開業・税務

トライアル雇用助成金とは【2026】
月4万円×3ヶ月|要件・申請手順・落とし穴

1人月4万円×3ヶ月(最大12万円)。母子・父子家庭は月5万円。

目次(13セクション)
  1. トライアル雇用助成金とは
  2. 対象となる求職者・事業主の要件
  3. 支給額・支給期間の計算方法
  4. 申請手順(5ステップ)
  5. 実施計画書の書き方
  6. 他の助成金との併用
  7. 受給額シミュレーター
  8. 受給可能性診断(5問)
  9. よくある10の落とし穴
  10. 業種別の活用ポイント
  11. 構成事例
  12. 他サイトと違う5つの理由
  13. よくある質問(FAQ)

トライアル雇用助成金とは

厚生労働省が所管する雇用関係助成金の一つ。職業経験の不足や離職期間の長期化により常用雇用への移行が難しい求職者を、3ヶ月の試行雇用(トライアル雇用)で受け入れた事業主に対して支給されます。求職者・事業主の双方にとって「採用ミスマッチを減らす橋渡し制度」と位置づけられています。

  • 所管:厚生労働省
  • 窓口:管轄ハローワーク
  • 対象事業主:雇用保険適用事業所
  • 創設:1991年(30年以上の歴史ある制度)

対象となる求職者・事業主の要件

対象求職者(次の①〜④のいずれか)

  • ① 紹介日時点で就労経験のない職業に就くことを希望する者
  • ② 紹介日前2年以内に離職・転職を2回以上経験した者
  • ③ 紹介日前1年超、安定した職業に就いていない者
  • ④ 妊娠・出産・育児を理由に離職した者で、紹介日前1年超就職活動を中断していた者
  • ⑤ 55歳未満(一部例外あり)

事業主の要件

  • 雇用保険適用事業所
  • 過去5年間に重大な労働関係法令違反がない
  • 過去6ヶ月以内に同様の業務での解雇者がいない
  • トライアル雇用に関する助成金を不正受給していない
  • 労働保険料を滞納していない

支給額・支給期間の計算方法

区分月額最大支給期間合計上限
標準4万円3ヶ月12万円
母子家庭の母・父子家庭の父5万円3ヶ月15万円

支給は対象労働者ごとに行われるため、5人をトライアル雇用すれば最大60〜75万円が支給されます。

申請手順(5ステップ)

1

求人申込(トライアル雇用明示)

ハローワーク求人者マイページから「トライアル雇用求人」と明記して求人申込。

所要:1〜3営業日

2

ハローワーク紹介で雇用

ハローワーク・職業紹介事業者の紹介経由で対象者を雇用(直接応募・他媒体経由は対象外)。

3

実施計画書の提出(雇用後2週間以内)

雇用開始日から2週間以内に管轄ハローワークへ提出。遅延すると助成金不支給

期限厳守

4

3ヶ月のトライアル雇用実施

通常の雇用契約として勤務(労働基準法・雇用保険適用)。

5

支給申請(終了後2ヶ月以内)

トライアル雇用終了後2ヶ月以内に支給申請書を提出。出勤簿・賃金台帳・労働条件通知書のコピー添付。

期限厳守

実施計画書の書き方

実施計画書はトライアル雇用助成金の受給可否を決める最重要書類。記載項目は次のとおり。

  • 対象労働者の氏名・生年月日
  • トライアル雇用期間(開始日・終了日)
  • 業務内容(具体的な作業内容・職種)
  • 労働条件(賃金・労働時間・休日)
  • 常用雇用への移行を判断する基準
  • OJT・教育訓練の計画

注意

「常用雇用への移行を判断する基準」が抽象的だと差し戻されることがあります。「業務指示の理解度」「3ヶ月後の実務遂行能力」「勤怠の安定」等の具体的指標を3つ以上明記するのが安全。

他の助成金との併用

助成金併用可否備考
特定求職者雇用開発助成金同一対象者では不可別の従業員ならOK
キャリアアップ助成金(正社員化)トライアル後の正社員化で最大80万円追加
人材開発支援助成金OJT・OFFJTの研修費を別途助成

キャリアアップ助成金との連携で、1人あたり最大92万円(トライアル12万+正社員化80万)まで活用可能。

受給額シミュレーター

受給可能性診断(5問)

Q1. ハローワーク求人者マイページに登録済みですか?

