遺族年金とは|いくらもらえる?
シミュレーターで今すぐ試算
遺族年金とは、厚生年金・国民年金の加入者(被保険者)が亡くなったとき、生計を維持されていた遺族に支給される公的年金です。大きく「遺族基礎年金(国民年金)」と「遺族厚生年金(厚生年金)」の2階建てで、いくらもらえるかは故人の加入状況・年収・遺族の構成で決まります。本記事では仕組み・金額・いつまでもらえるかを整理し、ご自身のケースで試算できるシミュレーターを用意しました。2026年度の概算値です。
結論(3行まとめ)
- 遺族厚生年金の目安=故人の老齢厚生年金の約3/4(会社員だった方の遺族に)
- 遺族基礎年金=年額約83万円+子の加算(18歳年度末までの子がいる配偶者または子)
- 配偶者が40〜64歳で子がいない妻は「中高齢寡婦加算」年額約62万円が上乗せ
遺族年金シミュレーター(2026年度概算)
亡くなった方の加入状況と遺族構成を入力すると、遺族年金の年額・月額の概算が出ます。個別金額は必ず「ねんきんネット」または年金事務所でご確認ください。
※ 2026年度の概算値。子の加算は第1子・第2子が各239,300円、第3子以降が各79,800円で算出。報酬比例部分は平成15年4月以降の乗率5.481/1000で概算。実際の金額は年金事務所でご確認ください。
遺族年金とは|2階建ての仕組み
公的年金が「国民年金(1階)+厚生年金(2階)」の2階建てであるのと同じく、遺族年金も遺族基礎年金と遺族厚生年金の2階建てです。亡くなった方がどの年金に加入していたかで、遺族が受け取れる年金の種類・金額が変わります。
| 亡くなった方 | 受け取れる遺族年金 | 対象となる遺族 |
|---|---|---|
| 会社員・公務員 | 遺族厚生年金+遺族基礎年金(要件を満たせば) | 配偶者・子・父母・孫・祖父母(優先順位あり) |
| 自営業・個人事業主 | 遺族基礎年金のみ(+寡婦年金または死亡一時金) | 子のある配偶者または子 |
| 専業主婦(第3号) | 配偶者が会社員なら遺族基礎年金(子のある夫・子) | 夫・子 |
遺族基礎年金|金額・支給対象・いつまで
遺族基礎年金は、国民年金の加入者が亡くなったときに「子のある配偶者」または「子」に支給されます。2026年度の金額は以下の通りです(概算)。
| 受給者 | 基本額(年額) | 子の加算 | 合計の目安 |
|---|---|---|---|
| 子のある配偶者 | 831,700円 | 第1子・第2子:各239,300円/第3子以降:各79,800円 | 子1人で約107万円/子2人で約131万円 |
| 子のみ(配偶者が先に死亡等) | 831,700円(第1子分) | 第2子:239,300円/第3子以降:各79,800円 | 子1人で約83万円/子2人で約107万円 |
「子」の定義
遺族基礎年金でいう「子」とは、18歳に達する日以後の最初の3月31日(18歳年度末)までの子、または20歳未満で障害等級1級・2級の子です。高校卒業のタイミングで年金がストップする設計と覚えておくとわかりやすいでしょう。
遺族厚生年金|金額・支給対象・いつまで
遺族厚生年金は、厚生年金の被保険者が亡くなったとき、生計を維持されていた遺族に支給されます。金額の目安は、故人の老齢厚生年金(報酬比例部分)の約3/4です。
計算式(概算)
遺族厚生年金(年額)≒ 平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 被保険者期間の月数 × 3/4
短期要件(加入期間25年未満での死亡)の場合は、300月(25年)みなしで計算されます。
| 受給者 | 支給開始 | 支給終了 |
|---|---|---|
