国民年金の免除制度
全額免除から猶予まで
所得に応じて全額免除〜1/4免除と猶予がある。免除期間も国庫負担分が年金額に反映される
老後資金を調べたあとに
老後のお金を調べたあと、安心して暮らし続けるために見る3つのこと
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相談者の声
老後資金を調べた人に近い相談者の声
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※相談内容をもとに個人が特定されない形で要約した例です。実際の提案内容は家計・制度・時期により異なります。
無料相談の流れ
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STEP1. 予約
希望日時を選んで、無料相談を予約します(Zoom30分から)。
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STEP2. 年金・資産・生活費の確認
年金見込額、退職金、貯蓄、住宅費、毎月の生活費を確認します。
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STEP3. 医療・介護・楽しみの予算を整理
不足額だけでなく、病気、介護、旅行や趣味に使える余白も見ます。
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STEP4. いつまで働くかと使ってよいお金を整理
働き方、取り崩し、保険、住み替えの順番を確認します。
相談を担当するFP
中尾 紀子 (なかお のりこ)
医療業界出身の視点から、公的制度を上手に活用した日常に寄り添う資産形成をご提案いたします。 年金・医療費・介護費・楽しみの予算を同じ年表で整理します。
目次(13セクション)
免除制度の概要|なぜ「未納」より「免除」が重要か
国民年金の保険料は2026年度で月額16,980円です。収入が少ない・失業した・災害に遭ったなどの事情で納付が困難な場合、申請により保険料の免除または猶予を受けられます。
免除制度の最大のポイントは、「払えないなら放置する(未納)」と「免除の手続きを取る」では将来の年金に大きな差がつくことです。
未納と免除の決定的な違い
- 未納:受給資格期間(10年)に算入されない。障害年金・遺族年金も受け取れなくなるリスクがある
- 免除:受給資格期間に算入される。さらに国庫負担分(1/2)が年金額に反映される
- 猶予:受給資格期間には算入されるが、年金額には反映されない(追納しなければゼロ)
免除を受けていれば、仮に追納しなくても全額免除で通常の半額の年金を受け取れます。未納のままでは1円も受け取れないうえ、受給資格期間が10年に届かなければ老齢基礎年金そのものが支給されません。「払えないなら、まず免除申請」が鉄則です。
4段階の保険料免除|全額免除・3/4免除・半額免除・1/4免除
国民年金の免除には4つの段階があり、所得に応じてどの区分が適用されるかが決まります。免除割合が大きいほど自己負担は減りますが、将来の年金額への反映も小さくなります。
| 免除区分 | 月額保険料(2026年度) | 自己負担額 | 年金額への反映率 |
|---|---|---|---|
| 全額免除 | 16,980円 → 0円 | 0円 | 1/2(国庫負担分のみ) |
| 3/4免除 | 16,980円 → 4,245円 | 4,245円 | 5/8 |
| 半額免除 | 16,980円 → 8,490円 | 8,490円 | 3/4 |
| 1/4免除 | 16,980円 → 12,735円 | 12,735円 | 7/8 |
一部免除の注意点
3/4免除・半額免除・1/4免除の場合、残りの自己負担分を納付しないとその期間は「未納」扱いになります。免除が承認されても、残額の納付を忘れないようにしましょう。
所得基準の計算方法|自分が該当するか確認する
免除の審査で使われる「所得」は、前年の所得(1月〜6月に申請する場合は前々年の所得)をもとに判定されます。審査対象は本人・世帯主・配偶者の3者全員の所得です(全員が基準以下であることが必要)。
