企業年金 支給額ランキング・平均額
DB・DC・退職金との違い
企業年金の支給額は、会社規模・勤続年数・給与水準・DB/DCの制度設計で大きく変わります。平均額やランキングを見るときは、退職金と企業年金を合算した「退職給付額」と、自分の会社の規程を分けて確認しましょう
記事の答えを確認した次に
退職金・企業年金・iDeCo・NISA、どれから使う?
決めるタイミング: 退職金や企業年金の受け取り方を選ぶ前、積立を取り崩し始める前。
相談で繰り返される本音
- 増やし方より、いつ何から使うかが分からない
- 相場が下がった年に売るのが怖い
- 住まいと介護のために、いくら残せばいいか知りたい
初回で口頭整理できること
初回は、受け取るお金、生活費、残したいお金を並べ、使う順番の見立てを口頭でお伝えします。
その次に分けること
追加計算が必要な場合は、税・手取り・資金推移を比べるための資料を決めます。
初回の範囲: 初回当日の運用提案書作成、将来収益の保証、金融商品の比較・見積り・申込みは行いません。
相談前のFAQ
資料がそろっていなくても相談できますか?
はい。初回は、いま分かる範囲から迷いと確認順を整理します。通知書、通帳、財産や家計のメモなどが手元にあれば、分かる範囲だけご用意ください。
初回で何を持ち帰れますか?
いま決めること、まだ決めなくてよいこと、次に確認する数字や窓口を口頭で整理して持ち帰れます。初回当日の資料完成は約束していません。
初回に商品や契約の話がありますか?
初回は迷いと数字の整理に使います。金融商品の見積り、申込み、契約変更は初回の範囲に含みません。
目次(14セクション)
企業年金の支給額ランキング・平均額
「企業年金 支給額 ランキング」で調べている方は、まず会社別ランキングではなく、公的統計で見られる退職給付額の平均を押さえるのが安全です。企業年金の支給額は、確定給付企業年金(DB)・企業型確定拠出年金(DC)・退職一時金を会社がどう組み合わせているかで変わります。
| ランキングの見方 | 平均支給額の目安 | 見るときの注意点 |
|---|---|---|
| 1,000人以上の企業 | 約2,191万円 | 大企業はDB・DC・退職一時金の併用が多く、退職給付額が大きくなりやすい |
| 300〜999人の企業 | 約1,662万円 | 制度はあるが、会社ごとの差が大きい。就業規則と退職給付規程を確認 |
| 100〜299人の企業 | 約1,347万円 | 退職一時金中心の会社も多く、企業年金だけで比較しない |
| 30〜99人の企業 | 約1,282万円 | 中退共・退職一時金・企業型DCなど制度の有無を先に確認 |
| 大卒・大学院卒、20年以上勤務 | 平均約1,896万円 | 退職金と企業年金を合計した退職給付額。企業年金単独の金額ではない |
出典:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」退職給付(一時金・年金)の支給実態をもとに編集部整理
検索する前に分けたい3つの金額
- 退職給付額:退職一時金と企業年金を合計した金額。公的統計でよく出る平均額です。
- 企業年金の年金額:DBやDCを年金形式で受け取る場合の年額・月額。会社の規程で決まります。
- 手取り額:一時金なら退職所得控除、年金なら公的年金等控除・社会保険料まで含めた実際の手残りです。
つまり、ランキングで自分の老後資金を判断するのは危険です。次に見るべきなのは、勤務先の退職給付規程、企業型DCの残高、DBの見込額、退職金の予定額、公的年金見込額です。
自分の企業年金を調べるワークシート
競合記事の平均額だけでは、自分の受取額は分かりません。勤務先・ねんきん定期便・DCサイトから、次の5項目を埋めると、退職後の不足額まで見えます。
| 確認項目 | 見る場所 | 分かること | 家計での使い方 |
|---|---|---|---|
