家計の固定費・ポイント戦略

クレジットカード ポイント・マイル
実質還元率 完全比較【2026】
JAL改定後・アメックス・マリオット・個人事業主まで横断

公開日: 更新日: 執筆:IKIGAI TOWN 編集部

結論から言うと、クレジットカード選びは「年会費」や「表面上の還元率1.0%」で比べてはいけません。「貯めたポイントが、自分の使い道で1ポイント=何円相当になるか」を実質ベースで揃えるのが正解です。本記事では、2025年に大改定が走ったJALマイル・マリオット・ボンヴォイ・アメックス・プレミアムの最新仕様を踏まえ、航空マイル系・ホテル系・転送先を選べるアメックス系・個人事業主向けビジネスカードを、実質還元率で横並びに比較します。

結論ボックス

  • JALは2025年6月+12月に2段階で改定。国内線は全ゾーン+500マイル、国際線はPLAYS(変動マイル制)導入で基本枠が埋まると特典航空券PLUSにより必要マイルが基本マイルの数倍〜最大約9倍になるケースも(北米ビジネスNYC基本55,000→最大502,000マイル等)
  • 純粋な「マイル貯め」コスパは ANAワイドゴールド(年15,400円) が最有力。実質還元率1.5〜2.0%相当
  • 使い道を後で選びたい・出張も旅行もある人は アメックス・ゴールド・プリファード(年39,600円)。14社のマイル+ホテルポイントへ転送
  • 高級ホテル派は マリオット・ボンヴォイ・アメックス・プレミアム。ただし2025年11月以降は年会費82,500円・無料宿泊条件が年400万円利用に改定
  • 個人事業主は 三井住友カード ビジネスオーナーズ ゴールド(年100万円利用で年会費永年無料・最大2.0%還元)が筆頭候補
  • JAL派の個人事業主・経営者セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス(年22,000円)。SAISON MILE CLUB加入で実質還元率約2.25%、永久不滅ポイント有効期限なし

先に答え|実質還元率での総合ランキング

「1ポイント=何円相当に化けるか」を、現実的な使い道(国内線・国際線エコノミー・高級ホテル無料宿泊)で揃えた早見表です。表面の還元率(1.0%など)ではなく、最終的に得をする金額ベースで並べています。

カード年会費表面還元率実質還元率
(典型ユース)
主な貯め先
ANA VISAワイドゴールド15,400円1.0%1.5〜2.0%ANAマイル
JAL CLUB-A ゴールド17,600円1.0%1.0〜1.5%(改定後)JALマイル
セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス22,000円0.5%2.0〜2.25%(JAL SMC加入時)JALマイル+永久不滅ポイント
アメックス・ゴールド・プリファード39,600円1.0%1.0〜2.0%MR→14社マイル/ホテル
マリオット・ボンヴォイ・アメックス・プレミアム82,500円※13.0%1.5〜2.5%(高級ホテル使用時)マリオットポイント
ヒルトン・オナーズ アメックス・プレミアム66,000円2.0%1.5〜2.0%ヒルトンポイント+ゴールド会員
三井住友カード ビジネスオーナーズ ゴールド5,500円※20.5%最大2.0%(個人カード併用)Vポイント
アメックス・プラチナ165,000円1.0%金額換算より体験価値重視MR+FHRなど特典

※1 2025年11月以降の更新分から49,500円→82,500円に改定。無料宿泊特典の取得条件も「年150万円利用」から「年400万円以上利用」に変更。
※2 年100万円以上利用で翌年以降の年会費永年無料。

「実質還元率」の数え方

たとえばANAマイルは、国際線ハワイ往復(エコノミー・ローシーズン35,000マイル)に使うと、現金購入時の航空券単価7〜8万円÷35,000マイル=1マイル≒2.0〜2.3円に化けます。100円利用=1マイル積算なので、実質還元率は2.0〜2.3%。逆に1マイル=1円のキャッシュバック使いをすると、ただの1.0%還元カードと同じです。

JALマイル改定の中身(2025年6月+12月)

2025年は「JALマイル改定の年」と呼ばれました。改定は2段階に分かれます。

第1弾:2025年6月10日改定

  • 国内線特典航空券:全7ゾーンで一律+500マイル(片道)
  • 国際線:エコノミー一部据置だが、ビジネス・ファーストはほぼ全方面で増額。特にファーストは旧比 +30〜75%の大幅増

