住宅ローン

ふるさと納税 × 住宅ローン控除
併用時の限度額と落とし穴

ふるさと納税と住宅ローン控除は併用OK

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目次(13セクション)
  1. そもそも併用できる? 制度の基本を整理
  2. なぜ限度額が変わるのか — 控除の順序を図解
  3. 年収別・限度額シミュレーション表
  4. 初年度は確定申告、2年目以降はワンストップで
  5. 確定申告とワンストップ特例の比較表
  6. ペアローン・連帯債務の場合の計算方法
  7. iDeCo・医療費控除など他の控除との併用
  8. 住宅ローン控除の適用期間と限度額の変動
  9. 「自己負担2,000円超え」を防ぐ3つのチェックポイント
  10. 年収500万円・共働き夫婦のケーススタディ
  11. 年収800万円・単独ローンのケーススタディ
  12. 併用で損しないための年間スケジュール
  13. よくある質問(FAQ)

そもそも併用できる? 制度の基本を整理

結論から言えば、ふるさと納税と住宅ローン控除は問題なく併用できます。両制度はそれぞれ異なる税額控除・所得控除の仕組みで運用されており、制度上の排他規定はありません。

ふるさと納税の仕組み

ふるさと納税は、応援したい自治体に寄付を行い、自己負担2,000円を除いた金額が所得税と住民税から控除される制度です。控除の上限額は、納税者の所得金額住民税の所得割額によって決まります。

住宅ローン控除の仕組み

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローン残高の0.7%(2022年以降入居の場合)を最長13年間、所得税から直接差し引く税額控除です。所得税で引ききれない分は、翌年度の住民税から最大97,500円(前年の課税総所得金額等×5%)まで控除されます。

項目ふるさと納税住宅ローン控除
控除の種類所得控除+税額控除税額控除
対象税目所得税+住民税所得税(+住民税の一部)
自己負担2,000円(限度額内)なし
適用期間毎年(制限なし)最長13年
申告方法確定申告 or ワンストップ初年度は確定申告必須

なぜ限度額が変わるのか — 控除の順序を図解

ふるさと納税の実質限度額は「住民税の所得割額」をベースに計算されます。一方、住宅ローン控除のうち所得税で控除しきれない分は住民税から差し引かれるため、住民税ベースのふるさと納税限度額がわずかに縮む構造になります。

控除が適用される順序

税金の計算では、控除の適用順序が重要です。以下の順序で処理されます。

  1. 所得控除(社会保険料控除・生命保険料控除・配偶者控除など)を差し引いて課税所得を算出
  2. 課税所得に税率を掛けて所得税額を算出
  3. 所得税額から住宅ローン控除を差し引く(税額控除)
  4. 所得税で引ききれない住宅ローン控除分を住民税から差し引く(上限あり)
  5. 残った住民税の所得割額をベースに、ふるさと納税の限度額が決まる

つまり、ステップ4で住民税が減るほど、ステップ5のふるさと納税限度額も縮小します。ただし影響は多くの場合数千円〜1万円程度で、両方を活用するメリットの方がはるかに大きいです。

年収別・限度額シミュレーション表

住宅ローン控除の有無でふるさと納税の限度額がどの程度変わるのか、年収・家族構成別にまとめました。住宅ローン残高3,000万円・控除率0.7%(年間21万円の控除)を前提としています。

年収家族構成ローン控除なしローン控除あり差額
400万円独身約 4.2万円約 3.6万円▲約 6,000円
500万円独身約 6.1万円約 5.8万円▲約 3,000円
600万円夫婦約 6.9万円約 6.4万円▲約 5,000円
700万円夫婦+子1約 8.6万円約 8.2万円▲約 4,000円
800万円夫婦+子1約 12.0万円約 11.5万円▲約 5,000円
1,000万円夫婦+子1約 15.7万円約 15.0万円▲約 7,000円
1,200万円夫婦+子2約 24.2万円約 23.8万円▲約 4,000円

差は数千円〜1万円程度です。住宅ローン控除を放棄してふるさと納税を最大化する意味はなく、両方最大限に使うのが正解です。

※上記は一般的な目安です。社会保険料・生命保険料控除・配偶者特別控除などにより実際の限度額は変動します。正確な金額は源泉徴収票をもとにシミュレーションしてください。

初年度は確定申告、2年目以降はワンストップで

住宅ローン控除の初年度は確定申告が必須です。このため、同じ年にふるさと納税を行った場合もワンストップ特例は使えず、まとめて確定申告で処理します。

初年度(確定申告)の手順

  1. 寄付先自治体から「寄附金受領証明書」を受け取る
  2. 住宅ローンの「年末残高等証明書」「登記事項証明書」などを準備
  3. 確定申告書にふるさと納税の寄附金控除住宅借入金等特別控除の両方を記入
  4. e-Tax または書面で所轄税務署に提出

