── 「使ってよい額の目安が分かったら近づけたい生活」は、資産500万円未満で「外食」29.5%・「少し良い食材」26.8%と消費に向かう一方、1,000万円以上では「貯蓄や投資を増やしたい」28.2%。50代29,880人の資産帯別調査
高市首相は2026年7月30日、食料品の消費税率を2027年4月から2年間1%へ引き下げ、残る1%相当分は中低所得者向けの現金給付で「実質ゼロ化」すると正式表明しました。ライフプランメディア「IKIGAI TOWN」(運営:スペシャリスト・ドクターズ株式会社)編集部は、この負担軽減が消費に向かうのかを資産帯別に検証しました。「将来に問題のない範囲で使ってよい目安が分かったら、どんな生活に近づけたいか」への回答は、資産500万円未満では外食29.5%・食材26.8%・家電20.3%と消費が上位に並ぶ一方、1,000万円以上では「貯蓄や投資を増やしたい」28.2%が消費項目を上回りました。給付対象を絞る限り消費に回りやすく、広く配れば貯蓄に沈みやすいという構図です。図表・データは出典明記のうえCC BY 4.0で自由に引用・転載できます。
本調査は消費税の賛否や制度そのものを問うたものではありません。生活者が現に何を控え、なぜ控えているかを聞いた実態調査です。当社は特定の政策的立場をとりません。
給付の対象は「所得」で判定されますが、本調査が保有するのは「金融資産」です。資産は所得の代理指標にすぎず、両者は完全には一致しません(例:資産が少なくても現役収入が高い世帯、資産があっても年金生活の世帯)。本リリースを所得階層の分析として読むことはできません。あくまで資産帯別の傾向としてご覧ください。
回答者は50代(45〜65歳)に限定されており、全世代の縮図ではありません。
「将来に大きな問題がない範囲で、ここまでは使って大丈夫という目安が分かったら、どのような生活に近づけたいですか」(複数回答)。資産が少ない層ほど消費項目が上位、多い層ほど「貯蓄や投資」が上位という逆転が見られます。
| 選択肢 | 資産500万円未満 | 500万〜1,000万円 | 1,000万円以上 |
|---|---|---|---|
| 外食で本当に食べたいものを選びたい | 29.5% | 28.5% | 24.7% |
| 少し良い食材や好きなものを買いたい | 26.8% | 25.6% | 23.5% |
| 家電や家具を無理なく買い替えたい | 20.3% | 16.1% | 15.6% |
| 健康維持に必要なお金を使いたい | 18.7% | 16.0% | 16.0% |
| 温泉や旅行に行きたい | 32.5% | 37.0% | 36.2% |
| 趣味や楽しみを続けたい | 31.4% | 31.6% | 28.9% |
| 貯蓄や投資を増やしたい | 25.5% | 27.4% | 28.2% |
| 特に変えたいことはない | 21.5% | 17.1% | 23.7% |
n=500万円未満 9,625/500万〜1,000万円 2,273/1,000万円以上 6,989(金融資産に「わからない/答えたくない」と回答した層を除く)
食に関する項目は、いずれも資産が少ない層ほど我慢の割合が高い結果でした。歯科検診・健康診断など健康維持の我慢は17.1%対7.7%と2.2倍の差です。
| 選択肢 | 資産500万円未満 | 500万〜1,000万円 | 1,000万円以上 |
|---|---|---|---|
| 外食で本当に食べたいメニューやお店を選ぶこと | 45.1% | 43.2% | 34.9% |
| スーパーで旬の果物や少し良い食材を選ぶこと | 42.5% | 38.4% | 32.6% |
| 自分へのご褒美や気分転換に使うこと | 37.6% | 33.3% | 29.8% |
| 温泉・帰省・近場の旅行などに行くこと | 35.3% | 33.1% | 28.4% |
| カフェ、映画、コンサート、趣味などの楽しみに使うこと | 29.9% | 23.9% | 19.0% |
| 家電や家具を必要なタイミングで買い替えること | 28.4% | 23.8% | 21.3% |
| 歯科検診や健康診断など健康維持にお金を使うこと | 17.1% | 10.2% | 7.7% |
| 特に控えているものはない | 19.1% | 18.7% | 28.0% |
「毎月の収支にあまり余裕がない」は資産500万円未満で35.9%、1,000万円以上では12.9%と2.8倍の開き。一方で「老後資金が不安」はどの層でも55〜63%とほぼ変わりません。
| 選択肢 | 資産500万円未満 | 500万〜1,000万円 | 1,000万円以上 |
|---|---|---|---|
| 毎月の収支にあまり余裕がないから | 35.9% | 22.7% | 12.9% |
| 老後資金が不安だから | 55.3% | 63.4% | 56.7% |
| 今後の収入減少や退職後の生活が不安だから | 35.8% | 38.4% | 31.8% |
| 保険料や固定費の負担が大きいから | 16.1% | 11.8% | 9.6% |
| 住宅ローンや住居費の負担があるから | 12.3% | 11.8% | 7.5% |
