年金生活者支援給付金とは
対象者・金額・申請方法
年金生活者支援給付金は、年金収入が一定基準以下の高齢者・障害者・遺族に支給される給付金。月額最大5,310円(老齢)
記事の答えを確認した次に
申請できるか分からない。まず何を確認すればいい?
決めるタイミング: 初診日、家族の死亡、支援の通知など、申請のきっかけになる出来事があったとき。
相談で繰り返される本音
- 対象かどうかだけでも早く知りたい
- 書類が足りず、何度も窓口へ行くのは避けたい
- 受け取れない場合の生活費も先に考えておきたい
初回で口頭整理できること
初回は、起きた出来事、手元の記録、公式窓口へ確認する質問を口頭で整理します。
その次に分けること
公式機関の確認結果をもとに、申請準備と家計への影響を分けて考えます。
初回の範囲: 受給可否の判定、診断書等の作成、申請代行、金融商品の見積り・申込みは初回に行いません。
初回は口頭で整理します。資料がなくても、分かる範囲から始められます
相談前のFAQ
資料がそろっていなくても相談できますか?
はい。初回は、いま分かる範囲から迷いと確認順を整理します。通知書、通帳、財産や家計のメモなどが手元にあれば、分かる範囲だけご用意ください。
初回で何を持ち帰れますか?
いま決めること、まだ決めなくてよいこと、次に確認する数字や窓口を口頭で整理して持ち帰れます。初回当日の資料完成は約束していません。
初回に商品や契約の話がありますか?
初回は迷いと数字の整理に使います。金融商品の見積り、申込み、契約変更は初回の範囲に含みません。
目次(13セクション)
年金生活者支援給付金とは|制度の目的と背景
年金生活者支援給付金は、2019年10月の消費税率10%への引上げに合わせて創設された国の制度です。消費税の増収分を財源に、年金収入が少なく所得が低い方の生活を支える目的で年金に上乗せして支給されます。
この制度の最大のポイントは「自分から申請しないともらえない」という点です。対象者であっても申請していなければ1円も支給されません。厚生労働省の資料によると、対象者の約1割が未申請のままとされています。
制度の根拠法は「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」(平成24年法律第102号)で、国民年金法に基づく年金給付とは別の制度として運用されています。
給付金の3種類|老齢・障害・遺族
年金生活者支援給付金には大きく分けて3種類(老齢・障害・遺族)があり、老齢はさらに「基本」と「補足的」の2つに分かれます。
年金生活者支援給付金の4区分
- 老齢年金生活者支援給付金:老齢基礎年金を受給している低所得の高齢者が対象
- 補足的老齢年金生活者支援給付金:老齢の所得基準をわずかに超える方に補足的に支給
- 障害年金生活者支援給付金:障害基礎年金(1級・2級)を受給し、前年所得が一定以下の方
- 遺族年金生活者支援給付金:遺族基礎年金を受給し、前年所得が一定以下の方
それぞれ対象者の要件・支給額・申請方法が異なります。以下のセクションで種類別に詳しく解説します。
老齢年金生活者支援給付金の対象者と支給額
65歳以上で対象者の要件を満たすと受給できます。給付額は保険料納付済月数に応じて計算され、2026年度の基準額は月5,310円です。詳しい計算方法は給付金の金額をご覧ください。
老齢年金生活者支援給付金の3要件
- 65歳以上で老齢基礎年金を受給していること
- 同一世帯の全員が住民税非課税であること
- 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得の合計額が878,900円以下であること(2026年度基準)
老齢の支給額の計算式
老齢年金生活者支援給付金の月額は次の式で算出します。
計算式
月額 = 5,310円 ×(保険料納付済月数 ÷ 480月)+ 11,333円 ×(保険料免除月数 ÷ 480月)
例えば、保険料を40年間(480月)すべて納付した方は月額5,310円(年額63,720円)を満額受給できます。20年間(240月)納付・20年間免除の方は月額 5,310円×(240÷480) + 11,333円×(240÷480) = 2,655円 + 5,667円 = 月額8,322円となります。
障害年金生活者支援給付金の対象者と支給額
障害基礎年金を受給している方のうち、前年の所得が4,721,000円以下(扶養親族等の数に応じて増額)の方が対象です。
| 等級 | 月額(2026年度) | 年額 |
|---|---|---|
| 障害基礎年金1級 | 6,638円 | 79,656円 |
| 障害基礎年金2級 | 5,310円 | 63,720円 |
