都道府県別 年金 可処分所得ランキング47
物価地域差を加味した実質家計【2026】
すべての都道府県が「年金だけでは月赤字」。
記事の答えを確認した次に
年金のこと、結局どこから決めればいい?
決めるタイミング: 制度を一通り読んでも、自分に必要な手続きや判断が絞れないとき。
相談で繰り返される本音
- 制度の名前が多く、自分に関係するものが分からない
- 親世代の話と今の制度が違いそうで不安
- 金額、働き方、受け取り時期を一緒に考えたい
初回で口頭整理できること
初回は、いま迷っていることを伺い、決める順番と確認が必要な数字を口頭で整理します。
その次に分けること
追加計算や専門家の確認が必要な論点は、次に集める資料と確認先を分けます。
初回の範囲: 初回で資料の完成、制度の適用判定、手続き代行、金融商品の見積り・申込みは行いません。
相談前のFAQ
資料がそろっていなくても相談できますか?
はい。初回は、いま分かる範囲から迷いと確認順を整理します。通知書、通帳、財産や家計のメモなどが手元にあれば、分かる範囲だけご用意ください。
初回で何を持ち帰れますか?
いま決めること、まだ決めなくてよいこと、次に確認する数字や窓口を口頭で整理して持ち帰れます。初回当日の資料完成は約束していません。
初回に商品や契約の話がありますか?
初回は迷いと数字の整理に使います。金融商品の見積り、申込み、契約変更は初回の範囲に含みません。
目次(16セクション)
算出方法(家計モデル)
計算式
① 年金収入(月額)= 都道府県別 厚生年金月額(基礎込み・男女計)+ 老齢基礎年金 満額(69,308円・配偶者分)
② 生活費(月額)= 全国平均 高齢夫婦無職世帯 消費支出 282,497円 × 都道府県別 消費者物価地域差指数 ÷ 100
③ 可処分所得(月額)= ① − ②
- 世帯モデル:夫が会社員・厚生年金受給/妻が老齢基礎年金 満額(2026年度)
- 消費支出 全国平均:総務省「家計調査」高齢夫婦無職世帯 282,497円/月(2024年)
- 物価指数:総務省「消費者物価地域差指数」2024年(令和6年)結果・総合・全国=100
- 限界:住居費(持家・賃貸)の差は反映していない単純モデル。実家計とのズレは数万円ある可能性あり
47都道府県 可処分所得ランキング(クリックでソート)
| 順位 | 都道府県 | 年金収入 月額 | 生活費 月額(地域差調整) | 物価指数 | 可処分所得 月額 | 参考:厚生年金順位 |
|---|
上位10・下位10 比較グラフ
バーは可処分所得(負の値)。短いほど赤字が小さく、生活が成り立ちやすい。
3つの注目ポイント
① 1位は奈良県、神奈川は5位まで後退
奈良県は厚生年金4位(162,292円)かつ物価指数98.1(全国平均以下)で、可処分所得は月-45,530円と最も赤字が小さい。年金1位の神奈川県は物価指数103.3(全国2位)のため、可処分所得では5位(月-52,054円)まで後退します。「都心の年金額が高い」のは、現役時代の高賃金と引き換えに、引退後の高い物価に見合うだけの構造が見えます。
② 愛知・千葉・兵庫が上位に — 「中堅年金×穏やかな物価」
愛知(2位)・千葉(3位)・兵庫(4位)はいずれも年金月額で全国10位以内、かつ物価指数100前後と穏やか。「都市圏のメリットを取りつつ生活費が爆発しない」中間ゾーンが、可処分所得では最も豊かな結果になります。
③ 山形・沖縄・秋田・北海道は二重苦
山形(47位・月-85,975円)は年金が低い(42位)うえに物価指数101.4(東北で最高)。沖縄(46位)は年金46位かつ物価100.2(離島価格)。北海道は年金中位ながら物価101.9(暖房費・冬季食費)でやはり厳しい。「物価が安いから年金が少なくても暮らせる」は寒冷地・離島では成立しないのが実データの示すところです。
月の赤字を埋めるのに必要な貯蓄
可処分所得(赤字額)を65歳から30年(95歳まで)で取り崩すと仮定した必要貯蓄額です。退職金・iDeCo・新NISAでの準備が必要な金額の目安。
| 都道府県 | 月の赤字 | 30年分(取り崩し) | 20年分 |
|---|
可処分所得の計算方法と地域差の要因
「可処分所得」とは、収入から税金・社会保険料・生活必需費を差し引いた後に手元に残る金額です。年金生活者の場合、年金収入がほぼ唯一の定期収入であるため、可処分所得の大小が老後の生活水準を直接左右します。
