気 |
| iFreeNEXT FANG+ | 米大型ハイテク10銘柄 | 年0.7755% | 年10%超(高変動) | 攻めの一部・20〜30%が上限目安 |
| 楽天・オールカントリー | オルカンと同指数 | 年0.0561% | 年4〜6% | 楽天経済圏の方 |
「オルカン vs S&P500」論争がありますが、オルカンの約6割は米国株なので、どちらも中身の大半は重なります。分散性を重視するならオルカン、純粋に米国にベットするならS&P500、という整理で十分です。FANG+は値動きが激しいので、コア資産の補完として2〜3割に抑えるのが実務的です。
シミュレーション|20年積立で資産はいくらになる?
つみたて投資枠の上限(月10万円)で20年間、想定利回り別に試算した結果です。
| 月額 | 期間 | 想定利回り | 元本 | 最終資産 | 運用益(非課税) |
|---|---|---|---|---|---|
| 3万円 | 20年 | 年5% | 720万円 | 約1,233万円 | 約513万円 |
| 5万円 | 20年 | 年5% | 1,200万円 | 約2,055万円 | 約855万円 |
| 10万円 | 15年 | 年5% | 1,800万円 | 約2,673万円 | 約873万円 |
| 10万円 | 20年 | 年7%(S&P500想定) | 1,800万円 | 約5,210万円 | 約3,410万円 |
※ 複利計算の概算。実際のリターンは保証されません。運用益に通常かかる20.315%の税金がゼロになる点が新NISA最大のメリットです。
iDeCo・住宅ローンとの使い分け
iDeCoとの併用が基本
iDeCo(個人型確定拠出年金)は掛金が全額所得控除になる強力な節税制度で、年収500万円の会社員が月2.3万円拠出すると年間5.5万円前後の節税になります。ただし60歳まで引き出せません。老後資金はiDeCo、それ以外(教育・住宅・予備)はNISAが基本配分です。
詳しくは iDeCo vs NISA の使い分けの解説を参照してください。
住宅ローン繰上返済との優先順位
住宅ローン控除期間中(原則13年)は、金利1%未満の住宅ローンなら繰上返済より NISA積立が有利になりやすい構図です。控除終了後はローン金利と運用利回りの比較で判断します。
よくある誤解と落とし穴
- 「NISAなら絶対に儲かる」は誤り:税金がゼロになるだけで、元本保証ではありません。
- 毎月分配型は成長投資枠の対象外:高コスト・たこ足配当の商品は制度から除外されています。
- 売っても年間枠は復活しない:復活するのは生涯枠のみ。短期売買には不向き。
- 退職金を一括でFANG+に入れない:高変動ファンドは積立で時間分散が前提です。
- 損益通算できない:NISA口座の損失は、特定口座の利益と通算できません。
よくある質問(FAQ)
Q1. 年間・生涯の限度額はいくら?
年360万円(つみたて120+成長240)、生涯1,800万円(うち成長枠は1,200万円まで)です。
Q2. つみたて枠と成長枠は併用できますか?
できます。同一年内に合計360万円まで非課税で投資できます。
Q3. 売却したら枠は復活しますか?
生涯枠1,800万円は翌年以降に簿価ベースで復活しますが、年間360万円の上限は復活しません。
Q4. NISAとiDeCoはどちらを優先すべき?
60歳まで引き出さない老後資金はiDeCoが有利、それ以外はNISAです。基本は併用します。
Q5. 初心者のおすすめ商品は?
eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)または eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)。信託報酬0.1%前後で長期積立の定番です。