年金生活者支援給付金

年金生活者支援給付金の対象者
所得基準と確認方法

老後資金と使ってよいお金を逆算して家計を整える場面
年金額だけでなく、医療費、楽しみ、使ってよいお金の余白まで確認します。

老齢年金生活者支援給付金は、65歳以上で年金収入+所得が約88万円以下、世帯全員が住民税非課税の場合に対象

記事の答えを確認した次に

申請できるか分からない。まず何を確認すればいい?

決めるタイミング: 初診日、家族の死亡、支援の通知など、申請のきっかけになる出来事があったとき。

相談で繰り返される本音

  • 対象かどうかだけでも早く知りたい
  • 書類が足りず、何度も窓口へ行くのは避けたい
  • 受け取れない場合の生活費も先に考えておきたい

初回で口頭整理できること

初回は、起きた出来事、手元の記録、公式窓口へ確認する質問を口頭で整理します。

その次に分けること

公式機関の確認結果をもとに、申請準備と家計への影響を分けて考えます。

初回の範囲: 受給可否の判定、診断書等の作成、申請代行、金融商品の見積り・申込みは初回に行いません。

初回で最初の確認事項を聞く

初回は口頭で整理します。資料がなくても、分かる範囲から始められます

相談前のFAQ

資料がそろっていなくても相談できますか?

はい。初回は、いま分かる範囲から迷いと確認順を整理します。通知書、通帳、財産や家計のメモなどが手元にあれば、分かる範囲だけご用意ください。

初回で何を持ち帰れますか?

いま決めること、まだ決めなくてよいこと、次に確認する数字や窓口を口頭で整理して持ち帰れます。初回当日の資料完成は約束していません。

初回に商品や契約の話がありますか?

初回は迷いと数字の整理に使います。金融商品の見積り、申込み、契約変更は初回の範囲に含みません。

目次(12セクション)
  1. 対象者の要件|種類別の早見表
  2. 老齢年金生活者支援給付金の所得要件の詳細
  3. 補足的老齢年金生活者支援給付金の要件
  4. 障害・遺族給付金の対象者
  5. 対象外になるケース
  6. 世帯全員が住民税非課税とは|判定の仕組み
  7. 所得の計算例|パターン別シミュレーション
  8. 老齢基礎年金との併給関係|他の年金との調整
  9. 給付金額の目安|対象者が受け取れる金額
  10. 対象者かどうかの確認チェックリスト
  11. 対象者になったらやること|申請の流れ
  12. よくある質問

対象者の要件|種類別の早見表

年金生活者支援給付金の対象になるには、年金の受給資格に加えて所得要件・居住要件を満たす必要があります。給付金は「老齢」「補足的老齢」「障害」「遺族」の4種類があり、種類によって要件が異なります。

給付金の種類年齢要件所得要件(前年所得)世帯要件その他の要件
老齢(基本)65歳以上881,200円以下世帯全員が住民税非課税老齢基礎年金受給者・日本国内居住
補足的老齢65歳以上881,200円超〜1,051,900円以下世帯全員が住民税非課税老齢基礎年金受給者・日本国内居住
障害制限なし4,721,000円以下(扶養なし)なし障害基礎年金1級または2級の受給者
遺族制限なし4,721,000円以下(扶養なし)なし遺族基礎年金の受給者

障害・遺族給付金の所得制限は「前年所得が4,721,000円以下(扶養親族なしの場合)」です。扶養親族1人につき38万円が加算されるため、扶養家族がいる世帯は上限が高くなります。

老齢年金生活者支援給付金の所得要件の詳細

老齢給付金の所得要件は、前年の公的年金等の収入額とその他の所得額の合計が881,200円以下であることです(2026年度基準)。この金額は老齢基礎年金の満額(年額816,000円)に一定額を加えた水準に設定されています。