第2弾:2025年12月1日改定(PLAYS/特典航空券PLUS)

  • 基本マイルそのものは6月改定値を維持。ただし「基本マイル枠」の在庫がない場合、空席状況に応じた追加マイル(特典航空券PLUS)を上乗せして取れる仕組みに統一
  • 結果、繁忙期・週末・人気時間帯・直前予約ほど必要マイルが基本マイルから大きく上振れするケースが顕在化

「基本マイル」と「PLUS最大マイル」のギャップが大きい

JAL公式は「必要マイル数は日程・便・予約時点の空席状況により変動する」と明記しています。基本マイル枠が埋まると特典航空券PLUSの追加マイルが乗り、見かけ上は基本マイルから大きく増えます。実際の上限値は次のとおりです。

区間・クラス基本マイル(片道)PLUS利用時の最大(片道)
国内線 Aゾーン 普通席(東京⇔大阪等)4,50018,500
国内線 Fゾーン 普通席(東京⇔沖縄等を含む長距離)9,50044,500
北米ビジネス(ロサンゼルス)55,000421,500
北米ビジネス(ニューヨーク)55,000前後502,000
欧州ビジネス(ロンドン/パリ)57,000441,000

つまり「必要マイル数が一律N倍になった」というより、安い基本枠が取りにくい日程・便ではPLUS価格になり、見かけ上かなり高く見えるという構造です。繁忙期・週末・人気時間帯・予約が遅いケースほど極端に振れます。

対策:

  • 予約開始直後(出発360日前〜)に基本枠を押さえる
  • 平日・不人気時間帯・乗継便・地方発着を狙う
  • 基本枠が埋まる繁忙期は ANA/スターアライアンスマイルアメックスMR の他社転送 で逃げ道を確保

JAL国際線 必要マイル|改定前後(片道・基本マイル)

「ハワイ・北米・欧州」の主要路線で、2025年6月10日改定の前後を並べた一覧です。ファーストは方面によっては約1.7倍に跳ね上がっており、退職金マイラーのプラン崩壊が話題になりました。

路線クラス旧(〜2025/6/9)新(2025/6/10〜)差分
ハワイ(ホノルル等)エコノミー20,00020,000据置
プレエコ30,00030,000据置
ビジネス40,00043,000+3,000
ファースト(R)60,000100,000+40,000(+67%)
北米(LAX等)エコノミー25,00027,000+2,000
プレエコ32,50040,000+7,500
ビジネス50,00055,000+5,000
ファースト(R)80,000125,000+45,000(+56%)
欧州(LON/CDG等)エコノミー26,00027,000+1,000
プレエコ35,00040,000+5,000
ビジネス55,00057,000+2,000
ファースト(R)95,000125,000+30,000(+32%)
シンガポールエコノミー12,00013,000+1,000

※ 数字は片道の基本マイル(往復はおよそ2倍)。R=レギュラーシーズン。L(ロー)はR比 -10〜-15%、H(ハイ)は +10〜+15%。2025年12月以降は基本マイル枠が埋まっていれば特典航空券PLUSの追加マイルが乗る。
出典:JAL 国際線特典航空券 必要マイル数(公式)

改定後の「実質」

たとえばハワイ往復ファーストは片道60,000×2=120,000マイルで取れていたものが、片道100,000×2=200,000マイルへ。欧州ファーストは片道95,000×2=190,000マイルが、片道125,000×2=250,000マイルに。さらに繁忙期はPLUS変動分で+30〜50%乗ることもあるため、「JALカードで貯めて欧州ファースト」というプランは2026年時点で事実上崩壊しています。

JAL国内線 必要マイル(片道・全ゾーン+500改定後)

ゾーン主要区間普通席(旧→新・片道)クラスJ(旧→新・片道)
A東京⇔大阪/名古屋等の近距離4,000 → 4,5005,000 → 5,500
B東京⇔山陰・四国等5,000 → 5,5006,000 → 6,500
C東京⇔札幌・福岡等6,000 → 6,5007,000 → 7,500
D東京⇔沖縄・鹿児島等7,000 → 7,5008,500 → 9,000
E東京⇔石垣等8,000 → 8,5009,500 → 10,000
G長距離特殊区間10,000 → 10,50011,000 → 11,500

