年金と税金

年金に税金はかかる?
所得税・住民税の計算方法

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公的年金等控除額 早見表ルックアップ

年金収入(年額)と年齢を選ぶと、上の公的年金等控除額の早見表の該当行を引いて控除額を表示します。税額そのものは算出しません。

※ 表示は一般的な目安の概算です。個別の税額計算は税理士の独占業務です。金額は自治体・世帯構成・扶養の有無などで変わります。当社では個別の税額計算・控除の適用判定は行いません。

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目次(13セクション)
  1. 年金に税金はかかる?|課税の基本ルール
  2. 公的年金等控除額の早見表
  3. 年金の所得税を計算する手順
  4. 年金の住民税を計算する手順
  5. 年金から天引きされるもの一覧
  6. 65歳以上で住民税非課税になる条件
  7. 確定申告不要制度|申告が必要な人・不要な人
  8. 確定申告で税金が戻るケース
  9. 年金と給与の両方がある場合の税金
  10. 個人年金・iDeCo・企業年金の課税ルール
  11. 年金の手取りを増やす7つの方法
  12. 年金と税金の年間スケジュール
  13. よくある質問

年金に税金はかかる?|課税の基本ルール

公的年金は「雑所得」として課税対象ですが、公的年金等控除があるため、年金額が一定以下であれば非課税になります。

年金にかかる税金は大きく分けて所得税(国税)住民税(地方税)の2つです。いずれも年金収入から公的年金等控除を差し引いた「雑所得」に対して課税されます。

非課税となる年金額の目安

  • 65歳以上:年金収入158万円以下 → 所得税ゼロ
  • 65歳未満:年金収入108万円以下 → 所得税ゼロ
  • 住民税は自治体により異なるが、概ね155万円以下で非課税(65歳以上・単身)

なお、障害年金・遺族年金は全額非課税です。これらは所得税法上の非課税所得であり、確定申告の必要もありません。

年金の種類課税の有無備考
老齢基礎年金課税(雑所得)公的年金等控除あり
老齢厚生年金課税(雑所得)公的年金等控除あり
障害基礎年金・障害厚生年金非課税所得に含めない
遺族基礎年金・遺族厚生年金非課税所得に含めない
企業年金(DB・DC)課税(雑所得)公的年金等控除の対象
個人年金保険課税(雑所得)必要経費を控除

公的年金等控除額の早見表

公的年金等控除は、年金収入額と受給者の年齢(65歳以上か未満か)によって異なります。65歳以上は控除額が大きく設定されており、年金収入330万円まで一律110万円の控除が適用されます。

年金収入65歳以上の控除額65歳未満の控除額
〜110万円110万円(全額控除)60万円
110〜330万円110万円収入×25%+27.5万円
330〜410万円収入×25%+27.5万円収入×25%+27.5万円
410〜770万円収入×15%+68.5万円収入×15%+68.5万円
770万円超収入×5%+145.5万円収入×5%+145.5万円

※上記は公的年金等以外の合計所得金額が1,000万円以下の場合です。合計所得金額が1,000万円超〜2,000万円以下の場合は控除額が10万円減額、2,000万円超の場合は20万円減額されます。

年金の所得税を計算する手順

年金にかかる所得税は、以下の4ステップで計算します。

ステップ1:雑所得を算出する

雑所得 = 年金収入 − 公的年金等控除額

たとえば65歳以上で年金収入が200万円の場合、公的年金等控除110万円を差し引き、雑所得は90万円です。

ステップ2:所得控除を差し引く

雑所得からさらに以下の所得控除を差し引きます。

  • 基礎控除:48万円(合計所得2,400万円以下)
  • 社会保険料控除:国民健康保険料・介護保険料の支払額
  • 配偶者控除:最大38万円(配偶者の合計所得48万円以下)
  • 生命保険料控除:最大12万円
  • 医療費控除:医療費−10万円(または総所得の5%)

ステップ3:税率を掛ける

課税所得 = 雑所得 − 所得控除の合計

課税所得に対して所得税率を掛けます。年金のみの場合、多くの方は課税所得195万円以下に収まるため税率5%です。

課税所得税率控除額
〜195万円5%0円
195〜330万円10%9.75万円
330〜695万円20%42.75万円
695〜900万円23%63.6万円

ステップ4:復興特別所得税を加算する

算出した所得税額に2.1%を上乗せします(2037年まで)。最終的な税率は所得税率 × 1.021です。

計算例:65歳以上・年金収入200万円・単身

  • 雑所得:200万 − 110万 = 90万円
  • 社会保険料控除(国保+介護):約15万円と仮定
  • 課税所得:90万 − 48万(基礎控除)− 15万 = 27万円
  • 所得税:27万 × 5% × 1.021 = 約13,784円