| 妻(30歳以上で子なし) | 死亡日の翌月 | 現行:原則生涯/改正議論では5年有期化の方向 |
| 妻(30歳未満で子なし) | 死亡日の翌月 | 5年間(既に有期) |
| 妻(子あり) | 死亡日の翌月 | 現行:原則生涯 |
| 夫 | 55歳以上で60歳から支給 | 原則生涯(子がある場合は55歳未満でも支給の例外あり) |
| 子 | 死亡日の翌月 | 18歳年度末まで(障害等級1・2級は20歳未満) |
中高齢寡婦加算・経過的寡婦加算とは
遺族厚生年金を受け取る妻のうち、40歳以上65歳未満で子のない妻(または子が18歳年度末に到達した妻)には、遺族基礎年金が出ない期間の生活を補う「中高齢寡婦加算」が上乗せされます。2026年度は年額約623,800円(概算)です。65歳以降は妻自身の老齢基礎年金に切り替わるため、中高齢寡婦加算は終了しますが、昭和31年4月1日以前生まれの方は「経過的寡婦加算」が生涯続きます。
ケース別:いくらもらえるか早見表
以下は平均的なケースでの概算です(配偶者40歳・子1人想定)。ご自身のケースはシミュレーターで試算してください。
| 故人の年収 | 加入年数 | 遺族厚生年金 | 遺族基礎年金(子1人) | 合計・年額 | 月額換算 |
|---|---|---|---|---|---|
| 400万円 | 25年 | 約49万円 | 約107万円 | 約156万円 | 約13.0万円 |
| 500万円 | 25年 | 約62万円 | 約107万円 | 約169万円 | 約14.1万円 |
| 600万円 | 30年 | 約89万円 | 約107万円 | 約196万円 | 約16.3万円 |
| 800万円 | 30年 | 約118万円 | 約107万円 | 約225万円 | 約18.8万円 |
| 1,000万円 | 35年 | 約172万円 | 約107万円 | 約279万円 | 約23.3万円 |
2028年以降の改正議論|5年有期化
社会保障審議会年金部会では、遺族厚生年金を配偶者については原則5年程度の有期給付に見直す方向で議論が進んでいます。共働き世帯の増加と、男女で異なる支給要件(妻は生涯・夫は55歳以上)の見直しが主な背景です。詳細は 遺族厚生年金の改正|5年有期化で何が変わる? で解説しています。
よくある質問
- 遺族年金は誰がもらえますか?
- 亡くなった方に生計を維持されていた配偶者・子(18歳年度末まで、障害等級1・2級の場合20歳未満)が基本です。遺族基礎年金は「子のある配偶者」または「子」、遺族厚生年金は配偶者・子・父母・孫・祖父母の優先順位で支給されます。
- 遺族年金はいつまでもらえますか?
- 遺族基礎年金は子が18歳年度末に達するまで。遺族厚生年金は現行制度では妻は原則生涯、夫は55歳以上で60歳から受給が基本です。議論されている改正案では配偶者への5年程度の有期給付への見直しが検討されています。
- 夫が年金15万で遺族年金はいくらもらえますか?
- 夫の年金15万円(月額)の内訳にもよりますが、仮に老齢厚生年金部分が月10万円(年額120万円)とすると、遺族厚生年金は年額約90万円(月額約7.5万円)が目安です。妻自身の老齢年金との併給調整が入るため、65歳以降はこのうち差額分のみ受給する形になります。
- 遺族年金は非課税ですか?
- はい、遺族基礎年金・遺族厚生年金とも所得税・住民税ともに非課税です。ただし遺族年金を受給しながら別の収入がある場合、その収入には通常どおり課税されます。
- 自営業の夫が亡くなった場合は?
- 国民年金のみの加入期間が長い場合、遺族厚生年金は対象外となり、遺族基礎年金(子のある配偶者・子)または寡婦年金・死亡一時金のいずれかでの対応になります。民間の収入保障保険や生命保険で自助の備えを厚くする必要があります。
