住宅ローン控除の還付金が
「少なすぎる」と感じたら
住宅ローン控除の還付金が「思ったより少ない」原因は8つ。① 所得税が控除上限に届いていない / ② 借入残高×0.7%の上限内 / ③ 住民税からの控除上限(年9.75万円)で頭打ち / ④ 床面積40㎡未満で対象外 / ⑤ 省エネ基準を満たさず限度額が低い / ⑥ 入居年で限度額が違う / ⑦ 連帯債務で按分されている / ⑧ 中古住宅は限度額が低い。年収600万円・借入3,500万円の典型ケースで初年度還付は約24万円。「年14万円戻ると思ったのに7万円しか戻らなかった」は所得税不足が原因の典型です。
金利タイプの選択・固定期間終了の前に
残高と残期間をそろえて、2つの金利の返済額を比較する
決めたいのは、金利が変わったときの負担を家計で引き受けられるかです。借入残高、残りの期間、比較する2つの年利を入れて、月額と残期間の総額差を比較します。両金利が一定という仮定です。固定期間中と終了後をつないだ実際の総額、手数料、団信、税金、変動金利の将来予測は含みません。
- 何を決めるか
- 再選択や金利変化に備え、どの月額差を確認するか
- 得られる比較
- 同じ残高・残期間の毎月返済と総返済額の差
次の行動:試算結果と手元資料を並べ、金融機関・不動産会社・施工会社など、確認すべき相手と質問を整理します。契約や申込みはここでは行いません。
金利条件の確認先と質問を整理する次に比較する記事
条件を確認する一次情報
この試算は入力値による一般的な概算です。審査結果、適用金利、税額、補助制度の対象可否、将来の価格を保証しません。最新条件は公式情報と各窓口で確認してください。売却試算は税引前です。
目次(10セクション)
還付金が少なすぎる8つの原因
住宅ローン控除の見込み額と実際の還付額が異なる場合は、まず次の8項目を確認してください。
- 所得税額が控除上限に届いていない(最大要因)
- 借入残高×0.7%の上限内に収まっている(借入残高が少ないと還付も少ない)
- 住民税からの控除上限(年9.75万円)で頭打ちになっている
- 床面積が40㎡未満で控除対象外、または50㎡未満で所得制限がかかる
- 省エネ基準を満たさない一般住宅で限度額が大幅に減っている
- 入居年が2024年以降で限度額が段階的に縮小されている
- 連帯債務・ペアローンで控除額が持分按分されている
- 中古住宅で省エネ性能の証明が無く、限度額が2,000万円にとどまっている
理論上の還付額 vs 実際の還付額
住宅ローン控除の計算は「借入残高×0.7%」です。この理論値と実際の還付額のギャップを年収別に見てみます(借入3,500万円・新築長期優良住宅・2026年入居の場合)。
| 年収 | 所得税(年) | 住民税(年) | 理論上の控除額 | 実際の還付額 | 差額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 400万円 | 約 5.6万円 | 約 17.6万円 | 24.5万円 | 11.2万円 | −13.3万円 |
| 500万円 | 約 8.9万円 | 約 24.1万円 | 24.5万円 | 17.7万円 | −6.8万円 |
| 600万円 | 約 14.5万円 | 約 30.6万円 | 24.5万円 | 24.2万円 | −0.3万円 |
| 800万円 | 約 41.9万円 | 約 45.0万円 | 24.5万円 | 24.5万円 | ±0(満額) |
前提: 独身・扶養なし・給与収入のみ、社会保険料は年収の15%と仮定。所得税は令和8年分の給与所得控除・基礎控除(合計所得489万円以下104万円、655万円以下67万円)で計算した、復興特別所得税を含まない額。住民税は翌年度分の所得割(基礎控除43万円・税率10%・調整控除)+均等割5,000円の概算。理論上の控除額は1年目の年末残高を3,500万円とみなした単純化(実際の年末残高はこれより少し少なくなります)。実際の還付額=min(理論上の控除額、所得税+住民税の控除上限)で、住民税の控除上限は「所得税の課税総所得金額等×5%(最高9.75万円)」です(2026年1月〜2030年12月入居。上限の計算に「所得税の基礎控除額−48万円」を足す扱いは2025年12月までに入居した人に限られます)。出典: 国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」、国税庁タックスアンサーNo.1211-1(令和8年4月1日現在法令等)、総務省「個人住民税の住宅ローン控除」、大田区「住宅借入金等特別税額控除」(2026年7月7日更新)・「令和8年度 特別区民税・都民税の主な税制改正」、横浜市「税額控除(令和8年度課税以降)」、2026年10月確認。
