年金生活者支援給付金

年金生活者支援給付金の金額
月額・年額の計算方法

老後資金と使ってよいお金を逆算して家計を整える場面
年金額だけでなく、医療費、楽しみ、使ってよいお金の余白まで確認します。

老齢年金生活者支援給付金は月額5,620円(基準額)×保険料納付済期間/480ヶ月。免除期間分の補足的給付金もあり

記事の答えを確認した次に

申請できるか分からない。まず何を確認すればいい?

決めるタイミング: 初診日、家族の死亡、支援の通知など、申請のきっかけになる出来事があったとき。

相談で繰り返される本音

  • 対象かどうかだけでも早く知りたい
  • 書類が足りず、何度も窓口へ行くのは避けたい
  • 受け取れない場合の生活費も先に考えておきたい

初回で口頭整理できること

初回は、起きた出来事、手元の記録、公式窓口へ確認する質問を口頭で整理します。

その次に分けること

公式機関の確認結果をもとに、申請準備と家計への影響を分けて考えます。

初回の範囲: 受給可否の判定、診断書等の作成、申請代行、金融商品の見積り・申込みは初回に行いません。

初回で最初の確認事項を聞く

初回は口頭で整理します。資料がなくても、分かる範囲から始められます

相談前のFAQ

資料がそろっていなくても相談できますか?

はい。初回は、いま分かる範囲から迷いと確認順を整理します。通知書、通帳、財産や家計のメモなどが手元にあれば、分かる範囲だけご用意ください。

初回で何を持ち帰れますか?

いま決めること、まだ決めなくてよいこと、次に確認する数字や窓口を口頭で整理して持ち帰れます。初回当日の資料完成は約束していません。

初回に商品や契約の話がありますか?

初回は迷いと数字の整理に使います。金融商品の見積り、申込み、契約変更は初回の範囲に含みません。

目次(13セクション)
  1. 2026年度の支給額一覧
  2. 老齢年金生活者支援給付金の計算方法
  3. 補足的老齢年金生活者支援給付金の計算
  4. 障害年金生活者支援給付金の金額と対象
  5. 遺族年金生活者支援給付金の金額と対象
  6. 給付金の年度改定の仕組み|物価スライド
  7. 過去5年間の給付金額の推移
  8. 給付金と老齢基礎年金を合わせた受取額シミュレーション
  9. 所得基準と給付金の関係|収入別の早見表
  10. 給付金の受給で他の制度に影響はあるか
  11. 申請忘れ・届出漏れで損をしないためのチェックリスト
  12. 配偶者・世帯構成による金額の違い
  13. よくある質問

2026年度の支給額一覧

年金生活者支援給付金の金額は毎年4月に物価変動に合わせて改定されます。2026年度(2026年4月〜2027年3月)の基準額は以下のとおりです。

給付金の種類月額(2026年度)年額換算
老齢(保険料納付済分)最大 5,620円最大 67,440円
老齢(保険料免除分)最大 11,768円最大 135,996円
補足的老齢計算式による計算式による
障害1級7,025円84,300円
障害2級5,620円67,440円
遺族5,620円67,440円

老齢給付金は「納付済分」と「免除分」の2つに分かれており、それぞれ計算方法が異なります。障害・遺族給付金は等級や種類ごとの定額支給です。以降のセクションで、各給付金の計算方法を詳しく解説します。

老齢年金生活者支援給付金の計算方法

老齢給付金は保険料納付済月数と保険料免除月数に応じて計算されます。満額は480ヶ月(40年間)納付した場合で、実際の支給額は個人の納付実績に比例します。

老齢給付金の計算式

  • 納付済分:5,620円 ×(保険料納付済月数 ÷ 480)
  • 免除分:11,768円 ×(保険料免除月数 ÷ 480)
  • 合計 = 納付済分 + 免除分
  • 480ヶ月 = 40年(国民年金の満額加入期間)

計算例|納付月数別の給付額

ケース納付済月数免除月数月額年額
40年フル納付480ヶ月0ヶ月5,620円67,440円
35年納付・5年免除420ヶ月60ヶ月4,646円 + 1,417円 = 6,063円72,756円
30年納付・10年免除360ヶ月120ヶ月3,983円 + 2,833円 = 6,816円81,792円
25年納付・15年免除300ヶ月180ヶ月3,319円 + 4,250円 = 7,569円90,828円
20年納付・20年免除240ヶ月240ヶ月2,655円 + 5,666円 = 8,321円99,852円
10年納付・30年免除120ヶ月360ヶ月1,328円 + 8,500円 = 9,828円117,936円

