生命保険の相続税と非課税枠の使い方
500万円×法定相続人の活用術【2026】
非課税枠 = 500万円 × 法定相続人数
目次(15セクション)
死亡保険金の課税3パターン
死亡保険金にかかる税金は、契約者(保険料を払った人)・被保険者(保険の対象の人)・受取人の3者の関係で決まります。
| パターン | 契約者 | 被保険者 | 受取人 | 課される税金 |
|---|---|---|---|---|
| ①相続税 | 夫 | 夫 | 妻・子 | 相続税(非課税枠500万円×相続人数) |
| ②所得税 | 妻 | 夫 | 妻 | 所得税(一時所得) |
| ③贈与税 | 妻 | 夫 | 子 | 贈与税(最も重い) |
このなかで最も税負担が軽いのは①の相続税パターンです。非課税枠が使えるうえ、相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×相続人数)も併用できます。
Point:相続対策の基本形
相続対策で生命保険を使うなら、契約者=被保険者=被相続人、受取人=相続人の形にします。この形なら非課税枠500万円×相続人数が丸ごと使えます。
相続税の非課税枠の計算
非課税限度額の計算式は極めてシンプルです。
非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数
具体例
| 家族構成 | 法定相続人 | 非課税限度額 |
|---|---|---|
| 妻+子2人 | 3人 | 1,500万円 |
| 妻+子3人 | 4人 | 2,000万円 |
| 子のみ2人(配偶者なし) | 2人 | 1,000万円 |
| 兄弟姉妹3人(配偶者・子・親なし) | 3人 | 1,500万円 |
基礎控除との併用
相続税の基礎控除は 3,000万円 + 600万円×法定相続人数。妻+子2人なら 3,000万円+1,800万円=4,800万円が基礎控除。これと生命保険の非課税枠1,500万円を併用できるため、実質的な非課税ラインが大きく広がります。
法定相続人のカウント方法
法定相続人の数え方には細かいルールがあります。
カウントに含む人
- 配偶者:常に法定相続人
- 子:実子・養子とも含む(養子は制限あり、後述)
- 代襲相続人:子が先に亡くなっている場合の孫など
- 相続放棄者:相続税の計算上は法定相続人に含む
養子の算入制限
- 実子がいる場合:養子は1人まで算入
- 実子がいない場合:養子は2人まで算入
これは「養子を大量に増やして非課税枠を水増しする」ことを防ぐための制限です。
受取人が複数の場合の按分
受取人が複数いる場合、非課税枠はそれぞれの受取額の比率で按分されます。
具体例:非課税枠1,500万円、受取総額3,000万円
- 妻が2,000万円受取 → 非課税枠:1,500万円 × (2,000/3,000) = 1,000万円/課税対象:1,000万円
- 子Aが1,000万円受取 → 非課税枠:1,500万円 × (1,000/3,000) = 500万円/課税対象:500万円
受取人指定で揉めないコツ
「妻に全額」「子で按分」など、受取人指定は家族間の感情に直結します。遺言書と整合性をとり、主要相続人全員に配分を示しておくと争族を避けられます。相続争いの多くは「話し合いを後回しにした」結果です。
一時払い終身保険を使った相続対策
預貯金を一時払い終身保険に組み替えるのが、生命保険を使った相続対策の王道です。
典型的な活用シナリオ
- 70歳の父、預貯金3,000万円、法定相続人は妻+子2人の3人
- 非課税枠:500万円×3人 = 1,500万円
- 預貯金のうち1,500万円を一時払い終身保険(契約者・被保険者=父、受取人=妻または子)に組み替え
- 死亡時:1,500万円の保険金は非課税で相続人へ、残り1,500万円は通常の相続財産
一時払い終身のメリット
- 非課税枠を使える(現金のまま残すより税制上有利)
- 相続発生時にすぐ現金化できる(遺産分割協議不要)
- 受取人を指定できる(渡したい人に確実に渡る)
- 健康告知が緩い商品が多く、高齢でも加入しやすい
注意点
- 短期で解約すると元本割れする商品がある
- 外貨建ては為替リスクあり、元本保証ではない
- 契約者と受取人の設定を間違えると、所得税・贈与税扱いになり非課税枠が使えない
相続放棄と非課税枠
相続放棄をすると、民法上は相続財産を一切受け取らないことになります。しかし死亡保険金は「受取人固有の財産」であり、相続放棄しても受け取れます。
ただし税法上の扱いは別で、相続放棄者が受け取る死亡保険金は相続税の課税対象ではあるが、500万円×法定相続人数の非課税枠は使えないのがルールです。
