── 外来は入院の1.46倍から1.76倍へ。一方で、生命保険に加入している人の50.1%が、その保険が現在の医療実態に合うかを3年以上確認していなかった
ライフプランメディア「IKIGAI TOWN」(運営:スペシャリスト・ドクターズ株式会社)編集部は、厚生労働省「患者調査」の悪性新生物<腫瘍>の推計患者数と、自社モニター調査(40〜59歳・n=30,015)を突き合わせました。がんの入院患者は2017年10月の126.1千人から2023年10月は106.1千人へ15.9%減少した一方、外来は183.6千人から186.4千人へ1.5%増加しています。外来は入院の1.46倍から1.76倍になりました。一方、生命保険に加入している層(61.9%)のうち、その保険が現在の医療実態に合うかを1年以内に確認したのは19.2%にとどまり、3年以上確認しておらず不安があると答えたのは50.1%でした。治療の形は変わっていますが、契約の中身を確認する機会は追いついていません。集計データはCSVで公開し、出典明記のうえCC BY 4.0で自由に引用・転載できます。
お盆の帰省で、家族や親族の病気の話を聞いた方も多い時期です。「自分の場合はどうなるか」を考えるきっかけになりやすいタイミングにあたります。
そこで、がん治療の形が実際にどう変わっているかを公的統計で確かめ、契約者側の確認状況と並べました。
本リリースは保険の要否や、特定の商品の優劣を論じるものではありません。「見直すべきだ」という主張もしていません。示しているのは、治療の形が変わっているという事実と、契約内容を確認した人がどれくらいいるかという事実の2つです。どう判断するかは個々の状況によります。
厚生労働省「患者調査」表2 傷病分類別にみた施設の種類別推計患者数(令和5年・平成29年の各10月)
| 年次 | 入院 | 外来 | 外来÷入院 | 外来の割合 |
|---|---|---|---|---|
| 2017年(平成29年)10月 | 126.1千人 | 183.6千人 | 1.46倍 | 59.3% |
| 2023年(令和5年)10月 | 106.1千人 | 186.4千人 | 1.76倍 | 63.7% |
| 差 | −20.0千人(−15.9%) | +2.8千人(+1.5%) | +0.30 | +4.4pt |
患者の総数が減ったのではありません。入院が2割近く減り、外来はほぼ横ばいです。この6年間で、がんの治療は入院を伴う形から通院で続ける形へ、比重が移っています。
患者調査は調査日1日の推計患者数で、年間の患者数ではありません。2020年以降は新型コロナウイルス感染症の影響で受療行動が変化した時期を含みます。また入院の減少は、治療技術の変化だけでなく、在院日数の短縮や病床の再編など複数の要因が重なった結果であり、本集計はその要因を特定するものではありません。
生命保険に加入している層(61.9%)を分母とした割合。40〜59歳 n=30,015
| 選択肢 | 全体 | 加入者ベース | 資産500万円未満 | 3,000万円以上 |
|---|---|---|---|---|
| 3年以上確認しておらず、現代の治療に適しているか不安がある | 31.0% | 50.1% | 31.8% | 27.3% |
| 1〜3年以内に確認したが、適合は十分確認できていない | 19.1% | 30.9% | 17.6% | 24.1% |
| 1年以内に、現在の医療実態に合うか確認した | 11.9% | 19.2% | 9.1% | 20.4% |
| 現在加入している生命保険はない | 37.3% | ― | 41.0% | 27.4% |
| その他 | 0.8% | ― | 0.5% | 0.8% |
加入者ベースに直すと、確認していない層の大きさがはっきりします。全体構成比では31.0%ですが、「保険に入っていない人」を除くと50.1%、つまり加入者の2人に1人です。1年以内に確認したのは5人に1人にとどまりました。
確認の有無には資産による差もあります。1年以内に確認した割合は、金融資産500万円未満で9.1%、3,000万円以上で20.4%(いずれも全体構成比)と2.2倍の開きがありました。
集計データのCSVをダウンロード(患者調査の推移と、設問の全選択肢×資産帯4区分×年代2区分・n付き)。
今回の調査で「現在加入している生命保険はない」と答えたのは全体の37.3%でした。年代別では40代43.0%、50代33.6%で、40代のほうが10ポイント近く高くなっています。金融資産別では、500万円未満で41.0%、3,000万円以上で27.4%でした。
