PRESS RELEASE

2026年7月28日

スペシャリスト・ドクターズ株式会社(IKIGAI TOWN 運営)

貯めた人ほど、後悔している── 金融資産1,000万円以上の44.4%が「お金を使わなすぎた」。「使いすぎ」後悔(11.5%)の約4倍で、1,000万円未満では両者が拮抗。45〜65歳25,018人の「お金の後悔」調査

ライフプランメディア「IKIGAI TOWN」(運営:スペシャリスト・ドクターズ株式会社)は、FP相談モニタープログラム「まいきゃり+」の事前アンケート(45〜65歳・n=25,018)から、金融資産額別の「お金の後悔」を集計しました。「仮に人生が来年までと宣言されたら、後悔するのはどちらに近いか」という問いに対し、金融資産1,000万円以上の層では「使わなすぎて、もっと経験すればよかった」が44.4%、「使いすぎて、もっと貯めればよかった」は11.5%で、約4倍の開きがありました。3,000万円以上では49.0%対8.6%(5.7倍)。一方、1,000万円未満の層では23.2%対23.2%と拮抗しており、後悔の向きが資産額を境に反転することがわかりました。本リリースの図表・データは、出典明記のうえCC BY 4.0で自由に引用・転載できます。

調査結果のポイント

  1. 「使わなすぎ後悔」は資産額とともに増え、「使いすぎ後悔」は減る。全体では26.8%対15.8%。金融資産1,000万円以上では44.4%対11.5%、3,000万円以上では49.0%対8.6%。1,000万円未満の層だけは23.2%対23.2%で並びます。貯まった人が抱えるのは「使いすぎた」ではなく「使えなかった」後悔でした。
  2. 「たくさん遺したい」わけではない。1,000万円以上の層で「できるだけ多くの資産を遺して一族の安定を保ちたい」は12.0%にとどまり、53.5%は「ほどほどに残せばよい(迷惑をかけない程度)」。遺す目的で貯め込んでいるわけではないのに、使えていない構図です。
  3. 使えない理由の最多は「老後資金の確保」。人生の豊かさを感じる要素を我慢している理由は、1,000万円以上の層で「老後の資金を確保するために我慢している(お金はある程度あるが、将来のために使わずに貯めている)」が32.8%。全体(26.1%)より高く、3,000万円以上でも30.8%と下がりません。
  4. ゴールは資産が増えるほど遠ざかる。老後に向けて「これくらいは貯めておきたい」金額は、1,000万円以上の層の46.9%が「5,000万円以上」、3,000万円以上の層では66.8%が「5,000万円以上」。手元の資産が増えても目標額が上方に動くため、「もう十分」という到達点が現れません。
  5. 資産があっても不安は消えない。老後の生活資金が不足・枯渇する可能性に「非常に/やや不安」と答えた人は、1,000万円以上の層でも59.8%(3,000万円以上でも48.1%)。
  6. やりたいことは、はっきりしている。人生の豊かさを決める要素(複数回答)は、1,000万円以上の層で趣味51.8%、家族との時間44.8%、旅行41.4%。それでも「新たに取り組みたいこと」では「特に新しいことはせず、死ぬ瞬間に最も資産が多い状態を目指して、今まで通り運用・貯蓄を続ける」が全体の40.4%で最多でした。

この調査について

本調査は、IKIGAI TOWNのFP相談モニタープログラム「まいきゃり+」への参加検討者に実施した事前アンケート(n=25,018/2026年1月期・2月期の2回分/インターネット調査/対象45〜65歳)の集計です。回答者は平均55.6歳、男性68.4%・女性31.6%で、お金・資産形成への関心が高い層が中心です。全国の縮図(代表サンプル)ではありませんが、リタイアを目前に控えた世代の「貯めたお金を使えない」心理を、資産額別に2.5万人規模で比較できる点に本調査の特徴があります。

1. 後悔の向きは、資産1,000万円を境に反転する

「仮に人生は来年までですと宣言されたら、後悔するのはどちらに近いですか」という問いに対する回答を、世帯の金融資産保有額別に集計しました。金融資産1,000万円未満の層では「使わなすぎ後悔」と「使いすぎ後悔」がともに23.2%で並びます。ところが1,000万円以上になると「使わなすぎ後悔」が44.4%へ跳ね上がり、「使いすぎ後悔」は11.5%へ下がります。3,000万円以上ではその差はさらに開き、49.0%対8.6%となりました。

