リ・バース60は「やばい」?【2026】
6つのリスクと使うべき人・使うべきでない人
「やばい」の中身は担保割れ・金利上昇・売却価格下落・相続人同意・長生きリスク・使途制限の6点
記事の答えを確認した次に
貯金がこの金額なら、仕事を減らしても大丈夫?
決めるタイミング: 働く時間、住まい、教育費、親への支援など、毎月の支出が変わる決断の前。
相談で繰り返される本音
- 平均額と比べても、自分が大丈夫か分からない
- 仕事を減らしたいが、貯金が減るのが怖い
- 家族に残すお金と自分が使うお金を分けたい
初回で口頭整理できること
初回は、収入、毎月の支出、今後変わる予定を伺い、先に決める数字を口頭で整理します。
その次に分けること
追加計算が必要な場合は、複数の暮らし方で資金が続く期間を比べます。
初回の範囲: 初回当日の家計表完成、将来収支の保証、金融商品の見積り・申込みは行いません。
初回は口頭で整理します。資料がなくても、分かる範囲から始められます
相談前のFAQ
資料がそろっていなくても相談できますか?
はい。初回は、いま分かる範囲から迷いと確認順を整理します。通知書、通帳、財産や家計のメモなどが手元にあれば、分かる範囲だけご用意ください。
初回で何を持ち帰れますか?
いま決めること、まだ決めなくてよいこと、次に確認する数字や窓口を口頭で整理して持ち帰れます。初回当日の資料完成は約束していません。
初回に商品や契約の話がありますか?
初回は迷いと数字の整理に使います。金融商品の見積り、申込み、契約変更は初回の範囲に含みません。
目次(13セクション)
リ・バース60とは?商品の基本
【リ・バース60】は住宅金融支援機構が提供する、満60歳以上のシニア向け住宅ローンです。自宅を担保に資金を借り、契約者が存命中は毎月利息のみ支払い、契約者の死亡後に担保物件の売却または現金一括返済で元本を清算する仕組みです。
| 項目 | リ・バース60の概要 |
|---|---|
| 申込年齢 | 満60歳以上(住宅の建設・購入・リフォーム・借換え資金として) |
| 使途 | 住宅の新規取得・リフォーム・住み替え・既存住宅ローン借換え・サービス付き高齢者向け住宅入居一時金など(生活費には使えない) |
| 借入限度額 | 8,000万円または担保評価額の50〜60%(50歳以上60歳未満の一部特例あり)のいずれか低い方 |
| 毎月の支払い | 利息のみ |
| 元本の返済 | 契約者死亡後に担保物件売却または相続人による一括返済 |
| 金利タイプ | 変動金利が主流(取扱金融機関により異なる) |
出典:住宅金融支援機構「【リ・バース60】商品概要」(2026年5月)
「やばい」と言われる6つの理由
理由①担保割れ(残債が担保評価額を超える)リスク
契約者が長生きするほど累積利息が増え、担保物件の評価額を残債が超える"担保割れ"状態になります。ノンリコース型なら相続人への残債請求はないものの、追加融資の停止・融資限度額の見直しが行われる可能性があります。
理由②金利上昇で利息負担がじわじわ増える
2026年5月時点で金利は2%前後ですが、日銀の金融政策正常化に伴い緩やかな上昇圧力を受けています。たとえば1,500万円を借りている場合、金利が2%→3%に上がると月々の利息は約25,000円→約37,500円と月12,500円増えます。年金生活者にとってこのインパクトは小さくありません。
理由③担保物件の評価額下落リスク
地方の戸建てや駅から離れたエリアの物件は、将来的に市場価格が下がりやすい構造にあります。担保評価額が下がると、極度額の見直しや追加借入停止のリスクが発生します。「20年住んだら土地値だけになった」という戸建ての現実と向き合う必要があります。
理由④相続人の同意が必要で家族内で揉めやすい
申込時には推定相続人(配偶者・子ども等)の同意が原則として必要です。「自宅を担保に入れる=相続で自宅が売却清算される可能性を受け入れる」ことへの合意形成で、きょうだい間で意向が割れるケースが目立ちます。
理由⑤死後の売却価格が想定より下がるリスク
契約者死亡時に担保物件を売却して清算する場合、売却活動に時間がかかると価格下落・空き家化の影響を受けます。「売り急いだ結果、想定より大幅に安く売れた」ケースでは、ノンリコース型でも相続人が自宅を残す選択肢を失います。
理由⑥生活費には使えない(使途制限)
