── 同じ「設定時=100」でも、その設定時は1986年から2025年までの39年差。起点の決め方も2通りに分かれた
ライフプランメディア「IKIGAI TOWN」(運営:スペシャリスト・ドクターズ株式会社)編集部は、変額保険の特別勘定ごとの表示値を7社56本、1本ずつ確認しました。7社とも指標は「設定時=100」の指数ですが、その設定時は1986年から2025年まで39年ひらいています。起点の決め方も一様ではなく、特別勘定ごとに設定日が違う3社と、全勘定が同日設定の4社に分かれました。表示値は86.10から2,056.93まで並びますが、起点が違うため会社間の成績比較には使えません。設定時の水準(100)を下回る表示値は4本で、うち3本は会社一律の起点からの下落でした。会社別の数値はCSVで公開し、出典明記のうえCC BY 4.0で自由に引用・転載できます。
本リリースは報道関係者向けの情報提供資料であり、保険の募集資料ではありません。特定の保険会社・保険商品を推奨し、または契約の締結を勧誘するものではありません。会社間・特別勘定間の優劣を示すものでもありません。掲載した数値は各社公式サイトの公表値です(プルデンシャル生命のみ、同社が公表する設定来騰落率に100を加えて編集部が水準を算出しています)。
本リリースは運用成績を比較していません。指数の起点が会社・特別勘定によって異なるため、表示値の大小は成績の優劣を意味しません。変額保険の運用実績は過去の実績であり、将来の成果を約束するものではありません。
特別勘定の運用成果が、そのまま契約者の受取額になるわけではありません。保険関係費用・運用関係費用・解約控除等が控除され、解約・減額時には市場価格調整が生じる場合があります。外貨建の特別勘定には為替変動により受取額が払込額を下回る(元本割れ)リスクがあります。実際の費用・リスクは各社の「契約締結前交付書面(契約概要/注意喚起情報)」「ご契約のしおり・約款」でご確認ください。
編集部は8月14日に第1弾として、変額保険16社の「運用実績の公表形式」を調べ、2社を並べて比べられる組み合わせが78通り中1通りしかないことを示しました。金融庁は2026年8月の保険モニタリングレポートで、外貨建保険について「投資信託と同様の比較可能な共通KPI」を求めています。
今回は一段内側に入り、実際に数字を同じ軸へ置いてみると何が起きるかを確かめました。指標の名前が揃っていても、揃っていないものが残ります。
本リリースは順位付け・優劣の評価・特定商品の推奨を行いません。会社は五十音順で固定し、「おすすめ」「人気」といった表現は使っていません。示しているのは、各社が公表している数値と、その指数の起点という事実だけです。
横軸は対数目盛り。茶=特別勘定ごとに起点が違う社、青=全勘定が同日設定の社。会社は五十音順
| 保険会社(五十音順) | 本数 | 起点(設定日) | 公表されている基準 |
|---|---|---|---|
| アクサ生命 | 13本 | 2009年・2015年・2018年・2022年・2024年(5種) | 各特別勘定の設定日の前日=100 |
| ソニー生命 | 8本 | 1986年・1999年・2000年・2002年(4種) | 各特別勘定の設定日=100 |
| プルデンシャル生命 | 8本 | 1988年・1999年・2004年・2025年(4種) | 各特別勘定の設定時=100 |
| 保険会社(五十音順) | 本数 | 起点(設定日) | 公表されている基準 |
|---|---|---|---|
| ジブラルタ生命 | 7本 | 2024年3月5日(全7勘定とも同日) | 設定当初=100.0000 |
| SOMPOひまわり生命 | 9本 | 2023年5月1日(全9勘定とも同日) | 各特別勘定の設定時=100 |
| 東京海上日動あんしん生命 | 8本 | 2017年8月1日(全8勘定とも同日) | 特別勘定の設定日(2017年8月1日)の前日=100 |
| 三井住友海上プライマリー生命 | 3本 | 2008年11月4日(全3勘定とも同日) | 設定時=100(ご契約者資金が投入されていない期間は100のまま) |
この違いは、数字の読み方を変えます。起点が勘定ごとに違う社では、勘定Aと勘定Bを並べても走った期間が違います。一方、全勘定が同日設定の社では、社内の勘定どうしは同じ期間の比較になります。同じ表の中に、比べられる並びと比べられない並びが混ざっています。
| 保険会社(五十音順) | 本数 | 最小 | 最大 | 基準日/更新周期 |
|---|---|---|---|---|
