年金と税金

年金の税金シミュレーション
手取り額を計算

✏️ 早見表をタップしたあなたへ — 条件に近い行をすぐ表示します

年金の税金・手取り早見表シミュレーター

年金月額・年齢・世帯区分を選ぶと、本記事の年金額別の早見表から最も近い行を表示します。税額を個別計算するものではありません。

※ 表示は一般的な目安の概算です。個別の税額計算は税理士の独占業務です。金額は自治体・世帯構成・扶養の有無などで変わります。当社では個別の税額計算・控除の適用判定は行いません。

売るためではなく、自分で決める相談。

お金のこと、一度プロに答え合わせ。

『今のままで大丈夫?』を、60分で確認。

年金も、退職金も、住まいも、保険も、資産運用も。今すぐ困っていなくても、今の選び方やこれからのお金について、プロの意見を聞くことができます。

初回相談で、まず一区切り。
必要になったときに、自分からまた相談できます。

老後資金と使ってよいお金を逆算して家計を整える場面
年金額だけでなく、医療費、楽しみ、使ってよいお金の余白まで確認します。

年金月額・年齢・世帯区分を選ぶと、掲載している早見表から自分に近い税金・手取りの目安を確認できます

あなたの場合

あなたの場合、損しない選び方を確認

比べるもの

現在の受給開始・働き方と、時期や収入を変える場合

分かる結果

税・保険料を引いた手取りと、貯金が不足し始める時期の差が分かる

見落としたくない負担額面年金だけで決めて、毎月の生活費が不足すること

初回にわかること試算の前提差、毎月使える額、年金事務所・税務署へ確認する項目を持ち帰れる

ウェブミーティング・60分・料金 0円

年金手取り試算の相談内容・日時を見る

試算結果や税額を保証せず、商品案内と分離する

目次(12セクション)
  1. 年金にかかる税金の種類|所得税・住民税・社会保険料の全体像
  2. 公的年金等控除の仕組み|65歳未満と65歳以上の控除額比較
  3. 所得税の計算手順|年金収入から税額を導く5ステップ
  4. 住民税の計算手順|所得税との違いを押さえる
  5. 年金額別の税金シミュレーション|月10万〜25万円の手取り早見表
  6. 配偶者控除が年金の税金に与える影響
  7. 医療費控除の活用|年金受給者が還付を受けるポイント
  8. iDeCo・個人年金保険との合算|税金はどう変わるか
  9. 確定申告不要制度|申告しなくてよい人の条件
  10. 住民税の申告が必要なケース|確定申告不要でも油断禁物
  11. 年金の税金を減らすためのチェックリスト
  12. よくある質問

年金にかかる税金の種類|所得税・住民税・社会保険料の全体像

年金を受け取ると、給与と同じように税金や社会保険料が差し引かれます。まずは「年金から何が引かれるのか」を整理しましょう。

年金から天引きされる4つの項目

項目概要天引き方法
所得税・復興特別所得税年金を「雑所得」として課税。税率は5%〜45%の累進課税年金支給時に源泉徴収
住民税(都道府県民税+市区町村民税)前年の所得に基づき課税。税率は一律10%年金から特別徴収(65歳以上)
国民健康保険料(または後期高齢者医療保険料)74歳までは国保、75歳以降は後期高齢者医療制度年金から特別徴収(年額18万円以上の場合)
介護保険料65歳以上は第1号被保険者として市区町村に納付年金から特別徴収(年額18万円以上の場合)

このうち本記事では所得税と住民税に絞って計算方法と税額シミュレーションを解説します。国民健康保険料・介護保険料は自治体ごとに料率が異なるため、手取り率の目安には含めますが個別の計算は省略しています。

年金の税金を理解するうえでの前提

  • 公的年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)は雑所得に分類される
  • 遺族年金・障害年金は非課税(所得税・住民税ともにかからない)
  • 企業年金(確定給付企業年金・確定拠出年金)も雑所得として公的年金と合算される
  • 個人年金保険の年金は「公的年金等以外の雑所得」として別計算になる

