年金 繰下げ・繰上げ
損益分岐は何歳?比較計算機【2026】
70歳まで繰下げ → 累積で65歳開始を上回るのは81〜82歳
記事の答えを確認した次に
65歳から受け取る?働くなら待つ?いつ決めればいい?
決めるタイミング: 受給開始を請求する前、退職日や再雇用の条件を決める前。
相談で繰り返される本音
- 長生きするか分からないのに、損得だけでは決められない
- 働き続けた場合の手取りまで一緒に見たい
- 配偶者の年金や貯金との順番も気になる
初回で口頭整理できること
初回は、受け取り開始の候補、働き方、当面使える資金を並べ、比較する軸を口頭で整理します。
その次に分けること
年金記録と退職条件がそろったら、候補ごとの手取りと資金推移を確認します。
初回の範囲: 受給開始の代理決定、年金請求、将来額の保証、金融商品の見積り・申込みは初回に行いません。
相談前のFAQ
資料がそろっていなくても相談できますか?
はい。初回は、いま分かる範囲から迷いと確認順を整理します。通知書、通帳、財産や家計のメモなどが手元にあれば、分かる範囲だけご用意ください。
初回で何を持ち帰れますか?
いま決めること、まだ決めなくてよいこと、次に確認する数字や窓口を口頭で整理して持ち帰れます。初回当日の資料完成は約束していません。
初回に商品や契約の話がありますか?
初回は迷いと数字の整理に使います。金融商品の見積り、申込み、契約変更は初回の範囲に含みません。
目次(7セクション)
繰下げ・繰上げ 比較計算機
65歳時点の想定年金額(月額)と受給開始年齢を入力すると、各年齢時点の累積受給額と月額を比較できます。
※ 税・社会保険料・物価スライドを考慮しない単純累積比較。繰下げ中の加給年金停止、在職老齢年金による停止も反映していません。
仕組みと基本ルール
| 項目 | 繰上げ | 繰下げ |
|---|---|---|
| 開始可能年齢 | 60〜64歳 | 66〜75歳 |
| 月あたり調整率 | -0.4%(1ヶ月) | +0.7%(1ヶ月) |
| 最大調整率 | -24%(60歳開始) | +84%(75歳開始) |
| 変更可能性 | 一度開始したら取り消し不可 | 66歳以降いつでも開始可 |
| 加給年金への影響 | 通常通り支給 | 繰下げ中は支給停止・増額なし |
| 障害年金・遺族年金 | 繰上げ後は障害年金の新規裁定不可など制限 | 遺族年金と併給調整あり |
受給開始年齢別の月額と累積額
65歳時点の想定月額を16万円とした場合の比較です。
| 開始年齢 | 月額 | 年額 | 85歳までの累積 | 90歳までの累積 |
|---|---|---|---|---|
| 60歳 | 12.2万円 | 146万円 | 3,650万円 | 4,379万円 |
| 65歳(標準) | 16.0万円 | 192万円 | 3,840万円 | 4,800万円 |
| 70歳 | 22.7万円 | 273万円 | 4,089万円 | 5,452万円 |
| 75歳 | 29.4万円 | 353万円 | 3,534万円 | 5,301万円 |
損益分岐年齢
| 比較 | 損益分岐(概算) | 補足 |
|---|---|---|
| 60歳 vs 65歳 | 約80歳10ヶ月 | 81歳以上生きるなら65歳受給のほうが累積で上回る |
| 65歳 vs 70歳 | 約81歳10ヶ月 | 82歳以上生きるなら70歳受給のほうが累積で上回る |
| 65歳 vs 75歳 | 約86歳10ヶ月 | 87歳以上生きるなら75歳受給のほうが累積で上回る |
男性の平均寿命は81.09歳、女性は87.14歳(厚労省「簡易生命表」令和5年)。男性は70歳繰下げで微妙、女性は70〜75歳繰下げが累積では有利、が目安です。
繰下げの落とし穴4つ
- ① 加給年金が止まる:繰下げ中は加給年金が支給されず、しかも増額もしない。年齢差5歳の夫婦で配偶者加算最大(年40万)×5年=200万円の損失
- ② 税・社会保険料が累進で増える:年金が増えると所得税・住民税・国民健康保険料・介護保険料も増える。手取りベースの増加率は表示上の増額率より低い
- ③ 健康リスク:繰下げ待機中に亡くなると、未支給年金として遺族が5年分しか遡及請求できない
- ④ 在職老齢年金との組み合わせ:繰下げ待機中も在職老齢年金の停止調整があり、実質増額率が目減りするケースがある
繰上げの落とし穴4つ
- ① 一生涯減額:60歳で-24%減額した金額が一生続く。長生きすると累積で大きく損する
- ② 障害年金の新規裁定不可:繰上げ後に病気・事故で障害状態になっても、障害基礎年金を新規で受給できない(併給調整の制約)
- ③ 寡婦年金の受給不可:繰上げ受給者は寡婦年金の対象外になる
- ④ 国民年金の任意加入不可:繰上げ後は480月に達していなくても任意加入で増やせない
判断のチェックリスト
繰下げを検討すべき人
✓ 65歳時点で働き続けている/他に収入がある
✓ 健康に自信があり、長寿家系
✓ 配偶者が自身より年上または同年齢
✓ 手取り減よりも将来の生活安定を重視
繰上げを検討すべき人
✓ 60歳以降、働けない・収入源がない
✓ 健康上の不安がある
✓ 60代前半に大きな支出が見込まれる
✓ 他の資産(退職金・iDeCo)で不足分を補えない
よくある質問
- 「年金は60歳からもらった方が賢い」は本当?
- 80歳前に亡くなる前提なら累積で有利ですが、男性の平均寿命81歳・女性87歳を考えると、大多数にとっては65歳以降の開始のほうが累積で有利です。「60歳から賢い」は健康不安や60代の収入断絶など個別事情がある場合の選択肢です。
- 繰下げは途中でやめられますか?
- はい。66歳以降であればいつでも繰下げ待機を終了して受給開始できます。また、最大5年分を一括で遡って受給することも可能(この場合は繰下げ増額なしで通常額)。
- 老齢基礎年金と老齢厚生年金は別々に繰下げできますか?
- 可能です。たとえば基礎年金は65歳から受給、厚生年金は70歳まで繰下げ、という組み合わせもできます。加給年金の有無や税負担を考慮して個別最適化が可能です。
- 繰下げ中に亡くなったら?
- 遺族は5年以内の未支給年金を請求可能ですが、繰下げ増額は反映されません(標準の65歳からの金額で計算)。健康不安がある場合はリスクと考えるべきです。
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本ページの制度概要・要件・税率は、以下の公式情報を編集部が確認のうえ整理しています(執筆時点)。最新かつ正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。FPは記事を直接監修してはおらず、関連テーマでご相談を受けるFPとしてご紹介しています。
- 出典: 厚生労働省 公式サイト — 各種給付金・社会保険・労働関連制度の所管
- 出典: 内閣府 公式サイト — 子ども・子育て支援、低所得世帯給付金の所管
- 出典: 国税庁 公式サイト — 定額減税・税制上の優遇措置
- 出典: 日本年金機構 公式サイト — 年金制度・年金生活者支援給付金
- 出典: 総務省 公式サイト — マイナンバー制度・自治体情報
- 出典: ハローワーク インターネットサービス — 失業給付・育児休業給付金
最終確認日:2026年4月19日
※本記事は2026年4月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。
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