| アクサ生命 変額保険(ユニット・リンク) | 13本 | 93.27 金融市場型 | 884.01 外国株式プラス型 | 2026-06-30 月次レポート |
| ジブラルタ生命 変額保険(有期型・終身型) | 7本 | 86.10 日本債券 Index | 167.99 世界株式 Index | 2026-08-14 日次 |
| ソニー生命 変額保険(有期型・終身型・年金型) | 8本 | 103.28 短期金融市場型 | 2,056.93 世界株式型 | 2026-08-14 日次 |
| SOMPOひまわり生命 変額保険 | 9本 | 99.29 短期金融市場型 | 207.51 新興国株式型 | 2026-06-30 月次レポート |
| 東京海上日動あんしん生命 変額保険 | 8本 | 96.71 マネー型 | 403.93 外国株式型 | 2026-06-30 四半期 |
| プルデンシャル生命 変額保険(終身型・有期型) | 8本 | 100.42 マネー型 | 1,041.52 米国株式型 | 2026-06-30 四半期 |
| 三井住友海上プライマリー生命 投資型終身保険 | 3本 | 165.41 バランス25 | 490.22 バランス75 | 2026-08-14 日次 |
ソニー生命の「世界株式型」は2,056.93ですが、これは1999年設定の勘定です。ジブラルタ生命の「世界株式 Index」は167.99で、こちらは2024年3月設定。約27年分と約2年半分を、同じ「100からの倍率」として並べていることになります。
表示値の大小は、運用の巧拙ではなく、走った期間の長さに強く左右されます。基準日も日次・月次・四半期と揃っておらず、最新の公表時点が2か月近くずれている社があります。同じ条件で会社を比べる材料にはなりません。
| 保険会社(五十音順) | 特別勘定 | 表示値 | 起点の決め方 |
|---|---|---|---|
| アクサ生命 | 金融市場型 | 93.27 | 勘定ごと |
| ジブラルタ生命 | 日本債券 Index | 86.10 | 会社一律(設定来の下落) |
| SOMPOひまわり生命 | 短期金融市場型 | 99.29 | 会社一律(設定来の下落) |
| 東京海上日動あんしん生命 | マネー型 | 96.71 | 会社一律(設定来の下落) |
いずれも短期金融市場型・マネー型・日本債券型など、値動きの小さい資産で運用する特別勘定です。うち3本は全勘定が同日設定の会社のもので、設定来の期間で実際に水準を下回っています。
表示値は特別勘定そのものの指数であって、契約者の受取額ではありません。保険関係費用・運用関係費用等が別途控除されるため、表示値が100を超えていても契約者の手元が増えているとは限りません。逆に、いつ契約したかによって個々の契約者の状況は異なります。特別勘定の値動きと契約者の損益は一致しません。
特別勘定ごとの数値を公表していても、商品が変額年金である2社は今回の集計から外しました。変額保険とは別の商品であり、同じ表に並べると誤解を招くためです。いずれも新規の取扱を停止しています。
| 保険会社 | 商品 | 勘定数 | 指標/基準 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 大同生命 | 個人変額年金保険(ダイドウの変額年金) | 3本 | 特別勘定インデックス/設定時(2001年1月末)=1 | 新規募集停止。保有53件・203百万円 |
| 日本生命 | 無配当変額年金保険(ニッセイ投資型年金) | 5本 | ユニット価格/1万口当りの円 | 新規取扱停止 |
変額保険の運用実績は、どの会社も「設定時=100」の指数で示しています。形式は揃って見えます。しかしその100を打った日が、会社によって40年ひらいていました。
第1弾では、指標名や単位が揃わないために会社間で並べられないことを示しました。今回は、指標の考え方が揃っていても、起点が揃っていなければ同じことが起きるという結果になりました。
本リリースは、どの会社・どの特別勘定が有利かを述べるものではありません。示しているのは「表示されている数字を、そのまま比べることはできない」という事実です。数字を見るときは、その特別勘定がいつ設定されたかを併せて確認する必要があります。
調査名:変額保険 特別勘定の起点と表示値の調査(IKIGAI TOWN 編集部調べ)
調査主体:スペシャリスト・ドクターズ株式会社(IKIGAI TOWN 運営)