年金の住民税を計算する手順

住民税は所得割(10%)均等割(年額約5,000円)の合計です。計算の基本構造は所得税と似ていますが、控除額が異なります。

控除の種類所得税の控除額住民税の控除額
基礎控除48万円43万円
配偶者控除38万円33万円
扶養控除(一般)38万円33万円
生命保険料控除(上限)12万円7万円

住民税の計算式は次のとおりです。

住民税(所得割)=(雑所得 − 所得控除)× 10%

計算例:65歳以上・年金収入200万円・単身

  • 雑所得:200万 − 110万 = 90万円
  • 社会保険料控除:約15万円と仮定
  • 住民税(所得割):(90万 − 43万 − 15万)× 10% = 32,000円
  • 均等割:約5,000円
  • 合計:約37,000円

前述の所得税と合計すると、年金200万円の手取りは約200万 − 約1.4万(所得税)− 約3.7万(住民税)− 社会保険料 = 約180万円前後となります(社会保険料は自治体・所得段階により異なります)。

年金から天引きされるもの一覧

年金の額面と手取りには差があります。年金からは税金のほかに社会保険料が天引き(特別徴収)されます。

天引き項目対象者目安
所得税・復興特別所得税年金収入が控除額を超える方(年金額 − 控除額)× 5.105%
住民税前年の所得が非課税基準を超える方前年所得に基づき市区町村が決定
国民健康保険料65〜74歳の国保加入者所得に応じて(7割・5割・2割軽減あり)
後期高齢者医療保険料75歳以上均等割+所得割(都道府県ごとに設定)
介護保険料65歳以上の全員所得段階制(基準額は自治体ごと)

特別徴収の対象となるのは、年金額が年18万円以上の方です。18万円未満の場合は普通徴収(納付書・口座振替)で支払います。

詳しくは年金から引かれるもの一覧をご覧ください。

65歳以上で住民税非課税になる条件

住民税が非課税になると、国民健康保険料の軽減・高額療養費の上限引き下げ・介護保険料の低段階適用など多くの優遇措置を受けられます。非課税の判定基準は以下のとおりです。

世帯構成住民税非課税になる年金収入の上限(目安)
65歳以上・単身約155万円以下
65歳以上・配偶者あり(配偶者も非課税)約211万円以下
65歳未満・単身約105万円以下

※正確な基準額は自治体ごとに異なります。生活保護基準や級地区分によって変動するため、お住まいの市区町村の窓口で確認してください。

住民税非課税世帯の主な優遇措置

  • 国民健康保険料の7割・5割・2割軽減
  • 高額療養費の自己負担上限が月8,000円に低下(70歳以上・外来)
  • 介護保険の自己負担上限が月15,000〜24,600円に低下
  • 年金生活者支援給付金(最大月額5,310円)の受給対象
  • 臨時の給付金(物価高騰対策等)の対象になることが多い

年金収入が非課税ラインに近い場合、iDeCoの掛金拠出社会保険料の前納によって合計所得を下げ、非課税世帯に入れる可能性があります。

確定申告不要制度|申告が必要な人・不要な人

年金受給者の多くは確定申告不要制度の対象です。以下の両方を満たせば、確定申告は不要です。

  • 公的年金等の収入金額が400万円以下
  • 公的年金等以外の所得が20万円以下
条件申告の要否
年金収入300万円・他の所得なし不要
年金収入200万円・株の売却益50万円必要(他の所得が20万円超)
年金収入500万円・他の所得なし必要(年金収入が400万円超)
年金収入200万円・パート収入80万円(給与所得15万円)不要(他の所得20万円以下)
年金収入250万円・医療費控除を受けたい任意で申告(還付申告)