| 退職一時金の見込額 | 退職金規程、人事ポータル | 一時金で受け取れる額面 | 住宅ローン完済、生活防衛資金、NISAへ分ける |
| DBの年金見込額 | 企業年金基金、DB通知 | 年金形式で毎年受け取る金額 | 公的年金と合わせて月額収入を作る |
| 企業型DC残高 | JIS&T/NRKなどの加入者サイト | 運用残高、商品、手数料、拠出額 | リスク資産比率とNISAの重複を確認 |
| 退職所得控除 | 勤続年数、退職金予定額 | 一時金で受け取るときの税負担 | 一時金・年金・併用の手取り比較に使う |
| 公的年金見込額 | ねんきん定期便、ねんきんネット | 老後の毎月収入の土台 | 企業年金を取り崩す速度を決める |
退職一時金で受け取る場合の手取り試算
企業年金や退職金は、額面だけでなく退職所得控除を引いたあとの手取りで見ます。一時金として受け取る場合、退職所得は原則として「退職金額−退職所得控除」の2分の1で計算されるため、給与より税負担が軽くなりやすい仕組みです。
| ケース | 退職所得控除 | 課税退職所得の目安 | 税金・手取りの見方 |
|---|---|---|---|
| 勤続20年・退職一時金800万円 | 800万円 | 0円 | 退職所得控除内に収まり、退職所得への所得税・住民税は原則0円 |
| 勤続30年・退職一時金1,800万円 | 1,500万円 | 150万円 | 所得税・復興特別所得税と住民税の概算は約22.7万円。手取りは約1,777万円 |
| 勤続40年・退職一時金2,500万円 | 2,200万円 | 150万円 | 税負担の概算は約22.7万円。住宅ローン完済やNISA移行は生活費を残して判断 |
| 一時金+年金受取の併用 | 一時金部分は退職所得控除 | 年金部分は公的年金等控除の対象 | 税金だけでなく、国民健康保険料・介護保険料への影響も見る |
計算前提:国税庁「退職金を受け取ったとき(退職所得)」の退職所得控除と退職所得の計算式をもとに編集部が概算。実際の税額は勤続年数の端数、役員退職金、短期退職手当等、住民税、社会保険料、他の所得で変わります。
企業年金とは|制度の全体像
企業年金とは、会社が従業員の老後のために設ける上乗せ年金制度です。日本の年金制度は「3階建て」と呼ばれ、1階が国民年金(基礎年金)、2階が厚生年金、そして3階部分が企業年金にあたります。
企業年金には主に以下の制度があります。
- 確定給付企業年金(DB):あらかじめ給付額が決まっている制度
- 企業型確定拠出年金(DC):従業員が自分で運用し、その結果で給付額が決まる制度
- 中小企業退職金共済(中退共):中小企業向けの国の退職金制度
- 厚生年金基金:かつて主流だった制度(現在は新規設立不可)
企業年金は退職金と混同されがちですが、退職金は会社が独自に支払う一時金であるのに対し、企業年金は法律に基づいて設計される年金制度です。退職金を原資として企業年金を設けている会社もあれば、退職金と企業年金の両方がある会社もあります。
公的年金だけでは老後に不足する生活費を企業年金で補うことが制度の趣旨であり、税制上の優遇措置もあります。自分の会社にどの制度があるかを把握することが、老後設計の第一歩です。
確定給付年金(DB)の仕組み
確定給付企業年金(DB: Defined Benefit)は、あらかじめ「退職時にいくら受け取れるか」が決まっている企業年金です。給付額は勤続年数や給与水準などの計算式で算出されます。
DBの特徴
- 運用リスクは会社が負う:運用成績が悪くても、約束された給付額は原則として変わらない
- 掛金は会社が拠出:従業員の負担はない(一部、従業員が追加拠出できる「マッチング」制度を持つ会社もある)
- 資産運用は会社側が行う:信託銀行や生命保険会社に委託するのが一般的
- 勤続年数が長いほど有利:計算式上、長く勤めるほど給付額が増える設計が多い
DBの注意点
