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遺族基礎年金は年約83万円+子の加算。遺族厚生年金は亡くなった方の厚生年金の3/4

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目次(13セクション)
  1. 遺族年金の種類|基礎年金と厚生年金の違い
  2. 遺族基礎年金の金額と子の加算
  3. 遺族厚生年金の計算方法
  4. 中高齢寡婦加算の金額と対象者
  5. 経過的寡婦加算の仕組みと生年月日別の金額
  6. 子の加算の詳細|障害のある子の扱い
  7. 年収別シミュレーション|遺族年金の受給総額
  8. 遺族厚生年金と老齢厚生年金の併給調整
  9. 遺族年金は非課税|税金と社会保険料の扱い
  10. 遺族年金と生命保険の関係|必要保障額の考え方
  11. 遺族年金の請求手続き|必要書類と申請先
  12. 受給額の合計イメージ|ライフステージ別の変化
  13. よくある質問

遺族年金の種類|基礎年金と厚生年金の違い

遺族年金は大きく遺族基礎年金遺族厚生年金の2種類に分かれます。亡くなった方の加入制度によって受給できる年金が異なり、厚生年金加入者の遺族は両方を受給できます。

種類基本額(年額)受給対象財源
遺族基礎年金816,000円 + 子の加算子のある配偶者 or 子国民年金
遺族厚生年金報酬比例部分の3/4配偶者・子・父母・孫・祖父母厚生年金
中高齢寡婦加算612,000円/年40歳以上65歳未満の妻厚生年金
経過的寡婦加算生年月日により異なる1956年4月1日以前生まれの妻厚生年金

自営業(国民年金のみ)の場合

自営業・フリーランスの方が亡くなった場合は遺族基礎年金のみが支給されます。子のいない配偶者には遺族基礎年金の受給権がないため、公的年金からの遺族給付はゼロになる点に注意が必要です。この場合は死亡一時金(12万〜32万円)や寡婦年金(夫の老齢基礎年金の3/4、60〜65歳の妻)が代替給付として用意されています。

会社員・公務員(厚生年金加入者)の場合

厚生年金加入者が亡くなった場合、遺族は遺族基礎年金+遺族厚生年金を受給できます。子のいない妻でも遺族厚生年金は受給でき、40歳以上なら中高齢寡婦加算も上乗せされます。会社員・公務員世帯のほうが手厚い保障を受けられる構造です。

遺族基礎年金の金額と子の加算

2026年度の遺族基礎年金の基本額は年816,000円(月68,000円)です。これに18歳年度末までの子の人数に応じた加算が上乗せされます。

子の人数加算額(年)合計年額月額換算
1人234,800円1,050,800円87,567円
2人234,800円 × 21,285,600円107,133円
3人234,800円 × 2 + 78,300円1,363,900円113,658円
4人234,800円 × 2 + 78,300円 × 21,442,200円120,183円

子の加算のポイント

  • 1人目・2人目の加算:各234,800円/年
  • 3人目以降の加算:各78,300円/年
  • 「子」とは18歳年度末までの子、または20歳未満で障害等級1級・2級の子
  • 子が18歳年度末を迎えると、その子の分の加算がなくなり受給額が下がる

遺族基礎年金の受給要件

遺族基礎年金を受給するには、亡くなった方が以下のいずれかを満たしている必要があります。

  • 国民年金の被保険者である(加入中に死亡)
  • 国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の方で、日本国内に住所がある
  • 老齢基礎年金の受給権者、または受給資格期間が25年以上ある
  • 保険料納付済期間が加入期間の2/3以上(直近1年間に未納がなければ可)

遺族厚生年金の計算方法

遺族厚生年金は、亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の3/4です。報酬が高いほど、加入期間が長いほど受給額が増えます。

遺族厚生年金の計算式

  • 報酬比例部分:平均標準報酬月額 × 5.481/1000 × 加入月数(2003年4月以降)+ 平均標準報酬月額 × 7.125/1000 × 加入月数(2003年3月以前)
  • 遺族厚生年金= 報酬比例部分 × 3/4
  • 加入月数が300ヶ月(25年)未満の場合は300ヶ月とみなして計算(短期要件による特別措置)

