給付金・補助金

給付型奨学金【2026年度】
返済不要の奨学金・申請方法

給付金を確認したあとに保険料の見直し余地を整理する場面
制度の確認だけで終わらせず、使える制度と申請後の家計戦略まで見えるようにします。

結論、給付型奨学金は返済不要の奨学金で、2020年度から始まった「高等教育の修学支援新制度」を中心に、2026年度は多子世帯(扶養する子ども3人以上)の授業料無償化が所得制限なく拡大される予定です。

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申請・受け取りで次に確認すること

  1. 期限

    受付開始日、締切、基準日を申請先の公式案内で確認します。

  2. 手続き

    申請が必要か、申請先、本人確認、振込口座、必要書類を順に確認します。公金受取口座の登録だけで申請完了とは限りません。

  3. 家計判断

    不備連絡の方法と審査・振込状況の確認先を控え、未確認の金額や時期を家計に織り込みません。

目次(12セクション)
  1. JASSOの高等教育の修学支援新制度(給付奨学金)
  2. 所得制限の詳細と家計基準
  3. 支給額の一覧(自宅/自宅外×国公立/私立)
  4. 授業料等減免の詳細(入学金・授業料の上限)
  5. 2025〜2026年度 多子世帯の授業料無償化
  6. 2024年度拡充 中間層への対応
  7. 自治体・民間の給付型奨学金
  8. 企業奨学金・新聞奨学生・特待生制度
  9. 申請スケジュールと準備
  10. 複数の奨学金を併用するときの注意点
  11. 教育費全体からみた奨学金戦略
  12. よくある質問(FAQ)

JASSOの高等教育の修学支援新制度(給付奨学金)

日本学生支援機構(JASSO)の給付奨学金は、住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯の大学・短大・専門学校生が対象です。区分I〜IIIに応じて給付額が異なり、授業料減免と給付奨学金の2階建てで支援されます。

  • 区分I:住民税非課税世帯(満額支給)
  • 区分II:区分Iに準ずる世帯(2/3)
  • 区分III:区分IIに準ずる世帯(1/3)

2024年度から区分IV(多子世帯・理工農系)が新設され、中間所得層まで対象が広がっています。

所得制限の詳細と家計基準

JASSOの給付奨学金は、世帯の住民税所得割額に応じて第Ⅰ〜Ⅲ区分(2024年度からは第Ⅳ区分も新設)に分かれます。以下は両親・本人・中学生の弟妹1人の4人世帯を想定した年収目安です。

給付奨学金の支給区分と年収目安(4人世帯・給与所得者)
区分 世帯年収の目安 住民税の要件 支給割合
第Ⅰ区分 約270万円以下 住民税非課税世帯 満額
第Ⅱ区分 約300万円以下 非課税世帯に準ずる 満額の2/3
第Ⅲ区分 約380万円以下 第Ⅱ区分に準ずる 満額の1/3
第Ⅳ区分(2024年度〜) 約600万円以下 多子世帯または理工農系 満額の1/4

年収はあくまで目安であり、実際には住民税の所得割額で判定されます。共働き世帯は合算額で判定されるため、片働き世帯より不利になりやすい点に注意が必要です。正確な判定にはJASSOの「進学資金シミュレーター」を利用してください。

支給額の一覧(自宅/自宅外×国公立/私立)

給付奨学金の月額は、通学形態(自宅通学か自宅外通学か)と学校の設置者(国公立か私立か)によって4パターンに分かれます。以下は第Ⅰ区分(満額)の場合の月額です。

給付奨学金の月額(第Ⅰ区分・満額の場合)
学校種別 自宅通学 自宅外通学
国公立 大学・短大・専門学校 29,200円 66,700円
私立 大学・短大・専門学校 38,300円 75,800円

第Ⅱ区分は上記の2/3、第Ⅲ区分は1/3、第Ⅳ区分は1/4が支給されます。たとえば私立大学に自宅外から通う第Ⅱ区分の学生は、月額約50,500円(年間約60万円)を受け取れる計算です。

