保険・医療

解約返戻金の返戻率と解約タイミング|仕組みと税金の整理【2026】

保険料と解約返戻金の仕組みを家族で確認する場面
解約返戻金は、解約のタイミングや返戻率によって受取額が変わります。仕組みと税金、解約以外の選択肢を分けて整理することが大切です。

解約返戻金は、生命保険を解約したときに契約者へ払い戻されるお金です。終身保険や養老保険など貯蓄性のある保険にはありますが、定期保険など掛け捨ての保険にはない、またはごくわずかな場合があります。受け取れる金額は、それまでの払込総額に対する割合(返戻率)と解約のタイミングによって変わり、契約から一定期間内の解約では元本割れすることが一般的です。契約者本人が受け取る解約返戻金は、原則として一時所得として課税されます。このページでは、仕組み・返戻率の考え方・解約のタイミングと注意点・税金・解約以外の選択肢を中立的に整理します。

目次
  1. 解約返戻金の返戻率と解約タイミング
  2. 解約返戻金のある保険・ない保険(掛け捨てとの違い)
  3. 返戻率の考え方
  4. 解約のタイミングと注意点
  5. 解約返戻金と税金(一時所得の考え方)
  6. 解約以外の選択肢(払済・減額・契約者貸付)
  7. よくある質問
  8. セカンドオピニオンで相談する

はじめにご確認ください

本ページは、生命保険の解約返戻金に関する一般的な仕組みを説明するための情報提供を目的としたものです。個別の保険商品の内容説明、特定の保険会社または保険商品の推奨、契約の勧誘を目的とするものではありません。

解約返戻金の有無や水準、返戻率、解約・減額・払済・契約者貸付の取扱い、税務上の取扱いは商品や契約形態ごとに異なります。個別の契約を検討・確認する場合は、必ず契約締結前交付書面、契約概要、注意喚起情報、ご契約のしおり・約款、契約時の設計書等をご確認ください。税金の取扱いは国税庁の情報や税務署・税理士にご確認ください。

当社は、保険会社の委託を受けて保険契約の締結の媒介または代理を行う保険募集人です。個別相談では、お客さまのご意向、知識・経験、財産の状況、加入目的、リスク許容度等を確認したうえで、当社取扱商品の範囲内で情報提供を行います。

いまの保険、「入ったときのまま」になっていませんか

当メディアが公開した実態調査(2026年7月・回答781名)では、生命保険加入者の56%が「10年以上前に加入したまま」63%が「保険やお金を相談できる担当FPがいない」と回答しました(調査リリース)。

  • 更新型は、更新のたびに保険料が上がります。更新時の年齢で保険料が再計算される仕組みのため、通知を確認しないまま自動更新が続いている契約も少なくありません。
  • 見直しの選択肢は、健康なうちほど広く保てます。加入・乗り換えには健康状態の告知が必要なため、健康状態が変わると選べる範囲は狭くなります。
  • 商品や予定利率は、加入時から改定されています。家族構成や住宅ローン残高の変化もあわせると、必要保障額と保険料のバランスが加入時のままちょうど良いとは限りません。

保障の「入りすぎ・不足・重複」は、放置した年数のぶんだけ広がりやすくなります。読み終えたら、いまの契約が現在のあなたに合っているかを一度確かめてみてください。

このページの要点

  • 解約返戻金は、生命保険を解約したときに契約者へ払い戻されるお金です。
  • 終身保険・養老保険など貯蓄性のある保険にはあり、定期保険など掛け捨ての保険にはない、またはごくわずかなことが多いです。
  • 返戻率は、払込保険料の総額に対する解約返戻金の割合です。100%を下回ると元本割れです。
  • 契約から一定期間内の解約は元本割れしやすく、特に低解約返戻金型は払込期間中の返戻金が低く抑えられています。
  • 契約者本人が受け取る解約返戻金は、原則として一時所得として所得税の課税対象です(特別控除は最高50万円・課税対象はその2分の1)。
  • 解約以外に、減額・払済保険・契約者貸付といった選択肢がある場合があります。

解約返戻金の返戻率と解約タイミング

解約返戻金の返戻率と解約タイミング、生命保険を解約したときに、契約者へ払い戻されるお金のことです。保険料の一部は、将来の保険金支払いに備えて積み立てられており、解約時にはその積立部分から所定の費用などを差し引いた金額が払い戻されます。