図1:金融資産額別「お金の後悔」の向き

「人生が来年までなら、どちらを後悔するか」の回答比率(まいきゃり+モニター調査・45〜65歳・n=25,018)

全体 |使わなすぎ 26.8% 全体 |使いすぎ 15.8% 1,000万円未満 |使わなすぎ 23.2% 1,000万円未満 |使いすぎ 23.2% 1,000万円以上 |使わなすぎ 44.4% 1,000万円以上 |使いすぎ 11.5% 3,000万円以上 |使わなすぎ 49.0% 3,000万円以上 |使いすぎ 8.6% ■ お金を使わなすぎて、もっと経験すればよかった ■ お金を使いすぎて、もっと貯めればよかった ※ 残りは「どちらとも言えない」(全体57.3%/1,000万円以上44.1%)

n=全体25,018/1,000万円未満9,231/1,000万円以上6,091/3,000万円以上3,229(3,000万円以上は1,000万円以上の内数)。金融資産額に「わからない/答えたくない」と回答した層は資産別集計から除外。CSVをダウンロード

金融資産1,000万円以上の層を年代別に見ると、「使わなすぎ後悔」は40代46.1%(n=914)、50代46.0%(n=2,940)、60代41.6%(n=2,237)。使う時間がまだ残っている40〜50代のほうが、この後悔をやや強く抱えています

金融資産(世帯)使わなすぎ後悔使いすぎ後悔どちらとも言えないn
全体26.8%15.8%57.3%25,018
1,000万円未満23.2%23.2%53.5%9,231
1,000万円以上44.4%11.5%44.1%6,091
うち3,000万円以上49.0%8.6%42.4%3,229

2. 「多く遺したい」からではない

使わない理由が「子や孫に遺すため」であれば、それは合理的な選択です。しかし人生観を尋ねた設問では、1,000万円以上の層で「できるだけ多くの資産を遺して、一族の安定を保ちたい」は12.0%にとどまりました。最も多いのは「ほどほどに残せばよい(迷惑をかけない程度)」の53.5%で、「自分の代で全て使い切り、人生を謳歌して死にたい」も24.6%あります。遺すことが目的ではないのに使えていない、というねじれが見えます。

人生観として最も近いもの全体1,000万円以上3,000万円以上
ほどほどに残せばよい(迷惑をかけない程度)41.1%53.5%49.9%
自分の代で全て使い切り、人生を謳歌して死にたい22.4%24.6%26.1%
できるだけ多くの資産を遺して、一族の安定を保ちたい7.8%12.0%13.9%
考えたことがない28.7%9.8%10.1%

3. 使えない理由 ──「老後資金の確保」と、遠ざかるゴール

人生の豊かさを決める要素(趣味・家族との時間・旅行など)を我慢しているかを尋ねた設問では、1,000万円以上の層の32.8%が「老後の資金を確保するために我慢している(お金はある程度あるが、将来のために使わずに貯めている)」と回答しました。全体(26.1%)より高く、3,000万円以上でも30.8%と下がりません。1,000万円未満の層では「健康状態や体力のために我慢」(20.6%)や「家族の世話・仕事の責任のため」(16.5%)の比重が相対的に大きく、資産がある層ほど「将来不安を理由に、自分の意思で我慢している」割合が高いという違いが出ました。

図2:人生の豊かさを「我慢している」理由

豊かさを決める要素を我慢している理由(単一回答・n=18,608/1,000万円以上 n=5,325/1,000万円未満 n=7,098)

老後の資金を確保するため 32.8% 24.4% 健康状態や体力のため 10.7% 20.6% 家族の世話・仕事の責任 11.1% 16.5% 忙しすぎて時間がない 6.7% 3.1% ■ 金融資産1,000万円以上 ■ 1,000万円未満

「我慢していない」(1,000万円以上38.6%/1,000万円未満35.4%)は図から省略。CSVをダウンロード

さらに、老後に向けて「これくらいは貯めておきたい/運用しておきたい」と考える金額を尋ねると、1,000万円以上の層の46.9%が「5,000万円以上」と回答。3,000万円以上の層に絞ると66.8%が「5,000万円以上」で、うち35.3%は「1億円以上」でした。手元の資産が増えるほど目標額も上がるため、「もう十分に貯まった」という到達点が現れにくい構造になっています。老後不安についても、1,000万円以上の層の59.8%が「非常に/やや不安」と回答しました。

