用語集 / 税金の前提知識

非課税とは?
所得税・住民税・相続税・贈与税の非課税範囲を完全整理【2026年版】

相続税と納税資金を家族で確認しもめない準備を進める場面
税額だけでなく、納税資金、家族の分け方、親の意思を早めに整理します。

結論から言うと、非課税とは 税金が課されないことの総称ですが、所得税・住民税・相続税・贈与税それぞれで「何が非課税か」が違います。代表は 遺族年金・障害年金・失業給付・通勤手当(月15万円まで)・贈与税110万円・宝くじ。世帯単位の非課税は住民税非課税世帯を参照してください。

目次(7セクション)
  1. 1. 所得税の非課税所得(遺族年金・失業給付等)
  2. 2. 住民税の非課税
  3. 3. 相続税・贈与税の非課税
  4. 4. 消費税・印紙税の非課税
  5. 5. 「年収の壁」と非課税ライン
  6. 6. よくある質問(FAQ 15問)
  7. 7. 出典・編集者情報

1. 所得税の非課税所得

所得税法第9条は「次に掲げる所得については、所得税を課さない」と定めており、給与所得や事業所得とは別に「非課税所得」という分類があります。代表的なものは以下です。

表1. 所得税が非課税となる主な所得
区分具体例非課税の範囲
公的給付遺族年金/障害年金/生活保護/児童手当/児童扶養手当全額
雇用保険失業手当(基本手当)/育児休業給付金/介護休業給付金全額
通勤手当会社からの通勤手当月15万円まで
出張旅費・転勤手当業務上必要な実費弁償社会通念上相当な範囲
学資金奨学金(給付型)原則全額
慶弔金結婚祝・出産祝・見舞金・香典社会通念上相当な範囲
生活用動産家具・家電・衣服等の売却益30万円超の貴金属等を除き全額
特殊な現金給付特別定額給付金/物価高騰対策給付金等立法措置で非課税
宝くじ当せん金全額(当せん金付証票法)

給与所得控除前の給与収入が103万円以下(基礎控除48万円+給与所得控除55万円)であれば、所得税は0円になります。これがいわゆる「103万円の壁」です。

2. 住民税の非課税

住民税は均等割と所得割の2階建てで、それぞれに非課税ラインがあります。

  • 所得割の非課税ライン:合計所得金額が「35万円×(本人+扶養親族数)+32万円」以下(1級地)。単身なら所得45万円以下。
  • 均等割の非課税ライン:所得割と同じ計算式(自治体によって若干異なる)。単身は所得45万円以下、扶養あり世帯は計算式で算出。
  • 世帯単位:世帯全員の住民税(均等割+所得割)が0円なら住民税非課税世帯。給付金や大学無償化等の対象になります。

詳細は住民税非課税世帯とはを参照してください。

3. 相続税・贈与税の非課税

表2. 相続税・贈与税の非課税範囲
税目非課税範囲補足
相続税 基礎控除3,000万円+(600万円×法定相続人数)法定相続人3人なら4,800万円
死亡保険金500万円×法定相続人数受取人が法定相続人の場合のみ
死亡退職金500万円×法定相続人数同上
贈与税 暦年贈与年110万円受贈者1人あたり1月〜12月の合計
教育資金一括贈与1,500万円(30歳まで)金融機関経由で信託契約必要
結婚・子育て資金一括贈与1,000万円(50歳まで)金融機関経由で信託契約必要
住宅取得等資金贈与最大1,000万円受贈者の合計所得2,000万円以下等の要件
NISA新NISA 生涯1,800万円(年360万円)運用益・配当が非課税

4. 消費税・印紙税の非課税

消費税にも非課税取引が定められています(消費税法第6条)。土地の譲渡・有価証券の譲渡・社会保険診療・教育サービス・住宅家賃等は非課税取引です。会社員にとって日常的なのは住宅家賃が消費税非課税であること。月10万円の家賃に消費税は乗りません。一方、駐車場の家賃や事務所家賃は課税です。

