税金・節税

住民税が引かれていない理由
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住民税が給与から引かれていない場合の原因(新卒1年目・転職・届出漏れ)と対処法を解説。

目次(7セクション)
  1. 引かれていない4つの原因
  2. 新卒1年目の場合
  3. 転職直後の場合
  4. 原因の判定フロー(早見表)
  5. 会社の届出漏れ
  6. 対処法
  7. FPに相談すべきケース

引かれていない4つの原因

給与明細を見て住民税が0円になっている場合、主に4つの原因が考えられます。(1)新卒1年目で前年に課税対象となる所得がない、(2)転職直後で特別徴収への切替手続きが完了していない、(3)前年の所得が住民税の非課税ライン以下だった、(4)勤務先が特別徴収の届出を提出していない、の4つです。

住民税は前年(1月〜12月)の所得に基づいて翌年6月から課税される「後払い」の仕組みです。そのため、所得が発生した翌年にならないと住民税は発生しません。給与から天引きされる「特別徴収」は、6月〜翌年5月の12回払いで毎月の給与から差し引かれます。

もし上記のどれにも当てはまらないのに住民税が引かれていない場合は、勤務先の経理担当に確認するか、住所地の自治体の税務課に問い合わせてください。特別徴収の届出がされていないケースでは、自治体から直接納付書が届く「普通徴収」になっている可能性があります。なお、住民税が急に高くなったと感じるケースとは逆の現象ですが、どちらも住民税の「後払い」の仕組みを理解することで原因を特定しやすくなります。

新卒1年目の場合

新卒で4月に入社した社会人1年目の方は、住民税が引かれていなくても問題ありません。住民税は前年(1月〜12月)の所得をもとに計算されるため、前年に学生で給与所得がなかった場合は課税対象になりません。入社1年目は所得税だけが天引きされ、住民税は翌年の6月から初めて給与天引きが始まります。

ただし、学生時代にアルバイトで年間100万円を超える収入があった場合は、新卒1年目の6月から住民税が課税される可能性があります。逆に、アルバイト収入が非課税ラインを下回っていれば、やはり住民税は発生しません。

入社2年目の6月になると、1年目の給与所得に基づいた住民税が初めて天引きされます。このタイミングで「急に手取りが減った」と感じる新社会人が多いですが、これは正常な流れです。6月の給与明細で住民税額を確認しておくと、年間の手取り見通しが立てやすくなります。

非課税ラインの目安

住民税が課税されない「非課税ライン」は、自治体や扶養家族の有無によって異なりますが、目安は以下のとおりです。単身者の場合、給与収入が年間約93万〜100万円以下(自治体による)であれば住民税は非課税です。配偶者や扶養家族がいる場合は、非課税ラインはさらに上がります。

非課税ラインぎりぎりの年収の場合、ごくわずかな所得増で住民税が課税されることがあります。パートやアルバイトで年収を調整している方は、勤務先の源泉徴収票で正確な年収を確認し、非課税ラインを超えていないか確認してください。控除が正しく反映されていないことが原因で課税されているケースもあるため、決定通知書の控除欄も確認が必要です。

転職直後の場合

転職した直後に住民税が引かれていない場合、前の会社から新しい会社への特別徴収の引き継ぎ(転勤届)が完了していない可能性があります。通常、退職時に前の会社が「給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」を自治体に提出し、転職先の会社が「特別徴収切替届出書」を提出することで、新しい会社での天引きが再開されます。

この手続きには通常1〜2か月かかるため、転職直後の数か月間は住民税が給与から引かれない空白期間が生じることがあります。この間は自治体から直接納付書が届く「普通徴収」に切り替わっている場合があるため、自宅に届いた納付書がないか確認してください。

退職時期によっても扱いが異なります。1月〜5月に退職した場合は、残りの住民税を退職時の最後の給与から一括で天引きされるのが一般的です。6月〜12月に退職した場合は、残額を普通徴収で自分で納めるか、転職先での特別徴収に引き継ぐかを選択できます。転職先の人事・経理に「特別徴収の引き継ぎ」を依頼するとスムーズです。