「手取り率」の目安

年金から税金・社会保険料をすべて差し引いた後の手取り額は、一般的に年金額の85%〜95%程度になります。年金額が少ないほど控除の恩恵で手取り率が高く、年金額が多いほど累進課税により手取り率が下がる構造です。

公的年金等控除の仕組み|65歳未満と65歳以上の控除額比較

年金の税金計算で最も重要なのが公的年金等控除です。年金収入からこの控除額を差し引いた金額が「雑所得」となり、課税の対象になります。つまり、控除額が大きいほど税金は少なくなります。

公的年金等控除額の早見表(公的年金等に係る雑所得以外の所得が1,000万円以下の場合)

65歳未満の場合

年金収入(年額)公的年金等控除額
130万円以下60万円
130万円超〜410万円以下年金収入×25%+27万5,000円
410万円超〜770万円以下年金収入×15%+68万5,000円
770万円超〜1,000万円以下年金収入×5%+145万5,000円
1,000万円超195万5,000円(上限)

65歳以上の場合

年金収入(年額)公的年金等控除額
330万円以下110万円
330万円超〜410万円以下年金収入×25%+27万5,000円
410万円超〜770万円以下年金収入×15%+68万5,000円
770万円超〜1,000万円以下年金収入×5%+145万5,000円
1,000万円超195万5,000円(上限)

65歳を境に控除額が大きく変わる

  • 65歳未満:最低控除額は60万円
  • 65歳以上:最低控除額は110万円(50万円も多い)
  • 65歳以上で年金収入が110万円以下なら雑所得はゼロ → 年金に所得税はかからない
  • 65歳以上で年金収入が330万円以下なら控除額は一律110万円で計算がシンプル

具体例:年金収入200万円の場合の控除額比較

年齢区分年金収入公的年金等控除額雑所得
65歳未満200万円200万×25%+27.5万=77万5,000円122万5,000円
65歳以上200万円110万円90万円

同じ年金収入200万円でも、65歳以上の方が雑所得が32万5,000円少なくなります。この差が所得税・住民税の軽減につながります。

なお、公的年金等に係る雑所得以外の所得(不動産所得や給与所得など)が1,000万円を超える場合は控除額が段階的に縮小されます。年金以外に高額の所得がある方は注意が必要です。

所得税の計算手順|年金収入から税額を導く5ステップ

年金にかかる所得税は、次の5ステップで計算します。65歳以上・年金収入200万円・単身のケースで実際に計算してみましょう。

ステップ1:雑所得を求める

年金収入から公的年金等控除を差し引きます。

計算

  • 年金収入 200万円 − 公的年金等控除 110万円 = 雑所得 90万円

ステップ2:所得控除の合計を求める

所得から差し引ける控除を合計します。最低でも基礎控除と社会保険料控除があります。

所得控除の項目金額
基礎控除48万円
社会保険料控除(国保+介護保険料の目安)約15万円
所得控除の合計約63万円

ステップ3:課税所得を求める

計算

  • 雑所得 90万円 − 所得控除 63万円 = 課税所得 27万円

ステップ4:所得税率を適用する

課税所得195万円以下の税率は5%です。

課税所得税率控除額
1,000円〜194万9,000円5%0円
195万円〜329万9,000円10%9万7,500円
330万円〜694万9,000円20%42万7,500円
695万円〜899万9,000円23%63万6,000円
900万円〜1,799万9,000円33%153万6,000円

計算

  • 27万円 × 5% = 13,500円

ステップ5:復興特別所得税を加算する

2037年まで所得税額の2.1%が復興特別所得税として上乗せされます。

計算

  • 所得税 13,500円 × 102.1% = 約13,783円(100円未満切り捨てで13,700円)

以上の結果、65歳以上・年金収入200万円・単身の方の所得税は年間で約13,700円〜23,000円です(社会保険料控除の実額により変動します)。

住民税の計算手順|所得税との違いを押さえる

住民税は所得税と計算の枠組みが似ていますが、控除額と税率が異なります。同じく65歳以上・年金収入200万円・単身で計算します。

所得税との主な違い

項目所得税住民税
基礎控除48万円43万円
配偶者控除38万円33万円
税率5%〜45%(累進課税)一律10%(都道府県4%+市区町村6%)
均等割なし年5,000円程度
課税時期年金支給時に源泉徴収前年の所得に対し翌年課税