※ 数字は片道。往復はおよそ2倍。3シーズン制(通常期/繁忙期/特別繁忙期)が併存し、繁忙期は基本マイルにさらに上乗せされる。
出典:JAL 国内線特典航空券 必要マイル数(公式)

ANA国際線 必要マイル(Zone別・シーズン別)

方面クラスL(ローシーズン)R(レギュラー)H(ハイシーズン)
ハワイ(Zone 5)エコノミー35,00040,00043,000
ビジネス60,00065,00068,000
北米(Zone 6)エコノミー40,00050,00055,000
ビジネス75,00085,00090,000
欧州(Zone 7)エコノミー45,00055,00060,000
ビジネス80,00090,00095,000

※ 2025年6月24日改定後の往復必要マイル(ANA運航便・スターアライアンス便で異なる)。最新値はANA公式マイルチャートを参照。

航空マイル系|ANAカード・JALカード比較

ANAカード(2026年)

カード年会費還元率搭乗ボーナス主な特典
ANA一般カード2,200円0.5〜1.0%+10%入会・継続1,000マイル
ANA VISAワイドゴールド15,400円1.0%+25%空港ラウンジ・継続2,000マイル・海外旅行保険1億円
ANA VISAプラチナプレミアム88,000円1.5%+50%ANA航空券購入で最大3.5%還元・コンシェルジュ
ANA SFC(スーパーフライヤーズ)34,100円〜1.0〜1.5%+25〜50%ANAラウンジ生涯利用権

JALカード(2026年)

カード年会費ショッピングマイル主な特典
JALカード普通2,200円0.5%(プレミアム加入で1.0%/+4,950円)入会・継続1,000マイル
JAL CLUB-A ゴールド17,600円1.0%(プレミアム標準付帯)空港ラウンジ・継続2,000マイル・海外旅行保険
JALカード プラチナ34,100円1.0%+プライオリティパスコンシェルジュ・最高1億円旅行保険

FPの推し

純粋な「マイル経済圏」の効率では、現時点でANAワイドゴールド > JAL CLUB-A ゴールド。理由は、ANAは2025年改定後も比較的フェアなマイルチャートを維持しているのに対し、JALはPLAYS導入で「実質必要マイル」が読みにくく、心理的にも貯める気が削がれやすいからです。すでにJALを長く貯めてきた人は2026年内に使い切る計画を立て、新規はANAに寄せる動きが2025年後半から増えています。

ホテル系|マリオット・ヒルトン・一休連動カード

マリオット・ボンヴォイ・アメックス・プレミアム(2025年大改定)

2025年は航空だけでなくホテル系でも大きな動きがありました。マリオット・ボンヴォイ・アメックス・プレミアムは、2025年11月以降の更新分から大幅にリニューアルされています。

  • 年会費:49,500円 → 82,500円(+33,000円)
  • 無料宿泊特典の条件:年150万円利用 → 年400万円以上利用
  • 無料宿泊で使えるポイント上限:上限7.5万Marriottポイント
  • 還元率:通常3.0%(100円=3ポイント)。ただし税金・公共料金は0.5%に引き下げ
  • マリオットのプラチナエリート資格は年400万円利用+15泊で取得

出典:アメリカン・エキスプレス公式(マリオット・ボンヴォイ・アメックス・プレミアム サービス改定)

改定?それとも「ヘビーユーザー向け純化」?

年400万円利用は、月33万円ペース。出張が多い経営者・個人事業主や、家族の生活費・住居費まで集約できる層には依然強力ですが、年100〜200万円程度の一般会社員には現実的ではなくなりました。年150万円〜250万円利用層は、アメックス・ゴールド・プリファードに移行してMR→マリオット転送(2,000MR=990ポイント)のほうが効率が良いケースが増えています。

ヒルトン・オナーズ アメックス・プレミアム

  • 年会費:66,000円(税込)/家族カード3枚まで無料
  • 入会でヒルトン・オナーズ ゴールドステータス自動付与(無料朝食・客室アップグレード・レイトチェックアウト)
  • 毎年継続でウィークエンド無料宿泊1泊
  • 年300万円以上利用で最大2泊の無料宿泊プレゼント

マリオット改定を受けて、2025年後半から「ヒルトン側に乗り換える」動きが顕著になりました。年300万円利用で2泊取れる設計は、年400万円利用が必要なマリオットより合理的という評価です。

一休.com 連動カード(高級ホテル予約派)