都道府県間で可処分所得に差が生まれる主な要因は3つです。第一に年金受給額の差。現役時代の賃金水準が高い都市部(東京・神奈川・愛知など)は厚生年金額も高くなります。第二に物価水準の差。総務省「消費者物価地域差指数」では東京100.5、大阪100.1に対し、群馬96.5、宮崎97.2と地方は低め。第三に生活費構造の差。特に光熱費(北海道の冬季暖房)や家賃(都市圏)は指数に反映しきれない上乗せが生じます。
本ランキングでは物価地域差指数を使って生活費を調整していますが、持家率・賃貸率の違いは吸収しきれていません。持家比率が高い地方(秋田85%・富山79%)では実際の住居費負担が低く、逆に賃貸中心の都市圏(東京の持家率44%)は家賃が重くのしかかります。実態はランキング以上に地方有利・都市圏不利な傾向があります。
| 要因 | 都市圏 | 地方 |
|---|---|---|
| 厚生年金額 | 高い(高賃金現役時代) | 低い(賃金水準が低め) |
| 消費者物価地域差指数 | 100以上(東京100.5) | 100未満(群馬96.5) |
| 持家率 | 低い(東京44%) | 高い(秋田85%) |
| 光熱費(冬季) | 普通 | 寒冷地で高騰(北海道は年6〜10万円追加) |
これらの要因が複合して「物価安 × 賃金高(工業県など)」の地域が可処分所得で上位に並びます。逆に「物価高 × 賃金安(沖縄・山形)」や「物価高 × 光熱費高(北海道)」は赤字幅が大きくなります。
年収vs可処分所得の違い——現役時代の感覚をリセットする
「年収が高かったから老後も余裕があるはず」と思いがちですが、年収と可処分所得は別物です。現役時代の年収には所得税・住民税・厚生年金保険料・健康保険料・雇用保険料が含まれており、手取りは年収の75〜80%程度です。年収600万円でも手取りは約450〜480万円(月38〜40万円)に過ぎません。
老後の年金受給額はすでに「手取りに近い額」で示されますが、そこから介護保険料・後期高齢者医療保険料・住民税(年金にも課税)が天引きされます。月に受け取る厚生年金20万円の場合、実際の手取りは17〜18万円程度になるケースが多く、高額所得者ほど税負担比率が上がります。
| 区分 | 現役時代(年収600万円モデル) | 老後(年金月20万円モデル) |
|---|---|---|
| 収入(額面) | 600万円/年(月50万円) | 240万円/年(月20万円) |
| 社会保険料 | 約80万円/年(約13%) | 約18万円/年(介護+後期医療) |
| 所得税・住民税 | 約60万円/年 | 約10〜15万円/年 |
| 手取り(月換算) | 約38〜40万円 | 約17〜18万円 |
| 生活費(全国平均) | 支出は自由 | 高齢夫婦世帯282,497円/月 |
| 可処分所得 | プラス | 月△6〜11万円(全都道府県赤字) |
現役時代の年収感覚のまま老後設計をすると「思ったより年金が少ない」という誤算が生じます。FP相談では「ねんきん定期便の見方」と「実際の手取り試算」から始めることで、この落差を事前に把握し対策を立てることができます。
住居費・物価を考慮した実質購買力——「どこに住むか」で老後が変わる
同じ年金額でも、住む場所によって生活水準は大きく変わります。総務省「消費者物価地域差指数」だけでなく、住居費(家賃・住宅ローン残債)を別途考慮すると、実質購買力の地域差はさらに拡大します。
東京23区で賃貸1LDKに住む65歳夫婦の場合、家賃は月12〜18万円が相場。これだけで生活費の40〜60%を占めます。一方、地方中核都市(盛岡・松江・宮崎など)で持家の場合、住居費は固定資産税・修繕積立を合わせても月1〜3万円程度。住居費だけで月10万円以上の実質的な差が生まれます。
| 居住パターン | 住居費(月) | 可処分所得への影響 |
|---|---|---|
| 東京23区・賃貸1LDK | 13〜18万円 | 赤字が月15〜20万円超になりやすい |
| 政令市(大阪・名古屋等)賃貸 | 8〜12万円 | 赤字が月10〜14万円程度 |
| 地方都市・持家(ローン完済) | 1〜3万円(税・修繕) | 赤字が月5〜8万円に圧縮 |
| 地方・実家継承(ゼロコスト) | ほぼ0円 | 赤字が月3〜5万円に縮小 |
「老後は都市部に残るか地方に移るか」は単なる好みの問題ではなく、老後の家計収支に年間100万円以上の差をもたらす戦略的決断です。持家の有無・住居費水準を含めた「実質購買力」をFPと一緒に試算することで、移住・住み替えの費用対効果を数字で確認できます。
なお、医療費についても地域差があります。後期高齢者医療の保険料は都道府県ごとに異なり、2026年度では最も高い神奈川県(月10,561円)と最も低い秋田県(月5,253円)で約2倍の差があります。医療機関へのアクセス(通院交通費)も地方では車必須のコストとして加わります。