この層にとっては「契約内容の確認」という論点自体が生じません。本リリースは加入を勧めるものではありませんが、統計を読むうえでは、確認状況の議論が対象としているのは回答者の6割である点を押さえておく必要があります。
保険の話は「入っているか、入っていないか」で語られがちです。しかし今回の2つの数字を並べると、加入の有無とは別に、契約と実態のずれという論点があることが見えます。
治療の形は6年で変わりました。入院が15.9%減り、外来が増えています。一方で、加入者の半数は3年以上、契約の中身を確認していません。この2つが同時に起きていること自体が、今回の集計で示せた事実です。
確認した結果、そのままでよいという判断もあり得ます。本リリースが述べているのは「確認したか」であって、「変えるべきか」ではありません。契約内容は保険証券や契約締結前交付書面、各社のマイページなどで確認できます。
集計名:がん治療の形態の変化と、加入中の生命保険の確認状況(IKIGAI TOWN 編集部集計)
集計主体:スペシャリスト・ドクターズ株式会社(IKIGAI TOWN 運営)
公的統計:厚生労働省「患者調査」表2「傷病分類別にみた施設の種類別推計患者数」より、悪性新生物<腫瘍>(再掲)の入院・外来。令和5年(2023年)10月および平成29年(2017年)10月。内容は2026年8月15日時点で確認。
自社調査:IKIGAI TOWN モニター調査。対象は40〜59歳、有効回答 n=30,015(2026年3月期・4月期・5月期を合算)。設問は「がん治療の実態と加入中の保険の適合確認」。
加入者ベースの算出:設問の選択肢には「現在加入している生命保険はない」(37.3%)と「その他」(0.8%)が含まれます。契約内容の確認状況を見るため、加入者=100−37.3−0.8=61.9% を分母に取り直した値を併記しています。
留意点:患者調査は調査日1日の推計患者数であり、年間の患者数ではありません。2020年以降は新型コロナウイルス感染症による受療行動の変化を含む期間です。入院患者の減少は治療技術の変化のほか、在院日数の短縮や病床の再編など複数の要因が重なった結果であり、本集計は要因を特定するものではありません。自社調査はモニター調査であり、回答者はお金・資産形成への関心が高い層が中心で、国勢調査ベースの代表サンプルではありません。本リリースは保険の要否や特定商品の優劣を論じるものではなく、特定の保険商品の推奨や契約の勧誘を目的とするものでもありません。
本リリースの図表・数値・本文は、出典を明記いただければCC BY 4.0のもと、改変を含めて自由にご利用いただけます(事前連絡不要)。
▍記事本文(リード・小見出し付き・そのまま出稿可)
kiji-honbun.txt をダウンロード(見出し3案・調査概要・媒体別の切り口メモを同梱)
▍図表(1200px・出典クレジット焼き込み済み)
▍数値データ(資産帯別・年代別・n付き)
CSV をダウンロード
▍見出し案
媒体記事用(40字):がんの入院16%減 保険確認3年以上なし50%
SNS・タイトル用(60字):がんで入院している人は6年で16%減り、通院は減っていない ── 加入者の50.1%は保険を3年以上確認せず
短尺(全角13字):がん入院6年で16%減
▍出典表記(コピペ用)
▍追加集計・取材
年代別・資産帯別のクロス集計、設問文の全文をご提供できます。support@ikigai.town(メールのみ)
本リリースの数値・図表・CSVデータは、クリエイティブ・コモンズ表示 4.0 国際ライセンス(CC BY 4.0)のもと、出典を明記すれば商用利用を含め自由に引用・転載・加工できます。
本リリースは公的統計と自社調査に基づく情報提供を目的としたものであり、保険の要否や特定商品の優劣を論じるものではなく、特定の保険商品の推奨や契約の勧誘を目的とするものでもありません。また特定の医療機関・治療法を推奨するものでもありません。治療方針については医師に、契約内容については保険会社および保険証券・契約締結前交付書面にてご確認ください。
編集部より
相談の現場で多いのは、「入っているはずだが、何が出るのかは分からない」という状態です。今回の調査で、その感覚が数字と一致しました。加入者の半数が3年以上確認していない、という結果です。
あわせて患者調査を見ると、入院だけが2割近く減っていました。治療の形が変わる速さに対して、契約を確認する頻度が追いついていないという構図です。お盆に家族の病気の話が出た方は、証券を1枚出してみるところからでよいと思います。
IKIGAI TOWN 編集長/塩飽 哲生