Q2. 採用をハローワーク経由に絞れますか?

Q3. 雇用後2週間以内に実施計画書を提出する運用が可能ですか?

Q4. 過去6ヶ月以内に同業務の解雇者がいませんか?

Q5. 労働保険料の滞納はありませんか?

よくある10の落とし穴

  1. ハローワーク経由でない採用:直接応募・他媒体経由は対象外。
  2. 実施計画書の提出遅延:雇用後2週間以内が絶対。1日遅れても不支給。
  3. 求人申込時の「トライアル雇用」明示忘れ:通常求人扱いとなり対象外に。
  4. 同業務での過去6ヶ月以内の解雇:会社都合解雇者がいると要件外。
  5. 雇用保険未加入:適用事業所でないと対象外。
  6. 身内の雇用:3親等以内の親族は対象外。
  7. 支給申請の遅延:終了後2ヶ月以内が期限。
  8. 常用雇用拒否の合理性なし:恣意的な不採用判断は次回以降の助成金審査で不利に。
  9. 労働保険料の滞納:滞納があると申請時点で却下。
  10. 賃金台帳・出勤簿の不備:支給申請時の必須添付書類。

業種別の活用ポイント

製造業の活用ポイント

  • 未経験者の3ヶ月OJT期間として活用
  • 人材開発支援助成金との併用で研修費もカバー
  • 外国人材の日本語適応期間にも有効

建設業の活用ポイント

  • 建設キャリアアップシステムへの登録と並行で人材定着
  • 3ヶ月で安全教育・基本作業を習得させる
  • 常用化後はキャリアアップ助成金で正社員化助成

小売・飲食業の活用ポイント

  • シフトワーカーの常用化前トライアルに活用
  • 母子・父子家庭枠(月5万円)の積極活用
  • 新卒・第二新卒の採用ミスマッチ防止

サービス業の活用ポイント

  • 未経験者の業界適性確認に最適
  • キャリアアップ助成金との二段活用
  • シニア層(55歳未満)の再就職支援にも

構成事例

構成事例について

以下は実際の相談を踏まえた構成事例(仮名)です。

事例1|未経験者3名のトライアル → 2名常用化

仮名:埼玉県の金属加工業 朝霞精密(従業員25名)。製造業未経験の3名を3ヶ月トライアル、2名を常用採用。トライアル助成金36万円+キャリアアップ助成金160万円=合計196万円受給。

事例2|母子家庭の母を採用 → 月5万円枠活用

仮名:横浜市の介護事業所 ひまわりホーム(従業員18名)。母子家庭の母を1名トライアル、月5万円×3ヶ月=15万円受給。常用化後にキャリアアップ助成金80万円も受給で合計95万円。

他サイトと違う5つの理由

本記事の独自性

  1. 監修者の実体験:採用実務を直接回している経営者の監修。
  2. 受給額シミュレーター:人数・区分・併用予定・常用化率まで反映する動的計算。
  3. 受給可能性診断:5問で要件適合度を即判定。
  4. 業種別の活用ポイント:4業種で実務TIPS分岐。
  5. キャリアアップ助成金との連携設計:1人最大92万円までの最適化マップ。

よくある質問(FAQ)

Q. パート・アルバイトのトライアル雇用は可能?

A. 週20時間以上の労働時間で雇用保険適用事業所の従業員であれば対象。

Q. トライアル期間中に退職された場合は?

A. 退職日までの月数分の助成金が支給されます。

Q. 健康保険・厚生年金加入は必須?

A. 通常の雇用契約と同じく加入義務あり(労働時間に応じて)。

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最終確認日:2026年4月26日

※本記事は2026年4月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。