相続放棄の活用例
被相続人に多額の借金があり相続放棄したいが、生命保険金だけは受け取りたい――という場面で使えるテクニックです。ただし非課税枠が使えないため、保険金全額が課税対象になる点は織り込む必要があります。
非課税枠の具体的な計算例(家族構成別)
「500万円×法定相続人数」という式は単純ですが、実際の家族構成に当てはめると非課税枠の大きさがイメージしやすくなります。ここでは4つの典型的なケースで計算例を示します。
| ケース | 家族構成 | 法定相続人数 | 非課税枠 | 基礎控除との合計非課税ライン |
|---|---|---|---|---|
| ケースA | 配偶者のみ | 1人 | 500万円 | 3,600万円+500万円=4,100万円 |
| ケースB | 配偶者+子1人 | 2人 | 1,000万円 | 4,200万円+1,000万円=5,200万円 |
| ケースC | 配偶者+子2人 | 3人 | 1,500万円 | 4,800万円+1,500万円=6,300万円 |
| ケースD | 配偶者+子3人 | 4人 | 2,000万円 | 5,400万円+2,000万円=7,400万円 |
基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人数」で計算します。ケースCの場合、遺産総額が6,300万円以内であれば生命保険の非課税枠と基礎控除だけで相続税がゼロになります。
ケースCの詳細シミュレーション
父が死亡し、遺産は預貯金2,000万円+自宅(評価額3,000万円)+死亡保険金1,500万円(受取人:配偶者)のケースを考えます。
- 死亡保険金1,500万円 → 非課税枠1,500万円を全額適用 → 課税対象ゼロ
- その他の遺産:預貯金2,000万円+自宅3,000万円=5,000万円
- 基礎控除:3,000万円+600万円×3人=4,800万円
- 課税遺産総額:5,000万円-4,800万円=200万円
- 相続税(法定相続分で按分・税率10%):200万円×10%=20万円(概算)
保険金1,500万円を現金のまま残していた場合、課税遺産総額は200万円+1,500万円=1,700万円に増え、相続税は大幅に増加します。生命保険への組み替えで非課税枠をフル活用すると、相続税の負担を実質ゼロ近くまで圧縮できることがわかります。
チェックリスト:非課税枠を最大活用するための確認事項
- □ 契約者・被保険者が同一人物(被相続人)になっているか
- □ 受取人が法定相続人に指定されているか
- □ 法定相続人数を正しく把握しているか(養子・相続放棄者を含む)
- □ 受取保険金総額が非課税枠(500万円×相続人数)以内に収まっているか
- □ 複数の保険を合算した場合も非課税枠内に収まるか確認したか
相続税対策としての終身保険の活用戦略
終身保険を相続対策に活用する方法は、単純に「非課税枠を埋める」だけではありません。家族構成・資産規模・健康状態に応じて、複数の戦略を組み合わせることが重要です。
戦略①:一時払い終身保険で非課税枠を上限まで活用
最もシンプルな手法です。法定相続人が3人であれば非課税枠は1,500万円。この金額を上限に預貯金を一時払い終身保険に組み替えます。
- メリット:保険料一括払いのため管理が簡単。死亡保険金は遺産分割協議不要でダイレクトに受取人へ支払われる。
- 向いている人:70代以上で医療告知が厳しくなった方も、簡易告知型商品なら加入可能なケースが多い。
- 注意点:短期解約すると解約返戻金が払込保険料を下回る(元本割れ)商品がある。5年以上の保有を前提に検討する。
戦略②:受取人を分散して争族を予防
複数の子どもがいる場合、受取人を特定の一人に集中させると相続時のトラブルになりやすいです。保険を複数契約に分割し、子どもごとに受取人を指定することで、遺産分割協議なしに公平な分配が実現できます。
戦略③:払済保険への変更で保険料負担を解消
定年退職後など収入が下がった時期に、保険料の支払いをやめて以後の保険料払込なしに死亡保障だけを継続させる「払済保険」への変更が使えます。保障額は下がりますが、保険料負担ゼロで非課税枠の活用を継続できます。
| 戦略 | 主なメリット | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 一時払い終身 | 非課税枠フル活用・手続き不要 | 70代以上・まとまった預貯金あり | 短期解約で元本割れ |