解約返戻金の有無や水準は、保険の種類や経過年数によって大きく異なります。「貯蓄になるか」は、解約のタイミングと返戻率次第である点に注意が必要です。なお、解約返戻金は契約を終了させる「解約」のほか、保障内容を変える「減額」「払済保険への変更」や、お金を借りる「契約者貸付」の基礎にもなります(後述)。

解約返戻金のある保険・ない保険(掛け捨てとの違い)

保険は、保障に加えて積立の性格があるかどうかで、解約返戻金の有無や水準が変わります。大きく分けると次のように整理できます。

タイプ解約返戻金の傾向代表的な保険の例
貯蓄性のある保険解約返戻金がある。経過とともに増えていくことが多い終身保険、養老保険、学資保険など
掛け捨ての保険解約返戻金がない、またはごくわずか定期保険、収入保障保険、多くの医療保険など

掛け捨ての保険は、解約返戻金がない、またはごくわずかなかわりに、同じ保障額でも保険料を抑えやすいという特徴があります。貯蓄性のある保険は、解約返戻金があるかわりに保険料が高めになる傾向があります。どちらが良い・悪いということではなく、目的(保障重視か、貯蓄性も重視か)と家計に合うかで考え方が変わります。掛け捨てか貯蓄性かという観点は 保険の見直し を検討するうえでも整理しておきたいポイントです。

返戻率の考え方

解約返戻金の「多い・少ない」を考えるときの目安になるのが、解約返戻率(返戻率)です。返戻率は、その時点の解約返戻金が、それまでに払い込んだ保険料の総額に対してどのくらいの割合かを示します。

状態意味
返戻率が100%を超える解約返戻金が払込保険料の総額を上回っている状態
返戻率が100%ちょうど解約返戻金が払込保険料の総額と同じ状態
返戻率が100%を下回る解約返戻金が払込保険料の総額を下回る「元本割れ」の状態

返戻率は、契約からの経過年数とともに変化します。一般に、契約直後は返戻率が低く、経過とともに上がっていきます。とくに 低解約返戻金型終身保険 では、保険料の払込期間中の返戻率を低く抑えるかわりに保険料を割安にしており、払込期間が満了した後に返戻率の水準が上がる設計が多くみられます。

返戻率がどの時期にどのくらいになるかは商品設計によって異なるため、具体的な水準は契約時の設計書や契約先での確認が必要です。本ページでは、返戻率は「払込総額に対する割合」という考え方を示すにとどめ、特定商品の数値や有利・不利の評価は行いません。

解約のタイミングと注意点

解約返戻金は、解約のタイミングによって受け取れる金額が変わります。判断の前に、次の点を確認しておくと整理しやすくなります。

1. 早期解約は元本割れしやすい

貯蓄性のある保険でも、契約から一定期間内の解約では、解約返戻金が払込保険料を下回る(元本割れする)ことが一般的です。低解約返戻金型の保険では、払込期間中の解約返戻金が特に低く抑えられているため、払込期間中に解約すると大きく元本割れすることがあります。

2. 予定利率の高い古い契約は慎重に

契約した時期によっては、現在よりも予定利率(保険会社が契約時に約束した運用の利回りの目安)が高く設定された契約があります。こうした契約は、同じ条件の保障を新たに用意しにくい場合があるため、解約や見直しの前に、その契約の特性をよく確認することが大切です。判断に迷う場合は、契約先や中立的な立場の専門家に相談することも考えられます。

3. 保障がなくなることの影響

解約すると、解約返戻金を受け取れる一方で、その保険の保障はなくなります。再加入には健康状態の告知などが必要になり、年齢や健康状態によっては同じ条件で入り直せないこともあります。返戻金の額だけでなく、保障を手放すことの影響もあわせて確認しましょう。

4. 解約前に返戻金の額と返戻率を確認する

解約を決める前に、その時点の解約返戻金の額と返戻率を契約先で確認することが大切です。あわせて、解約以外の選択肢(減額・払済保険・契約者貸付など)が利用できるかも確認しておくと、判断の幅が広がります。

解約返戻金と税金(一時所得の考え方)