| どこまで使ってよいのか分からないから | 6.6% | 8.7% | 11.7% |
| 特に不安や我慢はない | 14.3% | 12.9% | 23.1% |
お金を理由に控えた経験が「よくある」は、資産500万円未満で40.4%、1,000万円以上で21.6%。一方、毎月使ってよい額を「金額まで把握している」人はどの層でも1〜2割にとどまります。
| 選択肢 | 資産500万円未満 | 500万〜1,000万円 | 1,000万円以上 |
|---|---|---|---|
| よくある | 40.4% | 27.7% | 21.6% |
| ときどきある | 20.2% | 25.5% | 23.4% |
| たまにある | 17.0% | 27.6% | 25.6% |
| そのような機会があまりない | 15.2% | 9.7% | 11.4% |
| ほとんどない | 7.3% | 9.4% | 18.0% |
| 選択肢 | 資産500万円未満 | 500万〜1,000万円 | 1,000万円以上 |
|---|---|---|---|
| 金額まで把握している | 10.8% | 9.6% | 16.0% |
| なんとなく把握している | 35.2% | 45.1% | 46.8% |
| よく分からない | 24.6% | 26.7% | 22.1% |
| ほとんど把握できていない | 18.9% | 13.2% | 10.5% |
| 分からない | 10.5% | 5.3% | 4.6% |
今回の制度は、税率引き下げに加えて中低所得者向けの現金給付という形をとります。本調査に照らすと、その設計は生活実態と整合的です。資産の少ない層ほど食を我慢しており(外食45.1%)、その理由も目先の家計(35.9%)で、目安が示されれば消費に向かう(外食29.5%・食材26.8%)からです。逆に資産のある層に広く配れば、「貯蓄や投資を増やしたい」28.2%が示すとおり貯蓄に沈みやすい。
ただし「老後資金が不安」はどの資産帯でも55〜63%と変わりません。負担の軽減は目先の我慢をほどきますが、将来不安そのものには届かない。負担軽減と、将来の収支を一枚に並べて「使ってよい額」を確かめることは、やはり別の作業です。
調査名:「まいきゃり+」サービス改善プログラム 事前アンケート(お金の「我慢」と使ってよい額に関する調査)
調査主体:スペシャリスト・ドクターズ株式会社(IKIGAI TOWN 運営)
調査方法:インターネット調査(スクリーニング全数集計)
調査時期:2026年6月期・2026年7月期(追加回収分を含む)の3回分を合算。実施時期は納品データのレコード日時に基づく(2026年6月期=2026年6月28日 18時38分 記録/2026年7月期=2026年7月12日 19時23分 記録/同 追加回収分=2026年7月31日 納品)。
有効回答:29,880名(45〜65歳・平均55.4歳・男性68.2%/女性31.7%)。資産帯別の集計は、金融資産に「わからない/答えたくない」と回答した層を除いた18,887名(500万円未満 9,625/500万〜1,000万円 2,273/1,000万円以上 6,989)。
留意点:回答者はFP相談モニターへの参加を検討した、お金・資産形成への関心が高い層が中心で、全国の縮図(国勢調査ベースの代表サンプル)ではありません。資産は所得の代理指標であり、給付の判定基準である所得階層とは一致しません。構成比は小数第1位までを表示し、四捨五入のため合計が100%にならない場合があります。複数回答の設問は合計が100%を超えます。
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媒体記事用(40字):給付は消費に回るのか 資産500万円未満は「外食」、1000万円以上は「貯蓄」
SNS・タイトル用(60字):給付は消費に回るのか、資産で答えが分かれた──資産500万円未満は「外食」29.5%、1000万円以上は「貯蓄・投資」28.2%
短尺(全角13字):給付 資産で使い道二分
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本リリースは消費税率をはじめとする特定の政策に対する賛否を示すものではありません。また、特定の金融商品・保険商品の推奨や、契約の勧誘・投資判断の推奨を目的とするものでもありません。個別の税額計算・控除の適用判定など税理士の独占業務にあたる内容は含みません。
編集部より
「給付しても貯蓄に回るだけではないか」という指摘はよく聞かれます。今回のデータは、それが層によって当たりもし、外れもすることを示しています。資産の少ない層は、目安さえ分かれば外食や食材といった日常の消費に戻したいと答えている。一方で資産のある層は貯蓄・投資を選ぶ。どこへ配るかで結果が変わるという、設計に直結する話だと受け止めています。
もうひとつ気になったのは、歯科検診や健康診断を控えている人が資産500万円未満で17.1%(1,000万円以上の2.2倍)いたことです。食費の話にとどまらない我慢が起きています。
IKIGAI TOWN 編集長/塩飽 哲生