| 複数契約に分散 | 受取人を子ごとに指定・争族防止 | 子どもが複数人いる家庭 | 管理する証券が増える |
| 外貨建て終身 | 運用利回りが高い場合がある | 資産運用も兼ねたい方 | 為替リスクで受取額が変動 |
| 払済保険へ変更 | 保険料負担なく死亡保障継続 | 定年退職後・収入が下がった方 | 保障額が下がる |
どの戦略が最適かは、相続財産の総額・家族構成・健康状態・流動性ニーズによって異なります。終身保険は一度加入すると変更が難しいため、FPや税理士と事前に試算してから契約することを強く推奨します。
高齢での加入は「簡易告知型」を検討
70〜80代では通常の医師診査や詳細な告知が必要な商品に加入できないことがあります。「無告知型」「簡易告知型」の一時払い終身保険は、健康状態に関わらず加入できる商品が増えています。ただし保険料が割高になりやすいため、非課税枠との費用対効果を比較することが大切です。
受取人の組み合わせと税負担の比較
生命保険は誰が契約者・被保険者・受取人になるかによって、かかる税金の種類と金額が大きく変わります。ここでは同じ3,000万円の死亡保険金を例に、3パターンの税負担を具体的に比較します。
前提:死亡保険金3,000万円、法定相続人は配偶者+子2人(合計3人)
| パターン | 契約者 | 被保険者 | 受取人 | 税種別 | 概算税負担 |
|---|---|---|---|---|---|
| ①相続税型 | 夫(被相続人) | 夫 | 妻・子 | 相続税 | 非課税枠1,500万円適用後、課税対象1,500万円。他の遺産との合算で税額確定。 |
| ②所得税型 | 妻 | 夫 | 妻 | 所得税(一時所得) | (受取額-払込保険料-50万円)×1/2 が課税所得。税率は妻の所得税率による。 |
| ③贈与税型 | 妻 | 夫 | 子 | 贈与税 | 受取額3,000万円から基礎控除110万円を差し引いた2,890万円に最高55%の税率。最も税負担が重い。 |
②所得税型の計算例
払込保険料の総額が2,000万円、死亡保険金が3,000万円の場合:
- 一時所得 =(3,000万円 - 2,000万円 - 50万円)× 1/2 = 475万円
- この475万円が妻の給与所得等と合算されて総合課税される
- 税率20%(課税所得330万〜695万円の場合)なら:475万円 × 20% = 95万円(概算)
①の相続税型と比べて非課税枠がない分、一見不利に見えますが、払込保険料が高く利益が少ない場合は所得税型の方が税負担が軽くなるケースもあります。
③贈与税型は原則として避ける
贈与税は基礎控除が年110万円しかなく、3,000万円の保険金には高い税率が適用されます。相続税の非課税枠と比べて圧倒的に不利です。保険設計の際は、意図せず贈与税型になっていないか必ず確認してください。
よくある設計ミス
- 離婚後も元配偶者が受取人のまま → 相続人以外への支払いで非課税枠が使えない
- 子が契約者・親が被保険者・孫が受取人 → 3者すべて異なり贈与税型に
- 受取人を「相続人」と包括指定 → 問題は少ないが、具体的な指定の方が分配が明確
- 法人から個人へ名義変更した際 → 変更時点で課税問題が発生することあり
相続税の申告手続きと生命保険金
相続税の申告は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内に所轄の税務署へ提出する必要があります。死亡保険金を受け取った場合の手続きの流れと必要書類を整理します。
申告までのタイムライン
| 時期 | やること |
|---|---|
| 死亡後すみやかに | 保険会社に死亡保険金の請求(請求期限は保険法上3年) |
| 1〜2か月 | 保険金の受取り・支払調書の確認 |
| 3〜4か月 | 相続財産の洗い出し・遺産分割協議の開始 |
| 4か月以内 | 準確定申告(被相続人の所得税) |
| 10か月以内 | 相続税の申告・納付 |
必要書類一覧
相続税申告で生命保険金に関して必要な書類は以下のとおりです。
- 死亡保険金の支払調書:保険会社から届く書類で、受取人ごとの支払額が記載されている
- 保険証券のコピー:契約者・被保険者・受取人の関係を確認するために必要
- 相続税申告書 第9表「生命保険金などの明細書」:非課税枠の計算を記載する書式
- 戸籍謄本:法定相続人の数を証明するために必要
支払調書と税務署の連携
保険会社は100万円超の死亡保険金を支払うと、税務署に支払調書を提出します。つまり税務署は「誰がいくら受け取ったか」を把握しています。申告漏れがあると加算税・延滞税の対象になるため、保険金は必ず申告に含めてください。
