給付金・補助金

育児休業給付金【2026年度】
支給率・期間・出生後休業支援給付金

給付金を確認したあとに保険料の見直し余地を整理する場面
制度の確認だけで終わらせず、使える制度と申請後の家計戦略まで見えるようにします。

結論、育児休業給付金は休業開始前の賃金の67%(180日経過後は50%)が原則ですが、2025年4月から夫婦ともに育休を取ると手取り10割相当になる「出生後休業支援給付金」が新設されました。

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申請・受け取りで次に確認すること

  1. 期限

    受付開始日、締切、基準日を申請先の公式案内で確認します。

  2. 手続き

    申請が必要か、申請先、本人確認、振込口座、必要書類を順に確認します。公金受取口座の登録だけで申請完了とは限りません。

  3. 家計判断

    不備連絡の方法と審査・振込状況の確認先を控え、未確認の金額や時期を家計に織り込みません。

目次(12セクション)
  1. 育児休業給付金の基本(2026年度)
  2. 支給額の計算方法と上限額
  3. 支給期間の延長ルール
  4. 2025年4月新設 出生後休業支援給付金
  5. パパ育休(産後パパ育休)との併用パターン
  6. 育児時短就業給付金(2025年4月新設)
  7. 共働き夫婦の育休戦略 — 取得時期・期間の最適パターン
  8. 育休中の社会保険料免除・住民税・年末調整
  9. 申請方法
  10. 事業主が手続きを遅延した場合の対策
  11. 育休復帰後のキャリアと収入 — 時短勤務の給付金活用
  12. よくある質問(FAQ)

育児休業給付金の基本(2026年度)

雇用保険の被保険者が1歳未満(パパママ育休プラス等で1歳2か月、保育園不承諾で最長2歳まで)の子を養育するために育休を取得すると、次のとおり支給されます。

  • 育休開始〜180日目:賃金の67%
  • 181日目以降:賃金の50%
  • 社会保険料は免除、所得税も非課税 → 手取りベースで実質80%程度

支給額の計算方法と上限額

育児休業給付金の日額は「休業開始時賃金日額 × 支給率(67%または50%)」で計算されます。賃金日額は、育休開始前6か月間の賃金総額を180で割った金額です。

月給別の支給額シミュレーション(2026年度)

休業前の月給(額面) 開始〜180日(67%) 181日〜(50%)
20万円約13.4万円/月約10.0万円/月
25万円約16.8万円/月約12.5万円/月
30万円約20.1万円/月約15.0万円/月
35万円約23.5万円/月約17.5万円/月
40万円約26.8万円/月約20.0万円/月
上限額(約49.6万円超)約33.2万円/月(上限)約24.8万円/月(上限)

※ 上限額は毎年8月1日に改定されます。2026年8月1日〜2027年7月31日の休業開始時賃金日額の上限は16,540円で、支給上限額(支給日数30日)は67%時=332,454円、50%時=248,100円です(上限行の月給は16,540円×30日=496,200円)。出生後休業支援給付金(13%)の支給上限額は休業28日で60,205円です。出典: 厚生労働省『育児休業等給付の内容と支給申請手続』(2026(令和8)年8月1日改訂版)、2026年10月確認。

手取りベースで考えると実質80%

育休中は健康保険料・厚生年金保険料が免除され、給付金は所得税も非課税です。額面67%でも手取りベースでは約80%に相当するため、想像以上に家計への影響は小さくなります。

ボーナスは計算に含まれる?

賃金日額の算定対象は「毎月決まって支払われる賃金」です。賞与(ボーナス)は算定基礎に含まれません。残業代・通勤手当などは含まれるため、基本給だけで計算すると実際の支給額より低く見積もることになります。

支給期間の延長ルール

育児休業給付金の支給期間は原則「子が1歳になるまで」ですが、一定の要件を満たすと最長2歳まで延長できます。

延長が認められるケース

  • 保育園に入れない場合:1歳の誕生日時点で認可保育所等に入所できず「保育所入所不承諾通知書」がある場合、1歳6か月まで延長。1歳6か月時点でも入れなければ2歳まで再延長
  • 配偶者の死亡・疾病:養育予定だった配偶者が死亡、負傷、疾病等で養育が困難になった場合
  • 離婚:配偶者と別居した場合

2025年4月からの延長手続き厳格化

2025年4月以降、延長目的で「落選狙い」の保育所申込みを防ぐため、手続きが厳格化されました。

  • 保育所の申込みが「就労のため」であることの確認書類が追加
  • 入所希望日が子の1歳の誕生日以前であることが必須
  • 自宅から通える範囲の保育所に申し込んでいることの確認