住民税の計算例

計算(65歳以上・年金収入200万円・単身)

  • 雑所得:200万円 − 110万円(公的年金等控除)= 90万円
  • 所得控除:基礎控除43万円 + 社会保険料控除約15万円 = 約58万円
  • 課税所得:90万円 − 58万円 = 32万円
  • 所得割:32万円 × 10% = 32,000円
  • 均等割:約5,000円
  • 住民税合計:約37,000円

所得税(約13,700円)と住民税(約37,000円)を合わせると、年金収入200万円に対する税負担は合計で約50,700円です。月額にすると約4,225円が税金として差し引かれる計算になります。

住民税が非課税になる年金収入の目安

世帯区分住民税非課税となる年金収入(目安)
65歳以上・単身155万円以下
65歳以上・夫婦(配偶者を扶養)211万円以下
65歳未満・単身105万円以下

住民税非課税世帯になると、高額療養費の自己負担上限引き下げ国民健康保険料の軽減、各種給付金の受給対象になるなどのメリットがあります。ギリギリのラインにいる方は、iDeCoの拠出や医療費控除の活用で非課税になれる場合もあります。

年金額別の税金シミュレーション|月10万〜25万円の手取り早見表

ここからは年金月額別に税金と手取りの概算を一覧表で示します。社会保険料(国保+介護保険)は全国平均の概算値を使用しています。

65歳以上・単身の場合

年金月額年金年額所得税(年額)住民税(年額)社保料概算(年額)手取り年額手取り月額
月10万円120万円0円0円約4万円約116万円約9.7万円
月12万円144万円0円0円約6万円約138万円約11.5万円
月15万円180万円約8,500円約25,000円約10万円約147万円約12.2万円
月20万円240万円約33,000円約72,000円約18万円約195万円約16.3万円
月25万円300万円約73,000円約147,000円約27万円約235万円約19.6万円

65歳未満・単身の場合

年金月額年金年額所得税(年額)住民税(年額)手取り月額(税金のみ控除)
月10万円120万円約5,100円約17,000円約9.8万円
月15万円180万円約25,500円約60,000円約14.3万円
月20万円240万円約51,000円約112,000円約18.6万円
月25万円300万円約82,000円約172,000円約22.9万円

65歳未満は公的年金等控除が少ない分、同じ年金額でも税負担が重くなります。60歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取る方は、65歳到達後に税負担が軽くなることを覚えておきましょう。

65歳以上・配偶者控除ありの場合

年金月額年金年額所得税(年額)住民税(年額)税合計(年額)単身との差額
月15万円180万円0円0円0円▲約33,500円
月20万円240万円約3,500円約39,000円約42,500円▲約62,500円
月25万円300万円約35,000円約109,000円約144,000円▲約76,000円

配偶者控除があると、年金月額25万円の場合で年間約7万6,000円も税金が少なくなります。

計算の前提条件

  • 2026年度の税率・控除額に基づく概算です
  • 社会保険料は全国平均の概算値を使用(自治体により大きく異なります)
  • 年金以外の所得はないものとしています
  • 正確な金額は税務署または国税庁の確定申告書等作成コーナーで確認してください

配偶者控除が年金の税金に与える影響

配偶者がいる場合、扶養親族等申告書を日本年金機構に提出することで配偶者控除が適用され、源泉徴収税額が減ります。これを提出し忘れると、本来より多い税金が天引きされてしまいます。

配偶者控除の適用条件

以下のすべてを満たす必要があります

  • 配偶者の年間合計所得金額が48万円以下(給与収入のみの場合は103万円以下)
  • 本人の合計所得金額が1,000万円以下
  • 配偶者が他の人の扶養親族になっていない
  • 生計を一にしている

配偶者控除と配偶者特別控除の金額

本人の合計所得金額配偶者控除(所得税)配偶者控除(住民税)
900万円以下38万円33万円
900万円超〜950万円以下26万円22万円
950万円超〜1,000万円以下13万円11万円