所得の計算に含まれるもの・含まれないもの

項目所得に含むか備考
老齢基礎年金の収入含む公的年金等控除前の額
老齢厚生年金の収入含む公的年金等控除前の額
企業年金・iDeCo含む公的年金等の収入として加算
給与収入含む給与所得控除後の金額
事業所得・不動産所得含む必要経費控除後の金額
遺族年金含まない非課税所得のため
障害年金含まない非課税所得のため
預貯金の取崩し含まない所得ではなく資産移動
利子・配当所得(申告分離)含まない場合あり確定申告に含めなければ対象外

所得の計算方法

  • 「公的年金等の収入額」+「その他の所得額(給与・事業所得など)」= 判定所得
  • 非課税の遺族年金・障害年金は所得に含めない
  • 給与所得がある場合は給与所得控除後の金額で判定
  • 公的年金等控除は差し引く前の収入額を使う点に注意

補足的老齢年金生活者支援給付金の要件

前年所得が881,200円超で1,051,900円以下の方が対象です。基本の老齢給付金と同じく65歳以上・世帯全員が住民税非課税であることが前提で、そのうえで所得が基準を超える方に「補足的」に支給されます。

基本の老齢給付金との違い

比較項目老齢(基本)補足的老齢
所得上限881,200円以下881,200円超〜1,051,900円以下
給付月額の目安最大 約5,310円所得に応じて段階的に減額
計算方法保険料納付月数に基づく定額(1,051,900円−所得額)÷ 1,051,900円 × 基本給付額
世帯要件全員住民税非課税全員住民税非課税

補足的老齢給付金は所得が上限に近づくほど給付額が小さくなる仕組みです。881,200円をわずかに超えた方の給付額が急に0円にならないよう、段階的に移行する設計になっています。

障害・遺族給付金の対象者

障害年金生活者支援給付金と遺族年金生活者支援給付金は、老齢とは要件が大きく異なります。

障害年金生活者支援給付金

  • 対象:障害基礎年金(1級または2級)を受給している方
  • 所得制限:前年所得が4,721,000円以下(扶養親族なしの場合)
  • 給付月額:1級=6,638円、2級=5,310円(2026年度)
  • 世帯要件:なし(本人の所得のみで判定)

遺族年金生活者支援給付金

  • 対象:遺族基礎年金を受給している方
  • 所得制限:前年所得が4,721,000円以下(扶養親族なしの場合)
  • 給付月額:5,310円(2026年度)
  • 子の加算:2人以上の子で遺族基礎年金を受給している場合、5,310円を子の数で割った額がそれぞれに支給

障害3級は対象外

障害基礎年金は1級・2級のみの制度です。障害厚生年金3級のみを受給している方は、障害「基礎」年金の受給者ではないため対象外です。

対象外になるケース

以下のいずれかに該当する場合は、要件を満たしていても受給できません。

  • 日本国内に住所がない(海外居住者)
  • 刑事施設・労役場・少年院などに収容されている
  • 老齢基礎年金を全額繰上げ受給している方で、障害基礎年金・遺族基礎年金を受給している場合(選択が必要)
  • 生活保護を受給している方(生活保護の収入認定との調整が必要)

生活保護との関係

生活保護受給者が年金生活者支援給付金を受け取った場合、その給付金は収入として認定されます。つまり生活保護費が同額分減額されるため、実質的な手取り額は変わりません。ただし、年金額が増えることで将来的に生活保護から自立できる可能性がある場合は、申請しておくメリットがあります。

繰上げ受給との関係

老齢基礎年金を60〜64歳で繰上げ受給している場合でも、65歳になれば老齢年金生活者支援給付金の対象になり得ます。ただし、繰上げにより年金額が減額されるため所得要件を満たしやすくなる一方、給付額の計算では繰上げ後の年金月額が基準になります。

世帯全員が住民税非課税とは|判定の仕組み

老齢年金生活者支援給付金(基本・補足的)には「世帯全員が住民税非課税」という要件があります。ここでいう「世帯」は住民票上の世帯を指します。

住民税非課税の基準(2026年度)