保険料免除期間がある方は、その分の給付金単価が高い(11,768円)ため、満額納付より合計給付額が多くなるケースがあります。これは、免除期間中は老齢基礎年金の額が減額されるため、その減額分を支援給付金で補填する設計になっているためです。

免除の種類ごとの扱い

保険料免除には「全額免除」「4分の3免除」「半額免除」「4分の1免除」の4段階がありますが、給付金の計算ではいずれも同じ「免除月数」としてカウントされます。ただし、学生納付特例・納付猶予の期間は給付金の計算に含まれない点に注意が必要です。

補足的老齢年金生活者支援給付金の計算

老齢年金生活者支援給付金の所得基準(前年所得809,000円以下)をわずかに超えた場合、いきなりゼロになるのではなく、補足的老齢年金生活者支援給付金が支給されます。これは急激な給付金の打ち切りを避け、所得の逆転現象を防ぐための制度です。

補足的給付金の計算式

補足的給付額 = 基本額 ×(909,000 − 前年所得額)÷(909,000 − 809,000)

所得が809,000円に近いほど基本額に近い支給額になり、909,000円に近いほどゼロに近づきます。

補足的給付金の所得別早見表

前年所得計算式月額(概算)年額(概算)
890,000円5,620 ×(909,000 − 890,000)÷ 170,700約5,036円約60,432円
920,000円5,620 ×(909,000 − 920,000)÷ 170,700約4,104円約49,248円
960,000円5,620 ×(909,000 − 960,000)÷ 170,700約2,860円約34,320円
1,000,000円5,620 ×(909,000 − 1,000,000)÷ 170,700約1,615円約19,380円
1,040,000円5,620 ×(909,000 − 1,040,000)÷ 170,700約370円約4,440円

補足的給付金は老齢年金生活者支援給付金の受給者ではなく、所得がその基準をわずかに上回る方のみが対象です。申請の手続きは通常の老齢給付金と同じです。

障害年金生活者支援給付金の金額と対象

障害年金生活者支援給付金は、障害基礎年金を受給している方のうち、前年の所得が一定基準以下の方に支給されます。

等級月額年額障害基礎年金(月額参考)合計月額
障害1級7,025円84,300円約81,691円約88,329円
障害2級5,620円67,440円約65,353円約70,663円

障害給付金の特徴は以下のとおりです。

  • 保険料納付月数による調整がなく、等級に応じた定額で支給される
  • 障害1級の給付金額(7,025円)は、2級の額(5,620円)の1.25倍に設定されている(障害基礎年金の1級・2級の比率と同じ)
  • 所得基準は扶養親族の数により変動する(扶養なしの場合、前年所得4,721,000円以下)
  • 20歳前傷病による障害基礎年金の受給者も対象

遺族年金生活者支援給付金の金額と対象

遺族年金生活者支援給付金は、遺族基礎年金を受給している方のうち、前年の所得が一定基準以下の方に支給されます。

受給者月額年額備考
遺族(配偶者)5,620円67,440円子の加算とは別に一定額
遺族(子のみ)5,620円 ÷ 子の数67,440円 ÷ 子の数子が2人の場合:1人あたり2,655円

遺族給付金のポイントは以下のとおりです。

  • 遺族基礎年金を受給している配偶者または子が対象
  • 配偶者が受給する場合は月額5,620円の定額
  • 子のみで受給している場合は5,620円を子の人数で割った額が1人あたりの支給額
  • 所得基準は障害給付金と同じ(扶養なしの場合、前年所得4,721,000円以下)

給付金の年度改定の仕組み|物価スライド

年金生活者支援給付金の基準額は、全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)の前年変動率を使って毎年10月に改定されます。これを「物価スライド」といいます。

物価スライドの仕組み

  • 改定時期:毎年10月(年金額の改定は4月だが、給付金は10月)
  • 基準指標:前年の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)
  • 改定方法:前年比で物価が上昇すれば給付金も増額、下落すれば減額
  • 端数処理:1円未満は四捨五入

年金生活者支援給付金も年度ごとに改定され、2026年度は令和8年4月分から改定後の金額になります。実際の振込では、4月・5月分がまとめて支払われる6月15日支払分から反映されます。

