住宅ローンの通し方【2026】
審査に通る8つの下準備と、否決時の一手
結論:住宅ローン審査は「申し込む前に勝負がついている」仕事です。銀行が見るのは年収だけではなく、返済負担率・信用情報・勤続年数・他の借入・物件価値・健康状態の6項目。これらを事前に整えてから申し込めば、本審査通過率は大きく変わります。本記事では、家計の専門家が現場で使っている「通すための8つの下準備」と、万一否決されたときのリカバリー手順を整理します。
この記事の結論
- 審査で最重視されるのは返済負担率35%以内。他の借入は申込前に完済しておく。
- 信用情報の事故歴は最低5年尾を引く。心当たりがある人は開示請求で事前確認。
- 申込は1銀行ずつ、2週間以上空けて。短期間に複数申込みすると"申込ブラック"扱いになる。
- 否決されたら別の審査基準の銀行へ。ネット銀行 → 都銀 → 地銀 → フラット35の順に"通りやすくなる"傾向。
- 年収・属性に自信がない方は、申込前にFPに相談するのが最も費用対効果が高い。
銀行が見ている6つの審査項目
住宅ローン審査は「年収がいくらか」だけでは決まりません。銀行は以下6項目を総合的に見ています。
| 審査項目 | 見られるポイント | 不利になる要因 |
|---|---|---|
| ①年収・返済負担率 | 年間返済額 ÷ 年収が35%以内か | 他ローン含む返済額が多い |
| ②勤続年数・雇用形態 | 正社員・勤続1〜3年以上が目安 | 転職直後・派遣・契約社員 |
| ③信用情報 | CIC/JICC/全銀協の延滞記録 | 過去5〜10年の延滞・債務整理 |
| ④他の借入・カード | 自動車ローン・カードローン・リボ残債 | カードローン利用中は特に警戒される |
| ⑤物件の担保価値 | 築年・構造・立地・再販可能性 | 再建築不可・借地権・市街化調整区域 |
| ⑥健康状態(団信) | 直近3年の入院歴・通院歴・投薬 | がん・心疾患・精神疾患の既往歴 |
このうち、自分でコントロールできるのは①③④⑥の4項目。申込前の3〜6ヶ月で整えるかどうかで通過率が大きく変わるのが、この仕事の現実です。
事前審査と本審査の違い
住宅ローン審査は2段階で行われます。
- 事前審査(仮審査):2〜5営業日。申告ベースで「おおむね借りられるか」を判定。物件契約前に実施。
- 本審査:1〜3週間。源泉徴収票・登記簿等の書類を揃えて本格審査。団信の告知もここで。
事前審査で通った人が本審査で落ちる確率は5〜10%と言われます。落ちる典型は「申告していなかった他の借入が判明」「健康告知で引っかかる」の2パターン。事前審査の段階で嘘をつかず正直に申告するのが結局は最短ルートです。
通すための8つの下準備
① 信用情報を開示請求(1,000円・即日)
CIC(www.cic.co.jp)・JICC・KSC(全銀協)の3機関で開示請求できます。「A」マーク(延滞)や「異動」(事故情報)が残っていないか確認。携帯端末の分割払い延滞も載るので、心当たりがある方は必ず確認を。
② カードローン・リボ払いは完済
カードローンは「1円でも借りていると警戒度が大幅に上がる」が業界の常識。申込の3ヶ月前には完済し、可能ならカード自体を解約。リボ払いも同様です。
③ 他ローンは繰上返済か完済
自動車ローン・奨学金・教育ローンは、年間返済額が返済負担率に加算されます。たとえば自動車ローン年額40万円があると、住宅ローンの借入可能額は約1,100万円目減りします(年収600万・35年・金利1%の場合)。完済できるなら申込前に完済が最も効きます。
④ クレジットカードは3〜4枚に整理
使っていないカードでも、与信枠(利用可能額)は潜在的な借入とみなされます。10枚以上保有していると警戒されるので、申込前に3〜4枚程度に整理しましょう。
⑤ 転職は住宅ローン実行後に
転職直後は勤続年数がリセットされ、審査で不利になります。転職を検討中なら、住宅ローンの本審査→実行→登記完了までは現職をキープするのが鉄則。
⑥ 頭金は2割以上を目標に
フルローン(物件価格=借入額)は審査が厳しくなります。頭金2割(諸費用込みなら2.5割)を入れられると審査通過率が跳ね上がり、金利優遇も引き出しやすくなります。親からの贈与活用(住宅取得等資金贈与の非課税枠)も検討を。
⑦ 健康診断は申込の6ヶ月以内に
団信の告知は直近3年の通院・投薬歴がベース。軽度の高血圧・糖尿病・脂質異常でも記入が必要です。数値が境界域の方は、健診で「要経過観察」止まりにできるよう、申込前に生活改善を。どうしても通らない見込みならワイド団信(ソニー銀行等)やフラット35(団信任意)を検討します。
⑧ 申込は1銀行ずつ、2週間空ける
複数行に同時申込すると信用情報に「申込記録」が残り、他行から「この人、どこかで断られたのでは?」と警戒されます。2週間以上空けて1行ずつが安全策。
否決の典型パターン5選とリカバリー
パターン1:他の借入が多すぎた