契約者(保険料を負担した人)本人が解約返戻金を受け取る場合、その利益は原則として一時所得として所得税の課税対象になります。[1] 一時所得の金額は、次の考え方で計算します。[2]

項目内容
総収入金額受け取った解約返戻金
差し引けるものその収入を得るために支出した金額(払い込んだ保険料)
特別控除額最高50万円(その年の他の一時所得と合算)
課税対象上記を差し引いた残額の2分の1を、他の所得と合算して課税

つまり、解約返戻金から払込保険料を差し引いた利益が、特別控除(最高50万円)の範囲内であれば、課税対象が生じない場合もあります。一方で、契約者・被保険者・受取人の関係や、保険料を誰が負担したかによっては、贈与税や相続税など別の税金の対象になることもあります。[1]

税金の取扱いは契約形態によって変わり、確定申告が必要かどうかも個別の状況によって異なります。実際の課税関係や申告の要否については、国税庁の情報を確認するか、税務署・税理士にご相談ください。本ページは税務上のアドバイスを行うものではありません。

解約以外の選択肢(払済・減額・契約者貸付)

保険料の負担が重い、まとまったお金が必要になった、といった理由で解約を考える場合でも、解約のほかに選択肢がある場合があります。保障をできるだけ残したいときに検討されることがある主な方法を整理します。

方法内容主な留意点
減額保険金額(保障額)を減らして、以後の保険料を下げる方法保障額は下がる。減らした部分は解約と同様の扱いになる場合がある
払済保険以後の保険料払込を止め、その時点の解約返戻金をもとに保障額を減らして契約を継続する方法保険料の払込は不要になるが保障額は下がる。特約が消滅する場合がある
契約者貸付解約返戻金の一定範囲内で、保険会社からお金を借りる方法所定の利息がかかる。返済しないと解約返戻金や保険金から差し引かれる

これらの方法を利用できるか、利用できる条件や保障への影響は、商品や契約内容によって異なります。利用できない契約もあります。解約を決める前に、こうした選択肢の有無や条件を契約先に確認することが考えられます。保険全体の整理は 保険の見直し のページ、生命保険の種類や選び方の全体像は 生命保険の選び方 のページもあわせてご確認ください。

よくある質問

解約返戻金の返戻率と解約タイミング何ですか?
解約返戻金は、生命保険を解約したときに契約者へ払い戻されるお金です。終身保険や養老保険など貯蓄性のある保険には解約返戻金がある一方、定期保険など掛け捨ての保険には解約返戻金がない、またはごくわずかな場合があります。返戻金の有無や水準は商品や経過年数によって異なります。
解約返戻率(返戻率)とは何を表しますか?
解約返戻率は、その時点の解約返戻金が、それまでに払い込んだ保険料の総額に対してどのくらいの割合かを示すものです。100%を超えると払込総額より受取額が多く、100%を下回ると元本割れの状態です。返戻率は契約からの経過年数や商品設計によって変化します。具体的な水準は商品ごとに異なり、契約時の設計書や契約先での確認が必要です。
早期に解約すると損をしますか?
貯蓄性のある保険でも、契約から一定期間内の解約では、解約返戻金が払込保険料を下回る(元本割れする)ことが一般的です。特に低解約返戻金型の保険は、払込期間中の解約返戻金が低く抑えられています。解約のタイミングによって受取額が変わるため、解約前に返戻金の水準と返戻率を契約先で確認することが大切です。
解約返戻金に税金はかかりますか?
契約者本人が受け取る解約返戻金は、原則として一時所得として所得税の課税対象です。一時所得は「総収入金額(解約返戻金)−その収入を得るために支出した金額(払込保険料)−特別控除額(最高50万円)」で計算し、課税対象になるのはその金額の2分の1です。利益が特別控除の範囲内であれば課税対象が生じない場合もあります。契約形態や受取人によって取扱いが異なるため、詳細は国税庁の情報や税務署・税理士にご確認ください。
解約以外に保険料の負担を減らす方法はありますか?
解約のほかに、保険金額を減らして保険料を下げる「減額」、以後の保険料払込を止めて保障額を減らして契約を続ける「払済保険」、解約返戻金の一定範囲内でお金を借りる「契約者貸付」などの選択肢がある場合があります。利用できる方法や条件、保障への影響は商品ごとに異なるため、解約を決める前に契約先に確認することが考えられます。