生命保険と遺留分の関係
遺留分とは、一定の法定相続人に保障される最低限の相続分です。たとえば子が相続人の場合、遺留分は法定相続分の2分の1。遺言で「全財産を長男に」としても、次男は遺留分侵害額請求によって一定額を取り戻せます。
死亡保険金は原則、遺留分の対象外
死亡保険金は受取人固有の財産であり、民法上の相続財産には含まれません。したがって、原則として遺留分の計算対象にはなりません。
この性質を利用して、「特定の相続人に確実に財産を渡したい」場合に生命保険が活用されます。遺言だけでは遺留分の壁に阻まれる可能性がありますが、保険金ならその壁を越えられるのです。
例外:著しく不公平な場合
ただし、判例上、保険金の受取が「著しく不公平」と評価される特段の事情がある場合は、例外的に遺留分の計算基礎に含まれることがあります(最高裁平成16年10月29日決定)。
たとえば、以下のようなケースで問題になります。
- 相続財産の大部分を生命保険に移し、特定の相続人だけが受け取る設計にしていた
- 保険金額が他の相続財産と比べて著しく高額(遺産総額の6割以上が保険金など)
- 同居・介護等の貢献度の差が保険金の偏りと釣り合わない
実務上のポイント
遺留分トラブルを避けるには、保険金額を遺産総額の3割以下に抑えるのが目安とされています。非課税枠(500万円×法定相続人数)の範囲内であれば、通常は「著しく不公平」とは評価されにくいでしょう。
代償分割と生命保険の活用
自宅不動産が遺産の大部分を占めるケースでは、自宅を相続した子が他の相続人に代償金を支払う「代償分割」がよく使われます。この代償金の原資として生命保険金を充てるのが定番の手法です。
代償分割の具体例
ケース:自宅中心の遺産
- 遺産:自宅(評価額4,000万円)+預貯金1,000万円=合計5,000万円
- 相続人:長男・次男の2人(法定相続分は各2,500万円)
- 長男が自宅を単独で相続し、次男に代償金2,000万円を支払う
- 代償金の原資:父が契約していた終身保険(受取人=長男)の保険金2,000万円
このように保険金で代償金を用意しておくと、自宅を売却せずに公平な遺産分割が実現できます。預貯金が少なく不動産中心の遺産構成では、代償分割用の保険金がなければ自宅を売却して現金化するしか方法がないケースも少なくありません。
代償分割で保険を使うときの設計ポイント
- 受取人の指定:代償金を支払う側(自宅を取得する人)を受取人にする
- 保険金額の設定:代償金の見込額+相続税納付資金を目安にする
- 遺言書との整合:「長男に自宅を相続させる」旨の遺言と保険の受取人指定を揃える
代償分割を予定している場合は、遺言書の作成と保険設計をセットで進めることが重要です。
よくある失敗パターンと防ぎ方
生命保険と相続税に関する失敗は、契約形態の設計ミスと手続きの放置に集中しています。代表的な失敗パターンと対策を紹介します。
失敗1:契約者≠被保険者で課税が重くなる
妻が契約者・夫が被保険者・子が受取人の場合、贈与税が課されます。贈与税の税率は相続税より高く、基礎控除も110万円しかありません。1,000万円の保険金なら贈与税は約231万円。相続税パターンなら非課税枠で0円にできた可能性があるため、数百万円の損失です。
対策
相続対策では契約者=被保険者=被相続人を徹底すること。既存の保険で契約形態が違う場合は、契約者変更(名義変更)を検討してください。
失敗2:名義保険(実質的な保険料負担者が違う)
形式上は父が契約者でも、実際の保険料を子が支払っていた場合、税務上は子が契約者とみなされます。この場合、父の死亡時に子が受け取る保険金は「所得税(一時所得)」扱いになり、非課税枠が使えません。
- 発覚のきっかけ:子の口座から保険料の引落し履歴がある
- 対策:保険料は契約者名義の口座から支払う。資金を贈与する場合は贈与契約書を残す
失敗3:受取人の変更を忘れる
離婚後、前配偶者を受取人のまま放置しているケースは珍しくありません。前配偶者は法定相続人ではないため、非課税枠が使えず、保険金全額が課税対象になります。
- 対策:離婚・再婚・子の誕生など家族構成が変わったタイミングで、必ず受取人を見直す
- チェック頻度:少なくとも年1回、保険証券の受取人欄を確認する
失敗4:非課税枠を超える保険金を放置
非課税枠が1,500万円なのに、死亡保険金が5,000万円という場合、超過分の3,500万円は相続税の課税対象です。「保険に入っていれば全額非課税」という誤解は根強いので注意してください。複数の保険会社で契約している場合は、全社合計の保険金総額で非課税枠を判断します。