→ カードローン・リボ・自動車ローンを完済 → 3〜6ヶ月空けて別銀行に再申込。完済の履歴が信用情報に反映されるのを待つのがコツ。
パターン2:信用情報に延滞履歴
→ 異動情報(事故情報)は完済から5〜10年残る。この間は住宅ローンは極めて難しい。消えるのを待つか、フラット35(比較的緩やか)に挑戦。
パターン3:返済負担率オーバー
→ 借入額を減らす/頭金を増やす/返済期間を延ばす/配偶者とのペアローン・収入合算を検討。
パターン4:物件の担保価値不足
→ 築年が古い・再建築不可などは多くの銀行で弾かれる。フラット35は築年要件が緩やかで、中古戸建てでも通りやすいケースが多い。
パターン5:団信が通らない
→ ワイド団信(ソニー銀行など)で金利上乗せして加入/フラット35で機構団信を付けずに借りる(別途生命保険で代替)の2択。
申込銀行の順番戦略
審査基準は銀行により異なります。一般的に「通りやすさ」の順番は以下の通り(※あくまで傾向):
- フラット35(住宅金融支援機構):年収・勤続年数の要件が最も緩やか
- 地銀・信金・労金・JAバンク:属性合えば柔軟対応
- 都市銀行(三菱UFJ・みずほ・三井住友・りそな):対面相談で属性補足可能
- ネット銀行(住信SBI・auじぶん・PayPay):機械的審査で通りやすい属性には最優
ネット銀行は金利が最安ですが、属性に不安がある方はまず都銀・フラット35で「通る」ことを優先し、通ってから借り換え検討でネット銀行に乗り換える二段階戦略も有効です。
自営業・転職直後・持病ありの特殊ケース
自営業・フリーランス
審査では直近3期分の確定申告書(所得金額)が見られます。ネット銀行は3期連続黒字必須が基本。都銀・地銀・フラット35は3期のうち1期赤字でも交渉余地があります。節税のため所得を圧縮しすぎている方は、住宅購入の2〜3年前から所得申告を調整するのが王道。
転職直後
勤続1年未満でも申込できる銀行(auじぶん銀行・住信SBI等)はあります。ただし同業種・キャリアアップ転職は評価されやすく、異業種・収入ダウンは警戒されます。内定通知書・雇用契約書で「継続的な収入見込み」を証明できると通過率が上がります。
持病あり
団信の告知で引っかかる方は以下3パターン:
① ワイド団信(ソニー銀行・住信SBI等)で金利+0.3%程度上乗せして加入
② フラット35で機構団信を付けずに借り、別途生命保険で代替(健康に自信があれば割安)
③ 配偶者が主債務者になって借入(夫婦の収入状況による)
よくある質問(FAQ)
Q1. 事前審査で落ちたら本審査も通りませんか?
A. 同じ銀行では通りにくいです。ただし別銀行では普通に通るケースが大半。否決理由を電話で問い合わせ(教えてくれる銀行もある)、改善してから別の銀行に挑戦するのが定石です。
Q2. 複数の銀行に同時に申し込んで良いですか?
A. 推奨しません。短期間の複数申込は"申込ブラック"として警戒されます。2週間以上空けて、本命から1行ずつが王道です。
Q3. 年収500万円で4,000万円借りられますか?
A. 可能性はあります(返済負担率35%以内ならOK)。ただし金利上昇リスク・教育費・老後資金を考えると、年収の7倍超の借入は家計として危険ゾーンです。詳しくは年収倍率の正しい見方を参照。
Q4. 住宅ローンとリフォームローンは同時に組めますか?
A. 多くの銀行で「住宅ローン一本化」として同時申込可能。別々に組むより金利が低く、団信の対象にも含められるので有利です。
Q5. ペアローンと収入合算、どちらが通りやすい?
A. 審査通過の観点ではほぼ同じ。違いは住宅ローン控除(ペアローンなら2人分取れる)と団信(ペアローンはそれぞれ加入)。税メリットはペアローンが大きいですが、離婚時の処理が複雑になるデメリットもあります。
FPに相談すべきタイミング
住宅ローンの相談先として、銀行の窓口・不動産会社の提携ローン担当・ファイナンシャルプランナーの3つが一般的です。銀行・不動産会社の担当者は"自社商品を売る"立場なのに対し、独立系FPは顧客側の立場で全銀行を横断比較できるのが最大の違いです。
以下のような方は、申込前にFPに相談することをお勧めします:
- 他の借入やカードローンの履歴があり、通るか不安
- 自営業・フリーランス・転職直後で属性補足に自信がない
- 持病があり、団信で引っかかりそう
- 借入額が年収の7倍に近く、返済負担率がギリギリ
- 教育費・老後資金とのバランスで、いくらまで借りてよいか判断できない
- 共働きで、ペアローン/収入合算/単独のどれが最適か迷っている
IKIGAI TOWNでは、住宅ローン審査の「通し方」に特化した初回無料相談を実施しています。信用情報の見方・属性の改善ポイント・銀行選びの順番まで、プロFPが具体的にアドバイスします。断られてから相談に来る方も多いですが、申込前の3〜6ヶ月に相談いただくのが最も効果的です。
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