過去5年間の給付金額の推移

制度開始(2019年10月)以降の老齢給付金基準額の推移は以下のとおりです。物価変動に連動して少しずつ変動しています。

年度(適用期間)老齢基準額(月額)前年度比障害1級(月額)障害2級・遺族(月額)
2019年度(2019.10〜2020.9)5,000円—(制度開始)6,250円5,000円
2020年度(2020.10〜2021.9)5,030円+30円6,288円5,030円
2021年度(2021.10〜2022.9)5,020円−10円6,275円5,020円
2022年度(2022.10〜2023.9)5,020円±0円6,275円5,020円
2023年度(2023.10〜2024.9)5,140円+120円6,425円5,140円
2024年度(2024.10〜2025.9)5,620円+170円7,025円5,620円
2025年度5,450円+140円6,813円5,450円

制度開始時の5,000円から2026年度の5,620円まで、620円(約12.4%)の増額となっています。近年の物価上昇を反映して2023年度以降に大きめの改定が続いています。

給付金と老齢基礎年金を合わせた受取額シミュレーション

年金生活者支援給付金は老齢基礎年金と合わせて偶数月に振り込まれます。実際の手取り感覚を把握するために、年金と給付金の合計額をシミュレーションします。

老齢基礎年金+給付金の月額合計

パターン基礎年金(月額)給付金(月額)合計(月額)合計(年額)
40年フル納付68,000円5,620円73,310円879,720円
30年納付・10年免除55,250円6,816円62,066円744,792円
25年納付・15年免除48,875円7,569円56,444円677,328円
20年納付・20年免除42,500円8,321円50,821円609,852円
10年納付・30年免除29,750円9,828円39,578円474,936円

免除期間が長いほど基礎年金は減額されますが、給付金が増えることで一定の下支えが働きます。ただし、給付金は年額でも最大約12万円程度のため、免除期間が長い方は老齢基礎年金自体の減額幅の方が大きくなります。

繰下げ受給との関係

老齢基礎年金を繰下げて増額した場合でも、年金生活者支援給付金の額は変わりません。給付金は繰下げによる増減の対象外です。ただし、繰下げにより年金額が増えると所得基準を超えて給付金の対象外になる可能性がある点に注意が必要です。

所得基準と給付金の関係|収入別の早見表

年金生活者支援給付金を受給するには、所得基準を満たす必要があります。ここでは「所得」と「収入」の違いを整理し、収入別に受給可否を確認します。

所得と収入の違い

所得=収入−必要経費(控除)

  • 年金収入の場合:年金収入 − 公的年金等控除額 = 所得
  • 給与収入の場合:給与収入 − 給与所得控除額 = 所得
  • 給付金の判定に使う「所得」には、給付金そのものは含まれない

年金収入のみの場合の受給判定早見表

年金収入(年額)公的年金等控除所得受給判定
70万円60万円10万円老齢給付金の対象
100万円60万円40万円老齢給付金の対象
140万円60万円80万円老齢給付金の対象
150万円60万円90万円補足的給付金の対象
170万円60万円110万円対象外

65歳以上で年金収入のみの場合、公的年金等控除は最低60万円が適用されます。年金収入が約148万円以下であれば老齢給付金の対象となり、約165万円程度まで補足的給付金が支給される計算です。

パート収入がある場合

年金収入以外にパート収入がある場合、給与所得も合算した「合計所得」で判定されます。例えば年金収入が100万円(所得40万円)でパート収入が80万円(所得25万円)の場合、合計所得は65万円となり、老齢給付金の所得基準(809,000円以下)を満たします。

給付金の受給で他の制度に影響はあるか

年金生活者支援給付金は非課税であり、他の制度の判定にも原則として影響しません。主な制度との関係を整理します。

制度給付金の影響詳細
所得税・住民税影響なし給付金は非課税所得。確定申告にも記載不要
国民健康保険料影響なし保険料算定の所得に含まれない
後期高齢者医療保険料影響なし保険料算定の所得に含まれない
介護保険料影響なし所得段階の判定に含まれない
生活保護影響あり収入認定される。給付金の分だけ保護費が減額
住民税非課税世帯の判定影響なし給付金は判定対象の所得に含まれない

唯一の例外が生活保護です。生活保護を受給中の方は、年金生活者支援給付金も収入として認定されるため、その分だけ生活保護費が減額されます。実質的な手取りは変わりませんが、申請しないと年金事務所との手続きに齟齬が出る可能性があるため、受給している方は担当ケースワーカーに相談してください。