生命保険の相続対策で押さえる5つのチェックリスト
ここまでの内容を踏まえ、生命保険を相続対策に活用するときに確認すべきポイントを5つにまとめます。
| # | チェック項目 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 契約形態の確認 | 契約者=被保険者=被相続人、受取人=相続人になっているか |
| 2 | 非課税枠の計算 | 500万円×法定相続人数を超えていないか(全社合計で判断) |
| 3 | 受取人の最新化 | 離婚・再婚・出生で受取人が古いまま放置されていないか |
| 4 | 保険料の出どころ | 契約者名義の口座から支払っているか(名義保険リスクの排除) |
| 5 | 遺言書との整合 | 受取人指定と遺言の内容が矛盾していないか |
これらは一度確認すれば終わりではなく、家族構成の変化(出生・離婚・再婚・養子縁組)のたびに見直すことが重要です。年1回の保険証券チェックを習慣にしておくと安心です。
専門家に相談すべきタイミング
保険金総額が非課税枠を超えている、契約形態が複雑、不動産が遺産の大半を占める――いずれかに該当する場合は、FPや税理士に早めに相談することをおすすめします。相続発生後では契約変更ができないため、生前のうちに設計を整えることが最大のポイントです。
よくある質問(FAQ)
生命保険と相続税に関してよく寄せられる質問を6つまとめました。
- Q1. 死亡保険金は遺産分割の対象になりますか?
-
原則として遺産分割の対象外です。死亡保険金は受取人固有の財産であり、被相続人の遺産ではないため遺産分割協議の対象になりません。ただし受取人が「法定相続人全員」など包括的な指定の場合は分配でトラブルになることがあります。具体的に受取人を指定することを推奨します。
- Q2. 生命保険の保険料を贈与で捻出した場合、相続税はどうなりますか?
-
親が子に現金を贈与し、その資金で子が親を被保険者とする保険料を払った場合、契約者は子・被保険者は親・受取人は子となります。この場合、死亡保険金は所得税(一時所得)の対象です。非課税枠(相続税型)は使えません。また贈与額が年110万円を超えると贈与税の申告が必要です。
- Q3. 非課税枠は複数の保険会社の保険金を合算して適用しますか?
-
はい、合算で適用します。A社から1,000万円・B社から500万円の死亡保険金を受け取った場合、合計1,500万円が非課税枠の判定対象になります。非課税枠が1,500万円なら全額非課税。枠を超えた分は課税対象です。保険会社ごとに個別計算するわけではありません。
- Q4. 受取人を「子2人」と指定した場合、非課税枠はどう分配されますか?
-
各受取人が受け取った保険金額の比率で非課税枠を按分します。非課税枠が1,500万円で子Aが1,200万円・子Bが800万円を受け取る場合:子Aの非課税分=1,500万円×(1,200/2,000)=900万円、子Bの非課税分=1,500万円×(800/2,000)=600万円となり、それぞれ残りが課税対象です。
- Q5. 終身保険の解約返戻金は相続税の対象になりますか?
-
被相続人が契約者として保険料を払っていた終身保険が死亡時点で有効な場合、解約返戻金相当額が相続財産に含まれます。これは「みなし相続財産」ではなく通常の相続財産として遺産分割の対象になります。死亡保険金とは別に計上が必要な点に注意してください。
- Q6. 相続税の申告期限はいつですか?
-
相続税の申告・納付期限は被相続人が亡くなった日の翌日から10か月以内です。生命保険の死亡保険金は通常、請求から1〜2週間で支払われます。保険金は相続税の納付資金として活用できる現金ですが、保険金受取と申告期限は連動していません。期限内に申告できるよう、死亡後はできるだけ早く保険会社への請求手続きを進めてください。
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本ページの制度概要・要件・税率は、以下の公式情報を編集部が確認のうえ整理しています(執筆時点)。最新かつ正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。FPは記事を直接監修してはおらず、関連テーマでご相談を受けるFPとしてご紹介しています。
最終確認日:2026年5月15日
※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。
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