── 改葬17万6,105件を都道府県別に再計算。葬送の規模で割ると長崎32.5%が1位で、東京は実数2位から28位へ。上位は離島と、人が出ていった地域が占める
ライフプランメディア「IKIGAI TOWN」(運営:スペシャリスト・ドクターズ株式会社)編集部は、厚生労働省「衛生行政報告例(令和6年度)」の改葬(いわゆる墓じまいを含む)17万6,105件を都道府県別に再計算しました。全国の改葬は前年度から+5.5%増えています。実数のランキングでは北海道・東京・大阪が上位に並びますが、同じ表に載っている死体の火葬件数(=その地域の葬送の規模)で割ると、順位はほぼ入れ替わります。改葬率の1位は長崎県32.5%で、亡くなった方3人につき1件に近い割合。次いで山口23.4%、鹿児島22.2%、沖縄20.8%と続き、東京は実数2位から改葬率28位、大阪は3位から31位へ下がります。全国平均は10.6%、最高と最低の差は14.0倍でした。墓じまいは都市で起きている現象ではなく、いま多くの人が向かっている帰省先で起きています。全47都道府県のデータはCSVで公開し、出典明記のうえCC BY 4.0で自由に引用・転載できます。
お盆の帰省期に入りました。実家の墓の前に立ち、「この墓を誰が継ぐのか」を初めて具体的に考える方が多い時期です。
改葬の統計は毎年公表されていますが、報じられるのはたいてい全国の件数と、実数の都道府県ランキングです。実数は人口規模をなぞるため、上位はどうしても都市部になります。その地域で実際にどれだけ墓が動いているのかは、正規化しなければ見えません。今回はその再計算を行い、全47都道府県のデータを公開します。
厚生労働省「衛生行政報告例(令和6年度)」第4章 生活衛生 第6表(2025年10月21日公表)
| 都道府県 | 改葬件数 | 実数順位 | 改葬率 | 改葬率順位 |
|---|---|---|---|---|
| 長崎県 | 6,656件 | 9位 | 32.5% | 1位 |
| 山口県 | 4,752件 | 13位 | 23.4% | 2位 |
| 鹿児島県 | 5,633件 | 11位 | 22.2% | 3位 |
| 沖縄県 | 3,621件 | 17位 | 20.8% | 4位 |
| 北海道 | 14,628件 | 1位 | 18.8% | 5位 |
| 東京都 | 12,982件 | 2位 | 9.1% | 28位 |
| 大阪府 | 10,376件 | 3位 | 8.8% | 31位 |
| 福井県 | 242件 | 47位 | 2.3% | 47位 |
北海道だけは、実数1位・改葬率5位と両方で上位に残ります。広い面積に墓が分散していること、離島や旧産炭地からの人口流出が長く続いてきたことが背景にあると考えられますが、本集計はその要因までは示しません。
改葬率は厳密な比率ではありません。改葬はその年に亡くなった方と直接対応するものではなく、何十年も前に建てられた墓が動く場合がほとんどです。ここでの改葬率は、「その地域の葬送の規模に対して、どれだけ墓が動いているか」を測る相対指標としてご覧ください。
分母に人口ではなく同じ表に載っている火葬件数を用いたのは、別統計と突き合わせる際の年次のずれや市町村境域の変更による誤差を避けるためです。
また改葬には、墓を撤去する「墓じまい」だけでなく、別の墓地へ移すケースも含まれます。統計上は両者を区別できません。
改葬件数 ÷ 死体の火葬件数(令和6年度)。全国平均10.6%
上位に並ぶのは長崎・鹿児島・沖縄・島根・高知。いずれも離島を多く抱えるか、長く人口が流出してきた県です。墓を継ぐ人がその土地にいなくなり、都市部へ出た子や孫が、自分の住む場所の近くへ墓を移す。あるいは永代供養へ切り替える。その動きが数字に表れています。
逆に下位の福井2.3%、宮城4.8%、山形4.9%は、墓が地域内で引き継がれ続けているとも読めますが、本集計だけでは理由を特定できません。
全47都道府県のCSVをダウンロード(改葬件数・火葬件数・改葬率・実数順位・前年度比・無縁墳墓等の改葬を収録)。ご自身の出身県、ご実家のある県の数字を確認できます。
令和6年度の改葬は全国17万6,105件で、令和5年度の16万6,886件から+5.5%。47都道府県のうち34県で前年度から増えています。特定の地域の事情ではなく、全国的な流れとして進んでいます。
あわせて、引き継ぐ人が確認できないまま整理された無縁墳墓等の改葬が3,006件ありました。これは改葬件数の内数です。
改葬にかかる費用は、墓石の撤去・区画の返還、遺骨の取り出し、移転先の永代供養料などの合計になり、墓の大きさ・立地・移転先の形態によって幅が大きく、一律の相場を示せるものではありません。本リリースでは金額の目安は扱いません。