会社の経営悪化や年金資産の運用不振により、給付減額が行われる可能性があります。実際に過去には大手企業でも給付減額の事例がありました。また、会社が倒産した場合は年金資産が不足して満額受け取れないリスクがあります。
DBは大企業や公務員共済に多く見られますが、運用リスクや積立不足の負担から、近年はDBを廃止してDCに移行する企業が増えています。
確定拠出年金(DC)の仕組み
企業型確定拠出年金(DC: Defined Contribution)は、会社が毎月一定の掛金を拠出し、従業員自身が運用商品を選んで資産を育てる制度です。将来の給付額は運用実績によって変動します。
DCの特徴
- 運用リスクは従業員が負う:運用成績が良ければ給付が増え、悪ければ減る
- 自分で運用商品を選ぶ:定期預金・保険・投資信託などの中から選択する
- ポータビリティがある:転職しても資産を持ち運べる
- 会社倒産の影響を受けない:資産は信託財産として分別管理されている
- 掛金の上限:DBを併用する場合は月額27,500円、DCのみの場合は月額55,000円
マッチング拠出
会社の掛金に加えて従業員が自分で掛金を上乗せできる「マッチング拠出」を導入している企業もあります。マッチング拠出分は全額所得控除の対象になるため、税制メリットがあります。ただし、マッチング拠出額は会社の掛金を超えることはできず、合計で拠出限度額以内に収める必要があります。
運用商品の選び方
DCでは加入者自身が運用先を決めます。退職まで長い期間がある場合は株式型投資信託の比率を高く、退職が近い場合は元本確保型の比率を高くするのが一般的な考え方です。何を選べばいいかわからない場合は、バランス型やターゲットイヤー型の投資信託を軸に検討してみましょう。
DB vs DC 徹底比較
DBとDCは仕組みが大きく異なります。以下の表で主要な違いを整理します。
| 比較項目 | 確定給付年金(DB) | 企業型確定拠出年金(DC) |
|---|---|---|
| 給付額 | あらかじめ計算式で決まっている | 運用実績によって変わる |
| 運用リスク | 会社が負う | 従業員が負う |
| 運用指図 | 会社(信託会社等)が行う | 従業員が商品を選ぶ |
| 掛金負担 | 原則会社のみ | 会社(+マッチング拠出で従業員も可) |
| 会社倒産リスク | 給付減額や不足の可能性がある | 信託財産で分別管理。影響なし |
| 転職時の持ち運び | 基本的に持ち運べない | 転職先DC・iDeCoへ移換可能 |
| 受取方法 | 年金が原則(一時金選択可の会社もある) | 一時金・年金・併用から選べる |
| 従業員側のメリット | 給付が安定。運用の手間がない | 自分で増やせる。転職に強い |
| 従業員側のデメリット | 転職で不利。会社経営に依存 | 運用知識が必要。元本割れリスクあり |
| 普及傾向 | 減少傾向(DCへの移行が進む) | 急速に拡大中 |
どちらが有利かは一概に言えません。長期勤続を前提とするならDBの安定感は大きなメリットですが、転職の可能性があるならDCのポータビリティが重要になります。両方を併用している企業もあります。
企業年金の支給額・手取りを確認する主な要因
同じ企業年金でも、支給額や手取りは制度設計で大きく変わります。「平均より多いか少ないか」より、自分の条件に当てはめて確認することが大切です。
| 確認順 | 要因 | 支給額・手取りへの影響 | 確認する資料 |
|---|---|---|---|
| 1 | 勤続年数 | 長く勤めるほど退職給付額が増えやすい。特にDB・退職一時金は勤続年数の影響が大きい | 退職金規程、退職給付規程 |
| 2 | 給与・等級 | 給与比例・ポイント制の会社では、役職や等級で額面の支給額が変わる | ポイント制退職金規程、人事制度資料 |
| 3 | 制度の種類 | DBは計算式、DCは掛金と運用結果、中退共は掛金月額と加入期間で変わる | DB規約、DC加入者サイト、中退共通知 |