年収400万円の場合、所得税5.6万円+住民税からの控除上限5.6万円(課税所得約112万円×5%。9.75万円には届きません)=合計11.2万円が還付の天井。理論上の24.5万円との差13.3万円は 「もらえないお金」です。年収500万円でも住民税側の上限は約8.9万円で、9.75万円で頭打ちになるのは課税所得が195万円を超える年収(この前提で約600万円)からです。
原因①:所得税不足(年収別の早見表)
住宅ローン控除は「税金を払っている人が、その税金から戻してもらう」制度。そもそも所得税を多く払っていないと、控除を満額活用できません。年収別の所得税額の目安です(独身・扶養なし)。
| 年収 | 所得税(概算) | 所得税で吸収できる控除上限 |
|---|---|---|
| 400万円 | 約 5.6万円 | 5.6万円(残りは住民税で) |
| 500万円 | 約 8.9万円 | 8.9万円 |
| 600万円 | 約 14.5万円 | 14.5万円 |
| 700万円 | 約 26.9万円 | 26.9万円 |
| 800万円 | 約 41.9万円 | 41.9万円 |
| 1,000万円 | 約 75.9万円 | 75.9万円 |
前提: 給与収入のみ・社会保険料は年収の15%と仮定し、令和8年分の給与所得控除・基礎控除と所得税の速算表で計算(復興特別所得税を含まない額)。出典: 国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」、2026年10月確認。
年収600万円なら所得税14.5万円+住民税からの控除上限9.75万円=合計約24.2万円まで吸収可能。借入残高×0.7%が約24.2万円以下に収まる範囲(年末残高約3,450万円以下)で満額活用できます。
原因②③:住民税からの控除上限と頭打ち
所得税で引ききれなかった分は住民税から控除されますが、上限があります。
| 項目 | 2026年制度 |
|---|---|
| 住民税からの控除上限 | 年9.75万円(2022年以降) |
| 計算式 | min(所得税の課税所得×5%, 97,500円) |
| 2021年以前の入居 | 13.65万円が上限だった |
※ 2025年12月までに入居した人は、令和7年度以降の住民税で上限の計算に「所得税の基礎控除額−48万円」が足されます(所得税の基礎控除の引上げへの対応)。2026年以降に入居した人には足されず、上の式のままです。出典: 大田区「住宅借入金等特別税額控除」(2026年7月7日更新)、横浜市「税額控除(令和8年度課税以降)」、2026年10月確認。
つまり 「所得税+住民税の控除上限(課税所得×5%、最高9.75万円)」が個人ベースの控除の天井です。年収400万円(所得税5.6万円・課税所得約112万円)なら住民税側の上限は約5.6万円で、最大11.2万円が還付の上限。借入残高×0.7%がこれを超えても、超えた分は もらえません。
原因④⑤⑥:物件条件で限度額が変わる
2024年以降の住宅ローン控除は、物件条件によって借入限度額(控除対象となる借入残高の上限)が大きく変わります。
| 物件種別 | 2024〜2025年入居 | 2026年入居 | 控除期間 |
|---|---|---|---|
| 長期優良住宅・低炭素住宅 | 5,000万円(子育て世帯)/4,500万円 | 5,000万円(子育て世帯)/4,500万円 | 13年 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 4,500万円(子育て世帯)/3,500万円 | 4,500万円(子育て世帯)/3,500万円 | 13年 |
| 省エネ基準適合住宅 | 4,000万円(子育て世帯)/3,000万円 | 3,000万円(子育て世帯)/2,000万円 | 13年 |
| その他の住宅(一般住宅) | 0円(対象外) | 0円(対象外) | — |
2024年以降、省エネ基準を満たさない一般住宅は控除対象外になりました。新築で省エネ基準を満たさない物件を買うと、住宅ローン控除がゼロです。中古住宅は別の限度額(後述)。2026年入居の床面積要件は 40㎡以上(合計所得1,000万円超、または子育て世帯等の上乗せを使う場合は50㎡以上)です。新築の省エネ基準適合住宅は2028年以降の入居では原則対象外になります。出典: 国土交通省 報道発表別紙1「令和8年度住宅税制改正概要」(令和7年12月26日)、2026年10月確認。
原因⑦:連帯債務・ペアローンの按分
夫婦で連帯債務・ペアローンを組んだ場合、住宅ローン控除は 持分按分されます。
| パターン | 夫の控除額 | 妻の控除額 | 世帯合計 |
|---|---|---|---|
| 夫単独(借入5,000万) | 21万円(所得税で頭打ち) | — | 21万円 |
| 連帯債務(夫7:妻3 借入5,000万) | 17.5万円 | 7.5万円(妻の所得税範囲内) | 25万円 |
| ペアローン(夫4,000万+妻1,000万) | 21万円(所得税で頭打ち) | 7万円 | 28万円 |
