生命保険料控除の上限額と計算方法|新旧制度・年末調整と確定申告【2026】
生命保険料控除は、1年間に払った生命保険料に応じて課税所得から一定額が差し引かれる所得控除です。2012年1月1日以降に契約した新制度では、一般生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料の3区分それぞれで所得税は最高4万円・住民税は最高2.8万円、3区分合計で所得税12万円・住民税7万円が上限です。2011年12月31日以前の旧制度では2区分(一般・個人年金)で合計上限が所得税10万円・住民税7万円です。会社員は年末調整、自営業などは確定申告で、保険会社から届く控除証明書を使って申告します。実際の控除額や適用の可否はその年の税制・契約内容で異なるため、具体的な判断は税理士等の専門家や国税庁の情報でご確認ください。
目次
はじめにご確認ください
本ページは、生命保険料控除の一般的な仕組みを説明するための情報提供を目的としたものです。個別の保険商品の内容説明、特定の保険会社または保険商品の推奨、契約の勧誘を目的とするものではありません。また、特定の方の税額計算・控除適用の可否判定・申告書の作成を行うものでもありません。
個別の税額計算・控除適用判定・申告書の作成は税理士の独占業務(税理士法第2条1項・第52条)であり、税理士または税理士法人以外が「業として」これらを行うことは法律で禁じられています。控除額や適用の可否は、契約内容・その年の税制等によって異なります。具体的な判断にあたっては、必ず最新の公式情報をご確認のうえ、国税庁タックスアンサーや最寄りの税務署、税理士をご利用ください。
その控除、使い切れていますか
当メディアが公開した実態調査(2026年7月・回答781名)では、生命保険加入者の56%が「10年以上前に加入したまま」、63%が「保険やお金を相談できる担当FPがいない」と回答しました(調査リリース)。
- 控除証明書の出し忘れは、そのままその年の税負担に反映されます。年末調整で漏れた場合も、5年以内であれば還付申告で適用できます(国税庁)。
- 旧制度・新制度で控除の区分と上限が異なります。2011年12月以前の契約と2012年以降の契約が混在している場合、どちらの制度が適用されるかで控除額が変わります。
- 控除を使い切れているかは、契約の構成しだいです。一般・介護医療・個人年金の3区分をどう埋めているかで、同じ保険料負担でも控除額は変わります。
保障の「入りすぎ・不足・重複」は、放置した年数のぶんだけ広がりやすくなります。読み終えたら、いまの契約が現在のあなたに合っているかを一度確かめてみてください。
このページの要点
- 生命保険料控除は、1年間に払った保険料に応じて課税所得から差し引かれる所得控除です。
- 新制度(2012年1月1日以降の契約)は「一般・介護医療・個人年金」の3区分です。
- 旧制度(2011年12月31日以前の契約)は「一般・個人年金」の2区分で、介護医療の区分はありません。
- 新制度の合計上限は所得税12万円・住民税7万円、旧制度は所得税10万円・住民税7万円です。
- 会社員は年末調整、自営業などは確定申告で、控除証明書を使って申告します。
生命保険料控除とは
生命保険料控除は、1年間(1月1日〜12月31日)に支払った生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料に応じて、その年の課税所得から一定額を差し引くことができる所得控除のひとつです。[1]課税所得が下がることで、所得税・住民税の計算のもとになる金額が小さくなる仕組みです。
控除の対象になるのは、保険金などの受取人が本人または配偶者・その他の親族となっている契約の保険料です。いつ契約したか(新制度か旧制度か)と、保険の種類(どの区分か)によって、控除できる金額の計算方法と上限が変わります。まずは区分と制度の違いを押さえるのがポイントです。生命保険そのものの選び方は 生命保険の種類と選び方、税金・控除の全体像は 税金・控除のコラム もあわせてご確認ください。
3つの区分(一般・介護医療・個人年金)
生命保険料控除は、対象となる保険の内容によって次の区分に分かれます。どの区分に該当するかは、保険会社が発行する生命保険料控除証明書に記載されています。[1]
| 区分 | 主な対象 | 新制度 | 旧制度 |
|---|---|---|---|
| 一般生命保険料控除 | 死亡保障の保険(定期・終身・養老・収入保障・学資 など) | あり | あり |
| 介護医療保険料控除 | 医療保険・がん保険・介護保険など(入院・通院・介護の保障) | あり | なし |
| 個人年金保険料控除 | 税制適格特約が付いた個人年金保険 | あり | あり |
介護医療保険料控除は、新制度で新しく設けられた区分です。旧制度の契約には介護医療の区分がなく、医療・介護に関する保険料も「一般生命保険料控除」に含めて扱われます。個人年金保険料控除は、年金の受取人・払込期間・受取開始年齢などの条件を満たし「税制適格特約」が付いている契約が対象です。条件を満たさない個人年金保険は、一般生命保険料控除の扱いになります。[3]それぞれの保険の内容は 医療保険・がん保険・民間介護保険・個人年金保険 の解説もご参照ください。
新制度と旧制度の違い