免除区分ごとの所得基準(2026年度)
| 免除区分 | 所得基準の計算式 | 単身・扶養なしの目安 |
|---|---|---|
| 全額免除 | (扶養親族等の数+1)×35万円+32万円 | 67万円以下 |
| 3/4免除 | 88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 | 88万円以下 |
| 半額免除 | 128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 | 128万円以下 |
| 1/4免除 | 168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 | 168万円以下 |
ここでいう「所得」は収入(額面)ではなく、収入から給与所得控除や必要経費を差し引いた後の金額です。給与収入の場合、おおよそ以下が目安になります。
- 全額免除:給与収入で約122万円以下(単身)
- 3/4免除:給与収入で約143万円以下(単身)
- 半額免除:給与収入で約195万円以下(単身)
- 1/4免除:給与収入で約247万円以下(単身)
扶養親族がいる場合は基準が上がります。たとえば配偶者と子ども1人を扶養している場合、全額免除の所得基準は(2+1)×35万円+32万円=137万円以下です。
申請手続きと必要書類
免除・猶予の申請は住所地の市区町村役場(国民年金担当窓口)または年金事務所で行います。郵送やマイナポータルを使った電子申請も可能です。
申請の流れ
- 申請書(国民年金保険料免除・納付猶予申請書)を入手する(年金事務所・市区町村窓口・日本年金機構のWebサイトからダウンロード)
- 必要書類を添えて窓口に提出する(郵送可)
- 日本年金機構が前年所得をもとに審査(約2〜3か月)
- 結果が「国民年金保険料免除・納付猶予申請承認通知書」で届く
必要書類
- 基本:マイナンバーカードまたは基礎年金番号通知書(年金手帳)
- 失業の場合:雇用保険受給資格者証、雇用保険被保険者離職票、または雇用保険被保険者資格喪失確認通知書のいずれか
- 災害の場合:罹災証明書
- DV被害の場合:配偶者暴力相談支援センターまたは裁判所の証明書
申請期間と継続申請
申請は毎年度必要で、対象期間は7月〜翌年6月です。過去にさかのぼっての申請は2年1か月前まで可能です。全額免除または納付猶予が承認された場合、翌年度以降の「継続申請」を同時に届け出ておけば、毎年自動的に審査されます。
納付猶予制度との違い|50歳未満が対象
納付猶予制度は、50歳未満の第1号被保険者が利用できる制度です。免除と似ていますが、決定的な違いがあります。
| 比較項目 | 免除(全額〜1/4) | 納付猶予 |
|---|---|---|
| 対象年齢 | 制限なし | 50歳未満 |
| 審査対象の所得 | 本人・世帯主・配偶者 | 本人・配偶者のみ(世帯主は除く) |
| 受給資格期間 | 算入される | 算入される |
| 年金額への反映 | あり(国庫負担分) | なし(追納しなければゼロ) |
納付猶予は「世帯主の所得は問われない」のがメリットです。たとえば親と同居しており親の所得が高い場合、免除は通らなくても猶予なら通る可能性があります。ただし追納しなければ年金額に一切反映されない点に注意が必要です。
学生納付特例|20歳以上の学生が使える制度
20歳になると国民年金の加入義務が発生しますが、学生は一般に収入がありません。そこで設けられたのが学生納付特例制度です。
対象者と所得基準
- 対象:大学(大学院)・短大・高等専門学校・専修学校・各種学校など、日本年金機構が指定する学校に在学する学生
- 所得基準:本人の所得が128万円以下(給与収入で約198万円以下)
- 審査対象:本人の所得のみ(世帯主・配偶者の所得は問われない)
学生納付特例の特徴
- 受給資格期間には算入される
- 年金額には反映されない(追納しなければその期間の年金額はゼロ)
- 障害年金・遺族年金の受給要件は満たす
- 申請は毎年度必要(4月〜翌年3月が対象期間)
学生は追納すべき?