「一休」を検索する層は、パレスホテル東京・リッツカールトン・ハレクラニ沖縄など高級ホテル指向。一休経由の予約還元を最大化するなら、以下が候補です。

  • 三井住友カード プラチナプリファード × 一休.com:通常1.0%+特約店追加6.0% = 合計7.0%還元(一休公式キャンペーン経由)
  • ダイナースクラブ プレミアム:一休ダイヤモンド会員ステータス永続付与
  • セゾン・アメックス(一部):一休のステージ特典付与

一休利用が年30万円以上ある世帯は、プラチナプリファードへの集約が金銭的に最も効きます。

転送先を選べるアメックス系|MRポイントの実力

「貯める先を1社に決めたくない」「出張も旅行もあって航空会社が固定できない」人に向いているのが、ポイントを14社の航空会社マイル・3社のホテルポイントに転送できるメンバーシップ・リワード(MR)系のアメックスです。

アメックス・ゴールド・プリファード(2024年新登場)

  • 年会費:39,600円
  • メンバーシップ・リワード・プラス(通常3,300円)が無料自動付帯=MRポイントが最初から無期限
  • 転送先:ANA・シンガポール航空・ブリティッシュエアウェイズ・キャセイパシフィック・カタール航空・デルタ・タイ航空・ヒルトン・マリオット など14社
  • ANA転送:MR ANAコース(年5,500円)必須/1MR=1ANAマイル/年40,000マイル上限
  • JAL転送:可能だがレートが悪く非推奨(実質的にJAL派は別カードを併用)

アメックス・プラチナ

  • 年会費:165,000円(税込)
  • Fine Hotels & Resorts(FHR):世界1,600施設で朝食2名無料・客室アップグレード・12時アーリーチェックイン・16時レイトチェックアウト・$100相当の館内クレジット
  • マリオット プラチナ/ヒルトン ダイヤモンド ステータス(条件付き)
  • センチュリオン・ラウンジ/プライオリティパス/コンシェルジュ無制限

金額換算より「体験価値」を買うカード。年に数回ハイシーズンに高級ホテルへ行く層なら年会費以上の価値が出ますが、貯めて使うコスパでは ゴールド・プリファードのほうが合理的です。

「貯める先を後で選べる」価値

JALが改定された2025年、JALカードで貯めた人は逃げ道がないのに対し、MRで貯めた人は「ANAに振る・シンガポール航空に振る・マリオットに振る」と即座に切り替えられました。1社固定のリスクヘッジとして、MR系の柔軟性は2026年以降ますます重要になります。

セゾン・アメックス|JAL派・個人事業主の隠れた本命

本家アメックスとは別に、クレディセゾンが発行する「セゾン・アメックス」は、JAL派と個人事業主に強い独自ラインです。MR(メンバーシップ・リワード)の代わりに「永久不滅ポイント(有効期限なし)」を貯める設計で、本家のANA寄りに対しセゾン側はJAL寄りなのが大きな違い。

カード年会費還元率強み対象
セゾンパール・アメックス・デジタル 初年度無料/2年目以降1,100円
(年1回利用で無料)
通常0.5%/QUICPay利用で2.0%(年30万円利用分まで) 完全ナンバーレス・最短5分発行・年会費実質無料 20〜30代の入門
セゾンブルー・アメックス 初年度無料/3,300円
(26歳まで無料)
0.5%(海外1.0%) 海外旅行傷害保険最高3,000万円・Tablet Hotels特典 学生・若年層
セゾンゴールド・プレミアム 11,000円
(年100万円利用で翌年以降永年無料
0.75%相当+年100万円利用で1万円分の選べるギフト 空港ラウンジ無料・コンビニ/カフェで最大1.0% 固定費年100万円超の個人
セゾンローズゴールド・アメックス 月額980円(年11,760円相当) 0.5%+誕生月4倍 女性向け月1優待(フラワー・スイーツ・サロン)/月額制で休止可 女性
セゾンプラチナ・アメックス 22,000円 0.75%(永久不滅優遇1.5倍) コンシェルジュ・プライオリティパス無料・海外旅行保険最高1億円 個人
セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス 22,000円(初年度無料) 0.5%+SAISON MILE CLUBでJAL最大1.125%実質約2.25% 個人事業主・法人代表者のJAL最強カード。コンシェルジュ・プライオリティパス無料・ハイヤー手配 個人事業主・経営者