世帯の状況住民税非課税の所得上限(目安)
単身・扶養なし合計所得45万円以下
扶養親族あり35万円×(本人+扶養人数)+31万円 以下
65歳以上・年金のみ年金収入155万円以下(合計所得45万円)

注意すべきは、本人が所得要件を満たしていても、同一世帯の配偶者や子に住民税が課税されていれば対象外になる点です。世帯分離をしている場合は別世帯として判定されます。

世帯分離と給付金

住民票上の世帯を分ける「世帯分離」を行うと、配偶者や子が住民税課税者であっても要件を満たせる場合があります。ただし世帯分離は介護保険料や国民健康保険料にも影響するため、総合的なメリット・デメリットの検討が必要です。

所得の計算例|パターン別シミュレーション

対象になるかどうか、代表的なケースで計算してみましょう。

ケース1:老齢基礎年金のみの単身世帯

計算例

  • 老齢基礎年金:年780,000円
  • その他の所得:0円
  • 判定所得:780,000円 → 881,200円以下 → 対象
  • 住民税:非課税(155万円以下)→ 世帯要件も満たす

ケース2:老齢基礎年金+パート収入がある方

計算例

  • 老齢基礎年金:年780,000円
  • パート収入:年600,000円 → 給与所得控除55万円を引くと給与所得50,000円
  • 判定所得:780,000+50,000=830,000円 → 881,200円以下 → 対象

ケース3:老齢基礎年金+老齢厚生年金がある方

計算例

  • 老齢基礎年金:年780,000円
  • 老齢厚生年金:年600,000円
  • 公的年金等の収入合計:1,380,000円 → 881,200円を超える → 基本は対象外
  • 補足的老齢の上限(1,051,900円)も超えるため、補足的老齢も対象外

ケース4:遺族年金と老齢基礎年金の両方を受給

計算例

  • 老齢基礎年金:年400,000円(保険料納付期間が短い場合)
  • 遺族厚生年金:年900,000円 → 非課税なので所得に含まない
  • 判定所得:400,000円 → 881,200円以下 → 対象

老齢基礎年金との併給関係|他の年金との調整

年金生活者支援給付金は基礎年金に連動する制度です。厚生年金や共済年金とは別枠で支給されるため、それらの年金額が減ることはありません。ただし、以下の併給ルールに注意が必要です。

併給できるケース・できないケース

年金の組み合わせ給付金の種類併給
老齢基礎年金+老齢厚生年金老齢給付金○(所得要件を満たせば)
障害基礎年金+障害厚生年金障害給付金○
遺族基礎年金+遺族厚生年金遺族給付金○
老齢基礎年金+遺族厚生年金老齢給付金○(所得要件を満たせば)
障害基礎年金のみ(老齢基礎未受給)障害給付金○
老齢厚生年金のみ(基礎年金なし)なし×(基礎年金受給が前提)

重要なのは、給付金は「基礎年金」に対して支給されるという点です。厚生年金のみの受給者は対象外です。また、老齢給付金と障害給付金・遺族給付金は同時には受給できず、いずれか1つを選択します。

給付金額の目安|対象者が受け取れる金額

対象者と確認できたら、次に気になるのは「いくら受け取れるか」です。2026年度の給付月額の目安を種類別にまとめます。

給付金の種類月額(目安)年額換算計算の考え方
老齢(基本)最大 約5,310円最大 約63,720円保険料納付済月数÷480×5,310円+免除月数に応じた加算
補足的老齢5,310円未満63,720円未満所得に応じて逓減
障害1級6,638円79,656円定額
障害2級5,310円63,720円定額
遺族5,310円63,720円定額

老齢給付金は保険料を納めた月数に比例するため、40年間すべて納付した方が満額を受け取れます。保険料免除期間がある場合は、全額免除で約2,755円/月(老齢基礎年金の1/6相当)が加算されます。