計算例:平均報酬月額30万円・加入20年の場合

2003年4月以降の加入のみと仮定します。加入月数240ヶ月ですが、300ヶ月みなしが適用されます。

  • 報酬比例部分:300,000円 × 5.481/1000 × 300ヶ月 ≒ 493,290円/年
  • 遺族厚生年金:493,290円 × 3/4 ≒ 369,968円/年(月約30,831円)

計算例:平均報酬月額45万円・加入30年の場合

加入月数360ヶ月(300ヶ月超なのでみなし不要)。

  • 報酬比例部分:450,000円 × 5.481/1000 × 360ヶ月 ≒ 887,922円/年
  • 遺族厚生年金:887,922円 × 3/4 ≒ 665,942円/年(月約55,495円)

中高齢寡婦加算の金額と対象者

中高齢寡婦加算は、遺族厚生年金に上乗せされる妻専用の加算です。2026年度の金額は年612,000円(月51,000円)

対象となる妻の条件

  • 夫の死亡時に40歳以上65歳未満で、生計を同じくする子がいない
  • 遺族基礎年金を受給していた妻が、子が18歳年度末を迎えて受給権を失った時点で40歳以上の場合
  • 夫の厚生年金加入期間が20年以上であること(短期要件による受給の場合はこの条件不要)

中高齢寡婦加算が果たす役割

子のいない40代〜60代前半の妻は遺族基礎年金を受給できません。この「空白期間」を埋めるのが中高齢寡婦加算です。遺族基礎年金の満額(816,000円)の約75%にあたる612,000円が支給され、妻が65歳に達して自分の老齢基礎年金を受給し始めるまで続きます。

経過的寡婦加算の仕組みと生年月日別の金額

経過的寡婦加算は、1956年(昭和31年)4月1日以前に生まれた妻が65歳に達したときに、中高齢寡婦加算に代わって遺族厚生年金に加算されるものです。

なぜ経過的寡婦加算があるのか

1986年の年金制度改正で、妻も国民年金に加入して自分の老齢基礎年金を受給する仕組みになりました。しかし改正前の期間は任意加入だったため、改正前の期間が長い年代の妻ほど老齢基礎年金の額が少なくなります。この不公平を調整するのが経過的寡婦加算です。

生年月日経過的寡婦加算の目安(年額)
1934年4月2日〜1938年4月1日約560,000円
1938年4月2日〜1943年4月1日約440,000〜530,000円
1943年4月2日〜1948年4月1日約300,000〜430,000円
1948年4月2日〜1953年4月1日約150,000〜290,000円
1953年4月2日〜1956年4月1日約20,000〜140,000円
1956年4月2日以降対象外(加算なし)

生年月日が新しいほど老齢基礎年金の加入期間が長く、経過的寡婦加算は少額になります。1956年4月2日以降生まれの妻にはこの加算はありません。

子の加算の詳細|障害のある子の扱い

遺族基礎年金における「子」は、原則として18歳年度末(3月31日)までの未婚の子です。ただし障害のある子には特別な扱いがあります。

障害等級1級・2級の子

  • 20歳未満まで「子」として加算の対象になる(通常より約2年延長)
  • 障害等級は身体障害者手帳の等級とは異なり、年金法上の障害等級で判定される
  • 障害の状態が続く限り、18歳年度末を過ぎても加算が継続する

子が減ると年金額はいくら下がるか

変化年額の変動月額の変動
子3人 → 子2人(3人目が18歳超)▲78,300円▲約6,525円
子2人 → 子1人▲234,800円▲約19,567円
子1人 → 子なし遺族基礎年金の受給権消滅(▲1,050,800円)▲約87,567円

末子が18歳年度末を迎えると、遺族基礎年金そのものが支給停止になる点が最も大きな影響です。厚生年金加入者の遺族であれば、この時点で中高齢寡婦加算(年612,000円)が開始しますが、国民年金のみの遺族は公的給付がゼロになります。

年収別シミュレーション|遺族年金の受給総額

亡くなった方の年収(厚生年金加入)ごとに、遺族が受け取れる年金額の目安を試算します。いずれも加入期間25年・子1人・40代の妻を前提としています。

年収(万円)平均報酬月額遺族厚生年金(年)遺族基礎年金(年)合計月額
300万円約25万円約308,000円1,050,800円約113,000円
400万円約33万円約407,000円1,050,800円約121,000円
500万円約42万円約518,000円1,050,800円約131,000円
600万円約50万円約617,000円1,050,800円約139,000円
700万円約58万円約715,000円1,050,800円約147,000円
800万円約65万円(上限あり)約801,000円1,050,800円約154,000円