生命保険料控除は、2010年度の税制改正により2012年(平成24年)1月1日から新しい制度になりました。契約の時期によって、適用される制度が決まります。[1][2]
| 項目 | 新制度 | 旧制度 |
|---|---|---|
| 対象となる契約 | 2012年1月1日以降に締結 | 2011年12月31日以前に締結 |
| 区分の数 | 3区分(一般・介護医療・個人年金) | 2区分(一般・個人年金) |
| 各区分の上限(所得税) | 4万円 | 5万円 |
| 各区分の上限(住民税) | 2.8万円 | 3.5万円 |
| 合計の上限(所得税) | 12万円 | 10万円 |
| 合計の上限(住民税) | 7万円 | 7万円 |
2012年1月1日以降に更新・転換・特約の中途付加を行った契約は、その時点から新制度が適用されます。手元の契約がどちらの制度かは、控除証明書の「適用制度(新・旧)」の表示で確認できます。
上限額(所得税・住民税)
1つの区分でどれだけ保険料を払っても、控除される金額には上限があります。さらに、複数の区分を合計した全体にも上限が設けられています。[1]
合計の上限
新制度:所得税 12万円 / 住民税 7万円
旧制度:所得税 10万円 / 住民税 7万円
住民税は各区分の上限が2.8万円(旧制度は3.5万円)ですが、3区分を単純に合計すると8.4万円になるところ、合計の上限は7万円に抑えられている点に注意が必要です。所得税は3区分×4万円=12万円が合計上限で一致します。
控除額の計算方法
各区分の控除額は、その年に支払った保険料(年間払込保険料)を、次の速算表にあてはめて計算します。ここでは新制度の計算式を示します。[1]
所得税(新制度・1区分あたり)
| 年間の払込保険料 | 控除額 |
|---|---|
| 2万円以下 | 払込保険料の全額 |
| 2万円超 4万円以下 | 払込保険料 × 1/2 + 1万円 |
| 4万円超 8万円以下 | 払込保険料 × 1/4 + 2万円 |
| 8万円超 | 一律 4万円 |
住民税(新制度・1区分あたり)
| 年間の払込保険料 | 控除額 |
|---|---|
| 1.2万円以下 | 払込保険料の全額 |
| 1.2万円超 3.2万円以下 | 払込保険料 × 1/2 + 6,000円 |
| 3.2万円超 5.6万円以下 | 払込保険料 × 1/4 + 1万4,000円 |
| 5.6万円超 | 一律 2.8万円 |
計算例(一般生命保険料・新制度)
年間の払込保険料が10万円の場合、8万円超なので所得税の控除額は上限の4万円、住民税は5.6万円超なので2.8万円です。年間6万円の場合は、所得税=6万円×1/4+2万円=3.5万円、住民税=5.6万円超なので2.8万円となります。ここで求めた控除額は「課税所得から差し引かれる金額」であり、そのまま税金が減る金額(税額)ではありません。実際に軽減される税額は、その人の適用税率によって異なります。
旧制度の各区分の上限(所得税5万円・住民税3.5万円)や計算式は新制度と異なります。正確な金額は、契約ごとの控除証明書の記載額をもとに、国税庁の速算表で確認してください。
手続き(年末調整・確定申告)
会社員などの給与所得者
勤務先の年末調整で手続きします。毎年10月ごろに保険会社から届く「生命保険料控除証明書」を用意し、勤務先へ提出する「給与所得者の保険料控除申告書」に金額を記入して、証明書を添付します。[1]
自営業・フリーランスなど
毎年の確定申告で申告します。確定申告書の生命保険料控除の欄に記入し、控除証明書を添付または提示します。会社員でも、年末調整で申告し忘れた場合は確定申告(または勤務先での再調整)で対応できます。
控除証明書をなくしたとき
控除証明書を紛失した場合は、契約している保険会社に再発行を依頼できます。10月〜11月は問い合わせが集中しやすいため、年末調整の期限に間に合うよう早めに手配すると安心です。
注意点(控除証明書・新旧の併用)
新旧の契約が混在するとき
一般生命保険料控除と個人年金保険料控除については、同じ区分に新制度と旧制度の契約が両方あるとき、①新制度のみ ②旧制度のみ ③新旧を合算のうち、控除額が大きくなる方法を選べます。ただし新旧を合算する場合、その区分の上限は所得税4万円になります。全体の合計上限(所得税12万円・住民税7万円)は変わりません。[1]
証明書の「申告額」を使う
控除証明書には、証明書発行時点までの払込額と、12月まで払い続けた場合の「申告額(年換算額)」が記載されていることが多くあります。年末調整・確定申告では、原則としてこの申告額を使います。
制度は改正される可能性がある
区分・上限額・計算式などの制度は、税制改正で変わる可能性があります。本ページの数値は執筆時点のものです。手続きや判断の前には、必ず最新の公式情報をご確認ください。
よくある質問
- 生命保険料控除の上限額はいくらですか?
- 2012年1月1日以降に契約した新制度では、一般・介護医療・個人年金の3区分それぞれで所得税は最高4万円・住民税は最高2.8万円が上限で、3区分合計の上限は所得税12万円・住民税7万円です。2011年12月31日以前の旧制度では、一般・個人年金の2区分それぞれ所得税5万円・住民税3.5万円が上限で、合計上限は所得税10万円・住民税7万円です。詳しくは国税庁の情報をご確認ください。
- 生命保険料控除には何種類の区分がありますか?
