ライフプランメディア「IKIGAI TOWN」(運営:スペシャリスト・ドクターズ株式会社)は、FP相談モニタープログラム「まいきゃり+」の事前アンケート(45〜65歳・n=25,018)から、金融資産額別の「お金の後悔」を集計しました。「仮に人生が来年までと宣言されたら、後悔するのはどちらに近いか」という問いに対し、金融資産1,000万円以上の層では「使わなすぎて、もっと経験すればよかった」が44.4%、「使いすぎて、もっと貯めればよかった」は11.5%で、約4倍の開きがありました。3,000万円以上では49.0%対8.6%(5.7倍)。一方、1,000万円未満の層では23.2%対23.2%と拮抗しており、後悔の向きが資産額を境に反転することがわかりました。本リリースの図表・データは、出典明記のうえCC BY 4.0で自由に引用・転載できます。
本調査は、IKIGAI TOWNのFP相談モニタープログラム「まいきゃり+」への参加検討者に実施した事前アンケート(n=25,018/2026年1月期・2月期の2回分/インターネット調査/対象45〜65歳)の集計です。回答者は平均55.6歳、男性68.4%・女性31.6%で、お金・資産形成への関心が高い層が中心です。全国の縮図(代表サンプル)ではありませんが、リタイアを目前に控えた世代の「貯めたお金を使えない」心理を、資産額別に2.5万人規模で比較できる点に本調査の特徴があります。
「仮に人生は来年までですと宣言されたら、後悔するのはどちらに近いですか」という問いに対する回答を、世帯の金融資産保有額別に集計しました。金融資産1,000万円未満の層では「使わなすぎ後悔」と「使いすぎ後悔」がともに23.2%で並びます。ところが1,000万円以上になると「使わなすぎ後悔」が44.4%へ跳ね上がり、「使いすぎ後悔」は11.5%へ下がります。3,000万円以上ではその差はさらに開き、49.0%対8.6%となりました。
「人生が来年までなら、どちらを後悔するか」の回答比率(まいきゃり+モニター調査・45〜65歳・n=25,018)
n=全体25,018/1,000万円未満9,231/1,000万円以上6,091/3,000万円以上3,229(3,000万円以上は1,000万円以上の内数)。金融資産額に「わからない/答えたくない」と回答した層は資産別集計から除外。CSVをダウンロード
金融資産1,000万円以上の層を年代別に見ると、「使わなすぎ後悔」は40代46.1%(n=914)、50代46.0%(n=2,940)、60代41.6%(n=2,237)。使う時間がまだ残っている40〜50代のほうが、この後悔をやや強く抱えています。
| 金融資産(世帯) | 使わなすぎ後悔 | 使いすぎ後悔 | どちらとも言えない | n |
|---|---|---|---|---|
| 全体 | 26.8% | 15.8% | 57.3% | 25,018 |
| 1,000万円未満 | 23.2% | 23.2% | 53.5% | 9,231 |
| 1,000万円以上 | 44.4% | 11.5% | 44.1% | 6,091 |
| うち3,000万円以上 | 49.0% | 8.6% | 42.4% | 3,229 |
使わない理由が「子や孫に遺すため」であれば、それは合理的な選択です。しかし人生観を尋ねた設問では、1,000万円以上の層で「できるだけ多くの資産を遺して、一族の安定を保ちたい」は12.0%にとどまりました。最も多いのは「ほどほどに残せばよい(迷惑をかけない程度)」の53.5%で、「自分の代で全て使い切り、人生を謳歌して死にたい」も24.6%あります。遺すことが目的ではないのに使えていない、というねじれが見えます。
| 人生観として最も近いもの | 全体 | 1,000万円以上 | 3,000万円以上 |
|---|---|---|---|
| ほどほどに残せばよい(迷惑をかけない程度) | 41.1% | 53.5% | 49.9% |
| 自分の代で全て使い切り、人生を謳歌して死にたい | 22.4% | 24.6% | 26.1% |
| できるだけ多くの資産を遺して、一族の安定を保ちたい | 7.8% | 12.0% | 13.9% |
| 考えたことがない | 28.7% | 9.8% | 10.1% |
人生の豊かさを決める要素(趣味・家族との時間・旅行など)を我慢しているかを尋ねた設問では、1,000万円以上の層の32.8%が「老後の資金を確保するために我慢している(お金はある程度あるが、将来のために使わずに貯めている)」と回答しました。全体(26.1%)より高く、3,000万円以上でも30.8%と下がりません。1,000万円未満の層では「健康状態や体力のために我慢」(20.6%)や「家族の世話・仕事の責任のため」(16.5%)の比重が相対的に大きく、資産がある層ほど「将来不安を理由に、自分の意思で我慢している」割合が高いという違いが出ました。
豊かさを決める要素を我慢している理由(単一回答・n=18,608/1,000万円以上 n=5,325/1,000万円未満 n=7,098)
