年金・老後

遺族年金はいくらもらえる|
受給要件と確認方法

老後資金と使ってよいお金を逆算して家計を整える場面
年金額だけでなく、医療費、楽しみ、使ってよいお金の余白まで確認します。

遺族厚生年金の目安=故人の老齢厚生年金の約3/4(会社員だった方の遺族に)

記事の答えを確認した次に

申請できるか分からない。まず何を確認すればいい?

決めるタイミング: 初診日、家族の死亡、支援の通知など、申請のきっかけになる出来事があったとき。

相談で繰り返される本音

  • 対象かどうかだけでも早く知りたい
  • 書類が足りず、何度も窓口へ行くのは避けたい
  • 受け取れない場合の生活費も先に考えておきたい

初回で口頭整理できること

初回は、起きた出来事、手元の記録、公式窓口へ確認する質問を口頭で整理します。

その次に分けること

公式機関の確認結果をもとに、申請準備と家計への影響を分けて考えます。

初回の範囲: 受給可否の判定、診断書等の作成、申請代行、金融商品の見積り・申込みは初回に行いません。

初回で最初の確認事項を聞く

初回は口頭で整理します。資料がなくても、分かる範囲から始められます

相談前のFAQ

資料がそろっていなくても相談できますか?

はい。初回は、いま分かる範囲から迷いと確認順を整理します。通知書、通帳、財産や家計のメモなどが手元にあれば、分かる範囲だけご用意ください。

初回で何を持ち帰れますか?

いま決めること、まだ決めなくてよいこと、次に確認する数字や窓口を口頭で整理して持ち帰れます。初回当日の資料完成は約束していません。

初回に商品や契約の話がありますか?

初回は迷いと数字の整理に使います。金融商品の見積り、申込み、契約変更は初回の範囲に含みません。

目次(9セクション)
  1. 遺族年金はいくらもらえる|2階建ての仕組み
  2. 遺族基礎年金|金額・支給対象・いつまで
  3. 遺族厚生年金|金額・支給対象・いつまで
  4. 中高齢寡婦加算・経過的寡婦加算とは
  5. ケース別:いくらもらえるか早見表
  6. 遺族年金の受給額早見表(家族構成別)
  7. 遺族年金と他の収入の併給調整
  8. 遺族年金の請求手続きと必要書類
  9. 遺族年金が打ち切りになるケース

遺族年金はいくらもらえる|2階建ての仕組み

公的年金が「国民年金(1階)+厚生年金(2階)」の2階建てであるのと同じく、遺族年金も遺族基礎年金と遺族厚生年金の2階建てです。亡くなった方がどの年金に加入していたかで、遺族が受け取れる年金の種類・金額が変わります。

亡くなった方受け取れる遺族年金対象となる遺族
会社員・公務員遺族厚生年金+遺族基礎年金(要件を満たせば)配偶者・子・父母・孫・祖父母(優先順位あり)
自営業・個人事業主遺族基礎年金のみ(+寡婦年金または死亡一時金)子のある配偶者または子
専業主婦(第3号)配偶者が会社員なら遺族基礎年金(子のある夫・子)夫・子

遺族基礎年金|金額・支給対象・いつまで

遺族基礎年金は、国民年金の加入者が亡くなったときに「子のある配偶者」または「子」に支給されます。2026年度の金額は以下の通りです(概算)。

受給者基本額(年額)子の加算合計の目安
子のある配偶者847,300円第1子・第2子:各243,800円/第3子以降:各81,300円子1人で約109万円/子2人で約133万円
子のみ(配偶者が先に死亡等)847,300円(第1子分)第2子:243,800円/第3子以降:各81,300円子1人で約85万円/子2人で約109万円

「子」の定義

遺族基礎年金でいう「子」とは、18歳に達する日以後の最初の3月31日(18歳年度末)までの子、または20歳未満で障害等級1級・2級の子です。高校卒業のタイミングで年金がストップする設計と覚えておくとわかりやすいでしょう。

遺族厚生年金|金額・支給対象・いつまで

遺族厚生年金は、厚生年金の被保険者が亡くなったとき、生計を維持されていた遺族に支給されます。金額の目安は、故人の老齢厚生年金(報酬比例部分)の約3/4です。

計算式(概算)

遺族厚生年金(年額)≒ 平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 被保険者期間の月数 × 3/4
短期要件(加入期間25年未満での死亡)の場合は、300月(25年)みなしで計算されます。

受給者支給開始支給終了
妻(30歳以上で子なし)死亡日の翌月現行:原則生涯/改正議論では5年有期化の方向
妻(30歳未満で子なし)死亡日の翌月5年間(既に有期)
妻(子あり)死亡日の翌月現行:原則生涯
夫55歳以上で60歳から支給原則生涯(子がある場合は55歳未満でも支給の例外あり)
子死亡日の翌月18歳年度末まで(障害等級1・2級は20歳未満)