本命:セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス × SAISON MILE CLUB

個人事業主・経営者の間で「JALマイル最強の1枚」と呼ばれているのがこのカードです。仕組みはシンプルで、SAISON MILE CLUB(通常年5,500円→本カードは無料付帯)に加入すると、ショッピング1,000円ごとに:

  • JALマイル 10マイル(自動移行)
  • + 永久不滅ポイント 1pt(2,000円ごと)→ 200pt=500マイル交換可(=2.5マイル/1,000円相当)
  • 合算で 1,000円 = 11.25マイル = JAL還元率 1.125%

マイル単価2円換算で実質還元率は約2.25%。ANA派にとってのANAワイドゴールドと同じ位置づけが、JAL派ではこのカードです。年間移行上限は150,000マイル(年経費1,500万円相当まで対応)。

JAL改定を踏まえても、なぜセゾンプラチナ・ビジネスは強いのか

JAL国際線でPLUSにより必要マイルが数倍に振れる局面でも、マイルの「貯まる速さ」が他のJAL系カードを大きく引き離しているため、貯蓄スピードで勝負できます。さらに永久不滅ポイントは有効期限なしなので、PLUSで高騰する繁忙期は寝かせ、基本枠が取れる平日・予約直後で消化する運用が可能。JAL CLUB-A ゴールド(年17,600円・1.0%)と比較すると、年経費400万円利用層では年間でマイル獲得量が約1.5倍になります。

家族カード/追加カード/ETCも年会費無料、コンシェルジュ・プライオリティパス・ハイヤー予約・JAL機内販売10%OFFまで揃って年22,000円は、本家アメックス・ビジネス・ゴールド(49,500円)と比べても圧倒的に低コストです。

出典:セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード(公式・JALマイル)SAISON MILE CLUB(公式)

個人事業主・経費利用に向くビジネスカード

個人事業主・フリーランス・小規模法人代表が「経費精算 × ポイント還元」を最大化するなら、以下が筆頭候補です。

カード年会費還元率強み
三井住友カード ビジネスオーナーズ ゴールド5,500円
(年100万円利用で永年無料)
0.5〜2.0%個人カード併用+SMBC口座設定で最大2.0%/年100万円利用で1万ポイント還元
アメックス・ビジネス・ゴールド49,500円1.0%個人事業主は個人与信で申込可/MR転送先14社/年会費は経費計上可
セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス22,000円JAL最大1.125%(実質約2.25%)SAISON MILE CLUB無料付帯/コンシェルジュ/プライオリティパス/JAL派個人事業主の本命
JCB Biz ONE 一般初年度無料/年100万円利用で永年無料1.0%Amazon・スタバ等で還元アップ/個人事業主向けに開放
マネーフォワード ビジネスカード初年度無料/年1回利用で無料1.0〜3.0%マネーフォワードクラウドで3.0%/会計ソフト自動連携
Airカード(リクルート)5,500円1.5%ビジネスカードで業界最高クラスの基本還元
freee×UC無料〜0.5〜1.0%freee会計連携

個人事業主が「経費でカードを切る」3つのメリット

  1. 記帳・確定申告の自動化:利用明細がfreee/マネーフォワード/弥生に自動連携。手入力ゼロで仕訳が積み上がる
  2. キャッシュフロー改善:締め日〜支払日まで最大約56日の支払い猶予
  3. ポイント還元=実質値引き:年経費500万円なら1.5%還元で年75,000円の利益増

経費とポイントの税務上の整理

業務用支払いで貯めたポイントを業務用支出に充当した場合、原則として課税対象になりません(国税庁の通達上、ポイントは「値引きと同等の経済的利益」として扱われる)。ただし業務用カードで貯めたポイントを私的に使うと、給与・雑所得等として課税されうるため、ビジネスカードのポイントは業務用支出への充当に限定するのが安全です。