詳しい計算方法は 年金生活者支援給付金の金額|月額・年額の計算方法 で解説しています。

対象者かどうかの確認チェックリスト

以下のチェックリストで、自分が対象者かどうかを確認できます。老齢給付金の場合は5項目すべてを満たす必要があります。

老齢年金生活者支援給付金チェックリスト

  • □ 65歳以上である
  • □ 老齢基礎年金を受給している(繰下げ待機中は対象外)
  • □ 前年の年金収入+その他所得の合計が881,200円以下(補足的は1,051,900円以下)
  • □ 同一世帯の全員が住民税非課税である
  • □ 日本国内に住所がある

障害年金生活者支援給付金チェックリスト

  • □ 障害基礎年金(1級または2級)を受給している
  • □ 前年所得が4,721,000円以下(扶養親族の人数で加算あり)
  • □ 日本国内に住所がある

遺族年金生活者支援給付金チェックリスト

  • □ 遺族基礎年金を受給している
  • □ 前年所得が4,721,000円以下(扶養親族の人数で加算あり)
  • □ 日本国内に住所がある

公式の通知で確認する方法

対象者には毎年9月頃に日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書」(はがき形式)が届きます。届いた方は対象者です。届かなかった場合でも、所得状況が変わった方は自分で請求できます。最寄りの年金事務所またはねんきんダイヤル(0570-05-1165)に問い合わせましょう。

対象者になったらやること|申請の流れ

対象者であることが確認できたら、以下の手順で給付金を受け取れます。

新規の場合(初めて受給する方)

  1. 請求書が届く:日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書」(はがき)が届く(毎年9月頃)
  2. 必要事項を記入:氏名・フリガナ・電話番号を記入し、切手を貼って返送
  3. 審査・決定通知:日本年金機構が市区町村から所得情報を取得し、対象かどうかを審査
  4. 支給開始:翌年1月以降、年金と同じ口座に振り込まれる(偶数月に2か月分ずつ)

すでに受給中の場合

一度請求すれば、翌年度以降は再申請は不要です。日本年金機構が毎年市区町村に所得を照会し、対象者のままであれば自動的に継続されます。所得が基準を超えた場合は翌年10月に支給が停止され、その旨の通知が届きます。

申請方法の詳細は 年金生活者支援給付金の申請方法|届いたハガキの書き方 で解説しています。

よくある質問

遺族厚生年金しか受給していませんが、対象になりますか?
遺族年金生活者支援給付金の対象は遺族基礎年金の受給者です。遺族厚生年金のみの受給者は対象外です。ただし、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受給している場合は対象です。
前年所得の「881,200円」は手取りですか?
いいえ、税込みの収入ベースで計算した所得額です。公的年金等の収入については公的年金等控除を差し引く前の金額に、その他の所得(給与所得控除後など)を合算して判定します。
毎年申請しなければなりませんか?
一度申請すれば、毎年度の所得確認は日本年金機構が市区町村に照会するため、原則として再申請は不要です。ただし、所得が変動して要件を外れた場合は翌年10月から支給が止まります。
生活保護を受給中でも給付金は受けられますか?
給付金は生活保護の収入として認定されるため、生活保護費が同額分減額されます。実質的な手取りは増えませんが、申請自体は可能です。ケースワーカーに相談のうえ判断してください。
配偶者の所得が高くても対象になりますか?
老齢給付金の場合、世帯全員が住民税非課税であることが要件です。配偶者に住民税が課税されている場合は対象外になります。障害・遺族給付金には世帯要件はありません。
給付金を受け取ると年金額が減ることはありますか?
ありません。年金生活者支援給付金は年金とは別の制度であり、年金額が減額されることはありません。給付金は非課税で、所得税・住民税の対象にもなりません。

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最終確認日:2026-05-15

※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・金額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。

本相談は年金事務所・自治体・勤務先の手続きや受給額の確定を代行するものではありません。