なお、生活保護世帯から自宅通学する場合は別途加算があり、児童養護施設等から進学する場合も自宅外通学と同額が適用されます。

授業料等減免の詳細(入学金・授業料の上限)

給付奨学金とセットで利用できる「授業料等減免」は、入学金と授業料のそれぞれに上限額が設定されており、大学等が学生に代わって国に請求する仕組みです。学生が直接受け取るお金ではなく、学費そのものが免除されます。

授業料等減免の年間上限額(第Ⅰ区分・満額の場合)
学校種別 入学金(初年度のみ) 授業料(年額)
国公立大学 約28万円 約54万円
私立大学 約26万円 約70万円
国公立短大 約17万円 約39万円
私立短大 約25万円 約62万円
国公立専門学校 約7万円 約17万円
私立専門学校 約16万円 約59万円

私立大学で第Ⅰ区分に該当する場合、入学金約26万円+授業料約70万円=初年度で最大約96万円の減免を受けられます。ただし、学費が上限額を超える大学では差額を自己負担する必要があります。給付奨学金の月額と合わせた「実質的な支援総額」を把握しておくことが重要です。

2025〜2026年度 多子世帯の授業料無償化

2025年度から、扶養する子どもが3人以上いる世帯の大学等授業料・入学金が所得制限なしで無償化されます。国公立は国基準の学費、私立は一定額(国立相当+上乗せ)まで支援されます。2026年度も制度は継続予定で、申請は在籍校経由で行います。

2024年度拡充 中間層への対応

従来の給付奨学金は住民税非課税世帯とそれに準ずる低所得層に限られていましたが、2024年度から中間所得層(年収約600万円世帯まで)にも支援が広がっています。ただし、対象には条件があります。

第Ⅳ区分の対象条件(2024年度〜)
対象 条件 年収目安(4人世帯)
多子世帯 扶養する子どもが3人以上 約600万円以下
理工農系 理学・工学・農学系の学部に在籍 約600万円以下

第Ⅳ区分の支給額は満額の1/4ですが、授業料減免も同じ割合で適用されるため、私立理系の場合は年間で約27万円相当の支援になります。「うちは所得制限で対象外」と思い込んでいた家庭が、子どもの進学先や兄弟の人数によって実は対象だったというケースが増えています。

2026年度もこの第Ⅳ区分は継続される見込みです。対象かどうかはJASSOの進学資金シミュレーターで事前に確認できます。

自治体・民間の給付型奨学金

都道府県・市区町村レベルでも、独自の給付型奨学金を設けている自治体があります。例:

  • 東京都育英資金(給付+貸与の併用)
  • 地方創生型(Uターン・地方就職で返還免除)
  • 医師・看護師・教員向けの修学資金
  • 民間財団(キーエンス財団、電通育英会、朝日新聞文化財団など)

企業奨学金・新聞奨学生・特待生制度

JASSOや自治体以外にも、企業・団体が独自に運営する奨学金や、大学独自の特待生制度があります。いずれも返済不要ですが、採用人数が少なく競争率が高いものが多いため、複数に応募して確率を上げることが重要です。

企業奨学金・新聞奨学生・特待生の比較
種類 主な提供者の例 支給額の目安 特徴・条件
企業財団型 キーエンス財団、電通育英会、トヨタ女性技術者育成基金 月5〜10万円 成績・小論文選考。JASSOとの併給可が多い
新聞奨学生 朝日・読売・毎日・日経の各奨学会 学費全額+住居+月給 新聞配達業務が条件。拘束時間が長い
大学独自の特待生 早稲田・慶應・MARCHなど多数 授業料の半額〜全額 入試成績上位者が対象。入学後の成績で継続審査
地方創生型 各県のUターン奨学金 月3〜5万円(返還免除型) 卒業後に地元就職で返還免除。形式は貸与だが実質給付

企業財団型は毎年4〜5月に募集が集中します。大学入学後に学内掲示や奨学金課の案内で知ることが多いため、入学直後から情報収集を始めましょう。「ガクシー」などの奨学金検索サービスを使うと、自分の条件に合った奨学金を効率的に探せます。