| 4 | 受取方法 | 額面支給額ではなく、一時金・年金・併用による税金と社会保険料を通じて手取りが変わる | 退職所得控除、公的年金等控除の試算 |
| 5 | 転職・退職時の手続き | 企業型DCを放置すると自動移管で手数料が発生し、運用も止まるため将来の受取額に影響する | JIS&T/NRK、iDeCo移換書類 |
支給額ランキングを見て不安になったら、まず自分の会社の制度名と見込額を確認しましょう。会社の平均よりも、一時金で受け取るか、年金で受け取るか、いつ受け取るかのほうが手取りに効くことがあります。
中小企業退職金共済(中退共)とは
中小企業退職金共済(中退共)は、独力で退職金制度を設けることが難しい中小企業のために、国がサポートする退職金制度です。独立行政法人勤労者退職金共済機構が運営しています。
中退共の仕組み
- 掛金:月額5,000円〜30,000円の範囲で会社が選択し、全額を会社が負担
- 国の助成:新規加入の場合、加入後4ヶ月目から1年間にわたり掛金の一部を国が助成
- 給付:退職時に従業員本人に直接支払われる(会社を経由しない)
- 運用:機構が一括運用。従業員が運用先を選ぶ必要はない
中退共の注意点
中退共は従業員全員を加入させる必要があり、特定の従業員だけを対象にすることはできません。また、退職理由に関わらず退職金が本人に直接支払われるため、懲戒解雇であっても原則として給付されます(ただし厚生労働大臣の認定により減額が可能)。加入後の短期退職では掛金を下回る給付となるケースもあります。
厚生年金基金の歴史と現状
厚生年金基金は、企業年金の草分け的存在です。厚生年金の一部(代行部分)を国に代わって運用し、さらに企業独自の上乗せ給付を行う制度でした。
制度の経緯
- 1966年:制度発足。高度経済成長期に大企業を中心に普及
- ピーク時:約1,800以上の基金が存在し、加入者は約1,200万人に達した
- バブル崩壊後:運用悪化で代行部分の積立不足(代行割れ)が社会問題に
- 2014年:法改正により新規設立が禁止。既存基金の大半が解散または他制度へ移行
- 現在:ごく少数の基金のみ存続。大部分はDBやDCに移行済み
厚生年金基金に加入していた方の注意点
過去に厚生年金基金に加入していた場合、解散時に代行部分は国(厚生年金)に返上されていますが、上乗せ部分の残余財産は企業年金連合会に移換されている場合があります。心当たりがある方は企業年金連合会に照会してみましょう。受給権があるのに請求していない「もらい忘れ年金」が発生しているケースも少なくありません。
企業年金の受取方法と選び方
企業年金の受取方法は制度によって異なります。受取方法の選択は老後の手取り額に直結するため、慎重に検討しましょう。
受取方法の種類
| 受取方法 | 税務上の扱い | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 一時金 | 退職所得(退職所得控除) | 控除額が大きく税負担が少ない | 退職金と合算で控除を共有 |
| 年金 | 雑所得(公的年金等控除) | 分散して受け取れる | 他の年金と合算。社会保険料に影響 |
| 一時金+年金の併用 | それぞれの税制が適用 | 税負担と受取時期を分散 | 会社の規程で認められている場合のみ |
受取方法を選ぶポイント
- 退職所得控除の枠を確認:勤続20年超なら年70万円×(勤続年数−20年)+800万円の控除枠がある。退職金と企業年金一時金は合算されるため、枠の使い方を計算する
- 公的年金等控除との兼ね合い:年金受取にすると公的年金と合算され、控除を超える分に課税される。国民健康保険料や介護保険料にも影響する
- 60歳〜64歳の受取を検討:公的年金の受給開始前であれば公的年金等控除枠を企業年金だけで使える場合がある
最適な受取方法は、退職金の額・勤続年数・公的年金額・他の所得によって変わります。FPや税理士に個別のシミュレーションを依頼することで、手取り額を最大化できます。
企業年金にかかる税金