対象:変額保険の特別勘定ごとの表示値を公表している7社(五十音順:アクサ生命/ジブラルタ生命/ソニー生命/SOMPOひまわり生命/東京海上日動あんしん生命/プルデンシャル生命/三井住友海上プライマリー生命)、計56本の特別勘定。
方法:各社公式サイトおよび公表PDFで、特別勘定の表示値・指標名・指数の基準・設定日・基準日を1本ずつ記録。特別勘定ごとの数値を公表していても、商品が変額年金である大同生命・日本生命は対象から外した(本文4で別掲)。公式で確認できなかった値は推測で埋めていない。
プルデンシャル生命の数値について:同社が公表しているのは設定来騰落率のため、100に設定来騰落率を加えて編集部が水準を算出している。同社は「各特別勘定設定時の資産を100とし、その後の運用成果による資産の増減を指数で示したもの」と定義を明記しており、公表資料中の例示値とも整合する。
基準日:更新周期が会社によって異なる(日次3社・月次2社・四半期2社)。日次の社は2026年8月14日時点、月次・四半期の社は各社の最新公表時点(2026年6月30日)の値を用いた。
各社への事前確認:掲載各社への事前の内容確認は行っていない。記載内容に誤りがある場合はご連絡いただければ速やかに訂正する。
留意点:本調査は順位付け・優劣の評価・運用成績の比較を行うものではなく、特定の保険商品の推奨や契約の勧誘を目的とするものでもありません。指数の起点が会社・特別勘定によって異なるため、表示値の大小は運用成績の優劣を意味しません。基準日も揃っていません。変額保険の運用実績は過去の実績であり、将来の成果を約束するものではありません。特別勘定の運用成果がそのまま受取額になるわけではなく、保険関係費用・運用関係費用・解約控除等が控除され、解約・減額時には市場価格調整が生じる場合があります。外貨建の特別勘定には為替変動により受取額が払込額を下回るリスクがあります。
本リリースの図表・数値・本文は、出典を明記いただければCC BY 4.0のもと、改変を含めて自由にご利用いただけます(事前連絡不要)。
▍記事本文(リード・小見出し付き・注記込みでご出稿ください)
kiji-honbun.txt をダウンロード(見出し3案・調査概要・媒体別の切り口メモを同梱)
▍図表(1200px・出典クレジット焼き込み済み)
▍数値データ(7社56本・起点と基準つき)
CSV をダウンロード
▍見出し案
媒体記事用(40字):変額保険の特別勘定、指数の起点に39年差
SNS・タイトル用(60字):変額保険の特別勘定を7社56本で横並び比較 ── 同じ「設定時=100」でも起点が39年ひらいていた
短尺(全角13字):起点に39年の差
▍出典表記(コピペ用)
▍追加集計・取材
7社56本すべての内訳、第1弾(公表形式調査)との対応、確認手順をご提供できます。support@ikigai.town(メールのみ)
本リリースの数値・図表・CSVデータは、クリエイティブ・コモンズ表示 4.0 国際ライセンス(CC BY 4.0)のもと、出典を明記すれば商用利用を含め自由に引用・転載・加工できます。
数値・図表のみを引用される場合も、次の点を必ず併記してください。指数の起点(設定日)が会社・特別勘定によって異なり、表示値の大小は運用成績の優劣を意味しないこと/基準日も揃っていないこと/運用実績は過去の実績であり将来の成果を約束しないこと/特別勘定の成果がそのまま受取額になるわけではなく、保険関係費用・運用関係費用等が控除されること。
本リリースは各社の公表情報を調査時点で確認し整理したものであり、報道関係者向けの情報提供資料です。保険の募集資料ではなく、順位付け・優劣の評価・特定商品の推奨を行うものでも、契約の勧誘を目的とするものでもありません。ご契約の検討にあたっては、各社の「契約締結前交付書面(契約概要/注意喚起情報)」「ご契約のしおり・約款」を必ずご確認ください。
編集部より
当初は「同じ会社の中でも比べられない」という切り口で調べ始めました。ところが公式注記を1社ずつ当たると、全勘定が同日設定の会社が7社中4社あり、その社では社内の比較は成立します。仮説のほうが間違っていました。
調べ直して残ったのが、起点の年が1986年から2025年まで散らばっているという事実です。各社の開示はいずれも正確で、設定日も明記されています。問題は個社ではなく、横に並べたときに揃うものがないことだと考えています。
金融庁が外貨建保険に求めている「比較可能な共通KPI」は、変額保険にも同じ必要があるように見えます。検討する側にできるのは、目についた数字の大きさではなく、その勘定がいつから走っているかを確認することです。
IKIGAI TOWN 編集長/塩飽 哲生