手続き上は、現在の墓地がある市区町村長の改葬許可が必要です。詳細は当該市区町村の窓口、および墓地の管理者にご確認ください。
墓じまいは、しばしば「地方の過疎の問題」として語られます。今回の再計算はその印象を裏づける一方で、実際に動いているのは、都市に住む子や孫の判断だという点も示しています。墓のある県で件数が計上されるのは、改葬許可を出すのが現在の墓地がある市区町村だからです。つまり長崎の32.5%という数字は、長崎に住む人だけが作ったものではありません。
帰省は、その判断を家族で共有できる数少ない機会です。決めることまでは必要ありません。墓地の管理者が誰か、年間の管理料はいくらか、誰が払っているのか。この3つを確認しておくだけで、いざというときの前提がまったく変わります。
当編集部は前日(2026年8月10日)に、認知症で親の口座が凍結されたあとに成年後見を始めた場合の費用を再計算したリリースを公開しました。実家に関する判断は、いずれも「親が元気なうちにしか選べない」ものが多いという点で共通しています。
集計名:改葬(墓じまい)の都道府県別再計算 ── 実数と「葬送規模あたりの率」(IKIGAI TOWN 編集部集計)
集計主体:スペシャリスト・ドクターズ株式会社(IKIGAI TOWN 運営)
使用データ:厚生労働省「衛生行政報告例」第4章 生活衛生 第6表「埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数,都道府県-指定都市-中核市(再掲)別」。令和6年度(2024年度)は2025年10月21日公表、令和5年度(2023年度)は2025年9月25日公表。内容は2026年8月11日時点で確認。
集計方法:改葬率=改葬件数 ÷ 死体の火葬件数 × 100。分母には死胎を含めていません。分母に人口ではなく同一表の火葬件数を用いることで、別統計との年次のずれや境域変更による誤差が入らないようにしています。
留意点:改葬はその年の死亡と直接対応しないため、改葬率は厳密な比率ではなく相対指標です。改葬には墓を撤去する「墓じまい」のほか、別の墓地へ移すケースも含まれ、統計上は区別できません。件数は現在の墓地がある市区町村で計上されるため、改葬を決めた人がその地域に住んでいるとは限りません。本集計は特定の地域や墓地経営者を評価・批判するものではありません。
本リリースの図表・数値・本文は、出典を明記いただければCC BY 4.0のもと、改変を含めて自由にご利用いただけます(事前連絡不要)。
▍記事本文(リード・小見出し付き・そのまま出稿可)
kiji-honbun.txt をダウンロード(見出し3案・集計方法・媒体別の切り口メモを同梱)
▍図表(1200px・出典クレジット焼き込み済み)
▍数値データ(全47都道府県・出典付き)
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▍見出し案
媒体記事用(40字):墓じまい、多いのは都会でなく長崎32.5%
SNS・タイトル用(60字):墓じまいが多いのは都会ではなかった ── 改葬17万件を都道府県別に再計算、長崎は亡くなった方3人に1件
短尺(全角13字):改葬率 長崎が全国1位
▍出典表記(コピペ用)
▍追加集計・取材
特定県に絞った集計、過去年度との比較、指定都市・中核市別の集計をご提供できます。support@ikigai.town(メールのみ)
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本リリースは公的統計に基づく情報提供を目的としたものであり、特定の地域・墓地経営者・宗教法人・事業者を評価または批判するものではありません。改葬の手続き・費用は個別の事情によって大きく異なります。具体的な手続きについては、現在の墓地がある市区町村の窓口および墓地の管理者にご確認ください。また、特定の金融商品・保険商品の推奨や契約の勧誘を目的とするものではなく、個別の税務判断を行うものでもありません。
編集部より
お盆に合わせて墓じまいの記事は数多く出ますが、そのほとんどが全国の件数か、実数のランキングです。実数は人口の多い地域が上位に来るだけなので、「どこで起きているのか」は分かりません。
正規化してみると、上位は離島と、人が出ていった地域でした。今日から帰省する方が向かう先そのものです。長崎の32.5%は、亡くなった方3人につき1件に近い割合で墓が動いているということで、これは相当な数字だと思います。墓の前で「どうするか」を話すきっかけとして、ご自身の県の数字を見ていただければと思います。
IKIGAI TOWN 編集長/塩飽 哲生