年収が高いほど遺族厚生年金は増えますが、標準報酬月額には上限(65万円)があるため、年収800万円以上では頭打ちになります。

子が18歳を超えた後の年金額

子が18歳年度末を迎えると遺族基礎年金が消滅し、年金額は大幅に減少します。例えば年収500万円の場合:

  • 子がいる間:月約131,000円
  • 子が18歳超(中高齢寡婦加算あり):遺族厚生年金518,000円 + 中高齢寡婦加算612,000円 = 月約94,000円
  • 月額で約37,000円の減少(遺族基礎年金 → 中高齢寡婦加算への切替)

遺族厚生年金と老齢厚生年金の併給調整

妻自身が65歳になると、自分の老齢基礎年金+老齢厚生年金を受給し始めます。このとき遺族厚生年金との間で併給調整が行われます。

65歳以降の受給ルール

併給調整の仕組み

  • 老齢基礎年金:全額受給
  • 老齢厚生年金:全額受給
  • 遺族厚生年金:老齢厚生年金との差額のみ支給(遺族厚生年金 > 老齢厚生年金の場合)
  • 老齢厚生年金 ≧ 遺族厚生年金の場合は、遺族厚生年金は全額支給停止

具体例

妻の老齢厚生年金が年40万円、遺族厚生年金が年60万円の場合:

  • 老齢基礎年金:816,000円(満額と仮定)
  • 老齢厚生年金:400,000円
  • 遺族厚生年金(差額):600,000円 − 400,000円 = 200,000円
  • 合計:年1,416,000円(月約118,000円)

妻自身の厚生年金加入期間が長く、老齢厚生年金が遺族厚生年金を上回る場合は、遺族厚生年金はゼロになります。長く会社勤めをしてきた妻ほど「夫の遺族年金をもらえない(実質的に自分の年金だけ)」というケースが増えています。

遺族年金は非課税|税金と社会保険料の扱い

遺族年金は所得税・住民税ともに非課税です。確定申告の必要もなく、所得として計算されません。ただし、社会保険や他の制度との関係で注意すべき点があります。

非課税のメリット

  • 遺族年金の受給額がいくらであっても所得税・住民税はゼロ
  • 確定申告で遺族年金を申告する必要がない
  • 扶養控除の判定で遺族年金は所得に含まれない(親族の扶養に入りやすい)

注意が必要な場面

  • 国民健康保険料:自治体によっては遺族年金を「収入」に含めて保険料を算定する場合がある(所得ではなく収入ベース)
  • 児童扶養手当:遺族年金を受給している場合、児童扶養手当は遺族年金額との差額のみ支給される
  • 生活保護:遺族年金は収入認定されるため、保護費から差し引かれる
  • 老齢年金との組み合わせ:65歳以降に老齢年金(課税対象)と遺族年金(非課税)を併給する場合、老齢年金部分のみ課税される

遺族年金と生命保険の関係|必要保障額の考え方

遺族年金は「公的な生命保険」ともいえる制度です。生命保険の加入を検討する際は、遺族年金で補えない不足分を保険でカバーする考え方が合理的です。

必要保障額の計算ステップ

不足額 = 必要保障額

  • ステップ1:遺族の生活費の総額を算出(末子独立まで+その後の妻の生活費)
  • ステップ2:遺族年金の受給総額を計算(基礎+厚生+中高齢寡婦加算)
  • ステップ3:妻の就労収入・貯蓄・退職金・老齢年金を加算
  • ステップ4:ステップ1 −(ステップ2 + ステップ3)= 生命保険で備えるべき金額

ありがちな「保険の入りすぎ」

遺族年金の存在を知らずに生命保険に加入すると、必要以上の保障額を設定しがちです。例えば年収500万円の会社員が亡くなった場合、遺族は月13万円前後の遺族年金を受給できます。子が18歳になるまでの15年間で合計すると約2,300万円。これを知らずに「万一の保障は5,000万円必要」と設計すると、保険料の払いすぎになる可能性があります。