申請忘れ・届出漏れで損をしないためのチェックリスト

年金生活者支援給付金は申請しないと受給できません。また、申請が遅れても遡及支給されないため、対象になったらすぐに手続きすることが重要です。

損をしないためのチェックリスト

  • □ 65歳到達時:年金請求書と一緒に給付金の請求書(はがき型)が届いているか確認
  • □ 届いたはがきに記入・返送:届いたはがきに必要事項を記入して返送する(届いた年度内に)
  • □ 所得が基準以下か毎年確認:前年所得が809,000円以下か、世帯全員が住民税非課税か
  • □ 世帯構成の変更を届出:配偶者との同居・別居の変更があれば届出が必要
  • □ 転居時の届出:住所変更は年金事務所に届出(マイナンバー連携済みなら不要な場合あり)
  • □ 所得が増えた年の翌年:所得が基準を超えると不該当通知が届く。翌年また基準以下になれば再度申請が必要

よくある申請漏れパターン

  • はがきが届いたが放置した:日本年金機構から届く「年金生活者支援給付金請求書」を広告と勘違いして捨ててしまうケース
  • 所得が一時的に基準を超えた後、再び下がった:一度不該当になった後に再び基準以下になっても、自動的に復活しない。再度の申請が必要
  • 障害基礎年金の受給者で給付金を知らない:障害年金の受給者も対象であることを知らず、申請していないケース

配偶者・世帯構成による金額の違い

老齢年金生活者支援給付金の所得基準を判定する際、本人の所得だけでなく世帯の住民税課税状況も確認されます。

受給の3要件(老齢の場合)

  1. 65歳以上で老齢基礎年金を受給していること
  2. 前年の所得が809,000円以下であること(補足的給付金は909,000円以下)
  3. 同一世帯の全員が住民税非課税であること

特に3番目の要件が見落とされやすいポイントです。本人の年金収入が少なくても、配偶者が住民税を課税されていれば対象外になります。

世帯構成別の判定例

世帯パターン本人の所得配偶者の状況受給判定
単身世帯50万円—対象
夫婦世帯(双方非課税)50万円住民税非課税対象
夫婦世帯(配偶者課税)50万円住民税課税対象外
子と同居(子が課税)50万円—対象外
世帯分離済み50万円別世帯対象(本人世帯で判定)

住民税が課税される家族と同居している場合でも、世帯分離(住民票上の世帯を分ける手続き)を行えば、本人の世帯だけで判定されるため受給できる可能性があります。世帯分離は市区町村の窓口で届出でき、届出のみで完了します。ただし、国民健康保険料や高額療養費の世帯合算など、他の制度に影響が出る場合があるため、総合的に判断することが大切です。

よくある質問

給付金はいつから受け取れますか?
初回申請後、審査を経て次の偶数月から支給されます。申請が遅れた場合、遡及はされません。日本年金機構から届くはがき型の請求書を速やかに返送することが重要です。
年金と給付金の合計で住民税の課税対象になりますか?
給付金は非課税です。年金収入と合算しても給付金の分は所得に加算されません。住民税非課税の判定にも影響せず、確定申告への記載も不要です。
国民年金の保険料を全額免除されていた期間が長い場合、給付金はどうなりますか?
免除期間が多いほど「免除分」の給付金単価(11,768円)が適用される月数が増えます。上記の計算例のとおり、満額納付より給付金合計が多くなることがあります。ただし、学生納付特例・納付猶予の期間は給付金の計算に含まれません。
配偶者が住民税を払っている場合、自分は給付金をもらえませんか?
老齢年金生活者支援給付金は「同一世帯の全員が住民税非課税」であることが要件です。配偶者が住民税を課税されている場合は原則として対象外です。ただし、世帯分離の届出を行い住民票上の世帯を分ければ、本人の世帯のみで判定され受給できる可能性があります。
給付金の金額は毎年変わりますか?
はい。毎年4月に物価変動率(全国消費者物価指数の前年変動率)に基づいて改定されます。2019年の制度開始時は月額5,000円でしたが、2026年度は5,620円に増額されています。物価が下がれば減額されることもあります。
生活保護を受けていても給付金は申請できますか?
申請は可能であり、給付金は支給されます。ただし、生活保護の収入認定に含まれるため、給付金の分だけ保護費が減額されます。実質的な手取り総額は変わりませんが、年金事務所との手続き上、申請しておくことが推奨されています。担当のケースワーカーに相談してください。

関連トピック(あとで読む)

出典・改訂履歴・免責事項を見る

本ページの制度概要・要件・税率は、以下の公式情報を編集部が確認のうえ整理しています(執筆時点)。最新かつ正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。FPは記事を直接監修してはおらず、関連テーマでご相談を受けるFPとしてご紹介しています。

最終確認日:2026-05-15

※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・金額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。

本相談は年金事務所・自治体・勤務先の手続きや受給額の確定を代行するものではありません。