共働き世帯の可処分所得比較——夫婦2人分の年金で老後はどう変わるか
本ランキングの世帯モデルは「夫が厚生年金・妻が基礎年金満額」の片働きモデルです。しかし、現在50代以下では共働きが主流で、妻も厚生年金を受給する世帯が増えています。共働き世帯では老後の年金収入が大幅に増え、可処分所得の構図が変わります。
厚生労働省によると、2024年度の女性厚生年金受給者の平均月額は約103,026円です。これに基礎年金(69,308円)を加えると、妻の年金月額は約172,334円。片働きモデルで想定していた「妻=基礎年金のみ(69,308円)」と比較すると、月10万円超の収入増になります。
| 世帯モデル | 夫の年金(月) | 妻の年金(月) | 世帯合計(月) | 生活費差引後(全国平均) |
|---|---|---|---|---|
| 片働き(本ランキングのモデル) | 165,000円(平均) | 69,308円(基礎のみ) | 約234,308円 | △約48,000円(赤字) |
| 共働き(フルタイム・妻も厚生年金) | 165,000円 | 172,334円 | 約337,334円 | +約54,000円(黒字) |
| 共働き(妻パート・短時間厚生年金) | 165,000円 | 110,000円(試算) | 約275,000円 | △約7,000円(ほぼ均衡) |
共働きフルタイム世帯では年金だけで生活費を賄え、月5万円超の黒字になる計算です。ただしこれは全国平均の生活費を使った試算であり、都市圏・賃貸住まいの場合は住居費で赤字に転じます。また、妻の就業期間・標準報酬月額によって年金額は大きく変わります。
「共働きだから老後は大丈夫」と思い込むのは危険で、夫婦それぞれの「ねんきん定期便」を持ち寄って合算した世帯年金額を確認することが第一歩です。FP相談ではこの合算試算を60分で行い、不足額と備え方を一緒に整理します。
老後の可処分所得シミュレーション——65歳〜95歳の30年を数字で見る
「月△6万円の赤字」と言われてもピンと来ない方のために、65歳から95歳までの30年間を通じた累積不足額と必要な備えを試算します。インフレ率を年1%と仮定した場合、30年後の生活費は現在の約1.35倍になります。表の「インフレ調整後30年」は、生活費と年金がともに毎年1%ずつ上がり、月の赤字も毎年1%ずつ増えると置いた30年間の名目の累計(月赤字×12×(1.01の30乗−1)÷0.01=月赤字×約417か月分)です。
| 月赤字額 | 10年間(75歳) | 20年間(85歳) | 30年間(95歳) | インフレ調整後30年 |
|---|---|---|---|---|
| △3万円(上位県・地方持家) | 360万円 | 720万円 | 1,080万円 | 約1,250万円 |
| △6万円(全国平均モデル) | 720万円 | 1,440万円 | 2,160万円 | 約2,500万円 |
| △9万円(都市圏賃貸) | 1,080万円 | 2,160万円 | 3,240万円 | 約3,760万円 |
| △15万円(東京23区高家賃) | 1,800万円 | 3,600万円 | 5,400万円 | 約6,260万円 |
10〜30年間の列は月赤字×12×年数の単純計算。インフレ調整後30年は上の式で計算(年金の伸びが物価より小さいと、赤字はこれより大きくなります)。表内の計算は2026年10月確認。
「老後2,000万円問題」が話題になりましたが、都市圏の賃貸世帯では2,000万円では到底足りず、物価上昇を年1%と置くと約3,800〜6,300万円の準備が必要になる計算です。一方、地方の持家・低物価エリアでは1,000万円台の準備で乗り切れる可能性があります。
必要な備えの原資は①退職金②iDeCo③新NISA④企業年金⑤就労延長による受給額増(繰下げ)の組み合わせです。繰下げ受給は1ヶ月あたり0.7%増額(最大75歳まで84%増額)となり、70歳まで繰り下げると42%増額。月16万円の年金が月22万7,200円になり、赤字幅が月6万円以上圧縮されます。
重要なのは「いつから、どの順番で資産を使うか」というキャッシュフロー設計です。NISAを先に取り崩すか、iDeCoを先に受け取るか、年金を繰り下げる間の生活費はどこから出すか——これらを整理しないと、節税メリットを損なったり、受給漏れが発生したりします。
よくある質問(FAQ)
- 可処分所得のランキングで1位の都道府県に引っ越せば老後は安心ですか?