延長を予定している場合は、子が1歳になる月の前月までに必ず市区町村の保育課で申込みを行い、不承諾通知を受け取りましょう。

パパ・ママ育休プラスの特例

両親ともに育休を取得する場合、「パパ・ママ育休プラス」の制度を使えば、子が1歳2か月になるまで育休を延長できます(ただし1人あたりの上限は1年間)。夫婦が交代で取得するイメージです。

2025年4月新設 出生後休業支援給付金

子の出生後8週間以内(男性)または産休後8週間以内(女性)に、両親ともに14日以上の育休を取得した場合、28日間分について育児休業給付金の67%に13%が上乗せされ、賃金の80%(手取り実質10割相当)が支給されます。ひとり親や、配偶者が専業主婦(主夫)等で要件を満たさないケースでも受給できる特例があります。

パパ育休(産後パパ育休)との併用パターン

2022年10月に新設された「産後パパ育休(出生時育児休業)」は、子の出生後8週間以内に最大4週間(28日間)取得できる制度です。通常の育休とは別枠で取得でき、2回に分割も可能です。

夫婦で最大「手取り10割」のモデルケース

2025年4月からの出生後休業支援給付金を組み合わせると、以下のように手取り10割相当を実現できます。

期間 パパの状況 ママの状況 給付率
出生〜8週産後パパ育休(28日)産後休業(出産手当金)パパ:80%(実質手取り10割)
8週〜6か月通常育休育休夫婦とも67%(実質約80%)
6か月〜1歳復帰 or 育休継続育休50%(実質約65%)

産後パパ育休中の就業

産後パパ育休では、労使協定を結べば休業中に一定範囲で就業することが認められています。上限は「休業期間の所定労働日数の半分」かつ「所定労働時間の半分」です。繁忙期にどうしても外せない業務がある場合の柔軟な対応が可能です。ただし就業した分だけ給付金は減額されるため、バランスを考える必要があります。

パパの育休取得率と職場の変化

厚生労働省の調査では、2024年度の男性育休取得率は30.1%と過去最高を更新しました。2025年4月からは従業員1,000人超の企業に男性育休取得率の公表が義務化されており、職場の理解は年々進んでいます。

育児時短就業給付金(2025年4月新設)

2歳未満の子を養育する雇用保険の被保険者が、時短勤務をして賃金が下がった場合、下がった賃金の10%を上限に支給されます。フルタイム復帰前のクッションとして活用できます。

共働き夫婦の育休戦略 — 取得時期・期間の最適パターン

共働き夫婦が育休を取る場合、取得時期と期間の組み合わせで家計への影響が大きく変わります。代表的な3パターンを比較します。

パターン1:妻1年+夫2週間(最小取得型)

  • 妻が出産後〜1歳まで育休、夫は出生直後に2週間取得
  • メリット:世帯収入の減少が最小限。夫の職場復帰が早い
  • デメリット:出生後休業支援給付金の80%上乗せを受けるには14日以上必要なのでギリギリ。妻のワンオペ期間が長い

パターン2:妻1年+夫3か月(交代型)

  • 妻が出産後〜9か月、夫が9か月〜1歳2か月(パパ・ママ育休プラス活用)
  • メリット:保育園の4月入園タイミングに合わせやすい。妻の職場復帰を早められる
  • デメリット:夫婦の引き継ぎ期間が必要。夫の職場調整が必要

パターン3:夫婦同時6か月(並行取得型)

  • 出産後6か月間、夫婦同時に育休を取得
  • メリット:最初の6か月は67%給付で手取りが厚い。育児負担を分担できる
  • デメリット:世帯収入が同時にゼロになる。生活費の事前準備が必要
  • 家計目安:夫婦とも月給30万円の場合、同時育休中の給付は1人約20.1万円/月(30万円×67%)×2人で世帯約40.2万円/月。給付金は非課税で、育休中は社会保険料も免除されます(休業開始から181日目以降は50%)

どのパターンが最適かは、夫婦の年収差・住宅ローンの有無・保育園の入園時期・職場の制度によって異なります。数字で比較したい場合はFPに家計シミュレーションを依頼するのが確実です。

育休中の社会保険料免除・住民税・年末調整の注意点

育休中は「お金がもらえる」だけでなく、支払いが免除される仕組みもあります。一方で注意が必要な税金もあります。

社会保険料の免除

項目 育休中の扱い 備考
健康保険料免除月末時点で育休中であれば当月分が免除
厚生年金保険料免除免除期間も年金額に反映される(保険料納付済みと同じ扱い)
雇用保険料免除賃金が発生しないため保険料も発生しない
所得税非課税育児休業給付金は非課税所得
住民税要注意:支払いあり前年の所得に基づく。育休1年目は通常どおり課税

住民税の落とし穴

住民税は前年の所得に対して課税されるため、育休に入った年は前年のフルタイム勤務時の所得に基づいて課税されます。給与天引きができなくなるため、市区町村から納付書が届き自分で納付する必要があります。