2年目以降の手順

  1. 住宅ローン控除は年末調整で処理(勤務先に必要書類を提出)
  2. ふるさと納税はワンストップ特例(5自治体以内)で処理可能
  3. 6自治体以上に寄付する場合は確定申告が必要

確定申告とワンストップ特例の比較表

ふるさと納税の申告方法は「確定申告」と「ワンストップ特例」の2通りあります。住宅ローン控除との関係を踏まえて整理します。

項目確定申告ワンストップ特例
寄付先の上限制限なし5自治体まで
控除の対象所得税+住民税住民税のみ
住宅ローン控除1年目利用必須利用不可
住宅ローン控除2年目以降利用可利用可
医療費控除との併用利用必須利用不可
申請期限翌年3月15日翌年1月10日
手続き先税務署寄付先自治体

注意点:ワンストップ特例を申請済みでも、後から確定申告を行うとワンストップ特例は自動的に無効になります。確定申告する場合は、すべてのふるさと納税分をまとめて申告してください。

ペアローン・連帯債務の場合の計算方法

共働き世帯では、住宅ローンの組み方によってふるさと納税の限度額計算が変わります。

ペアローンの場合

夫婦がそれぞれ別々のローン契約を結ぶ方式です。各自が住宅ローン控除を受けられるため、以下のように個別に計算します。

  • 夫:夫の所得 − 夫の住宅ローン控除額 → 夫のふるさと納税限度額
  • 妻:妻の所得 − 妻の住宅ローン控除額 → 妻のふるさと納税限度額

世帯合算ではなく名義人ごとに計算する点が重要です。

連帯債務の場合

1本のローン契約を夫婦で連帯して借りる方式です。住宅ローン控除は持分割合に応じて按分されます。たとえば持分が50:50なら、ローン残高の50%ずつに対して0.7%の控除を受けます。

連帯保証の場合

主たる債務者のみがローン控除を受けます。連帯保証人は住宅ローン控除の対象外のため、ふるさと納税の限度額に影響しません。

iDeCo・医療費控除など他の控除との併用

住宅ローン控除とふるさと納税の併用に加え、以下の控除も使っている場合は限度額がさらに変動します。

控除の種類控除区分ふるさと納税限度額への影響
iDeCo(個人型確定拠出年金)所得控除課税所得が下がり、限度額が縮小
医療費控除所得控除課税所得が下がり、限度額が縮小
生命保険料控除所得控除限度額がわずかに縮小(最大12万円控除)
配偶者特別控除所得控除控除額に応じて限度額が縮小
小規模企業共済等掛金控除所得控除課税所得が下がり、限度額が縮小

複数の控除を使う人ほど、ふるさと納税の限度額は標準的な目安表より低くなる傾向があります。正確な限度額を知るには、すべての控除を反映したシミュレーションが必要です。

住宅ローン控除の適用期間と限度額の変動

住宅ローン控除には適用期間があり、期間中と終了後でふるさと納税の限度額が変わります。

入居年適用期間控除率ローン残高上限
2022〜2025年(新築・認定住宅)13年0.7%5,000万円
2022〜2025年(新築・一般住宅)13年0.7%3,000万円
2022〜2025年(中古住宅)10年0.7%2,000〜3,000万円
2026年以降制度改正を要確認

住宅ローン控除の適用期間が終了した翌年からは、住民税からの控除がなくなるため、ふるさと納税の限度額は元の水準に戻ります。控除終了のタイミングでふるさと納税の限度額を再計算してください。

また、ローン残高は毎年減少するため、住宅ローン控除額も年々減少します。その分、ふるさと納税の限度額はわずかずつ回復していきます。

「自己負担2,000円超え」を防ぐ3つのチェックポイント

ふるさと納税で「得をしたはず」が「持ち出しになった」というケースは、限度額の超過が原因です。併用時に特に注意すべきポイントを整理します。

チェック1:住宅ローン控除額を反映したシミュレーションを使う

一般的なふるさと納税シミュレーターは住宅ローン控除を考慮していないものがあります。「住宅ローン控除あり」の入力欄があるツールを選んでください。総務省や各ポータルサイトの詳細シミュレーションが対応しています。

チェック2:年末のローン残高確定後に寄付額を調整する

住宅ローン控除は年末時点のローン残高に基づいて計算されます。繰上返済を予定している場合は、繰上返済後のローン残高で控除額を再計算し、ふるさと納税の限度額を見直しましょう。