- ランキング上位(奈良・愛知・千葉など)への移住は確かに家計改善効果があります。ただし、移住にかかる引越し費用・新居取得コスト・慣れない土地での医療アクセスなども考慮が必要です。移住によるコスト削減効果が移住コストを上回るか、FPと具体的に試算してから判断することをお勧めします。一般的に「移住コスト回収」には5〜7年かかるとされています。
- このランキングの年金額は自分の受給額と一致しますか?
- 一致しません。本ランキングは都道府県別の平均値を使った参考ランキングです。実際の受給額は、現役時代の加入期間・標準報酬月額・受給開始年齢によって個人差が大きく出ます。自分の見込み額は「ねんきんネット」または「ねんきん定期便」で確認し、それを使って個別にシミュレーションするのが正確です。
- 年金に加えてどのくらい貯蓄があれば安心ですか?
- 居住地・住居費・健康状態・生活スタイルによって大きく異なります。全国平均モデルで月△6万円の赤字を30年(95歳まで)補填するには、インフレ(年1%)を考慮すると約2,500万円が目安です。ただし都市圏賃貸では約3,800万円、地方持家では1,000万円台と幅があります。「必要額」は個人差が大きいため、FPに現状を整理してもらうのが最も確実です。
- 年金繰下げ受給は全員にとってお得ですか?
- そうとは限りません。繰下げ受給は長生きするほど有利な仕組みですが、健康状態・他の収入源・配偶者の年金・税負担増の観点から不利になるケースもあります。たとえば、加給年金(配偶者がいる場合の加算)は繰下げ期間中に支給されません。また、高額療養費・住民税非課税世帯の基準を超えてしまうと、医療費や介護費の自己負担が増える逆転現象も起こり得ます。繰下げの判断は総合的に行う必要があります。
- 共働き夫婦は老後の年金で生活費を賄えますか?
- 夫婦ともフルタイムで厚生年金に加入していた場合、全国平均の生活費(月28万円)を年金だけで賄える可能性があります。ただし、都市圏で賃貸に住んでいる場合は家賃が加わるため赤字になります。また、妻の就業期間が短い・パートで厚生年金未加入の期間があるなど、加入実態によって大きく変わります。「ねんきん定期便」を夫婦2人分持ち寄って合算確認することが第一歩です。
- 年金以外に老後の収入源を作る方法はありますか?
- 主な選択肢は①就労延長(65〜70歳の在職老齢年金を活用しながら働く)②iDeCo・企業年金の受け取り③新NISAの取り崩し④不動産収入⑤配当収入(インデックス投資)の5つです。これらは税制・受け取り順序・年金との組み合わせによって手取り額が変わるため、単体で考えず「老後キャッシュフロー全体」として設計することが重要です。FPはこの全体設計を一枚の表にまとめるお手伝いができます。
出典・改訂履歴・免責事項を見る
本ページの制度概要・要件・税率は、以下の公式情報を編集部が確認のうえ整理しています(執筆時点)。最新かつ正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。FPは記事を直接監修してはおらず、関連テーマでご相談を受けるFPとしてご紹介しています。
- 出典: 厚生労働省 公式サイト — 各種給付金・社会保険・労働関連制度の所管
- 出典: 内閣府 公式サイト — 子ども・子育て支援、低所得世帯給付金の所管
- 出典: 国税庁 公式サイト — 定額減税・税制上の優遇措置
- 出典: 日本年金機構 公式サイト — 年金制度・年金生活者支援給付金
- 出典: 総務省 公式サイト — マイナンバー制度・自治体情報
- 出典: ハローワーク インターネットサービス — 失業給付・育児休業給付金
最終確認日:2026年5月15日
※本記事は2026年4月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。
本相談は年金事務所・自治体・勤務先の手続きや受給額の確定を代行するものではありません。