中高齢寡婦加算・経過的寡婦加算とは

遺族厚生年金を受け取る妻のうち、40歳以上65歳未満で子のない妻(または子が18歳年度末に到達した妻)には、遺族基礎年金が出ない期間の生活を補う「中高齢寡婦加算」が上乗せされます。2026年度は年額635,500円です。65歳以降は妻自身の老齢基礎年金に切り替わるため、中高齢寡婦加算は終了しますが、昭和31年4月1日以前生まれの方は「経過的寡婦加算」が生涯続きます。

ケース別:いくらもらえるか早見表

以下は平均的なケースでの概算です(配偶者40歳・子1人想定)。ご自身の受給額は、加入記録と家族構成をそろえて、ねんきんネットまたは年金事務所で確認してください。

故人の年収加入年数遺族厚生年金遺族基礎年金(子1人)合計・年額月額換算
400万円25年約41万円約109万円約150万円約12.5万円
500万円25年約51万円約109万円約160万円約13.4万円
600万円30年約74万円約109万円約183万円約15.3万円
800万円30年約99万円約109万円約208万円約17.3万円
1,000万円35年約144万円約109万円約253万円約21.1万円

遺族厚生年金は「年収÷12を平均標準報酬額とみなし×5.481/1000×加入月数×3/4」(加入25年未満は300月とみなす)、遺族基礎年金は2026年度の847,300円+子の加算243,800円で計算した概算です。出典: 日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」(2026年6月22日更新)、厚生労働省『令和8年度の年金額改定についてお知らせします』(令和8年1月23日)、2026年10月確認

遺族年金の受給額早見表(家族構成別)

遺族年金の受給額は、亡くなった方の加入制度・年収・加入年数だけでなく、残された家族の構成によって大きく変わります。以下の早見表は、2026年度の制度に基づく概算です。

会社員・公務員(厚生年金加入)が亡くなった場合

家族構成遺族基礎年金遺族厚生年金
(年収500万・25年)
中高齢寡婦加算合計(年額)月額換算
妻(40歳)+子2人約133万円約51万円—約185万円約15.4万円
妻(40歳)+子1人約109万円約51万円—約160万円約13.4万円
妻(45歳)子なし—約51万円約64万円約115万円約9.6万円
妻(28歳)子なし—約51万円—約51万円(5年有期)約4.3万円
夫(58歳)+子1人約109万円約51万円—約160万円約13.4万円
子1人のみ(両親死亡)約85万円約51万円—約136万円約11.3万円

自営業(国民年金のみ)が亡くなった場合

家族構成遺族基礎年金寡婦年金(60〜65歳)死亡一時金
妻+子2人約133万円/年—(基礎年金受給中は対象外)—
妻+子1人約109万円/年——
妻のみ(子なし・60歳未満)—夫の老齢基礎年金の3/4—
妻のみ(子なし・寡婦年金なし)——12〜32万円(納付期間による)

子が18歳年度末を迎えると遺族基礎年金は終了し、該当する場合は中高齢寡婦加算に切り替わります。この切り替えタイミングで年間約46万円の減額が生じるケースもあるため、子の年齢に合わせた家計シミュレーションが重要です。

自営業の方は遺族厚生年金がなく、遺族基礎年金も子がいなければ受給できません。寡婦年金と死亡一時金はいずれか一方のみの選択制です。民間の収入保障保険や生命保険を活用した備えが、会社員以上に求められます。

遺族年金と他の収入の併給調整

遺族年金を受給しながら他の年金や収入がある場合、併給調整のルールにより受給額が変わることがあります。知らずに放置すると、受け取れるはずの年金を取り逃すリスクがあります。

老齢年金との併給調整(65歳以降)

65歳以降、自分の老齢厚生年金と遺族厚生年金の両方の受給権がある場合、まず自分の老齢厚生年金が全額支給され、遺族厚生年金は老齢厚生年金との差額分のみが支給されます。つまり、遺族厚生年金のほうが高ければ差額を受け取れますが、老齢厚生年金が遺族厚生年金以上であれば遺族厚生年金は実質ゼロになります。

ケース自分の老齢厚生年金遺族厚生年金実際の受給額
遺族のほうが多い年40万円年60万円老齢40万 + 遺族の差額20万 = 年60万円
老齢のほうが多い年70万円年60万円老齢70万のみ(遺族は0円)
同額年60万円年60万円老齢60万のみ(遺族は0円)

障害年金との併給調整

障害基礎年金と遺族厚生年金は65歳以降は併給可能です。ただし64歳以前はいずれか一方の選択となります。障害厚生年金と遺族厚生年金は同時に受けられないため、金額を比較して有利なほうを選択します。