年金受給者の多くは合計所得金額が900万円以下のため、所得税で38万円、住民税で33万円の控除が受けられます。

配偶者が年金を受給している場合

配偶者自身も年金を受け取っている場合は、配偶者の年金収入が一定額を超えると控除対象外になります。65歳以上の配偶者の場合、年金収入が158万円以下(=公的年金等控除110万円+合計所得48万円以下)であれば配偶者控除の対象です。

扶養親族等申告書の提出を忘れた場合

提出を忘れると、源泉徴収の段階で配偶者控除が反映されず、税金が多く天引きされます。この場合は確定申告をすることで払いすぎた税金の還付を受けられます。申告書は毎年9〜10月頃に日本年金機構から届くハガキで提出します。届かない場合は年金事務所に問い合わせましょう。

医療費控除の活用|年金受給者が還付を受けるポイント

年金受給者にとって医療費控除は最も身近な節税手段です。年間の医療費が10万円を超えたら確定申告で税金が戻ってくる可能性があります。

医療費控除の計算式

計算式

  • 医療費控除額 = 支払った医療費 − 保険金等で補てんされた金額 − 10万円(※)
  • ※総所得金額が200万円未満の場合は「総所得金額×5%」が足切りライン
  • 控除の上限は200万円

年金受給者に多い医療費控除の対象項目

対象になるもの対象にならないもの
病院の診察・治療費健康診断・人間ドック(※異常が見つかり治療した場合は対象)
処方薬の費用美容目的の施術
入院費(食事代含む)差額ベッド代(個室料)
通院の交通費(公共交通機関)自家用車のガソリン代・駐車場代
介護保険の自己負担分(医療系サービス)おむつ代(医師の証明があれば対象)
歯科治療(保険適用外の金歯・セラミックも可)歯列矯正(子どもの場合は対象)
補聴器(医師の処方がある場合)眼鏡・コンタクトレンズ(治療目的を除く)

還付額のシミュレーション

65歳以上・年金収入200万円・単身で、年間医療費が30万円かかったケースを計算します。

計算

  • 雑所得:200万円 − 110万円 = 90万円(200万円未満なので足切りは90万×5%=4万5,000円)
  • 医療費控除額:30万円 − 4万5,000円 = 25万5,000円
  • 所得税の還付額:25万5,000円 × 5% × 102.1% = 約13,017円
  • 住民税の軽減額:25万5,000円 × 10% = 約25,500円
  • 合計の税軽減効果:約38,500円

医療費30万円で約3万8,500円の税軽減は大きな効果です。配偶者の医療費を合算することもできるので、世帯全体の領収書をまとめて管理しましょう。

iDeCo・個人年金保険との合算|税金はどう変わるか

公的年金に加えてiDeCo(個人型確定拠出年金)や個人年金保険からの給付がある場合、税金の計算が変わります。

iDeCoの年金受取と公的年金の合算

iDeCoを「年金」として受け取る場合(5年以上20年以下の期間で受給)、公的年金等の収入と合算して雑所得を計算します。つまり公的年金等控除の対象にはなりますが、合算した分だけ控除を超えやすくなり税負担が増える可能性があります。

iDeCoの受取方法による税金の違い

受取方法所得区分適用される控除メリット
一時金(一括受取)退職所得退職所得控除勤続年数に応じた大きな控除。税負担が軽い場合が多い
年金(分割受取)雑所得(公的年金等)公的年金等控除毎年少額ずつ受け取るため資金管理がしやすい
併用(一部一時金+残り年金)それぞれの区分両方の控除を活用控除を最大化できる場合がある

合算シミュレーション:公的年金200万円+iDeCo年金40万円

65歳以上・単身の場合

  • 公的年金等の合計:200万円 + 40万円 = 240万円
  • 雑所得:240万円 − 110万円(公的年金等控除)= 130万円
  • 公的年金のみの場合の雑所得は90万円 → iDeCoの年金受取で40万円増加
  • 追加の税負担(概算):所得税 約2,000円+住民税 約4,000円 = 年間約6,000円

iDeCoの年金40万円に対して税負担が約6,000円というのは実効税率約15%で、掛金拠出時に受けた所得控除(税率20〜30%)に比べれば有利です。ただし公的年金が多い方は合算により税率が上がる場合があるので、一時金受取や併用も検討しましょう。

