年金・老後

都道府県別 年金受給額ランキング47
令和6年度末・厚労省公表データ【2026】

老後資金と使ってよいお金を逆算して家計を整える場面
年金額だけでなく、医療費、楽しみ、使ってよいお金の余白まで確認します。

1位 神奈川 170,457円/2位 千葉 165,103円/3位 東京 163,892円/4位 奈良 162,292円/5位 埼玉 161,752円(厚生年金第1号・基礎込み・月額)

記事の答えを確認した次に

年金のこと、結局どこから決めればいい?

決めるタイミング: 制度を一通り読んでも、自分に必要な手続きや判断が絞れないとき。

相談で繰り返される本音

  • 制度の名前が多く、自分に関係するものが分からない
  • 親世代の話と今の制度が違いそうで不安
  • 金額、働き方、受け取り時期を一緒に考えたい

初回で口頭整理できること

初回は、いま迷っていることを伺い、決める順番と確認が必要な数字を口頭で整理します。

その次に分けること

追加計算や専門家の確認が必要な論点は、次に集める資料と確認先を分けます。

初回の範囲: 初回で資料の完成、制度の適用判定、手続き代行、金融商品の見積り・申込みは行いません。

相談前のFAQ

資料がそろっていなくても相談できますか?

はい。初回は、いま分かる範囲から迷いと確認順を整理します。通知書、通帳、財産や家計のメモなどが手元にあれば、分かる範囲だけご用意ください。

初回で何を持ち帰れますか?

いま決めること、まだ決めなくてよいこと、次に確認する数字や窓口を口頭で整理して持ち帰れます。初回当日の資料完成は約束していません。

初回に商品や契約の話がありますか?

初回は迷いと数字の整理に使います。金融商品の見積り、申込み、契約変更は初回の範囲に含みません。

目次(14セクション)
  1. 47都道府県ランキング表(クリックでソート)
  2. 上位10・下位10 比較グラフ
  3. 参考:国民年金 都道府県別 平均月額
  4. なぜ地域差が生まれるのか
  5. 高齢夫婦無職世帯の支出と比べる
  6. 厚生年金 vs 国民年金 — 地域格差の実態
  7. 年金受給額と生活費のバランス — 都市 vs 地方
  8. 年金受給開始年齢の選択と地域差
  9. 年金を補う資産形成戦略
  10. よくある質問(FAQ)

47都道府県ランキング表(クリックでソート)

列見出しをクリックすると並び替え。「厚生年金月額」は基礎年金分を含む合算(厚労省 注2)。差額は1位との差。

順位 都道府県 厚生年金 月額(基礎込み) 国民年金 月額 1位との差 受給者数

上位10・下位10 比較グラフ

参考:国民年金 都道府県別 平均月額

国民年金(旧法老齢年金+新法老齢基礎年金)受給者の都道府県別平均月額。1位 富山 62,989円/47位 沖縄 54,217円。納付率と納付月数の差が反映されています(全国平均 59,431円)。

なぜ地域差が生まれるのか

都道府県別の年金額の差は、現役時代の賃金水準と厚生年金加入率でほぼ説明できます。

  • ① 厚生年金加入率:大企業本社・製造業・金融サービスが集積する首都圏・近畿圏は、サラリーマン比率が高く厚生年金加入期間が長い
  • ② 平均賃金:東京・神奈川・大阪は時給ベースの平均賃金が地方より20〜30%高く、標準報酬月額も高い
  • ③ 自営業比率:農業・漁業・観光業中心の地域は国民年金のみの加入者比率が高く、厚生年金平均額が下がる
  • ④ 女性の就労形態:共働きで妻も厚生年金に長期加入する地域ほど世帯年金額は底上げされる
  • ⑤ 注目の例外 — 奈良4位:大阪・京都の通勤圏で「都市部で働き、奈良に住む」高所得サラリーマンが多いため、住民票ベースで集計すると上位に来やすい