企業年金は「拠出時」「運用時」「受取時」の3段階で税制の優遇があります。一方で受取時の課税ルールは複雑で、選択を誤ると想定以上の税負担が発生します。
拠出時の税制
- 会社の掛金:全額損金算入(会社の経費)。従業員の所得には含まれない
- マッチング拠出(従業員分):全額が小規模企業共済等掛金控除の対象。所得税・住民税が軽減される
運用時の税制
- 特別法人税:年金資産に対して年1.173%の課税があるが、1999年以降は凍結が続いており、実質非課税。2026年度税制改正大綱でも凍結延長が見込まれている
- 運用益:通常の証券口座なら約20%課税される運用益が、企業年金内では非課税で再投資される
受取時の税制
| 受取方法 | 税区分 | 控除 | 課税の仕組み |
|---|---|---|---|
| 一時金 | 退職所得 | 退職所得控除 | (収入−控除額)×1/2 に課税。分離課税で税率が低い |
| 年金 | 雑所得 | 公的年金等控除 | 公的年金と合算し、控除を超えた分が総合課税 |
退職所得控除の5年ルール
退職金と企業年金一時金を別の年に受け取る場合、前の退職所得から5年(DCの場合は19年)以上の間隔を空けないと退職所得控除が重複利用できません。退職金とDCの一時金受取のタイミングは慎重に計画する必要があります。
転職・退職時のポータビリティ
転職時に企業年金の扱いを誰も教えてくれず、知らないまま放置してしまうケースが多くあります。特に企業型DCは6ヶ月以内に移換手続きをしないと自動移管され、高い手数料が継続的にかかります。
転職先の状況別の対応
| 転職先の状況 | 企業型DCの移換先 | DBの扱い |
|---|---|---|
| 企業型DCがある会社 | 転職先の企業型DCへ移換 | 脱退一時金を受け取るか、企業年金連合会に移換 |
| 企業型DCがない会社 | iDeCoへ移換 | 同上 |
| 自営業・フリーランス | iDeCoへ移換 | 同上 |
| 手続きを怠った場合 | 国民年金基金連合会に自動移管 | 時効(5年)に注意 |
自動移管の問題点
6ヶ月以内に移換手続きをしなかった場合、資産は国民年金基金連合会に自動移管されます。自動移管されると以下のデメリットがあります。
- 移管時手数料として4,348円が差し引かれる
- 管理手数料が毎月52円かかり続ける(資産から控除)
- 運用がされず、手数料分だけ資産が減り続ける
- 自動移管されている期間は加入期間に算入されない
- 老齢給付金の受給開始が遅れる場合がある
自動移管の状態を解消するには、iDeCoや転職先のDCへ改めて移換手続きを行います。心当たりがある方は早めに対処しましょう。
企業年金の普及率と最新動向
企業年金の普及状況は企業規模によって大きく異なります。
企業規模別の普及率
| 企業規模 | 退職給付制度あり | うち企業年金あり |
|---|---|---|
| 1,000人以上 | 約90% | 約70% |
| 300〜999人 | 約85% | 約50% |
| 100〜299人 | 約80% | 約35% |
| 30〜99人 | 約75% | 約20% |
出典: 厚生労働省「就労条件総合調査」をもとに編集部が整理
最新の動向
- DBからDCへの移行が加速:企業の積立負担軽減やIFRS(国際会計基準)対応のため、DBを廃止しDCに移行する大企業が増加
- DC加入者の増加:企業型DCの加入者数は約800万人を超え、制度発足以来の最多を更新中
- iDeCoとの併用:2022年の法改正で企業型DC加入者もiDeCoに加入しやすくなり、上乗せ活用が広がっている
- 拠出限度額の見直し議論:2024年12月の制度変更でDBとDCの掛金上限の計算方法が変わり、一部の加入者はiDeCoの拠出枠が拡大
- 投資教育の義務化強化:DC導入企業には継続的な投資教育の実施が努力義務化されている
自分の会社に企業年金があるか確認する方法