個人年金保険の場合

民間の個人年金保険から受け取る年金は、公的年金等「以外」の雑所得として計算します。公的年金等控除は適用されず、以下の計算式で所得を求めます。

計算式

  • 個人年金の雑所得 = その年の受取年金額 − その年の年金額に対応する払込保険料
  • この所得が年間25万円を超える場合は10.21%の源泉徴収が行われる

個人年金保険の雑所得と公的年金等の雑所得を合算した結果、確定申告が必要になるケースがあります(後述の「確定申告不要制度」を参照)。

確定申告不要制度|申告しなくてよい人の条件

年金受給者には確定申告不要制度があり、一定の条件を満たせば確定申告をしなくても構いません。ただし、申告した方が税金が戻ってくるケースも多いため、安易に「不要だからしない」と判断するのは注意が必要です。

確定申告が不要になる2つの条件(両方を満たす必要あり)

条件

  • 条件1:公的年金等の収入金額の合計が400万円以下
  • 条件2:公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下

確定申告が必要になるケース

ケース具体例
年金収入が400万円を超える老齢厚生年金+企業年金+iDeCo年金の合計が400万円超
年金以外の所得が20万円を超える不動産所得、株式の譲渡所得、個人年金保険の雑所得など
2か所以上から年金を受給し源泉徴収されていない外国の年金、一部の企業年金

申告不要でも申告した方が得なケース

確定申告不要制度は「申告しなくてもよい」という制度であり、「申告してはいけない」という制度ではありません。以下に該当する方は申告することで還付を受けられます。

確定申告で還付が見込めるケース

  • 年間の医療費が10万円を超えた(または総所得金額の5%を超えた)
  • 生命保険料・地震保険料を自分で支払っている
  • 扶養親族等申告書を提出し忘れた(配偶者控除や扶養控除が未反映)
  • 年の途中で扶養家族が増えた(配偶者の退職等)
  • 住宅ローン控除がある
  • ふるさと納税をした(ワンストップ特例は年金受給者も利用可能だが、確定申告する場合はワンストップ特例が無効になるため申告書に記載が必要)
  • 災害や盗難にあった(雑損控除

詳しくは年金受給者の確定申告をご覧ください。

住民税の申告が必要なケース|確定申告不要でも油断禁物

確定申告不要制度を利用して所得税の確定申告をしない場合でも、住民税の申告は別途必要になるケースがあります。これは見落とされやすいポイントです。

住民税の申告が必要な場合

以下に該当する方は市区町村へ住民税の申告が必要

  • 公的年金等以外の所得が20万円以下で確定申告不要制度を利用したが、その所得が1円以上ある
  • 医療費控除や生命保険料控除を住民税にだけ反映させたい
  • 扶養親族等申告書を提出しておらず、住民税の控除が不足している

所得税と住民税で異なる申告を行うケース

上場株式の配当金や譲渡益がある場合、所得税では「申告不要」を選択し、住民税では「申告分離課税」を選択する(またはその逆)ことで、住民税非課税を維持しながら所得税の還付を受けることが可能でした。ただし2026年度(令和8年度)以降、この所得税と住民税の課税方式を分ける選択は制度変更の影響を受ける場合があります。最新の取り扱いは市区町村の住民税担当課に確認してください。

住民税の申告方法

住民税の申告は、お住まいの市区町村の窓口に「住民税申告書」を提出します。申告時期は毎年2月16日〜3月15日(確定申告と同じ期間)です。確定申告をした場合は、税務署から市区町村にデータが送られるため住民税の申告は不要です。

年金の税金を減らすためのチェックリスト

最後に、年金にかかる税金を少しでも減らすために確認しておきたいポイントをまとめます。

源泉徴収段階でできること

チェックリスト

  • 扶養親族等申告書を毎年期限内に提出しているか(配偶者控除・扶養控除を反映させる)
  • ☐ 配偶者の年金収入が158万円以下(65歳以上)で配偶者控除の対象になっていないか確認
  • ☐ 障害者控除の対象になる方が世帯にいないか確認(要介護認定を受けている方は「障害者控除対象者認定書」を市区町村に申請できる場合がある)