給与収入・パート収入との関係

遺族年金そのものは非課税で、給与収入があっても遺族年金は減額されません。ただし、遺族年金を受けながら厚生年金に加入して働く場合、将来の自分の老齢厚生年金が増える分、65歳以降の併給調整で遺族厚生年金の差額部分が減る可能性があります。

また、遺族年金は所得税の計算に含まれませんが、国民健康保険料・介護保険料・住民税非課税判定の基準には含まれないため、給与収入のみで判定されます。ここを誤解して確定申告で遺族年金を記載してしまう方がいますが、不要です。

遺族年金の請求手続きと必要書類

遺族年金は自動的に振り込まれるものではなく、遺族自身が請求手続きを行う必要があります。請求が遅れると、5年の消滅時効により受け取れない分が生じます。死亡後すみやかに手続きを開始しましょう。

請求先と手続きの流れ

ステップ内容目安の期間
1. 死亡届の提出市区町村役場に死亡届を提出(死亡から7日以内)死亡後7日以内
2. 年金受給権者死亡届年金事務所に提出。マイナンバーが登録されていれば省略可14日以内
3. 未支給年金の請求亡くなった方がまだ受け取っていない年金を遺族が請求死亡後すみやかに
4. 遺族年金の裁定請求年金事務所に必要書類を提出して遺族年金を請求死亡後すみやかに
5. 年金証書の受領日本年金機構から年金証書・決定通知が届く請求から約3〜4か月
6. 初回振込年金証書到着後、1〜2か月で初回が振り込まれる請求から約4〜6か月

必要書類の一覧

遺族年金の請求(裁定請求)には、以下の書類が必要です。ケースにより追加書類が求められることがあります。

  • 年金請求書(遺族基礎年金・遺族厚生年金用。年金事務所で入手可)
  • 死亡診断書のコピー(または死体検案書)
  • 戸籍謄本(死亡した方との続柄が確認できるもの。死亡日以降に取得したもの)
  • 住民票の写し(世帯全員分。マイナンバー記載があれば添付書類を一部省略可)
  • 請求者の収入が確認できる書類(所得証明書、課税証明書、または非課税証明書)
  • 亡くなった方の年金手帳・年金証書
  • 受取先の金融機関の通帳(コピー可)
  • 子の在学証明書(高校生以上の子がいる場合)

請求が遅れた場合の時効

遺族年金の受給権には5年の消滅時効があります。例えば、死亡から6年後に請求した場合、直近5年分は受け取れますが、最初の1年分は時効で消滅します。死亡一時金は2年の時効です。早期請求が鉄則です。

書類に不備があると差し戻しになり、初回振込がさらに遅れます。年金事務所の窓口で事前に必要書類を確認してから準備すると効率的です。電話予約(ねんきんダイヤル:0570-05-1165)で相談予約を取ることもできます。

遺族年金が打ち切りになるケース

遺族年金は一度受給が始まると永久に受け取れるわけではありません。以下のような事由が発生すると、受給権が消滅(失権)し、年金の支給が停止されます。届出を怠ると過払い分の返還を求められるため注意が必要です。

遺族基礎年金の失権事由

  • 子が18歳年度末に到達(障害等級1・2級の子は20歳到達時)
  • 配偶者が再婚した場合(事実婚を含む)
  • 配偶者と子の生計維持関係が解消された場合(子が養子に出された等)
  • 受給者が死亡した場合

遺族厚生年金の失権事由

受給者失権事由注意点
配偶者再婚(事実婚含む)婚姻届を出さなくても同居・生計同一で失権
配偶者直系血族・直系姻族以外の者の養子になった再婚相手の養子は直系姻族なので失権しない
妻(30歳未満・子なし)受給開始から5年経過現行制度の既存ルール
子・孫18歳年度末到達(障害なし)高校卒業のタイミング
子・孫養子縁組で直系血族等以外の養子に故人の配偶者と再婚相手の養子は対象外
父母・祖父母受給者が死亡・養子になった等順位が後なので先順位者の出現でも転給なし

再婚と事実婚の判定基準

遺族年金の失権で最も多いのが再婚による失権です。法律上の婚姻届を出した場合だけでなく、事実婚(内縁関係)でも失権します。日本年金機構は、住民票上の同一世帯・生計の同一性・社会的に夫婦と認められる状態を総合的に判断します。

再婚により遺族年金が打ち切られた後に離婚しても、遺族年金は復活しません。一度失権すると受給権は永久に消滅します。再婚を検討する際は、遺族年金の失権による家計への影響を事前にシミュレーションしておくことが大切です。

届出義務

失権事由に該当したときは、10日以内に「遺族年金失権届」を年金事務所に提出する義務があります。届出が遅れて年金を受け取り続けた場合、過払い分は全額返還を求められます。悪質な場合は不正受給として詐欺罪に問われる可能性もあります。

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最終確認日:2026年5月15日

※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。

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