注意:確定申告が不要でも、住民税の申告は別途必要な場合があります。年金以外の所得が少額でもある場合は、市区町村への申告を忘れないようにしましょう。

確定申告で税金が戻るケース

確定申告不要制度の対象であっても、申告した方が得になるケースは多くあります。源泉徴収で多く引かれた所得税が還付される可能性があるためです。

還付申告チェックリスト

  • 医療費控除:年間の医療費が10万円(または総所得の5%)を超えた
  • 社会保険料控除:国民健康保険料・介護保険料を年金天引き以外で支払った
  • 生命保険料控除:生命保険・個人年金保険・介護医療保険に加入している
  • 地震保険料控除:地震保険に加入している
  • 配偶者控除・扶養控除:扶養親族等申告書に記載し忘れた控除がある
  • 雑損控除:災害・盗難・横領により損害を受けた
  • 寄附金控除:ふるさと納税や特定の寄附をした
  • 障害者控除:本人または扶養親族が障害者認定を受けた

還付申告は過去5年分まで遡って行えます。1月1日から受付が始まるため、通常の確定申告期間(2月16日〜3月15日)を待つ必要はありません。

詳しくは年金受給者の確定申告をご覧ください。

年金と給与の両方がある場合の税金

定年後も働きながら年金を受け取る在職老齢年金の場合、年金と給与の両方に税金がかかります。それぞれ別の控除が適用されるため、計算が複雑になります。

給与と年金それぞれの所得計算

収入の種類所得の計算方法
給与収入給与収入 − 給与所得控除(最低55万円)
年金収入年金収入 − 公的年金等控除(65歳以上:最低110万円)

給与所得と雑所得(年金の所得)を合算し、そこから各種所得控除を差し引いて課税所得を計算します。

所得金額調整控除(給与+年金の二重控除調整)

給与収入と年金収入の両方がある場合、所得金額調整控除(最大10万円)が適用されます。これは給与所得控除と公的年金等控除の両方が縮小されたことへの調整措置です。

適用要件:給与所得が10万円超 かつ 年金の雑所得が10万円超

控除額:給与所得(上限10万円)+ 年金雑所得(上限10万円)− 10万円

計算例:65歳以上・年金180万円+パート収入120万円

  • 年金の雑所得:180万 − 110万 = 70万円
  • 給与所得:120万 − 55万 = 65万円
  • 所得金額調整控除:10万 + 10万 − 10万 = 10万円
  • 合計所得:70万 + 65万 − 10万 = 125万円

在職老齢年金には支給停止の仕組みもあります。給与(賞与含む)と年金の合計が月額50万円を超えると、超過分の半額が年金から停止されます。詳しくは年金繰下げ・繰上げ受給をご覧ください。

個人年金・iDeCo・企業年金の課税ルール

公的年金以外の年金も課税対象ですが、種類によって計算方法が異なります。

年金の種類受取方法課税区分控除
企業年金(DB)年金受取雑所得公的年金等控除の対象
企業型DC年金受取雑所得公的年金等控除の対象
企業型DC一時金受取退職所得退職所得控除の対象
iDeCo年金受取雑所得公的年金等控除の対象
iDeCo一時金受取退職所得退職所得控除の対象
個人年金保険年金受取雑所得必要経費(払込保険料)を控除

iDeCo・企業型DCの受取方法と税金

iDeCoや企業型DCは一時金受取年金受取を選べます(併用も可能)。

  • 一時金受取:退職所得控除が適用。勤続年数(加入年数)が長いほど控除額が大きく、税負担が軽い
  • 年金受取:公的年金等控除の対象。公的年金と合算されるため、控除の枠を使い切ってしまう場合がある

公的年金の額が大きい方は、iDeCoを一時金で受け取る方が税負担が小さくなるケースが多くあります。逆に公的年金が少ない方は年金受取で控除の枠を活用できます。

個人年金保険の課税方法

個人年金保険は公的年金等控除の対象です。課税対象は以下の計算で求めます。

雑所得 = その年の年金受取額 −(払込保険料総額 × その年の年金受取額 ÷ 年金受取総額)