確定申告でできること

チェックリスト

  • 医療費控除:年間医療費が10万円(または総所得金額の5%)を超えていないか確認
  • 社会保険料控除:配偶者や家族の国民健康保険料を自分が支払っていないか確認
  • 生命保険料控除:年間保険料8万円超で最大4万円の控除(一般・介護医療・個人年金それぞれ)
  • 地震保険料控除:年間保険料5万円以下は全額、5万円超は最大5万円控除
  • ふるさと納税:寄附金控除として所得税・住民税から控除
  • 雑損控除:災害・盗難による損失がある場合

年金の受け取り方でできること

チェックリスト

  • ☐ iDeCoや企業年金を一時金で受け取る選択肢を検討したか(退職所得控除が使えて有利な場合がある)
  • ☐ 年金の繰下げ受給を検討したか(年金額は増えるが税率が上がる可能性もあるため、手取りベースで比較)
  • ☐ 住民税非課税のボーダーラインにいないか確認(非課税になることで国保料軽減等のメリットが得られる)

税金の仕組みは複雑で、自分にとって最適な対策は年金額・家族構成・他の所得によって異なります。シミュレーション結果を参考に、判断に迷う場合はFPや税理士に相談することをおすすめします。

よくある質問

年金と給与の両方がある場合、税金はどうなりますか?
年金(雑所得)と給与(給与所得)はそれぞれ別の所得区分で計算し、合算して課税されます。年金以外の所得が20万円を超える場合は確定申告が必要です。給与所得控除と公的年金等控除の両方が適用されるため、控除の二重取りが可能です。ただし合算した結果、税率の区分が上がる可能性があります。
住民税非課税世帯になる年金額の基準は?
65歳以上・単身の場合、年金収入155万円以下が目安です(自治体により異なります)。夫婦世帯(配偶者を扶養)の場合は年金収入211万円以下が目安です。住民税非課税世帯になると、国保料軽減・高額療養費の上限引き下げ・各種給付金の対象となるメリットがあります。
年金から天引きされる税金を減らす方法はありますか?
まず「扶養親族等申告書」を期限内に提出し、配偶者控除や扶養控除を源泉徴収に反映させることが基本です。さらに確定申告で医療費控除・社会保険料控除・生命保険料控除・ふるさと納税(寄附金控除)などを適用すれば、払いすぎた税金の還付を受けられます。
遺族年金や障害年金にも税金はかかりますか?
遺族年金と障害年金は全額非課税です。所得税も住民税もかかりません。確定申告の際も所得に含める必要はありません。ただし、遺族年金を受給しながらパート収入や老齢年金がある場合は、それらの所得に対しては通常どおり課税されます。
確定申告不要制度を使うと損をすることがありますか?
はい、あります。確定申告不要制度は「申告しなくてもよい」という制度であり、申告した方が有利なケースが多くあります。特に医療費が10万円を超えている方、扶養親族等申告書を出し忘れた方、生命保険料を支払っている方は、確定申告をすることで還付を受けられます。還付申告は5年間さかのぼって行えます。
年金のシミュレーション結果と実際の手取りが違うのはなぜですか?
主な原因は3つあります。(1)国民健康保険料・介護保険料は自治体ごとに料率が大きく異なるため、概算値との差が出ます。(2)源泉徴収段階では扶養親族等申告書の内容しか反映されないため、医療費控除等は確定申告後に還付されます。(3)住民税は前年の所得に基づくため、退職直後は現役時代の高い住民税が課される場合があります。

関連トピック(あとで読む)

出典・改訂履歴・免責事項を見る

本ページの制度概要・要件・税率は、以下の公式情報を編集部が確認のうえ整理しています(執筆時点)。最新かつ正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。FPは記事を直接監修してはおらず、関連テーマでご相談を受けるFPとしてご紹介しています。

最終確認日:2026-05-15

※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・金額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。

本相談はIKIGAI TOWN編集部が運営するFP相談サービスです。各自治体の給付金窓口とは異なります。