※ 沖縄・青森・宮崎が下位に来るのは、第1次産業比率と中小企業比率の高さに起因します。沖縄の国民年金平均(54,217円)も全国最低で、納付率の低さが効いています。

高齢夫婦無職世帯の支出と比べる

総務省「家計調査」によると高齢夫婦無職世帯の実支出は月約27万円。これを夫の厚生年金+妻の老齢基礎年金(満額月70,608円・2026年度)の合算で賄うと考えると、地域別の不足額は次の通り。

世帯モデル(夫の厚生年金+妻の基礎満額)月額月27万円との差30年合計の不足
神奈川県(夫170,457+妻70,608)241,065円-28,935円約1,042万円
東京都(夫163,892+妻70,608)234,500円-35,500円約1,278万円
大阪府(夫156,272+妻70,608)226,880円-43,120円約1,552万円
愛知県(夫160,766+妻70,608)231,374円-38,626円約1,391万円
北海道(夫141,069+妻70,608)211,677円-58,323円約2,100万円
青森県(夫128,129+妻70,608)198,737円-71,263円約2,565万円
沖縄県(夫128,819+妻70,608)199,427円-70,573円約2,541万円

※夫の厚生年金は令和6年度末の都道府県別平均月額、妻の老齢基礎年金は2026年度の満額(月70,608円)。30年合計の不足は月の差×360か月の概算です。出典: 厚生労働省『令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』、厚生労働省『令和8年度の年金額改定についてお知らせします』(令和8年1月23日)、2026年10月確認。

厚生年金 vs 国民年金 — 地域格差の実態

日本の公的年金は厚生年金(第1号厚生年金)と国民年金(基礎年金)の2階建て構造ですが、都道府県によって両者の格差には大きな差があります。厚生年金は現役時代の報酬比例であるため、賃金水準が高い都市部ほど受給額が高くなります。一方、国民年金は満額でも月70,608円(2026年度)で地域差は比較的小さく、最大でも9,000円程度の差にとどまります。

都道府県別に厚生年金と国民年金の格差を比較すると、格差の構造が浮かび上がります。

都道府県グループ厚生年金月額(基礎込み)国民年金月額厚生年金が国民年金の何倍か
首都圏上位(神奈川・千葉・東京)163,000〜170,000円59,000〜61,000円約2.7〜2.8倍
近畿・中部(奈良・埼玉・愛知)155,000〜162,000円58,000〜60,000円約2.6〜2.7倍
地方中核都市(福岡・広島・宮城)145,000〜155,000円57,000〜59,000円約2.5〜2.6倍
農業・漁業中心県(青森・秋田・沖縄)128,000〜135,000円54,000〜56,000円約2.3〜2.4倍

重要なのは、国民年金のみ加入者(自営業・農業従事者など)は厚生年金の上乗せがないという点です。青森・沖縄のような農業・漁業比率の高い県では、国民年金のみの高齢者が多く、世帯全体の年金収入は月10〜12万円前後にとどまるケースが珍しくありません。厚生年金加入者と国民年金のみ加入者の生涯受給額差は、条件によっては3,000万円以上に達することもあります。

このような構造的格差に対応するため、自営業者・フリーランスには国民年金基金・iDeCo・小規模企業共済といった上乗せ制度が用意されています。会社員でも企業年金(確定給付・確定拠出)の有無で手取り年金額は大きく異なります。自分の年金の「2階・3階部分」が何であるかを把握することが老後設計の第一歩です。

年金受給額と生活費のバランス — 都市 vs 地方

「年金が多い都市部の方が老後は安心」と思われがちですが、実際には生活費も都市部ほど高いため、単純比較はできません。年金受給額から生活費を引いた「月次余剰額」で見ると、地方移住の優位性が浮かび上がってきます。