「我慢していない」(1,000万円以上38.6%/1,000万円未満35.4%)は図から省略。CSVをダウンロード
さらに、老後に向けて「これくらいは貯めておきたい/運用しておきたい」と考える金額を尋ねると、1,000万円以上の層の46.9%が「5,000万円以上」と回答。3,000万円以上の層に絞ると66.8%が「5,000万円以上」で、うち35.3%は「1億円以上」でした。手元の資産が増えるほど目標額も上がるため、「もう十分に貯まった」という到達点が現れにくい構造になっています。老後不安についても、1,000万円以上の層の59.8%が「非常に/やや不安」と回答しました。
| 指標 | 全体 | 1,000万円以上 | 3,000万円以上 |
|---|---|---|---|
| 老後の目標資産額が「5,000万円以上」 | 16.4% | 46.9% | 66.8% |
| 老後の目標資産額を「決めていない/分からない」 | 52.9% | 13.8% | 13.0% |
| 老後資金に「非常に/やや不安」 | 68.8% | 59.8% | 48.1% |
| 豊かさの要素:趣味(複数回答) | 41.8% | 51.8% | 53.0% |
| 豊かさの要素:家族との時間(複数回答) | 36.7% | 44.8% | 44.6% |
| 豊かさの要素:旅行(複数回答) | 28.6% | 41.4% | 45.2% |
※ 目標資産額・老後不安は n=25,018/6,091/3,229。CSVをダウンロード
やりたいこと(趣味・家族との時間・旅行)は明確で、遺すことが目的でもない。それでも使えないのは、「いくらまでなら使っても将来が破綻しないか」の目安がないためだと考えられます。同じモニター調査の別の回(2026年6月期・7月期/n=19,862)では、「毎月どのくらいなら将来に大きな影響なく使えるか」を「金額まで把握している」人は10.0%にとどまり、「よく分からない」「ほとんど把握できていない」「分からない」を合わせると55.7%にのぼります。金融資産1,000万円以上の層でも、お金を理由に何かを控えた経験が「ある」人は71.5%でした。
目安がない状態では、人は安全側に倒します。その結果が、資産が積み上がるほど強まる「使わなすぎ後悔」であり、「死ぬ瞬間に最も資産が多い状態を目指す」(全体40.4%が選択)という消極的な現状維持です。必要なのは節約でも贅沢でもなく、将来の収支を一枚に並べて「ここまでは使ってよい」という線を引くことだと考えます。
調査名:「まいきゃり+」サービス改善プログラム 事前アンケート(お金の後悔と人生観に関する調査)
調査主体:スペシャリスト・ドクターズ株式会社(IKIGAI TOWN 運営)
調査方法:インターネット調査(スクリーニング全数集計)
調査時期:2026年1月期・2026年2月期の2回分を合算。実施時期は納品データのレコード日時に基づく(2026年1月期=2026年1月22日 0時38分 記録/n=15,001、2026年2月期=2026年2月2日 16時23分 記録/n=10,017)。「読み解き」で参照した補足データは2026年6月期(2026年6月28日 18時38分 記録/n=9,990)・2026年7月期(2026年7月12日 19時23分 記録/n=9,872)。
有効回答:25,018名(45〜65歳・平均55.6歳・男性68.4%/女性31.6%)
留意点:回答者はFP相談モニターへの参加を検討した、お金・資産形成への関心が高い層が中心で、全国の縮図(国勢調査ベースの代表サンプル)ではありません。金融資産額別の集計は「わからない/答えたくない」と回答した9,696名を除外しています。「3,000万円以上」は「1,000万円以上」の内数です。構成比は小数第1位までを表示し、四捨五入のため合計が100%にならない場合があります。
本リリースの数値・図表・CSVデータは、クリエイティブ・コモンズ表示 4.0 国際ライセンス(CC BY 4.0)のもと、出典を明記すれば商用利用を含め自由に引用・転載・加工できます。出典表記のコピー用HTMLは以下のとおりです。
本リリースは特定の金融商品・保険商品の優劣を示すものではなく、契約の勧誘や投資判断の推奨を目的とするものではありません。また、個別の税額計算・控除の適用判定など税理士の独占業務にあたる内容は含みません。
編集長コメント
相談の現場で最も多い質問は「もっと貯めるにはどうすればいいですか」ですが、実際にお話を伺うと、必要なのは逆の答えであることが少なくありません。すでに十分に積み上げていて、しかし「いくらまで使えるか」がわからないために、旅行も、久しぶりに会いたい人に会いに行くことも、先送りされている。
今回の調査で、金融資産1,000万円以上の44.4%が「使わなすぎた」と答え、「多く遺したい」は12.0%しかいなかったことは、その実感と一致します。お金は、使う予定のない残高として持っていても、人生の豊かさには変換されません。年に一度でよいので、将来の収支を一枚に並べて「使ってよい額」を確かめる機会を持っていただきたいと考えています。
IKIGAI TOWN 編集長/塩飽 哲生