加給年金とは
もらえる条件・金額・振替加算・廃止議論【2026】
加給年金とは、厚生年金に20年以上加入した方が65歳になった時点で、生計を維持している配偶者(65歳未満)や子(18歳年度末まで)がいる場合に、老齢厚生年金に上乗せされる「年金版の家族手当」です。配偶者加算は年額約40万円。配偶者が65歳になると加給年金は止まり、代わりに配偶者自身の年金に「振替加算」が付きます。2025年前後で特別加算の段階的廃止も議論されています。
結論(3行まとめ)
- 配偶者加算:年額408,100円+特別加算165,800円=年額約57万円(2026年度・最大)
- 厚生年金20年以上加入+配偶者65歳未満 が基本要件
- 配偶者が65歳になったら加給年金は停止、振替加算へ切り替え
加給年金とは
加給年金は、老齢厚生年金の「家族手当」的な加算です。長く厚生年金を払ってきた方が65歳で年金を受給し始めるとき、まだ年金を受け取れない配偶者や子を扶養している場合に、その分の生活費を補う目的で上乗せされます。
もらえる条件
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 本人 | 厚生年金の被保険者期間が20年以上(または中高齢の特例で15〜19年) |
| 配偶者 | 65歳未満/生計維持関係/配偶者自身の年収850万円未満(または所得655.5万円未満) |
| 子 | 18歳年度末までの子、または20歳未満で障害等級1・2級の子 |
| 除外 | 配偶者が老齢厚生年金(被保険者期間20年以上)や障害年金を受給中の場合は支給されない |
金額(2026年度)
| 対象 | 加給年金の基本額 | 特別加算(受給者生年月日別) | 合計年額 |
|---|---|---|---|
| 配偶者 | 239,300円 | 最大168,800円(昭和18年4月2日以後生まれ) | 最大408,100円 |
| 第1子・第2子(各) | 239,300円 | — | 239,300円 |
| 第3子以降(各) | 79,800円 | — | 79,800円 |
※ 特別加算を含めると配偶者加算は実質年額約40万円前後。生年月日が早いほど特別加算は小さくなります。
振替加算への切り替え
加給年金は配偶者が65歳になり自身の老齢基礎年金を受給開始した時点で停止します。代わりに、配偶者(主に妻)の老齢基礎年金に「振替加算」が上乗せされます。振替加算の金額は配偶者の生年月日が遅いほど小さくなり、昭和41年4月2日以降生まれの方は振替加算はありません。
加給年金 → 振替加算のタイムライン
① 本人65歳&配偶者64歳以下 → 加給年金 支給開始
② 配偶者65歳 → 加給年金 停止、配偶者の基礎年金に振替加算 上乗せ
③ 配偶者が昭和41年4月2日以降生まれ → 振替加算なし(制度の完全終了)
加給年金が止まる4つのケース
- 配偶者が65歳になった(もっとも一般的)
- 配偶者が自身の老齢厚生年金(20年以上)や障害年金の受給を開始した
- 離婚した/生計維持関係がなくなった
- 本人の年金を繰下げ受給している期間(加給年金も繰下げ中は支給されず、増額もしない)
繰下げとの組み合わせに注意
老齢厚生年金を繰下げている間は加給年金も止まります。しかも繰下げで増額されるのは本体年金のみで、加給年金は増えません。配偶者年齢差が大きい世帯では、繰下げのメリット/デメリットを加給年金込みで計算し直す必要があります。
加給年金 廃止はいつから?見直し議論
社会保障審議会年金部会では、加給年金について「共働き世帯が一般化した現代に合わない」として、段階的な縮小・廃止を含めた見直しが議論されています。現時点(2026年4月)で具体的な廃止時期は決定していませんが、振替加算が昭和41年4月1日以前生まれで事実上終了する流れと併せて、加給年金も長期的には縮小方向です。
最新の議論は 年金改正トラッカー で随時更新しています。
よくある質問
- 加給年金はいつまでもらえますか?
- 配偶者が65歳になるまで、または子が18歳年度末を迎えるまでです。もっとも多いのは配偶者要件で、年齢差5歳の夫婦なら夫65歳から妻65歳までの5年間が支給期間となります。
- 加給年金は自動でもらえますか?
- 老齢厚生年金の請求時に「生計維持申立書」などで配偶者・子の情報を提出する必要があります。漏れていると支給が始まらないため、請求書類の記入漏れには要注意です。
- 共働きで配偶者も厚生年金20年以上の場合は?
- 配偶者が自身の老齢厚生年金(被保険者期間20年以上)を受給すると、加給年金は支給停止されます。ただし配偶者が繰下げ中など受給していない間は支給されるケースもあるため、年金事務所で個別確認を。
- 加給年金は非課税ですか?
- いいえ、加給年金は老齢厚生年金の一部として雑所得に含まれ、課税対象です。遺族年金・障害年金(非課税)とは扱いが異なります。