障害年金生活者支援給付金は、老齢と異なり保険料の納付月数による按分はありません。等級に応じた定額が支給されます。
遺族年金生活者支援給付金の対象者と支給額
遺族基礎年金を受給している方のうち、前年の所得が4,721,000円以下(扶養親族等の数に応じて増額)の方が対象です。月額は5,310円(年額63,720円)の定額です。
ただし、2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は、5,310円を子の人数で割った額がそれぞれに支給されます。例えば子が2人の場合は1人あたり月額2,655円です。
4種類の支給額比較表【2026年度】
| 種類 | 主な対象 | 月額(2026年度) | 年額 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 老齢(基本) | 65歳以上・住民税非課税世帯・所得878,900円以下 | 最大 5,310円 | 最大 63,720円 | 納付月数で按分 |
| 補足的老齢 | 所得878,900円超〜878,900円+老齢基礎年金額以下 | 最大 5,310円 | 最大 63,720円 | 段階的に減額 |
| 障害1級 | 障害基礎年金1級・所得4,721,000円以下 | 6,638円 | 79,656円 | 定額 |
| 障害2級 | 障害基礎年金2級・所得4,721,000円以下 | 5,310円 | 63,720円 | 定額 |
| 遺族 | 遺族基礎年金受給者・所得4,721,000円以下 | 5,310円 | 63,720円 | 複数の子は按分 |
支給の仕組み|年金と一緒に受け取る
給付金は偶数月の15日に年金と同じ口座に合算して振り込まれます。年金とは別の書類・口座は不要です。支給日が土日・祝日の場合は直前の平日になります。詳しくは支給日をご覧ください。
| 支給月 | 支給日 | 対象月分 |
|---|---|---|
| 2026年4月 | 4月15日(水) | 2月・3月分 |
| 2026年6月 | 6月15日(月) | 4月・5月分 |
| 2026年8月 | 8月14日(金)※ | 6月・7月分 |
| 2026年10月 | 10月15日(木) | 8月・9月分 |
| 2026年12月 | 12月15日(火) | 10月・11月分 |
| 2027年2月 | 2月13日(金)※ | 12月・1月分 |
※ 15日が土日の場合は直前の平日に支給。
申請方法|届いた通知の対応手順
初めて受給する際は日本年金機構から案内通知(ハガキ型の請求書)が届きます。案内が届いた場合は同封の請求書に記入・返送するだけで申請できます。案内が届かない場合や、対象になったと思われる場合は市区町村の窓口または年金事務所で申請できます。
申請の流れ(ステップ)
- 日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書」(ハガキ)が届く
- 氏名・生年月日・電話番号を記入し、押印する
- 切手不要の返信用封筒で返送する
- 審査後、支給決定通知書が届く(通常1〜2か月)
- 次の偶数月の年金支給日から給付金が上乗せされる
申請時の注意点
- 届いたハガキは速やかに返送する(遅れると支給開始が翌月以降にずれる)
- 通知が届かなくても対象の可能性がある場合は自分で申請できる
- 申請先:お住まいの市区町村窓口または年金事務所
- 2020年4月以降に新たに年金を受給し始めた方は、年金請求時に同時申請が可能
所得基準と「補足的老齢」の仕組み
老齢年金生活者支援給付金には「逆転防止」の仕組みがあります。所得基準(878,900円)をわずかに超えた方が、給付金をもらっている方よりも総収入が低くなる不公平を防ぐため、補足的老齢年金生活者支援給付金が設けられています。
補足的老齢の所得範囲
前年の年金収入+その他所得の合計が878,900円超〜878,900円+老齢基礎年金満額(816,000円)以下の方が対象です。給付額は所得が増えるにつれて段階的に減額されます。
所得による受給パターン
- 878,900円以下:老齢年金生活者支援給付金(満額の可能性あり)
- 878,900円超〜約1,694,900円:補足的老齢年金生活者支援給付金(段階的に減額)
- 約1,694,900円超:給付金の対象外
他の制度との併給・関係
年金生活者支援給付金と他の公的制度との関係を整理します。
| 制度 | 給付金との併給 | 補足 |
|---|---|---|
| 老齢基礎年金 | 可(上乗せ支給) | 老齢給付金の前提条件 |
| 老齢厚生年金 | 可 | 基礎年金部分があれば所得要件で判定 |
| 障害基礎年金 | 可(上乗せ支給) | 障害給付金の前提条件 |