意外にも、自分の会社に企業年金があるかどうかを正確に把握していない人は多くいます。以下の方法で確認できます。
- 就業規則・給与規程:「退職給付規程」「企業年金規程」に記載がある場合が多い
- 人事部・総務部に問い合わせ:「企業型DCに加入しているか」「DBはあるか」を直接確認
- 給与明細:「確定拠出年金」「DC掛金」の欄があれば企業型DC加入中
- ねんきん定期便:公的年金(国民年金・厚生年金)の記録は確認できるが、企業年金の記録は載っていない
- 企業年金連合会の照会:転職歴がある場合、過去の企業年金を企業年金連合会に照会できる
- JIS&T・NRKのWebサイト:企業型DCに加入している場合、運用状況は記録関連運営管理機関(JIS&TまたはNRK)のサイトで確認できる
企業年金は公的年金とは別の「上乗せ」です。公的年金はねんきん定期便で確認できますが、企業年金は別途確認が必要です。老後の収入源全体を整理するには、老後資金の設計をFPと一緒に行うことが効果的です。
よくある質問(FAQ)
- 企業年金は転職すると全部なくなりますか?
- 企業型DCは積み立てた資産を持ち運べます(ポータビリティ)。DBは基本的に持ち運べませんが、一定の勤続年数があれば脱退一時金や企業年金連合会への移換ができます。転職前に必ず会社の人事部に確認しましょう。
- 企業年金がない会社に転職したら、老後はどうなりますか?
- 企業年金がない会社でも、iDeCoで自分で上乗せ年金を作れます。また、NISAで老後用の資産形成をする方法もあります。公的年金(厚生年金)+iDeCo+NISAを組み合わせれば、企業年金がなくても十分な老後資金を準備できます。
- 企業型DCの運用商品は何を選べばいいですか?
- 退職まで20年以上ある場合は、株式を含むバランス型投資信託やインデックスファンドが選択肢に入ります。退職が近い場合は元本確保型(定期預金・保険)の比率を高める方法もあります。重要なのは放置しないこと。初期設定のまま元本確保型100%で放置している人も多くいますが、長期ではインフレ負けするリスクがあります。
- 退職金と企業年金は両方もらえますか?
- 会社の制度設計によります。退職金と企業年金(DB・DC)が別々にある会社もあれば、退職金の原資を企業年金に移行して一本化している会社もあります。自社の退職給付制度の全体像を人事部に確認しましょう。
- 企業年金の一時金受取と年金受取、どちらが得ですか?
- 退職所得控除の枠内に収まるなら一時金受取のほうが税負担は軽くなるのが一般的です。ただし、退職金の額・勤続年数・公的年金の見込み額・他の所得によって最適解は変わります。特に退職所得控除の5年ルール(DCは19年ルール)があるため、退職金とDC一時金を受け取るタイミングの計画が重要です。
- 企業型DCの自動移管を解消するにはどうすればいいですか?
- iDeCoの口座を開設して移換手続きを行うか、転職先に企業型DCがあればそちらへ移換します。移換手続き自体は記録関連運営管理機関(JIS&T)や運営管理機関(金融機関)に申請書を提出して行います。自動移管の期間が長いほど手数料で資産が目減りするため、早めの対処をおすすめします。
出典・改訂履歴・免責事項を見る
本ページの制度概要・要件・税率は、以下の公式情報を編集部が確認のうえ整理しています(執筆時点)。最新かつ正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。FPは記事を直接監修してはおらず、関連テーマでご相談を受けるFPとしてご紹介しています。
最終確認日:2026-05-15
※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・金額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。
本相談は年金事務所・自治体・勤務先の手続きや受給額の確定を代行するものではありません。