月給30万円で働いていた場合、住民税は年間約15〜18万円。育休中は収入が減っているのに、この金額を一括または4回に分けて支払うことになるため、事前に資金を確保しておきましょう。

年末調整と配偶者控除

育休中に年収が大幅に下がると、配偶者控除・配偶者特別控除の対象になる可能性があります。育児休業給付金は非課税所得なので年収に含まれません。育休で1〜3月しか働いていなければ、配偶者の年末調整で控除を受けられる場合があります。忘れずに配偶者の勤務先に申告しましょう。

申請方法

  1. 育休開始前:勤務先に育休取得を申請
  2. 勤務先がハローワークに受給資格確認・支給申請(個人は原則申請不要)
  3. 2か月に1回まとめて振り込み

事業主が手続きを遅延した場合の対策と相談先

育児休業給付金の申請は原則として事業主(勤務先)経由でハローワークに提出します。しかし、勤務先の担当者が手続きを怠ったり遅延したりするケースが少なくありません。

よくあるトラブル

  • 申請書の提出が遅れる:2か月ごとの支給申請を勤務先が忘れ、給付金の振込が大幅に遅れる
  • 受給資格確認手続きが未了:育休開始後に必要な「休業開始時賃金月額証明書」を提出していない
  • 「うちの会社には育休制度がない」と言われる:育児・介護休業法は全事業主に適用されるため、制度がないという主張は誤り

自分で申請する方法

事業主が手続きしない場合、本人がハローワークに直接申請することも可能です。管轄のハローワークに「事業主が手続きに協力しない」旨を相談すれば、個人申請の手順を案内してもらえます。

相談先一覧

相談先 対応内容
管轄のハローワーク給付金の申請手続き全般。個人申請の相談
都道府県労働局 雇用環境・均等部育休取得を拒否された場合の是正指導
総合労働相談コーナー育休ハラスメント(パタハラ・マタハラ)の相談
社会保険労務士手続き代行。事業主との交渉サポート

給付金の時効は支給対象期間の末日の翌日から2年です。遅延に気づいたら早めに動きましょう。

育休復帰後のキャリアと収入 — 時短勤務の給付金活用法

育休から復帰する際、フルタイムに戻すか時短勤務にするかは大きな判断です。2025年4月に新設された育児時短就業給付金を活用すれば、収入減を抑えながら時短勤務を選べます。

時短勤務時の収入シミュレーション

勤務形態 月給(額面) 時短給付金 合計収入
フルタイム(8h)30万円—30万円
時短6時間(給付金なし)22.5万円—22.5万円
時短6時間(給付金あり)22.5万円+2.25万円24.75万円

※ 時短給付金は「時短勤務で低下した賃金の10%」が上限。月給30万円→22.5万円に下がった場合、下がった7.5万円の10%ではなく、時短後賃金22.5万円の10%=2.25万円が上限。

復帰後に活用したい制度

  • 育児時短就業給付金:2歳未満の子がいれば時短勤務で給付を受けられる
  • 養育期間の従前標準報酬月額みなし措置:3歳未満の子の養育期間中に時短等で報酬が下がっても、将来の年金額は下がる前の標準報酬で計算してもらえる特例。勤務先への届出が必要
  • 所定外労働の制限(残業免除):3歳未満の子がいれば、事業主に残業免除を請求できる
  • 看護休暇:小学校就学前の子1人につき年5日(2人以上は年10日)の看護休暇。2025年4月から対象が小学校3年生修了まで拡大

キャリアへの影響を最小化するポイント

育休・時短勤務の期間は勤続年数に算入されます。昇給・退職金の計算で不利にならないよう、就業規則を事前に確認しましょう。育児・介護休業法では、育休取得や時短勤務を理由とした不利益取扱い(降格・減給・解雇など)は違法です。

よくある質問(FAQ)

男性も育児休業給付金はもらえますか?
はい、雇用保険に加入していて育休を取得すれば男女問わず受給できます。2025年4月からは「産後パパ育休」で出生後8週間以内に28日間取得し、かつ配偶者も育休を取ると、出生後休業支援給付金で80%まで上乗せされます。
自営業・フリーランスはもらえますか?
育児休業給付金は雇用保険の制度なので、雇用保険未加入の自営業・フリーランスは対象外です。2026年度以降の制度拡充議論が進行中です。
育休を延長したらどうなりますか?
保育園不承諾などの理由で1歳半・2歳まで延長した場合も、延長期間中は50%の給付が継続します。延長には「保育所入所不承諾通知書」等が必要です。

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本ページの制度概要・要件・税率は、以下の公式情報を編集部が確認のうえ整理しています(執筆時点)。最新かつ正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。FPは記事を直接監修してはおらず、関連テーマでご相談を受けるFPとしてご紹介しています。

最終確認日:2026年4月19日

※本記事は2026年4月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。