総務省「家計調査(2025年)」および各都市の平均家賃データをもとに、夫婦世帯の月次収支を試算すると次のようになります。

居住地世帯年金月額(概算)月額生活費(家賃含む)月次余剰額30年間の累積
東京23区約233,000円約285,000円▲52,000円▲1,872万円
横浜市約240,000円約265,000円▲25,000円▲900万円
名古屋市約230,000円約245,000円▲15,000円▲540万円
福岡市約215,000円約220,000円▲5,000円▲180万円
地方中核都市(人口20〜50万)約195,000円約195,000円ほぼ均衡約0円
地方小都市・農村部約170,000円約165,000円+5,000円+180万円

この試算が示すとおり、東京23区では月5万円超の不足が生じ、30年間で約1,900万円の貯蓄取り崩しが必要になります。一方、地方小都市では年金だけで収支がほぼ均衡する世帯も存在します。近年「年金生活のための地方移住」を選ぶ60代が増えているのは、こうした数字が背景にあります。

ただし、移住には医療アクセス・介護施設の充実度・子どもとの距離という非金銭的コストもあります。地方移住のメリット・デメリットは純粋な家計計算だけでなく、ライフスタイル全体を俯瞰して判断する必要があります。FP相談では、移住候補地の生活費試算や医療費シミュレーションも含めて整理することができます。

年金受給開始年齢の選択と地域差

年金は60歳から75歳の間で受給開始年齢を選ぶことができます(2022年4月改正)。繰上げ受給(60〜64歳開始)では1ヶ月あたり0.4%減額、繰下げ受給(66〜75歳開始)では1ヶ月あたり0.7%増額されます。70歳開始なら65歳比で42%増、75歳開始なら84%増になります。

この選択は都道府県別の平均寿命・健康寿命の差とも密接に関連します。厚生労働省「都道府県別生命表(2020年)」によると、男性の平均寿命は長野・滋賀・奈良が上位(82〜83歳台)、青森・秋田が最下位(78〜79歳台)で、差は約4〜5年に及びます。

受給開始年齢65歳比の増減率月額(神奈川170,457円ベース)65歳からの累積受給額が逆転する年齢
60歳(繰上げ最大)▲24%約129,547円80歳前後
62歳▲14.4%約145,911円79歳前後
65歳(標準)±0%170,457円—
68歳+25.2%約213,412円81歳前後
70歳+42%約242,049円82歳前後
75歳(繰下げ最大)+84%約313,641円86歳前後

平均寿命が短い傾向にある青森・秋田では、繰下げの「損益分岐点」を超えられないリスクが相対的に高くなります。一方、長野・滋賀などの長寿県では繰下げのメリットが大きくなります。ただし平均寿命はあくまで統計値であり、個人の健康状態・家族歴・生活習慣が最重要です。また、配偶者の年齢差・遺族年金・在職老齢年金の適用有無によっても最適解は変わります。

受給開始時期の選択は「一度決めたら変更できない」重大な意思決定です。ねんきん定期便の見込み額と自分の健康状態・資産状況を合わせてシミュレーションすることを強くお勧めします。

年金を補う資産形成戦略

年金だけでは老後の生活費を賄いきれない現実に対して、現役期から計画的に資産を形成しておくことが不可欠です。主要な非課税・税優遇制度を比較すると次のようになります。

制度対象者年間上限税優遇引き出し
iDeCo(個人型確定拠出年金)20〜64歳14.4〜81.6万円(職種による)掛金全額所得控除+運用益非課税60歳以降
NISA(成長投資枠)18歳以上240万円/年運用益・配当非課税いつでも可
NISA(つみたて投資枠)18歳以上120万円/年運用益非課税いつでも可
小規模企業共済自営業・役員84万円/年掛金全額所得控除廃業・退職時
国民年金基金自営業等(国民年金第1号)81.6万円/年(iDeCoと合算)掛金全額社会保険料控除受給開始年齢以降

会社員であればiDeCo+NISAの組み合わせが基本です。iDeCoは掛金が全額所得控除になるため、課税所得が高い人ほど節税メリットが大きくなります。例えば年収600万円の人がiDeCoに月2万円(年24万円)を拠出すると、所得税・住民税合わせて約5〜7万円の節税になります。