リ・バース60は住宅関連の使途に限定されており、純粋な生活費・医療費・介護費の充当には使えません。老後の生活費不足を解決したいなら、民間のリバースモーゲージ(使途自由型)や不動産売却・リースバックなど別の選択肢を検討する必要があります。
ポイント
「やばい」の中身は、商品そのものの欠陥というより"シニア特有の長寿・資産価値・家族関係"が重なって生じる構造的リスクです。正しく理解すれば、避けられるリスクと受け入れられるリスクの線引きは可能です。
ノンリコース型とリコース型の決定的な違い
リ・バース60を検討するときに最優先で確認すべきのが、ノンリコース型かリコース型かです。
| 項目 | ノンリコース型 | リコース型 |
|---|---|---|
| 契約者死亡後、売却で残債が残ったら | 相続人に返済義務なし | 相続人が返済義務を負う |
| 金利 | やや高め(+0.1〜0.2%程度が多い) | やや低め |
| 相続人の心理的負担 | 小さい | 大きい(将来の残債リスクを相続) |
| 取扱状況(2026年) | 主流化が進む | 一部金融機関で残存 |
金利差は年0.1〜0.2%程度のため、多少金利が高くてもノンリコース型を選ぶのがシニア家族にとっての標準解と考えます。相続人に残債請求が及ばないという安心感は、その金利差を払う価値があります。
出典:住宅金融支援機構「【リ・バース60】ご利用条件」(2026年5月)
2026年の金利水準と返済シミュレーション
借入1,500万円・金利2.0%(変動)・利息のみ支払いの条件で、契約者が80歳・90歳まで存命の場合の累積利息を試算します(税金・手数料等は除く概算)。
| 契約年齢→死亡年齢 | 期間 | 月々の利息支払い | 累積利息総額 |
|---|---|---|---|
| 65歳契約 → 80歳死亡 | 15年 | 約 25,000円 | 約 450万円 |
| 65歳契約 → 90歳死亡 | 25年 | 約 25,000円 | 約 750万円 |
| 65歳契約 → 100歳死亡 | 35年 | 約 25,000円 | 約 1,050万円 |
使うべき人・使うべきでない人チェックリスト
リ・バース60は万人向けの商品ではありません。自分の世帯が「使うべき側」か「避けるべき側」かを判断するために、以下のチェックリストで確認してください。
使うべき人(該当が多いほど適性が高い)
- ✅ 満60歳以上で、自宅(戸建てまたはマンション)を所有している
- ✅ 子世代が独立しており、自宅を相続させる強い意向がない
- ✅ バリアフリーリフォーム・住み替え・サ高住入居など住宅関連の資金ニーズがある
- ✅ 年金収入で毎月の利息支払い(借入額の0.15〜0.2%/月程度)を無理なく賄える
- ✅ 推定相続人(配偶者・子)が担保提供に同意できる関係にある
- ✅ 担保物件が都市部・駅近など資産価値が維持されやすい立地にある
- ✅ ノンリコース型を選択し、配偶者承継特約を付帯できる
使うべきでない人(1つでも該当すると要注意)
- ❌ 生活費・医療費・介護費の不足を補いたい(リ・バース60は住宅関連使途に限定)
- ❌ 自宅を子や孫に確実に残したい(死後の売却精算が前提の商品)
- ❌ 担保物件が地方の戸建てで、将来的に地価下落が見込まれる
- ❌ 相続人が複数おり、担保提供への同意を得るのが困難
- ❌ 月々の利息支払いが年金収入の20%を超える借入額になる
- ❌ リコース型しか選べず、相続人に残債リスクが及ぶ
- ❌ 金利上昇時に利息増加分を吸収できる余裕資金がない
判定の目安
「使うべき人」に5つ以上該当し、「使うべきでない人」に1つも該当しなければ、前向きに検討できる世帯です。「使うべきでない人」に2つ以上該当する場合は、民間リバースモーゲージやリースバックなど別の選択肢を先に比較することを推奨します。
リ・バース60 vs 民間リバースモーゲージ vs リースバック比較
シニアが自宅を活用して資金を調達する方法は、リ・バース60だけではありません。民間のリバースモーゲージ、リースバックと3つを並べて比較します。
| 比較項目 | リ・バース60 | 民間リバースモーゲージ | リースバック |
|---|---|---|---|
| 提供元 | 住宅金融支援機構(公的) | 銀行・信金等(民間) | 不動産会社(民間) |
| 資金の性質 | 融資(借入) | 融資(借入) | 売却代金 |