指標全体1,000万円以上3,000万円以上
老後の目標資産額が「5,000万円以上」16.4%46.9%66.8%
老後の目標資産額を「決めていない/分からない」52.9%13.8%13.0%
老後資金に「非常に/やや不安」68.8%59.8%48.1%
豊かさの要素:趣味(複数回答)41.8%51.8%53.0%
豊かさの要素:家族との時間(複数回答)36.7%44.8%44.6%
豊かさの要素:旅行(複数回答)28.6%41.4%45.2%

※ 目標資産額・老後不安は n=25,018/6,091/3,229。CSVをダウンロード

読み解き ──「使ってよい額」を誰も教えてくれない

やりたいこと(趣味・家族との時間・旅行)は明確で、遺すことが目的でもない。それでも使えないのは、「いくらまでなら使っても将来が破綻しないか」の目安がないためだと考えられます。同じモニター調査の別の回(2026年6月期・7月期/n=19,862)では、「毎月どのくらいなら将来に大きな影響なく使えるか」を「金額まで把握している」人は10.0%にとどまり、「よく分からない」「ほとんど把握できていない」「分からない」を合わせると55.7%にのぼります。金融資産1,000万円以上の層でも、お金を理由に何かを控えた経験が「ある」人は71.5%でした。

目安がない状態では、人は安全側に倒します。その結果が、資産が積み上がるほど強まる「使わなすぎ後悔」であり、「死ぬ瞬間に最も資産が多い状態を目指す」(全体40.4%が選択)という消極的な現状維持です。必要なのは節約でも贅沢でもなく、将来の収支を一枚に並べて「ここまでは使ってよい」という線を引くことだと考えます。

編集長コメント

相談の現場で最も多い質問は「もっと貯めるにはどうすればいいですか」ですが、実際にお話を伺うと、必要なのは逆の答えであることが少なくありません。すでに十分に積み上げていて、しかし「いくらまで使えるか」がわからないために、旅行も、久しぶりに会いたい人に会いに行くことも、先送りされている。

今回の調査で、金融資産1,000万円以上の44.4%が「使わなすぎた」と答え、「多く遺したい」は12.0%しかいなかったことは、その実感と一致します。お金は、使う予定のない残高として持っていても、人生の豊かさには変換されません。年に一度でよいので、将来の収支を一枚に並べて「使ってよい額」を確かめる機会を持っていただきたいと考えています。

IKIGAI TOWN 編集長/

調査概要

調査名:「まいきゃり+」サービス改善プログラム 事前アンケート(お金の後悔と人生観に関する調査)

調査主体:スペシャリスト・ドクターズ株式会社(IKIGAI TOWN 運営)

調査方法:インターネット調査(スクリーニング全数集計)

調査時期:2026年1月期・2026年2月期の2回分を合算。実施時期は納品データのレコード日時に基づく(2026年1月期=2026年1月22日 0時38分 記録/n=15,001、2026年2月期=2026年2月2日 16時23分 記録/n=10,017)。「読み解き」で参照した補足データは2026年6月期(2026年6月28日 18時38分 記録/n=9,990)・2026年7月期(2026年7月12日 19時23分 記録/n=9,872)。

有効回答:25,018名(45〜65歳・平均55.6歳・男性68.4%/女性31.6%)

留意点:回答者はFP相談モニターへの参加を検討した、お金・資産形成への関心が高い層が中心で、全国の縮図(国勢調査ベースの代表サンプル)ではありません。金融資産額別の集計は「わからない/答えたくない」と回答した9,696名を除外しています。「3,000万円以上」は「1,000万円以上」の内数です。構成比は小数第1位までを表示し、四捨五入のため合計が100%にならない場合があります。

本リリースの利用について

引用・転載(CC BY 4.0)

本リリースの数値・図表・CSVデータは、クリエイティブ・コモンズ表示 4.0 国際ライセンス(CC BY 4.0)のもと、出典を明記すれば商用利用を含め自由に引用・転載・加工できます。出典表記のコピー用HTMLは以下のとおりです。

出典:<a href="https://ikigai.town/ja/press/2026-07-28/">IKIGAI TOWN「まいきゃり+」モニター調査(45〜65歳・n=25,018)</a>

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