都道府県別 年金 可処分所得ランキング47
物価地域差を加味した実質家計【2026】
「年金額が高い県=豊かな老後」とは限りません。厚労省「年金事業の概況」の都道府県別年金月額に、総務省「消費者物価地域差指数」で調整した地域別生活費を差し引いた「実質可処分所得(高齢夫婦無職世帯モデルの月次収支)」を独自に算出し、47都道府県でランキングしました。1位は奈良県、年金1位の神奈川県は5位。「年金が高くても物価がそれを打ち消す」という構造が見えます。CC BY 4.0で引用OK。
結論(3行まとめ)
- すべての都道府県が「年金だけでは月赤字」。月4.5〜8.6万円の取り崩しが必要
- 可処分所得 上位5位:奈良・愛知・千葉・兵庫・神奈川(年金が高く物価も穏やかな県)
- 下位5位:山形・沖縄・秋田・高知・青森(年金が低く、寒冷地・離島特有の生活費が重い)
算出方法(家計モデル)
計算式
① 年金収入(月額)= 都道府県別 厚生年金月額(基礎込み・男女計)+ 老齢基礎年金 満額(69,308円・配偶者分)
② 生活費(月額)= 全国平均 高齢夫婦無職世帯 消費支出 282,497円 × 都道府県別 消費者物価地域差指数 ÷ 100
③ 可処分所得(月額)= ① − ②
- 世帯モデル:夫が会社員・厚生年金受給/妻が老齢基礎年金 満額(2026年度)
- 消費支出 全国平均:総務省「家計調査」高齢夫婦無職世帯 282,497円/月(2024年)
- 物価指数:総務省「消費者物価地域差指数」2024年(令和6年)結果・総合・全国=100
- 限界:住居費(持家・賃貸)の差は反映していない単純モデル。実家計とのズレは数万円ある可能性あり
47都道府県 可処分所得ランキング(クリックでソート)
| 順位 | 都道府県 | 年金収入 月額 | 生活費 月額(地域差調整) | 物価指数 | 可処分所得 月額 | 参考:厚生年金順位 |
|---|
上位10・下位10 比較グラフ
バーは可処分所得(負の値)。短いほど赤字が小さく、生活が成り立ちやすい。
3つの注目ポイント
① 1位は奈良県、神奈川は5位まで後退
奈良県は厚生年金4位(162,292円)かつ物価指数98.1(全国平均以下)で、可処分所得は月-45,530円と最も赤字が小さい。年金1位の神奈川県は物価指数103.3(全国2位)のため、可処分所得では5位(月-52,054円)まで後退します。「都心の年金額が高い」のは、現役時代の高賃金と引き換えに、引退後の高い物価に見合うだけの構造が見えます。
② 愛知・千葉・兵庫が上位に — 「中堅年金×穏やかな物価」
愛知(2位)・千葉(3位)・兵庫(4位)はいずれも年金月額で全国10位以内、かつ物価指数100前後と穏やか。「都市圏のメリットを取りつつ生活費が爆発しない」中間ゾーンが、可処分所得では最も豊かな結果になります。
③ 山形・沖縄・秋田・北海道は二重苦
山形(47位・月-85,975円)は年金が低い(42位)うえに物価指数101.4(東北で最高)。沖縄(46位)は年金46位かつ物価100.2(離島価格)。北海道は年金中位ながら物価101.9(暖房費・冬季食費)でやはり厳しい。「物価が安いから年金が少なくても暮らせる」は寒冷地・離島では成立しないのが実データの示すところです。
月の赤字を埋めるのに必要な貯蓄
可処分所得(赤字額)を65歳から30年(95歳まで)で取り崩すと仮定した必要貯蓄額です。退職金・iDeCo・新NISAでの準備が必要な金額の目安。
| 都道府県 | 月の赤字 | 30年分(取り崩し) | 20年分 |
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引用・埋め込みコード(CC BY 4.0)
本ランキングはクリエイティブ・コモンズ表示4.0(CC BY 4.0)で公開。出典「IKIGAI TOWN(https://ikigai.town/ja/columns/nenkin/todofuken-kashobun-ranking.html)」を明記すれば、自由に引用・転載・埋め込み・改変できます。原データの著作権は厚生労働省・総務省統計局に帰属します。
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出典
- 年金月額:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」付属資料・都道府県別老齢年金平均月額(令和6年度末=2025年3月末)
- 物価指数:総務省統計局「消費者物価地域差指数 2024年(令和6年)結果」総合・全国=100
- 消費支出:総務省「家計調査」高齢夫婦無職世帯 月平均消費支出
- 関連記事:都道府県別 年金受給額ランキング47(金額順)/老後2,000万円問題のリアル
よくある質問
- 「全部赤字」というのは本当?
- はい。総務省家計調査の高齢夫婦無職世帯の消費支出は全国平均で月約28万円。一方、夫の厚生年金(全国平均約15万円)+妻の基礎満額(約7万円)=約22万円。実支出27万円との差6万円程度がいわゆる「老後2,000万円問題」の根です。
- 年金1位の神奈川県が可処分所得で中位なのはなぜ?
- 神奈川の物価指数は103.3(全国2位)で、生活費が全国平均より約8,300円高くなるため、年金額の優位が打ち消されます。同様に東京は物価指数104.0で年金優位がほぼ相殺されます。
- 住居費は反映されている?
- 消費者物価地域差指数の「住居」項目は反映されますが、持家/賃貸の差は反映していません。持家率が高い地方では実質的に可処分所得がさらに大きく、賃貸主体の都市部では可処分所得がさらに小さくなる方向です。
- 共働きで妻も厚生年金を受給する場合は?
- 本モデルは妻=基礎年金満額のみの保守的シナリオです。妻も厚生年金を受給する共働き世帯では、可処分所得が月3〜10万円上振れし、地方県では黒字になるケースもあります。