退職から転職まで空白期間がある場合

退職後すぐに転職せず、数か月の空白期間がある場合は注意が必要です。退職時に普通徴収に切り替わった住民税は、自治体から届く納付書で自分で納める必要があります。「再就職したら天引きされるだろう」と放置すると、その間の住民税が未納状態になります。

空白期間中に届いた納付書は必ず期限内に納付してください。もし一括で支払うのが難しい場合は、自治体の税務課に相談すれば分割納付の相談に応じてもらえます。住民税を払えない場合の手続きについては別記事で詳しく解説しています。失業中で支払いが困難な場合は、減免・猶予の制度も検討してください。

原因の判定フロー(早見表)

住民税が引かれていない原因を素早く特定するための判定フローです。上から順にチェックしてください。

住民税が引かれていない原因の判定フロー
チェック項目 はいの場合 いいえの場合
入社1年目(前年に給与所得なし)ですか? 正常。翌年6月から天引き開始 次の項目へ
前年の給与収入は約100万円以下でしたか? 非課税のため正常。対応不要 次の項目へ
直近3か月以内に転職しましたか? 特別徴収の切替中の可能性大。人事・経理に確認を依頼 次の項目へ
自宅に住民税の納付書(普通徴収)が届いていますか? 会社が特別徴収していない。納付書で自分で納付&会社に切替を依頼 次の項目へ
6月の住民税決定通知書は届きましたか? 通知書の税額を確認。0円なら非課税、金額ありなら届出漏れの可能性 自治体の税務課に問い合わせ

会社の届出漏れ

従業員を雇用している事業者は、原則として住民税の特別徴収義務者となり、従業員の住民税を給与から天引きして自治体に納める義務があります。しかし、小規模な事業者や設立間もない会社では、特別徴収の届出をしていない、あるいは届出が遅れているケースがまれにあります。

特別徴収の届出がされていない場合、自治体は従業員に直接「普通徴収」の納付書を送付します。普通徴収では年4回(6月・8月・10月・翌年1月)の分割払いとなり、自分で納付書を使って金融機関やコンビニで支払う必要があります。給与明細に住民税の欄がない場合は、このケースを疑ってください。

なお、近年は多くの自治体が特別徴収の徹底を進めており、届出をしていない事業者に対して指導が行われています。特別徴収のほうが毎月分割で天引きされるため従業員の負担感が小さく、納め忘れのリスクも減ります。会社に対して特別徴収への切替を依頼するか、自治体の税務課に相談することで改善できます。

副業・フリーランスの場合

会社員で副業をしている場合、副業分の住民税は「普通徴収」で別途納付することが可能です。確定申告書の「住民税に関する事項」欄で「自分で納付」を選択すると、副業分の住民税は自宅に届く納付書で支払うことになります。この場合、給与明細の住民税には副業分が含まれないため、「引かれていない」のではなく「別の方法で納付している」状態です。

フリーランスや個人事業主の場合は、そもそも特別徴収の対象外です。確定申告と住民税の関係を理解し、毎年の確定申告をもとに自治体が計算した住民税を普通徴収で納付する流れになります。

対処法

住民税が引かれていないことに気づいたら、まず「引かれていないのが正常なのか、手続き漏れなのか」を切り分けることが重要です。新卒1年目・前年所得が非課税ライン以下であれば正常なので、特に対応は不要です。6月の住民税決定通知書が届いていないか、自宅の郵便物を確認してみてください。

転職直後で引き継ぎが完了していない場合は、転職先の人事・経理部門に「住民税の特別徴収への切替」を依頼してください。前の会社の退職時に「異動届出書」の控えをもらっている場合は、それを渡すとスムーズです。切替が完了するまでの間に届いた普通徴収の納付書は、期限内に自分で納めましょう。

会社の届出漏れが原因の場合は、会社に特別徴収の手続きを依頼するとともに、すでに届いている普通徴収の納付書で住民税を納めてください。住民税は滞納すると延滞金が加算され、最終的には差押えにつながる可能性もあるため、「引かれていないから払わなくていい」とは考えず、必ず納付状況を確認することが大切です。

💬 相談事例から

📋 30代会社員のAさん(年収700万円)