年会費は業務利用部分のみ経費計上。完全業務利用なら全額、家事按分が必要なら按分計上します。

年間利用額別シミュレーション

年間カード利用額別に、主要4枚で得られる「実質年間リターン」を試算した結果です。年会費を引いた純額で比較しています。

カード年100万円利用年200万円利用年400万円利用年600万円利用
ANA VISAワイドゴールド
(年会費15,400円・実質1.8%想定)
+2,600円 +20,600円 +56,600円 +92,600円
アメックス・ゴールド・プリファード
(年会費39,600円・実質1.5%想定)
−24,600円 −9,600円 +20,400円 +50,400円
マリオット・ボンヴォイ・アメックス・プレミアム
(年会費82,500円・無料宿泊条件達成で実質2.0%)
−62,500円 −42,500円 +77,500円(無料宿泊≒10万円換算) +157,500円
三井住友 ビジネスオーナーズ ゴールド
(年100万円で年会費永年無料・最大2.0%)
+20,000円 +40,000円 +80,000円 +120,000円

読み解き方

年100〜200万円利用層は三井住友ビジネスオーナーズ ゴールド or ANAワイドゴールドが最有利。年400万円以上を1枚に集約できるならマリオットの破壊力が圧倒的。アメックス・プラチナは「金額換算しない体験投資」なので、この表には載せていません。

2枚持ち戦略|「貯める」と「使う」を分ける

1枚で全てを賄うより、「メイン1枚+特化サブ1枚」の組み合わせのほうが実質還元率は高くなります。代表的な組み合わせを紹介します。

メインサブ狙い合計年会費
ANAワイドゴールド三井住友NL(年会費無料)マイル積立 + コンビニ7%還元15,400円
アメックス・ゴールド・プリファード楽天カード(年会費無料)MR柔軟性 + 楽天市場の高還元39,600円
マリオット・ボンヴォイ・プレミアム三井住友ビジネスオーナーズGold家計はマリオット集約 + 経費を分離82,500円〜
JAL CLUB-A ゴールドアメックス・ゴールド・プリファードJAL改定リスクを MR 転送先で分散57,200円
三井住友プラチナプリファードANA一般カード一休7%還元 + ANAマイル少額積立35,200円

タイプ別の最適解(年収・使い道別)

あなたのタイプ第1候補サブ/2枚目
年1〜2回ハワイ/アジアに行く会社員(30〜40代)ANAワイドゴールド三井住友NL(日常の0.5%)
出張多め・行先が固定できないビジネスパーソンアメックス・ゴールド・プリファード三井住友ビジネスオーナーズGold(経費分離)
年に数回、家族で高級ホテルに泊まる(年400万円利用層)マリオット・ボンヴォイ・アメックス・プレミアムヒルトン・オナーズ・プレミアム(横刺し)
年300万円利用層・ヒルトン系ホテルが好きヒルトン・オナーズ アメックス・プレミアムANA一般(マイル積立)
個人事業主・フリーランス(年経費300〜500万円)三井住友 ビジネスオーナーズ ゴールドマネーフォワード ビジネスカード(会計連携)
すでにJAL派・SFC会員相当のステータス志向JAL CLUB-A ゴールド(積立は控えめに)アメックス・ゴールド・プリファードでリスクヘッジ
JAL派の個人事業主・経営者セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス三井住友ビジネスオーナーズGold(経費分離)
体験価値・コンシェルジュ重視(年収1,500万円〜)アメックス・プラチナマリオット・ボンヴォイ・プレミアム
シニア・退職後(旅行頻度が読めない)年会費の安いANA一般カード使う直前に必要なステータスカードを単発取得

よくある誤解と落とし穴

  • 「還元率1.0%ならどれも同じ」は誤り:JALマイルの1.0%とアメックスMRの1.0%は、出口で2〜3倍差がつくことがある
  • マイルの「失効」リスク:JAL/ANAは原則36か月で失効。年間積算が少ない人は失効ロスのほうが還元益を上回ることも
  • 年会費は「投資」:年会費15,000円のカードで年20,000円分の特典を取れなければマイナス。年会費 ÷ 想定利用額 < 上乗せ還元率で計算する
  • マリオット2025年改定を見落としてはいけない:年150万円→年400万円への条件変更で、これまで黒字だった人が赤字化するケース多数
  • 家族カード戦略:本会員1枚+家族カードで利用合算→無料宿泊や継続特典の条件達成が現実的に
  • 個人事業主のビジネスカード収益化:業務用ポイントは業務用支出へ充当が原則。私用に流すと税務リスク
  • 「アメックス=ハイステータス」だけで選ばない:プラチナ165,000円は体験投資。日常の還元最大化が目的なら、ゴールド・プリファードかANA/三井住友系で十分

よくある質問(FAQ)

Q1. JALマイルは改定されたのですか?