- 新制度では「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3区分です。旧制度では「一般生命保険料控除」「個人年金保険料控除」の2区分で、介護医療保険料控除はありません。どの区分に該当するかは、保険会社が発行する生命保険料控除証明書に記載されています。
- 会社員は生命保険料控除の手続きをどこでしますか?
- 会社員などの給与所得者は、勤務先の年末調整で手続きします。10月ごろに保険会社から届く「生命保険料控除証明書」を、勤務先へ提出する「給与所得者の保険料控除申告書」に記入・添付します。年末調整で申告し忘れた場合や、自営業・フリーランスの方は、確定申告で申告します。
- 新制度と旧制度の両方の契約がある場合はどう計算しますか?
- 一般生命保険料控除と個人年金保険料控除については、区分ごとに新制度のみ・旧制度のみ・新旧合算のうち控除額が大きくなる方法を選べます。ただし新旧を合算する場合、その区分の控除上限は所得税4万円になります。全体の合計上限(所得税12万円・住民税7万円)は変わりません。判断に迷う場合は税理士等の専門家や国税庁の情報をご確認ください。
保険料の払いすぎや保障の重複をセカンドオピニオンで確認する
前述の実態調査では、63%の方が「保険やお金を相談できる担当FPがいない」と回答しています。契約内容と現在の状況のずれは放置した期間のぶんだけ広がりやすい一方、確かめること自体は無料・30分からの相談で始められます。特定の商品をすすめることはありません。
生命保険料控除は、あくまで「払っている保険料」に対する所得控除です。控除の枠を使うこと自体が目的になり、必要以上の保障や重複した保険料を払っていないかは、別に確認しておきたいポイントです。すでに提案や見積もりを受け取っている方も、これから見直す方も、中立的な立場からの「セカンドオピニオン」として、いまの保障・保険料・公的制度の使い方を一緒に点検できます。控除額の計算や申告など税務の個別判断が必要な部分は、税理士等の専門家への確認を前提に整理します。
担当ファイナンシャル・プランナー
担当FP(FP2級/相談実績1,500件超)
得意分野:資産形成・老後準備・ライフプラン。特定の商品をすすめるのではなく、いまの保障・保険料・公的制度の使い方を、中立の立場で一緒に点検します。
保障と保険料の整理をセカンドオピニオンで無料相談する
すでに受けている提案や、いま払っている保険料が、あなたに必要か・合っているかを、状況に合わせて一緒に確かめます。お金まわりの全体像の整理にもご利用いただけます。控除額の計算や申告など税務の個別判断は、税理士等の専門家にご確認ください。
セカンドオピニオンで無料相談する無料・オンライン相談/特定の保険商品の勧誘を目的とするものではありません。
ご相談にあたっての注意事項
本ページは、生命保険料控除に関する一般的な情報提供を目的としたものです。個別の保険商品の推奨、特定の保険会社の推奨、契約の勧誘を目的とするものではありません。
個別の税額計算・控除適用判定・申告書の作成は税理士の独占業務(税理士法第2条1項・第52条)です。当社は税務代理・税務相談を行うものではありません。具体的な税務の判断は、必ず最新の公式情報をご確認のうえ、税理士または国税庁の確定申告書等作成コーナー等をご利用ください。
運営者情報
本サイトは、スペシャリスト・ドクターズ株式会社が運営しています。当社は、保険会社の委託を受けて保険契約の締結の媒介または代理を行う保険募集人(保険代理店)です。当社が取り扱う保険会社・保険商品の範囲内で情報提供を行います。当社は税務代理・税務相談を行うものではありません。
| 商号 | スペシャリスト・ドクターズ株式会社 |
| 監修 | 塩飽 哲生(IKIGAI TOWN 編集長) |
| 所在地 | 〒105-6923 東京都港区虎ノ門4-1-1 神谷町トラストタワー 23階 |
| 連絡先 | support@ikigai.town(メールのみ・電話でのお問い合わせは承っておりません) |
当社の取扱保険会社、勧誘方針、個人情報保護方針、お客様本位の業務運営方針、苦情・相談窓口については、以下をご確認ください。
保険契約に関する苦情・ご相談で当社において解決できない場合は、生命保険の指定紛争解決機関である一般社団法人 生命保険協会(生命保険相談所)をご利用いただけます。
最終確認日:
作成・監修:スペシャリスト・ドクターズ株式会社/塩飽 哲生(保険募集人登録番号:04DAACE029657)
出典
- 国税庁「No.1140 生命保険料控除」(2026年7月確認) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1140.htm
- 国税庁「No.1141 生命保険料控除の対象となる保険契約等」(2026年7月確認) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1141.htm
- 国税庁「No.1142 個人年金保険料控除の対象となる個人年金保険契約等」(2026年7月確認) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1142.htm
- 一般社団法人 生命保険協会(2026年7月確認) https://www.seimei.or.jp/