非課税とは?
所得税・住民税・相続税・贈与税の非課税範囲を完全整理【2026年版】
結論から言うと、非課税とは 税金が課されないことの総称ですが、所得税・住民税・相続税・贈与税それぞれで「何が非課税か」が違います。代表は 遺族年金・障害年金・失業給付・通勤手当(月15万円まで)・贈与税110万円・宝くじ。世帯単位の非課税は住民税非課税世帯を参照してください。
1. 所得税の非課税所得
所得税法第9条は「次に掲げる所得については、所得税を課さない」と定めており、給与所得や事業所得とは別に「非課税所得」という分類があります。代表的なものは以下です。
| 区分 | 具体例 | 非課税の範囲 |
|---|---|---|
| 公的給付 | 遺族年金/障害年金/生活保護/児童手当/児童扶養手当 | 全額 |
| 雇用保険 | 失業手当(基本手当)/育児休業給付金/介護休業給付金 | 全額 |
| 通勤手当 | 会社からの通勤手当 | 月15万円まで |
| 出張旅費・転勤手当 | 業務上必要な実費弁償 | 社会通念上相当な範囲 |
| 学資金 | 奨学金(給付型) | 原則全額 |
| 慶弔金 | 結婚祝・出産祝・見舞金・香典 | 社会通念上相当な範囲 |
| 生活用動産 | 家具・家電・衣服等の売却益 | 30万円超の貴金属等を除き全額 |
| 特殊な現金給付 | 特別定額給付金/物価高騰対策給付金等 | 立法措置で非課税 |
| 宝くじ | 当せん金 | 全額(当せん金付証票法) |
給与所得控除前の給与収入が103万円以下(基礎控除48万円+給与所得控除55万円)であれば、所得税は0円になります。これがいわゆる「103万円の壁」です。
2. 住民税の非課税
住民税は均等割と所得割の2階建てで、それぞれに非課税ラインがあります。
- 所得割の非課税ライン:合計所得金額が「35万円×(本人+扶養親族数)+32万円」以下(1級地)。単身なら所得45万円以下。
- 均等割の非課税ライン:所得割と同じ計算式(自治体によって若干異なる)。単身は所得45万円以下、扶養あり世帯は計算式で算出。
- 世帯単位:世帯全員の住民税(均等割+所得割)が0円なら住民税非課税世帯。給付金や大学無償化等の対象になります。
詳細は住民税非課税世帯とはを参照してください。
3. 相続税・贈与税の非課税
| 税目 | 非課税範囲 | 補足 |
|---|---|---|
| 相続税 基礎控除 | 3,000万円+(600万円×法定相続人数) | 法定相続人3人なら4,800万円 |
| 死亡保険金 | 500万円×法定相続人数 | 受取人が法定相続人の場合のみ |
| 死亡退職金 | 500万円×法定相続人数 | 同上 |
| 贈与税 暦年贈与 | 年110万円 | 受贈者1人あたり1月〜12月の合計 |
| 教育資金一括贈与 | 1,500万円(30歳まで) | 金融機関経由で信託契約必要 |
| 結婚・子育て資金一括贈与 | 1,000万円(50歳まで) | 金融機関経由で信託契約必要 |
| 住宅取得等資金贈与 | 最大1,000万円 | 受贈者の合計所得2,000万円以下等の要件 |
| NISA | 新NISA 生涯1,800万円(年360万円) | 運用益・配当が非課税 |
4. よくある質問(FAQ 12問)
Q1. 非課税と非課税世帯は同じですか?
違います。非課税は税金が課されないことの総称、非課税世帯は世帯全員の住民税が0円の世帯です。
Q2. 遺族年金は非課税ですか?
はい。所得税・住民税ともに非課税です(所得税法第9条)。
Q3. 障害年金は非課税ですか?
はい。障害基礎年金・障害厚生年金とも非課税です。確定申告で申告する必要もありません。
Q4. 失業給付は非課税ですか?
はい。雇用保険の失業手当・育児休業給付金・介護休業給付金は全て非課税です。
Q5. 通勤手当は非課税ですか?
月15万円までは非課税。15万円超分は給与として課税されます。
Q6. 贈与税の非課税は年いくらですか?
暦年贈与の基礎控除は年110万円。1人の受贈者が1月〜12月に受け取った贈与の合計が110万円以下なら非課税です。
Q7. 相続税の基礎控除は?
3,000万円+(600万円×法定相続人数)。法定相続人3人なら4,800万円までが非課税です。
Q8. NISAの非課税枠は?
2024年新NISA:つみたて投資枠 年120万円、成長投資枠 年240万円。生涯投資枠1,800万円が非課税です。
Q9. パート100万円以下は非課税?
単身者の場合、給与収入100万円以下なら住民税が非課税。所得税は103万円以下なら非課税です。
Q10. 宝くじは非課税?
はい。宝くじの当選金は当せん金付証票法で非課税と定められています。
Q11. 見舞金や香典は非課税?
社会通念上相当と認められる範囲(数万円〜10万円程度)なら非課税。高額な場合は贈与税の対象になります。
Q12. 非課税所得は確定申告に書く?
原則書きません。確定申告書に書くのは課税対象の所得です。
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本ページの制度概要は、上記出典の公式情報を編集部(塩飽哲生)が確認のうえ整理しています。
初稿公開:2026年4月28日(編集・監修:塩飽哲生)