日本政策金融公庫の創業融資
通る事業計画書の書き方と面談対策【2026】
日本政策金融公庫(日本公庫)の新創業融資は、起業時に最も使われる無担保・無保証の公的融資です。2024年から自己資金10分の1要件が撤廃されましたが、その分「事業計画」と「面談」の比重が増しました。本記事では、通る事業計画書のポイント、自己資金の見せ方、面談で聞かれる典型質問、調達後の注意点までを整理します。
この記事の結論
日本政策金融公庫の新規開業資金は、自己資金10分の1要件を撤廃した代わりに事業計画と面談で判断されます。通る計画書のポイント、自己資金の見せ方、面談で聞かれる質問、調達後の注意点を整理。
新創業融資制度の基本
日本公庫の主な創業融資メニュー(2026年時点)は次のとおりです。
- 新規開業資金:上限7,200万円(うち運転資金4,800万円)、無担保・無保証可
- 女性、若者/シニア起業家支援資金:35歳未満・55歳以上または女性が対象、利率優遇
- 再挑戦支援資金:過去廃業歴のある方向け
2024年改正で自己資金1/10要件は撤廃されましたが、実務では自己資金が多いほど審査が有利なのは変わりません。
通る事業計画書の構造
日本公庫所定の「創業計画書」は1枚ですが、実務では補足資料として5〜10枚の事業計画を作成します。盛り込むべき要素は次のとおりです。
- 創業の動機:個人的なエピソードで具体的に
- 経歴:同業界での経験年数を強調(未経験なら学習・準備期間を明記)
- 取扱商品・サービス:差別化点を明確に
- 取引先・取引条件:見込み顧客を実名で(口頭内諾レベルでも)
- 数値計画:月次の売上・経費・損益を1年〜3年分
- 必要資金と調達計画:自己資金・借入の内訳を明示
自己資金と「見せ金」の違い
自己資金は「コツコツ貯めた経緯」が重要。通帳のコピーを6か月〜1年分提出するため、直前に親族から振り込まれた資金は「見せ金」と判断され、自己資金として認められないか審査でマイナスになります。
注意
退職金・贈与・親族からの援助は、源泉が明確なら自己資金として認められます。ただし「贈与契約書」または「振込明細+経緯説明」を準備すること。タンス預金は不利。
面談で聞かれる典型質問
- なぜこの事業をやろうと思ったか(動機の真剣さチェック)
- 競合は誰か、その違いは何か
- 売上計画の根拠(顧客単価×件数の積み上げ)
- 家族の同意は取れているか(生活費との関係)
- 失敗したらどうするか(撤退基準)
面談官は元銀行員・元事業家が多く、抽象論より具体数字を求めます。「概ね」「だいたい」は避け、必ず根拠付き数字で回答する練習を。
調達後の注意点(運転資金管理)
融資実行後、3か月以内に資金使途のエビデンス(領収書・請求書)の提出を求められることがあります。設備資金は契約書通りに使用、運転資金は事業口座から外に流出しないよう管理。
返済は元金均等または元利均等。据置期間(最大2年)を活用すると、初年度のキャッシュフローが大きく改善します。