解約返戻金についてセカンドオピニオンで相談する

前述の実態調査では、63%の方が「保険やお金を相談できる担当FPがいない」と回答しています。契約内容と現在の状況のずれは放置した期間のぶんだけ広がりやすい一方、確かめること自体は無料・30分からの相談で始められます。特定の商品をすすめることはありません。

解約返戻金は、保障・返戻率・税金・解約以外の選択肢が一度に関わるため、解約すべきか迷う場面も少なくありません。すでに解約や見直しを案内されている方も、これから考える方も、中立的な立場からの「セカンドオピニオン」として、内容を一緒に確認できます。

家計を整えて、ちょっとした贅沢を楽しむ暮らし
保険を含めて家計の固定費を見直し、ムダのない設計に整えると、旅行や外食・趣味といったちょっとした贅沢にも、お金と気持ちの余白が生まれます。
ファイナンシャル・プランナー 中尾紀子

担当ファイナンシャル・プランナー

中尾 紀子(FP2級・相続診断士)

得意分野:公的制度活用・資産形成。医療業界出身の視点から、特定の商品をすすめるのではなく、いまの保障・保険料・公的制度の使い方を、複数の保険会社を取り扱う生命保険募集人として、事実に沿って一緒に点検します。

解約返戻金についてセカンドオピニオンで無料相談する

解約・減額・払済・契約者貸付のどれが目的に合うか、解約のタイミングや保障を手放す影響が、いまのあなたに必要か・合っているかを、目的・家計の状況に合わせて一緒に確かめます。すでに受けている案内の内容確認にもご利用いただけます。

セカンドオピニオンで無料相談する

無料・オンライン相談/特定の保険商品の勧誘を目的とするものではありません。税務の判断は税理士・税務署にご確認ください。

ご相談にあたっての注意事項

本ページは、解約返戻金に関する一般的な情報提供を目的としたものです。個別の保険商品の推奨、特定の保険会社の推奨、契約の勧誘を目的とするものではありません。

個別の契約を検討・確認する場合は、契約締結前交付書面、契約概要、注意喚起情報、ご契約のしおり・約款、契約時の設計書等を必ずご確認ください。また、実際のお手続きにあたっては、お客さまのご意向、知識・経験、財産の状況、目的、リスク許容度等を確認したうえで、登録済みの保険募集人が説明します。

貯蓄性のある保険でも、契約から一定期間内の解約では、解約返戻金が払込保険料を下回り元本割れとなるおそれがあります。解約・減額・払済・契約者貸付の取扱いや保障への影響、税務上の取扱いは商品・契約形態ごとに異なります。税金の判断は国税庁の情報や税務署・税理士にご確認ください。

運営者情報

本サイトは、スペシャリスト・ドクターズ株式会社が運営しています。当社は、保険会社の委託を受けて保険契約の締結の媒介または代理を行う保険募集人(保険代理店)です。当社が取り扱う保険会社・保険商品の範囲内で情報提供を行います。

商号スペシャリスト・ドクターズ株式会社
代表者代表取締役 塩飽 哲生
所在地〒105-6923 東京都港区虎ノ門4-1-1 神谷町トラストタワー 23階
連絡先support@ikigai.town

当社の勧誘方針・個人情報保護方針については、以下をご確認ください。

保険契約に関する苦情・ご相談で当社において解決できない場合は、生命保険の指定紛争解決機関である一般社団法人 生命保険協会(生命保険相談所)をご利用いただけます。

最終確認日:
作成・監修:スペシャリスト・ドクターズ株式会社/塩飽 哲生(保険募集人登録番号:04DAACE029657)

出典

  1. 国税庁「No.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき」(確認時点:2026年6月) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1755.htm
  2. 国税庁「No.1490 一時所得」(確認時点:2026年6月) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1490.htm
  3. 一般社団法人 生命保険協会(確認時点:2026年6月) https://www.seimei.or.jp/
  4. 金融庁「保険会社向けの総合的な監督指針」(確認時点:2026年6月) https://www.fsa.go.jp/common/law/guide/insurance/index.html