自営業・フリーランスの場合は小規模企業共済+iDeCo+国民年金基金を組み合わせることで、サラリーマンの企業年金に相当する「3階部分」を自力で構築できます。ただし、iDeCoと国民年金基金の掛金上限は合算で月6.8万円(年81.6万円)なので、バランスを見ながら配分することが重要です。

地域差の観点では、地方在住者は生活コストが低い分、同じ収入でも貯蓄・運用に回せる余裕が大きいというアドバンテージがあります。月5万円の余剰を30年間、年利3%で運用すると約2,900万円になります。年金受給額が都市部より低くても、資産形成と生活費の組み合わせで「総合的な老後の豊かさ」は地方の方が高くなるケースもあります。

なお、資産形成の具体的な配分(株式・債券・不動産・保険の比率)は年齢・リスク許容度・家族構成によって大きく異なります。「とりあえずNISAを始めたが、iDeCoとどう組み合わせればいいか分からない」という方は、FP相談で一本化した設計図を作ることをお勧めします。

よくある質問(FAQ)

都道府県で年金額が変わるのはなぜですか?
厚生年金は現役時代の標準報酬月額と加入期間に基づいて計算されるため、賃金水準が高く厚生年金加入率の高い首都圏・近畿圏が上位になります。国民年金(基礎年金)は納付月数が同じなら全国一律ですが、自営業比率が高い地域では国民年金のみ受給者が多く、平均値を下げます。
ランキング1位の神奈川と最下位の青森では月いくら違いますか?
令和6年度末データでは神奈川170,457円・青森128,129円で、差は月42,328円です。年間では約50万円、30年間では約1,520万円の差になります。ただしこれは厚生年金受給者の平均値であり、個人の加入歴・報酬によって実際の受給額は大きく異なります。
国民年金だけの人はどのくらい受給できますか?
国民年金(老齢基礎年金)の満額は2026年度で月70,608円(年間847,300円)です。40年間すべて保険料を納めた場合の満額であり、未納・猶予期間があると減額されます。都道府県別の平均では富山62,989円が最高、沖縄54,217円が最低です。国民年金のみの場合、生活費の多くを貯蓄・iDeCo・国民年金基金などで補う必要があります。
年金の繰下げ受給はいつまで待てば得になりますか?
65歳開始と比べた損益分岐点は、繰下げ月数に関わらず「約11〜12年後」が目安です。70歳開始なら約82歳、75歳開始なら約86歳を超えて生存すれば累積受給額で得になります。平均寿命(男性約81歳、女性約87歳)を考えると、女性や健康な方ほど繰下げのメリットが大きくなります。配偶者との年齢差・遺族年金の有無も考慮した上で判断することが重要です。
老後に年金だけで生活できる都道府県はありますか?
厳密に「年金だけで100%賄える」都道府県はほとんどありませんが、夫婦世帯で年金収入が生活費をほぼ上回る状況は、物価・家賃が低い地方小都市・農村部で起こりやすいです。ただし医療費・介護費の増大や物価上昇(インフレ)リスクを考えると、年金に加えて最低でも500〜1,000万円程度の流動性資産を確保しておくことが望ましいとされています。
転居すると受給する年金額は変わりますか?
いいえ。老齢年金の受給額は過去の保険料納付記録と標準報酬月額で決まるため、退職後に住む都道府県が変わっても受給額は変わりません。ランキングの都道府県別データは「その都道府県に住民票を置いている受給者の平均」であり、現在の居住地と現役時代の就労地が異なる場合は数字の読み方に注意が必要です。

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本ページの制度概要・要件・税率は、以下の公式情報を編集部が確認のうえ整理しています(執筆時点)。最新かつ正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。FPは記事を直接監修してはおらず、関連テーマでご相談を受けるFPとしてご紹介しています。

最終確認日:2026年4月21日

※本記事は2026年4月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。

本相談は年金事務所・自治体・勤務先の手続きや受給額の確定を代行するものではありません。