| 使途 | 住宅関連に限定 | 自由(生活費可のものあり) | 自由 |
| 自宅の所有権 | 契約者が保持 | 契約者が保持 | 買主に移転 |
| 毎月の支払い | 利息のみ(元本据置) | 利息のみが多い | 家賃(相場の80〜100%) |
| 金利水準(2026年目安) | 年2%前後 | 年3〜4%前後 | ―(家賃として発生) |
| ノンリコース対応 | あり(主流) | 一部あり | ―(売却済み) |
| 対象エリア | 全国(取扱金融機関経由) | 都市部中心 | 比較的広い |
| 相続人の同意 | 原則必要 | 金融機関による | 不要(売却のため) |
| 死亡後の処理 | 担保売却または一括返済 | 担保売却または一括返済 | 賃貸契約の終了 |
選び方の指針
- 住宅関連の資金ニーズ(リフォーム・住み替え・借換え)→ リ・バース60が金利面で有利
- 生活費・医療費・介護費に充てたい → 民間リバースモーゲージ(使途自由型)を検討
- まとまった資金を一括で受け取りたい+自宅に住み続けたい → リースバック
- 自宅を手放してもよい+市場価格で売りたい → 通常の不動産売却が最も手取りが大きい
金利上昇シナリオ別シミュレーション
リ・バース60は変動金利が主流のため、金利上昇リスクを具体的な数字で把握しておくことが重要です。借入額1,500万円・契約年齢65歳のケースで、3つの金利シナリオを試算します。
シナリオ別:月々の利息と累積利息(借入1,500万円)
| シナリオ | 金利 | 月々の利息 | 年間利息 | 80歳まで(15年)累積 | 90歳まで(25年)累積 |
|---|---|---|---|---|---|
| 現状維持 | 2.0% | 25,000円 | 30万円 | 450万円 | 750万円 |
| 緩やかな上昇 | 3.0% | 37,500円 | 45万円 | 675万円 | 1,125万円 |
| 急上昇 | 4.0% | 50,000円 | 60万円 | 900万円 | 1,500万円 |
計算例:金利3%シナリオの家計インパクト
金利が2%→3%に上昇した場合、月々の利息負担は25,000円→37,500円(+12,500円/月)に増えます。年間では15万円の負担増です。厚生年金の平均受給額(月約14.5万円)の世帯では、利息だけで年金の約26%を占める計算になります。
金利上昇に備える3つの対策
- 借入額を担保評価額の40%以下に抑える — 上限の50〜60%まで借りず、余裕を持たせる
- 繰上返済用の予備資金を確保する — 退職金・預貯金から200〜300万円を金利上昇対応用に温存
- 金利キャップ付きの金融機関を選ぶ — 一部の取扱金融機関では金利上限を設定した商品がある
借入額別の月々利息早見表(金利2.0%時点)
| 借入額 | 月々の利息(2.0%) | 月々の利息(3.0%) | 月々の利息(4.0%) |
|---|---|---|---|
| 500万円 | 約8,300円 | 約12,500円 | 約16,700円 |
| 1,000万円 | 約16,700円 | 約25,000円 | 約33,300円 |
| 1,500万円 | 約25,000円 | 約37,500円 | 約50,000円 |
| 2,000万円 | 約33,300円 | 約50,000円 | 約66,700円 |
| 3,000万円 | 約50,000円 | 約75,000円 | 約100,000円 |
自分の年金受給額に対して、利息が何%を占めるかを計算し、利息負担が年金の25%を超える借入額は避けるのが安全ラインの目安です。
申込みから融資実行までの流れと必要書類
リ・バース60の申込みから融資実行までは、一般的に1〜2か月かかります。相続人の同意取得が難航するケースでは3か月以上要することもあるため、余裕を持ったスケジュールで動くことが重要です。
全体の流れ(5ステップ)
| ステップ | 内容 | 所要期間の目安 |
|---|---|---|
| 1. 事前相談 | 取扱金融機関の窓口で商品説明を受け、概算の借入可能額を確認。担保物件の所在地・築年数・構造で対応可否が決まる | 当日〜1週間 |
| 2. 事前審査(仮審査) | 収入・物件情報・借入希望額を提出。金融機関が住宅金融支援機構に仮審査を依頼 | 1〜2週間 |