| 遺族基礎年金 | 可(上乗せ支給) | 遺族給付金の前提条件 |
| 生活保護 | 不可 | 給付金は収入認定され保護費から減額される |
| 住民税非課税世帯給付金 | 可 | 別制度のため影響なし |
| 医療費控除・介護保険 | 影響なし | 給付金は非課税所得のため |
生活保護を受給している方は注意が必要です。給付金を受け取ると収入として認定され、保護費がその分減額されるため、実質的な手取り額は変わりません。
制度改定の推移と2026年度の変更点
給付金の金額は毎年10月に前年度の全国消費者物価指数(CPI)の変動に応じて改定されます。過去の基準額の推移は以下のとおりです。
| 年度 | 月額基準額 | 改定率 |
|---|---|---|
| 2019年度(創設時) | 5,000円 | — |
| 2020年度 | 5,030円 | +0.6% |
| 2021年度 | 5,030円 | 0.0% |
| 2022年度 | 5,020円 | −0.2% |
| 2023年度 | 5,140円 | +2.4% |
| 2024年度 | 5,310円 | +3.3% |
| 2025年度 | 5,310円 | 0.0% |
| 2026年度 | 5,310円 | 0.0% |
2026年度は前年と同額です。改定は毎年10月に適用され、10月〜翌年9月の1年間有効です。前年からの変化の詳細は給付金の金額でご確認ください。
対象かどうかのセルフチェックリスト
以下のチェックリストで、自分が給付金の対象になる可能性があるか確認できます。
老齢年金生活者支援給付金チェック
セルフチェック(老齢)
- 65歳以上である
- 老齢基礎年金を受給している(または受給手続き中)
- 同一世帯の全員が住民税非課税である
- 前年の年金収入+その他所得の合計が878,900円以下(補足的は約1,694,900円以下)
障害・遺族年金生活者支援給付金チェック
セルフチェック(障害・遺族)
- 障害基礎年金(1級または2級)もしくは遺族基礎年金を受給している
- 前年の所得が4,721,000円以下である(扶養親族等がいる場合は加算あり)
上記に該当する場合は、お近くの年金事務所または市区町村窓口に相談することをおすすめします。詳しい条件は対象者の確認方法をご覧ください。
よくある質問
- 年金生活者支援給付金は課税されますか?
- 非課税です。所得税・住民税の課税対象にはなりません。確定申告で収入として申告する必要もありません。
- 厚生年金の受給者でも給付金をもらえますか?
- 老齢年金生活者支援給付金は老齢基礎年金の受給者が対象です。厚生年金と基礎年金を両方受給している方で、所得・住民税の要件を満たす場合は対象になります。老齢厚生年金のみ(基礎年金なし)の方は対象外です。
- 住所が変わった場合、手続きは必要ですか?
- 住所変更後は年金事務所または市区町村の窓口への届出が必要です。届出を怠ると、翌年の所得判定が正しく行われず支給が止まることがあります。マイナンバーと住基ネットが連携済みの場合は届出不要になることもあります。
- 申請が遅れた場合、さかのぼって受給できますか?
- 原則として申請した翌月分からの支給となり、さかのぼりはできません。ただし、日本年金機構からの案内に対して申請が遅れた場合でも、案内が届いてから3か月以内に返送すれば、届出月の翌月分からではなく案内が届いた月の翌月分から支給される特例があります。
- 年金を繰上げ受給している場合、給付金は減額されますか?
- 繰上げ受給によって年金額が減額されても、給付金自体の計算には影響しません。ただし、繰上げ受給で年金を受け取り始めた時点(65歳未満)では老齢年金生活者支援給付金の対象にはなりません。65歳到達後に所得要件を満たしていれば対象になります。
- 配偶者の所得が多い場合、給付金はもらえませんか?
- 老齢年金生活者支援給付金は、同一世帯の全員が住民税非課税であることが要件です。配偶者に課税所得がある場合(住民税が課税されている場合)は、本人の所得が低くても対象外になります。世帯分離が有効かどうかはケースにより異なるため、専門家への相談をおすすめします。
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最終確認日:2026-05-15
※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・金額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。
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