自営業世帯は保険が特に重要

自営業(国民年金のみ)の場合、遺族厚生年金がないため公的保障は遺族基礎年金のみ。子がいなければ遺族給付はゼロに近くなります。自営業世帯こそ、遺族年金の不足分を民間保険で手厚くカバーすべきです。

遺族年金の請求手続き|必要書類と申請先

遺族年金は自動的に振り込まれるものではなく、遺族自身が請求手続きを行う必要があります。請求先は年金の種類によって異なります。

申請先

年金の種類申請先
遺族基礎年金のみ市区町村役場の年金窓口
遺族厚生年金(+遺族基礎年金)最寄りの年金事務所

必要書類の一覧

  • 年金請求書(遺族給付用:様式第105号 or 第108号)
  • 亡くなった方の年金手帳または基礎年金番号通知書
  • 戸籍謄本(死亡日以降のもの・亡くなった方との続柄確認)
  • 死亡診断書のコピー(または死体検案書)
  • 世帯全員の住民票(マイナンバーで省略可能な場合あり)
  • 請求者の所得証明書(課税・非課税証明書)
  • 受取口座の通帳コピー(請求者名義のもの)
  • 子の在学証明書(高校生の場合)

請求の時効

遺族年金の請求権は死亡日の翌日から5年で時効にかかります。請求が遅れても5年以内であれば遡及して受給できますが、5年を過ぎた分は受け取れなくなります。亡くなった直後は手続きどころではないかもしれませんが、できるだけ早く年金事務所に相談しましょう。

受給額の合計イメージ|ライフステージ別の変化

遺族年金は、子の成長や妻の年齢によって受給額が段階的に変わります。夫(会社員・平均報酬35万円・加入25年)が40歳で死亡し、38歳の妻と子2人(10歳・7歳)が残されたケースで見てみましょう。

時期妻の年齢受給内容月額合計
夫死亡直後〜第1子18歳38〜46歳遺族基礎年金(子2人加算)+ 遺族厚生年金約143,000円
第1子18歳超〜第2子18歳46〜49歳遺族基礎年金(子1人加算)+ 遺族厚生年金約124,000円
第2子18歳超〜妻65歳49〜65歳遺族厚生年金 + 中高齢寡婦加算約87,000円
妻65歳以降65歳〜老齢基礎年金 + 老齢厚生年金 + 遺族厚生年金(差額)状況による

子が成長するにつれて年金額が段階的に下がる構造です。特に末子が18歳を超えた直後が最も大きな減額ポイントで、月約37,000円の減少が生じます。この時期に妻の就労収入や貯蓄でどう補うかが家計設計の要になります。

よくある質問

遺族年金は月額いくらもらえますか?
遺族基礎年金は月約68,000円+子の加算(子1人で月約87,567円)。遺族厚生年金は亡くなった方の報酬比例部分の3/4で、平均報酬月額35万円・加入25年なら月約36,000円です。合計で月12〜15万円が目安です。
遺族年金に税金はかかりますか?
遺族年金は所得税・住民税ともに非課税です。確定申告の必要もありません。ただし遺族年金以外の収入(給与・老齢年金等)がある場合、その収入には通常どおり課税されます。
遺族厚生年金と老齢厚生年金は両方もらえますか?
65歳以降は老齢基礎年金+老齢厚生年金を優先受給し、遺族厚生年金は老齢厚生年金との差額のみ支給されます。両方の満額を合算して受け取ることはできません。
中高齢寡婦加算はいくらですか?
2026年度は年612,000円(月51,000円)です。夫の死亡時に40歳以上65歳未満で子のいない妻、または遺族基礎年金の受給権が消滅した40歳以上の妻が対象です。
遺族年金の請求に必要な書類は何ですか?
年金請求書、死亡者の年金手帳、戸籍謄本、死亡診断書のコピー、住民票、所得証明書、受取口座の通帳コピーなどが必要です。遺族厚生年金は年金事務所、遺族基礎年金のみは市区町村役場で請求します。
遺族年金と生命保険はどちらを優先すべきですか?
遺族年金で不足する生活費を生命保険で補うのが合理的です。遺族年金の受給額を把握したうえで、住居費・教育費・生活費の不足分を計算し、必要保障額を算出してから保険に加入するのが基本です。

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最終確認日:2026-05-15

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