チェック3:他の控除の申告漏れに注意する

医療費控除やiDeCoなど、確定申告で追加する控除がある場合は、すべての控除を含めたうえでふるさと納税の限度額を計算する必要があります。申告漏れがあると想定より限度額が高く計算され、超過の原因になります。

年収500万円・共働き夫婦のケーススタディ

具体的なケースで、併用時のふるさと納税限度額を計算してみます。

前提条件

  • 夫:年収500万円(会社員)、住宅ローン残高2,500万円(単独名義)
  • 妻:年収300万円(パート)、住宅ローンなし
  • 子ども:1人(16歳未満のため扶養控除なし)
  • iDeCo:夫が月額23,000円拠出(年間276,000円)

夫のふるさと納税限度額

項目金額
給与収入500万円
給与所得控除後約356万円
社会保険料控除約72万円
iDeCo所得控除27.6万円
基礎控除48万円
課税所得約208万円
所得税額(税率10%)約11.1万円
住宅ローン控除額(2,500万×0.7%)17.5万円
所得税から控除11.1万円(全額控除)
住民税への繰越6.4万円
ふるさと納税限度額(概算)約4.0万円

妻のふるさと納税限度額

妻は住宅ローン控除がないため、通常の計算で約2.8万円が目安です。世帯合計では約6.8万円のふるさと納税が自己負担2,000円×2名分で活用できます。

年収800万円・単独ローンのケーススタディ

前提条件

  • 年収800万円(会社員・独身)
  • 住宅ローン残高4,000万円(新築・認定長期優良住宅)
  • iDeCo:なし
  • 医療費控除:なし

ふるさと納税限度額の計算

項目金額
給与収入800万円
給与所得控除後約610万円
社会保険料控除約114万円
基礎控除48万円
課税所得約448万円
所得税額(税率20%)約47.3万円
住宅ローン控除額(4,000万×0.7%)28万円
所得税から控除28万円(全額控除)
住民税への繰越0円(所得税で控除しきれた)
ふるさと納税限度額(概算)約12.0万円

所得税額が住宅ローン控除額を上回る場合、住民税への繰越が発生しないため、ふるさと納税の限度額への影響はほぼゼロになります。年収が高いほど併用のデメリットは小さくなる傾向です。

併用で損しないための年間スケジュール

ふるさと納税と住宅ローン控除を併用する際の、月別のやることリストです。

時期やること
1月前年分のワンストップ特例の申請期限(1月10日必着)。確定申告の準備開始
2〜3月確定申告(初年度の住宅ローン控除+ふるさと納税)。期限は3月15日
4〜5月住民税決定通知書で控除額を確認。想定どおりか検算
6月新年度の住民税額が確定。今年のふるさと納税限度額の概算を開始
10月金融機関から「年末残高等証明書」が届く。控除額を概算
11月年末調整(2年目以降の住宅ローン控除)。ふるさと納税の限度額を確定
12月ふるさと納税の寄付を実行(限度額を超えないよう調整)

ポイント:ふるさと納税は12月末ぎりぎりまでに寄付すれば当年の控除対象になります。年末調整で住宅ローン控除額が確定してから寄付額を決めると、限度額超過のリスクを最小化できます。

よくある質問(FAQ)

ふるさと納税と住宅ローン控除は同時に使えますか?
はい、併用できます。ただし住宅ローン控除で住民税が減額されるため、ふるさと納税の実質限度額がわずかに下がる場合があります。多くのケースで差額は数千円〜1万円程度です。
住宅ローン控除1年目にワンストップ特例は使えますか?
使えません。住宅ローン控除の初年度は確定申告が必須のため、ふるさと納税もまとめて確定申告で処理します。ワンストップ特例が使えるのは2年目以降です。
併用すると自己負担が2,000円を超えることはありますか?
住宅ローン控除を考慮せずに限度額を計算した場合、限度額を超過して自己負担が増えるケースがあります。シミュレーションツールで住宅ローン控除額を反映した限度額を事前に確認してください。
ペアローンの場合、ふるさと納税の限度額はどう計算しますか?
ペアローンでは夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けるため、各自の所得・控除額に基づいて個別にふるさと納税の限度額を計算します。世帯合算ではなく、名義人ごとに計算する点に注意してください。
iDeCoや医療費控除も併用するとどうなりますか?
iDeCo(小規模企業共済等掛金控除)や医療費控除を併用すると課税所得がさらに下がるため、ふるさと納税の限度額も追加で縮小します。すべての控除を反映したシミュレーションが必要です。
住宅ローン控除が終了した年はふるさと納税の限度額が増えますか?
はい、住宅ローン控除の適用期間が終了すると住民税からの控除がなくなるため、ふるさと納税の限度額は通常の水準に戻ります。控除終了年は限度額を再計算してください。

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最終確認日:2026年5月15日

※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。

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