表3. 消費税の主な非課税取引
取引非課税の理由
土地の譲渡・貸付け消費の対象とならないため
有価証券・受取手形等の譲渡金融取引であるため
社会保険診療・介護保険サービス政策的配慮
学校教育(授業料・入学金等)政策的配慮
住宅家賃政策的配慮(事業用は課税)
出産費用(公的医療機関)政策的配慮
埋葬料・火葬料政策的配慮

5. 「年収の壁」と非課税ライン

パート・アルバイトで頻繁に話題になる「年収の壁」は非課税ラインと深く関わっています。それぞれ何の壁かを整理します。

表4. 年収の壁(2026年)
年収壁の種類影響
100万円住民税の壁これを超えると住民税が課税される(単身)
103万円所得税の壁これを超えると本人に所得税が発生/配偶者控除のフル適用ライン
106万円社会保険の壁(51人以上の事業所)大企業のパートは社会保険加入
130万円社会保険の壁(一般)配偶者の被扶養者から外れて自分で国保・国民年金に加入
150万円配偶者特別控除の壁配偶者特別控除が満額(38万円)から段階的に減少開始
201万円配偶者特別控除の終わり配偶者特別控除が0円

2025年の税制改正で「103万円の壁」は基礎控除引き上げにより123万円に引き上げられる方向で議論が進んでいます(2025年12月末時点で具体施行時期は調整中)。最新動向は財務省・国税庁の発表をご確認ください。

6. よくある質問(FAQ 15問)

非課税と非課税世帯は同じですか?
違います。非課税は税金が課されないことの総称、非課税世帯は世帯全員の住民税が0円の世帯です。
遺族年金は非課税ですか?
はい。所得税・住民税ともに非課税です(所得税法第9条)。
障害年金は非課税ですか?
はい。障害基礎年金・障害厚生年金とも非課税です。確定申告で申告する必要もありません。
失業給付は非課税ですか?
はい。雇用保険の失業手当・育児休業給付金・介護休業給付金は全て非課税です。
通勤手当は非課税ですか?
月15万円までは非課税。15万円超分は給与として課税されます。
贈与税の非課税は年いくらですか?
暦年贈与の基礎控除は年110万円。1人の受贈者が1月〜12月に受け取った贈与の合計が110万円以下なら非課税です。
相続税の基礎控除は?
3,000万円+(600万円×法定相続人数)。法定相続人3人なら4,800万円までが非課税です。
NISAの非課税枠は?
2024年新NISA:つみたて投資枠 年120万円、成長投資枠 年240万円。生涯投資枠1,800万円が非課税です。
パート100万円以下は非課税?
単身者の場合、給与収入100万円以下なら住民税が非課税。所得税は103万円以下なら非課税です。
宝くじは非課税?
はい。宝くじの当選金は当せん金付証票法で非課税と定められています。
見舞金や香典は非課税?
社会通念上相当と認められる範囲(数万円〜10万円程度)なら非課税。高額な場合は贈与税の対象になります。
非課税所得は確定申告に書く?
原則書きません。確定申告書に書くのは課税対象の所得です。
住宅家賃に消費税はかかりますか?
居住用住宅の家賃は消費税非課税です(消費税法第6条)。月10万円の家賃に消費税は乗りません。一方、事業用の事務所家賃や駐車場家賃は課税です。
103万円の壁は2026年も同じ?
2025年の税制改正で『103万円の壁』は基礎控除引き上げにより123万円に引き上げられる方向で議論が進んでいます(2025年12月末時点で具体施行時期は調整中)。最新情報は財務省・国税庁の発表をご確認ください。
仮想通貨の利益は非課税ですか?
いいえ、雑所得として課税対象です。年間20万円超の利益(給与所得者)は確定申告が必要。NISA口座での運用は非課税ですが、仮想通貨はNISAの対象外です。

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初稿公開:2026年4月28日(編集・監修:塩飽哲生)