住民税の決定通知書を見て「思ったより高い」と感じたAさん。FPが通知書の各項目を読み解いたところ、ふるさと納税の控除が正しく反映されていないことが判明。ワンストップ特例の申請漏れを確認し、翌年の確定申告で正しく控除を取り戻しました。

事例#0007を読む →

📋 60代後半のBさん

iDeCoの所得控除が住民税に反映されているか不安だったBさん。FPは家計の収支と将来資金の整理を担当し(決定通知書・年末調整書類の照合は税理士または勤務先人事部で)、小規模企業共済等掛金控除の欄を確認。控除漏れがないことを確かめた上で、今後の家計設計の方向性を整理(個別の節税プランは税理士の独占業務)しました。

事例#0008を読む →

FPに相談すべきケース

住民税が引かれていない原因の特定自体は、上記の判定フローで多くの場合解決できます。ただし、以下のようなケースではFP(ファイナンシャルプランナー)への相談が有効です。

  • 転職・退職後の家計設計が不安 -- 住民税の普通徴収への切替で急に納付書が届き、支払いが家計を圧迫しているケース。FPなら住民税だけでなく、社会保険料・年金・住宅ローンを含めた転職後の家計全体を再設計できます
  • 副業の住民税申告が分からない -- 副業収入の確定申告方法、特別徴収と普通徴収の選択、経費の計上など、税務の知識が必要な場合。FPが全体を整理して最適な申告方法を提案できます
  • 入社2年目で手取りが急減して不安 -- 住民税の天引き開始に加え、保険や年金の見直しタイミングでもある社会人2年目。FPと一緒に将来の貯蓄・投資計画を含めた家計プランを立てられます
  • 滞納してしまい対処法が分からない -- 普通徴収の納付書を放置してしまった場合、延滞金や差押えのリスクがあります。FPがふるさと納税の活用を含めた節税策と合わせて、納付計画の立て直しをサポートできます

住民税が引かれていない状態を放置すると、気づかないうちに滞納が積み重なり、延滞金や差押えにつながるリスクがあります。特に転職・退職後の不安定な時期は、FPに家計全体を整理してもらうことで安心感が得られます。

関連トピック(あとで読む)

このページのよくある質問

新卒1年目で住民税が引かれていないのは正常ですか?
はい、正常です。住民税は前年(1月〜12月)の所得に基づいて翌年6月から課税されます。新卒で4月に入社した場合、前年に給与所得がなければ住民税は発生しません。入社2年目の6月から初めて給与天引きが始まります。ただし、学生時代にアルバイトで年間100万円を超える収入があった場合は、1年目の6月から課税される可能性があります。
転職したら住民税が給与から引かれなくなりました。どうすればいいですか?
転職直後は、前の会社から新しい会社への特別徴収の引き継ぎ手続きが完了していない可能性があります。転職先の人事・経理部門に「住民税の特別徴収への切替」を依頼してください。手続きには通常1〜2か月かかります。その間に自治体から届いた普通徴収の納付書がある場合は、期限内に自分で納めてください。
住民税が引かれていない場合、放置しても大丈夫ですか?
放置は危険です。給与から引かれていなくても、住民税の納税義務がある場合は自治体から「普通徴収」の納付書が届きます。これを放置すると滞納となり、延滞金が加算され、最終的には給与や預金口座の差押えにつながる可能性があります。引かれていないことに気づいたら、自治体の税務課か勤務先の経理に確認してください。
特別徴収と普通徴収の違いは何ですか?
特別徴収は会社が毎月の給与から住民税を天引きして自治体に納める方式で、年12回の分割払いです。普通徴収は自治体から届く納付書で自分で納める方式で、年4回(6月・8月・10月・翌年1月)の分割払いです。会社員は原則として特別徴収ですが、届出漏れや転職時の引き継ぎ不備で普通徴収になることがあります。
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本ページの制度概要・要件・税率は、以下の公式情報を編集部が確認のうえ整理しています(執筆時点)。最新かつ正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。FPは記事を直接監修してはおらず、関連テーマでご相談を受けるFPとしてご紹介しています。

最終確認日:2026-05-14

※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本ページの情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。