共働きで妻にも所得税がある場合、ペアローンの方が世帯控除額が大きくなる傾向があります。一方、妻が育休中・専業主婦の場合は連帯債務でも妻の所得税ゼロのため、按分された分は 「もらえない」状態に。家族構成と所得状況で按分パターンを慎重に選ぶ必要があります。
原因⑧:中古住宅は限度額が大幅減
中古住宅(既存住宅)は、省エネ性能の証明が無いと限度額2,000万円・10年にとどまります。2026年入居からは、省エネ性能の高い中古の限度額と控除期間が拡充されました。
| 物件種別(中古) | 2026年入居の限度額 | 控除期間 |
|---|---|---|
| 長期優良住宅・低炭素住宅 | 3,500万円(子育て世帯等4,500万円) | 13年 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円(子育て世帯等4,500万円) | 13年 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円(子育て世帯等3,000万円) | 13年 |
| その他の住宅 | 2,000万円 | 10年 |
中古住宅は1982年(昭和57年)1月1日以後の建築、または現行の耐震基準への適合の証明が必要です。出典: 国土交通省「既存住宅を取得したとき」、国税庁タックスアンサーNo.1211-3(令和8年4月1日現在法令等)、2026年10月確認。
中古住宅で借入3,500万円の場合、限度額2,000万円(その他の住宅)なら還付額は 2,000万円×0.7%=年14万円が上限。借入額×0.7%(24.5万円)を期待していたら、10万円少ない計算です。
還付額を増やす5つの実践策
- 省エネ性能の高い物件を選ぶ:新築なら省エネ基準適合2,000万円→長期優良住宅4,500万円まで限度額が拡大
- 共働きペアローンで世帯控除を最大化:夫婦それぞれが所得税の範囲内で控除を受ける
- iDeCoやふるさと納税の併用に注意:所得税が減ると住宅ローン控除も減る
- 初年度は確定申告、2年目以降は年末調整:必要書類を確実に提出
- 10年間は繰上返済をしない:残高が減ると控除額も減る。繰上返済 vs 運用参照
街選びと住宅ローン控除の関係
住宅ローン控除のメリットを最大化するには、「省エネ基準を満たす物件+住み続けられる街」を選ぶ必要があります。控除は10〜13年続くため、その間に売却・転居する予定だと控除メリットが目減りします。
IKIGAI TOWN では 全国816市区町村の地価動向・人口動態 を整理しています。控除期間中も住み続けたいエリアを選びましょう。
- 全国市区町村別 住宅ローン×街の現実 一覧(47都道府県・816市区町村)
- 東京都 世田谷区 / 大阪市 / 名古屋市 / 福岡市
- 住宅ローン控除 2026年以降 完全ガイド
よくある質問
- 住宅ローン控除の還付金はいつ振り込まれますか?
- 初年度は確定申告(2〜3月)後、4〜5月に指定口座へ振り込まれます。2年目以降は年末調整で12月の給与に反映、または翌年6月以降の住民税が減額されます。
- 年収400万円でも住宅ローン控除は使えますか?
- 使えますが、満額は活用できません。独身・社会保険料15%の仮定では、所得税約5.6万円+住民税からの控除上限約5.6万円(課税所得×5%)=合計約11.2万円が1年の還付の天井です。
- ふるさと納税と住宅ローン控除は併用できますか?
- 併用可能ですが、ふるさと納税で住民税が減る分、住宅ローン控除の住民税分が頭打ちになる場合があります。詳細はふるさと納税×住宅ローン控除へ。
- 連帯債務とペアローン、どちらが控除メリットが大きい?
- 共働きで夫婦ともに所得税がある場合はペアローンが有利、妻が育休中・専業主婦の場合は夫単独がシンプルで損失なし。家族構成と所得状況で選びます。
- 中古住宅は控除を受けるべきではない?
- 中古でも控除は受けられますが、省エネ性能の証明が無いと限度額は2,000万円・10年です。物件価格が新築より安い分、借入額も少なめになるなら控除メリットの差は小さい。新築・中古の判断は控除額だけでなく、物件価格・諸費用・修繕費総合で判断すべきです。
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本ページの統計・制度概要・金利情報は、以下の公的情報を編集部が確認のうえ整理しています(執筆時点)。最新の正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。本ページはIKIGAI TOWN編集部が編集し、個別の審査・税額・適用条件を判定するものではありません。
最終確認日:2026年5月3日
※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額・金利は個人の状況および金融機関により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。