つまり、払い込んだ保険料を必要経費として差し引けますが、運用益に相当する部分には課税されます。

年金の手取りを増やす7つの方法

税制度や公的制度を正しく活用すれば、年金の手取り額を改善できます。

  1. 確定申告で控除を最大化する:医療費控除・社会保険料控除は見落としが多い。過去5年分の還付申告も可能
  2. 扶養親族等申告書を正確に提出する:毎年届く「扶養親族等申告書」を未提出のまま放置すると、各種控除が適用されず源泉徴収額が増える
  3. ふるさと納税を活用する:年金所得がある方も利用可能。住民税の軽減効果があり、実質2,000円で返礼品を受け取れる
  4. 繰下げ受給で額面を増やす:1か月あたり0.7%増額。70歳開始で42%増、75歳開始で84%増。ただし課税額も増える点に注意
  5. 住民税非課税世帯を目指す:ギリギリ課税される場合、iDeCoの掛金や社会保険料の支払い方を工夫して非課税ラインに収める
  6. NISA口座で資産運用する:運用益が非課税のため、年金を補う資産からの引き出しに税金がかからない
  7. iDeCoの受取方法を最適化する:一時金と年金の併用比率を調整し、退職所得控除と公的年金等控除をバランスよく活用する

見落としやすいポイント

  • 国民健康保険料を口座振替から年金天引きに変更すると、配偶者の社会保険料控除として使えなくなる場合がある
  • 配偶者の年金が少ない場合、配偶者控除を適用できる可能性がある(配偶者の合計所得48万円以下=年金収入158万円以下)
  • 繰下げで年金額が増えると社会保険料も増えるため、手取りベースでの増加率は42%より低くなる

年金と税金の年間スケジュール

年金受給者が押さえておきたい、税金・届出関連の年間スケジュールです。

時期イベント対応
1月還付申告の受付開始医療費控除等がある方は早めに申告可能
1月下旬公的年金等の源泉徴収票が届く確定申告に必要。届かない場合は年金事務所へ問い合わせ
2月16日〜3月15日確定申告期間年金収入400万円超、または他の所得が20万円超の方は申告必要
4月年金額の改定通知物価・賃金スライドにより年金額が変更される場合がある
6月住民税の決定通知(普通徴収の場合)特別徴収の方は年金からの天引き額が変わる
6月・8月・10月・12月・2月・4月年金の支給日(偶数月15日)2か月分が支給。天引き後の手取りを確認
9〜10月生命保険料控除証明書が届く確定申告に備えて保管
10〜11月扶養親族等申告書が届く(日本年金機構から)期限内に返送。未提出だと控除が受けられず源泉徴収額が増える

よくある質問

年金に住民税はかかりますか?
はい。住民税非課税の基準は自治体によりますが、65歳以上・単身で年金収入155万円以下が目安です。住民税非課税世帯になると、国民健康保険料の軽減や高額療養費の上限引き下げなど、多くの優遇措置を受けられます。
確定申告をすると税金が返ってくることはありますか?
はい。医療費控除・社会保険料控除・生命保険料控除などを申告すると、源泉徴収された所得税の一部が還付されることがあります。特に医療費が多い年は必ず確認しましょう。還付申告は過去5年分まで遡れます。
障害年金や遺族年金にも税金はかかりますか?
いいえ。障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)と遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)は所得税法上の非課税所得です。確定申告の必要もなく、他の所得と合算されることもありません。
年金の「扶養親族等申告書」を出し忘れたらどうなりますか?
扶養親族等申告書を提出しないと、配偶者控除・扶養控除・基礎控除などが適用されず、源泉徴収される所得税が多くなります。出し忘れた場合でも、確定申告をすれば控除を適用して差額が還付されます。
ふるさと納税は年金受給者でもできますか?
はい。年金所得に対して住民税が課税されている方であれば、ふるさと納税を利用できます。ただし年金受給者は確定申告が必要です(ワンストップ特例は給与所得者向けの制度のため)。控除上限額は年金の所得額によって異なるため、シミュレーションサイトで事前に確認することをおすすめします。
年金収入が200万円の場合、手取りはいくらになりますか?
65歳以上・単身の場合、所得税が約1.4万円、住民税が約3.7万円、社会保険料(国民健康保険料+介護保険料)が約15〜20万円程度かかり、手取りは約175〜180万円が目安です。ただし社会保険料は自治体や所得段階により大きく異なりますので、正確な金額はお住まいの市区町村にご確認ください。

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本ページの制度概要・要件・税率は、以下の公式情報を編集部が確認のうえ整理しています(執筆時点)。最新かつ正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。FPは記事を直接監修してはおらず、関連テーマでご相談を受けるFPとしてご紹介しています。

最終確認日:2026-05-15

※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・金額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。

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