申請スケジュールと準備

  1. 高3の4〜6月:予約採用の申込(在籍高校経由)
  2. 大学入学後4月:在学採用の申込
  3. 毎年10月:適格認定(継続審査)

JASSOの給付奨学金は採用率が年々上がっていますが、書類不備・期限切れで不採用になるケースが最も多い失敗パターンです。在籍校の奨学金担当と早めに相談しましょう。

複数の奨学金を併用するときの注意点

給付型奨学金は1つだけでなく、複数の制度を組み合わせることで支援総額を増やせる場合があります。ただし、併用にはルールがあります。

奨学金の併用ルール一覧
組み合わせ 併用可否 注意事項
JASSO給付 + JASSO第一種(無利子貸与) ○ 給付の区分に応じて第一種の上限額が減額調整される
JASSO給付 + JASSO第二種(有利子貸与) ○ 第二種は調整なしで満額借りられる
JASSO給付 + 民間・企業財団の給付 △ 財団側が「JASSO併給不可」としている場合がある。要確認
JASSO給付 + 自治体の給付型奨学金 ○ 多くの自治体はJASSOとの併給を認めている
JASSO給付 + 大学独自の授業料免除 △ 国の授業料減免と大学独自減免は二重適用されない場合がある

併用を検討するときのポイントは以下の3つです。

  • 給付型を最優先で確保する — 返済不要の給付型を最大限に活用し、足りない分を貸与型で補う
  • 第一種(無利子)を第二種(有利子)より先に検討する — 金利負担を減らすため
  • 卒業時の総返済額を事前に試算する — 貸与型を月8万円×4年間借りると卒業時に約384万円の債務になる

教育費全体からみた奨学金戦略

奨学金は「進学時に突然考えるもの」ではなく、子どもが生まれた時点から始まる18年間の教育費計画の一部です。以下は、幼稚園から大学まで全て公立/全て私立に通った場合の教育費総額の比較です。

教育費の総額比較(文部科学省「子供の学習費調査」2022年度 + 大学は2024年度データ)
学校段階 全て公立 全て私立
幼稚園(3年間) 約50万円 約92万円
小学校(6年間) 約211万円 約1,000万円
中学校(3年間) 約162万円 約430万円
高校(3年間) 約154万円 約315万円
大学(4年間) 約243万円 約540万円(文系)
合計 約820万円 約2,377万円

全て私立の場合、1人あたり約2,400万円。子どもが2人なら約4,800万円で、住宅ローンに匹敵する金額です。奨学金は大学の4年間だけに目が行きがちですが、FPの視点では以下の3つを同時に設計します。

  • 学資保険・つみたてNISAで「貯める」 — 0歳から月1.5万円を18年間積み立てると約324万円(運用益除く)
  • 給付型奨学金で「もらう」 — JASSO+自治体+企業を組み合わせて年間100万円以上を目標にする
  • 貸与型奨学金で「借りる」を最小限にする — 卒業後の返済負担を月収の15%以内に抑える

教育費は「いくら貯めるか」だけでなく、給付金・奨学金・学費減免の組み合わせで「いくら自己負担を減らせるか」まで含めて考えることで、家計全体のゆとりが大きく変わります。

よくある質問(FAQ)

給付型奨学金は返済不要ですか?
はい、原則として返済不要です。ただし、退学・成績不振で認定が取り消されると、支給済みの奨学金を返還しなければならない場合があります。
所得制限のない授業料無償化はいつから?
2025年度から、扶養する子ども3人以上の多子世帯を対象に、所得制限なしの授業料無償化が始まっています。2026年度も継続します。
貸与型奨学金と併給できますか?
多くの給付型奨学金は、貸与型(第一種・第二種)と併給できます。ただし給付型の区分により貸与上限が調整されます。

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本ページの制度概要・要件・税率は、以下の公式情報を編集部が確認のうえ整理しています(執筆時点)。最新かつ正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。FPは記事を直接監修してはおらず、関連テーマでご相談を受けるFPとしてご紹介しています。

最終確認日:2026年4月19日

※本記事は2026年4月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。