| 3. 本審査 | 担保物件の不動産鑑定評価を実施。相続人全員の同意書を提出。団体信用生命保険は不要(加入しない) | 2〜3週間 |
| 4. 契約手続き | 金銭消費貸借契約・抵当権設定契約を締結。司法書士が抵当権設定登記を行う | 1〜2週間 |
| 5. 融資実行 | 資金が口座に入金。リフォームの場合は工事完了後に実行されるケースもある | 契約後1週間程度 |
必要書類チェックリスト
| 分類 | 書類名 | 備考 |
|---|---|---|
| 本人確認 | 運転免許証・マイナンバーカード等 | 顔写真付きのもの |
| 収入証明 | 年金振込通知書・確定申告書(直近2年分) | 年金生活者は年金額改定通知書 |
| 物件関連 | 登記事項証明書・固定資産評価証明書・建物図面 | 法務局・市区町村で取得 |
| 資金使途 | 工事見積書(リフォーム)・売買契約書(住み替え) | 使途に応じた証憑 |
| 相続人同意 | 推定相続人全員の同意書・印鑑証明書 | 配偶者・子ども全員分が必要 |
| その他 | 住民票・実印・銀行届出印 | 金融機関による追加要求あり |
つまずきやすいポイント
最も時間がかかるのは「推定相続人全員の同意取得」です。遠方に住む子どもや、疎遠になっている兄弟がいる場合は、事前に趣旨を説明して同意を取り付けておくと審査がスムーズに進みます。相続人の同意書は金融機関所定の書式が多く、実印+印鑑証明書のセットが必要です。
よくある質問(FAQ)
- リ・バース60のノンリコース型とリコース型の違いは?
- ノンリコース型は、契約者死亡後に担保物件を売却して残債が出ても相続人が返済義務を負わないタイプです。リコース型は残債が残る場合に相続人が返済義務を負います。2026年5月時点では多くの取扱金融機関でノンリコース型が主流になりつつあります。金利差は年0.1〜0.2%程度のため、ノンリコース型を選ぶのが標準的な判断です。
- リ・バース60と民間リバースモーゲージ・リースバックはどう違う?
- リ・バース60は住宅金融支援機構の公的商品で住宅関連の使途に限定されます。民間リバースモーゲージは使途自由型もありますが金利が高め(年3〜4%)で対象エリアも限定的です。リースバックは自宅を売却して賃貸で住み続ける方式で、まとまった資金が手に入りますが毎月の家賃負担が発生します。詳しくは比較表をご覧ください。
- 金利が上がったら月々の支払いはどれくらい増える?
- 借入1,500万円の場合、金利が2%から3%に上がると月々の利息は約25,000円→約37,500円(+12,500円/月)に増え、年15万円の負担増になります。金利が4%まで上がると月50,000円となり、年金生活の家計に大きなインパクトを与えます。金利シナリオ別シミュレーションで詳細を確認できます。
- 申込みから融資実行までどれくらいかかる?
- 一般的に1〜2か月程度です。事前審査(1〜2週間)→本審査(2〜3週間)→契約手続き(1〜2週間)が目安ですが、相続人の同意取得に時間がかかるケースでは3か月以上要することもあります。申込みの流れを事前に把握しておくと安心です。
- 配偶者が残された場合、自宅に住み続けられる?
- 連帯債務者として配偶者を設定するか、配偶者承継特約を付帯すれば、契約者死亡後も配偶者がそのまま自宅に住み続けられます。ただし配偶者の年齢が50歳未満の場合は承継特約が利用できない金融機関もあるため、事前に確認が必要です。
- リ・バース60を途中で繰上返済・一括返済できる?
- はい、契約者が存命中であれば任意のタイミングで繰上返済(一部または全額)が可能です。繰上返済手数料は金融機関によりますが、無料のところが多い傾向です。資金に余裕が出た段階で一部繰上返済すれば、累積利息の総額を抑える効果があります。
出典・改訂履歴・免責事項を見る
本ページの制度概要・要件・税率は、以下の公式情報を編集部が確認のうえ整理しています(執筆時点)。最新かつ正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。FPは記事を直接監修してはおらず、関連テーマでご相談を受けるFPとしてご紹介しています。
最終確認日:2026年5月15日
※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。
本相談は将来収益を保証したり、初回に金融商品の比較・見積り・申込みを行ったりするものではありません。