はい。2025年6月10日に国内線特典航空券が全ゾーンで一律+500マイル増、国際線でも上位クラスが大幅増。さらに2025年12月1日からは国際線にもPLAYS(変動マイル制)が本格導入され、「基本マイル+予測残席に応じた追加マイル」の二段階で必要マイルが決まる仕組みに変わりました。固定の必要マイルは下限値であり、繁忙期・週末・人気時間帯・直前予約では特典航空券PLUSにより基本マイルの数倍〜最大約9倍(北米ビジネスNYCで基本55,000→最大502,000マイル等)に跳ね上がるケースもあります。

Q2. 結局、いちばん効率よくポイントが貯まるのはどのカードですか?

「貯めて何に使うか」で答えが変わります。国内線・国際線エコノミーで使うならANAワイドゴールド(実質1.5〜2.0%相当)、高級ホテルに泊まりたいならマリオット・ボンヴォイ・アメックス・プレミアム(高級ホテル無料宿泊で実質1.5〜2.0%相当)、使い道を後で決めたいならアメックス・ゴールド・プリファード(メンバーシップ・リワード→14社の航空会社・ホテルへ転送)が候補になります。

Q3. アメックスのポイント(メンバーシップ・リワード)は何に使えますか?

ANA・シンガポール航空クリスフライヤー・ブリティッシュエアウェイズ・デルタなど14社のマイル、マリオット・ヒルトンのホテルポイント、アメックス・トラベル・オンラインの航空券・ホテル代支払い、楽天やヨドバシでの代金充当などに使えます。ANAマイルへの転送は年5,500円のMR ANAコース加入が必要で、年間40,000マイルの上限があります。

Q4. 個人事業主が経費でクレジットカードを使うと、どんなメリットがありますか?

経費の支払いをカードに集約することで、利用明細が会計ソフト(freee・マネーフォワードなど)に自動連携され、記帳と確定申告の手間が大幅に減ります。年会費もビジネス利用分は経費計上できるため、ポイント還元と業務効率化を同時に得られるのがビジネスカードの実質メリットです。なお個人事業主の場合、信用審査は個人の与信で行われるカードがほとんどです。

Q5. マリオット・ボンヴォイ・アメックス・プレミアムは2025年に改定されたと聞きましたが?

はい。2025年11月以降の更新分から年会費が49,500円→82,500円に値上げされ、年間無料宿泊特典の取得条件も「年150万円利用」から「年400万円利用」に大幅に厳しくなりました。年400万円を使い切れない人にとっては実質改定で、ライフスタイルによっては他のホテル系カードやアメックス・ゴールド・プリファードへの切替検討が必要です。

Q6. 一休.comでよく予約するなら、どのカードが得ですか?

三井住友カード プラチナプリファード × 一休.com の組み合わせが還元率上は最強で、特約店経由で合計7.0%還元になります。一休のダイヤモンド会員ステータスを永続的に維持したいなら、ダイナースクラブ プレミアムを選ぶ手もあります。

※ 本記事は2026年4月時点で公表されている各カード会社・航空会社・ホテルプログラムの公式情報を整理したもので、特定のクレジットカードの申込みを勧誘する目的で作成したものではありません。年会費・還元率・特典内容・必要マイル数は今後変更される可能性があります。最新の条件は必ず各社公式サイト(アメリカン・エキスプレス三井住友カードJALカードANAマイレージクラブ)でご確認ください。実質還元率は典型的な使い道を想定した試算であり、実際の換算レートは利用時の航空券価格・空席状況・キャンペーン等により変動します。税務上の取扱いは個別事情により異なるため、必要に応じて税理士等にご相談ください。

IKIGAI TOWN 編集長より

塩飽 哲生

塩飽 哲生(しわく てつお)

IKIGAI TOWN 編集長 / スペシャリスト・ドクターズ株式会社 代表取締役
東京大学工学部卒・同大学院修士課程修了。3男2女の父。

クレジットカードのポイント戦略は、「やる人とやらない人で年20〜30万円の差がつく家計テーマ」です。ただし、「カードを増やす=得」ではありません。家計フロー全体を1〜2枚に集約し、貯まったポイントの出口(旅行・ホテル・経費)を最初に決めるのが鉄則。新NISA・iDeCo・住宅ローンとのバランスまで含めて、あなたの家計に合う配分を一緒に設計します。

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