学生納付特例を受けた期間を追納しないと、その分だけ年金額が減ります。たとえば20歳から22歳までの2年間を追納しない場合、65歳からの年金額が年間約20,800円(月約1,730円)少なくなります。社会人になって余裕ができたら、早めの追納がお得です。
産前産後期間の免除|届出で保険料が全額免除
2019年4月から、第1号被保険者の産前産後期間(出産予定日または出産日が属する月の前月から4か月間)の国民年金保険料が全額免除される制度が始まりました。多胎妊娠の場合は出産予定月の3か月前から6か月間に拡大されます。
他の免除との違い
- 所得審査がない:収入に関係なく届出だけで免除される
- 年金額が満額に反映:国庫負担分だけでなく、全額が保険料納付済みとして扱われる。将来の年金額は減らない
- 届出が必要:自動適用ではなく、住所地の市区町村窓口への届出が必要
届出は出産予定日の6か月前から可能です。届出には母子健康手帳など出産予定日がわかる書類が必要です。出産後の届出も可能ですが、届出をしないと免除が適用されないため早めの手続きをおすすめします。
法定免除|障害年金受給者・生活保護受給者
以下に該当する場合、届出により保険料が法定免除(全額免除)になります。申請免除と異なり、所得審査は不要です。
- 障害基礎年金または障害厚生年金(1級・2級)を受給している人
- 生活保護法による生活扶助を受けている人
- 国立および国立以外のハンセン病療養所等に入所している人
法定免除の年金額への反映
法定免除も申請による全額免除と同様に、免除期間の年金額は通常の1/2が反映されます。年金額を満額に近づけたい場合は、法定免除期間中であっても「納付申出」を行うことで保険料を納付できます(2014年4月以降の期間)。
免除期間の年金額への反映|いくら減るのか
免除を受けた期間は将来の老齢基礎年金額に影響します。2026年度の老齢基礎年金の満額は年831,700円(月約69,308円)です。40年間すべて納付した場合にこの満額を受け取れます。
免除区分ごとの年金額への影響(1年あたり)
| 免除区分 | 反映率 | 1年あたりの年金額 | 満額との差(年額) |
|---|---|---|---|
| 納付済み | 1/1 | 約20,793円 | — |
| 全額免除 | 1/2 | 約10,396円 | ▲約10,396円 |
| 3/4免除 | 5/8 | 約12,996円 | ▲約7,797円 |
| 半額免除 | 3/4 | 約15,595円 | ▲約5,198円 |
| 1/4免除 | 7/8 | 約18,194円 | ▲約2,599円 |
| 未納 | 0 | 0円 | ▲約20,793円 |
たとえば全額免除を5年間受けた場合、満額と比べて年間約51,980円(月約4,332円)の減額になります。65歳から85歳まで20年間受給すると、累計で約104万円の差です。
追納の方法と損益分岐|何年で元が取れるか
免除・猶予された保険料は、承認を受けた月から10年以内であれば追納が可能です。追納により、免除期間の年金額を本来の満額に近づけられます。
追納の手続き
- 年金事務所に「国民年金保険料追納申込書」を提出する
- 日本年金機構から専用の納付書が届く
- 納付書で金融機関・コンビニ等で支払う(口座振替やクレジットカードは不可)
加算額に注意
免除を受けた翌年度および翌々年度中に追納する場合は当時の保険料額で追納できます。しかし3年度目以降に追納する場合は、経過期間に応じた加算額が上乗せされます。加算額は年度ごとに異なりますが、おおむね年1〜2%程度です。
損益分岐点の試算
全額免除1年分を追納した場合の損益を試算します。
- 追納額:約203,760円(2026年度の保険料16,980円×12か月)
- 年金増加額:年間約10,396円(全額免除→納付済みの差額)
- 損益分岐:203,760円÷10,396円=約19.6年
65歳から受給を開始した場合、約85歳で元が取れる計算です。平均寿命(男性約81歳・女性約87歳)を考えると、女性は追納が有利になりやすく、男性はやや微妙なラインです。ただし追納額は社会保険料控除として所得税・住民税の節税にもなるため、実質的な損益分岐はもう少し早まります。
免除と未納の違い|将来へのインパクトを比較
「払えないならどちらも同じ」と思われがちですが、免除と未納では将来の年金に大きな違いがあります。
| 比較項目 | 免除(全額免除の場合) | 未納 |
|---|---|---|
| 受給資格期間(10年) | 算入される | 算入されない |
| 老齢基礎年金額 | 1/2が反映される | 反映されない(ゼロ) |
| 障害年金 | 受給要件を満たす | 受給要件を満たさないリスク |
| 遺族年金 | 受給要件を満たす | 受給要件を満たさないリスク |
| 追納 | 10年以内に可能 | 2年以内しか後納不可 |
とくに重要なのが障害年金です。障害年金は初診日の前日において、被保険者期間の2/3以上が保険料納付済みまたは免除期間であることが要件です。未納期間が長いと、事故や病気で障害を負ったときに障害年金を受け取れない可能性があります。免除の申請は「将来の年金額」だけでなく「万一の保障」を守る意味もあるのです。
失業・災害時の特例免除
通常の免除審査は前年所得で判定されますが、失業・倒産・災害などで急に収入が途絶えた場合は特例が適用されます。
失業等による特例免除
離職・事業の廃止・休止があった場合、本人の所得をゼロとして審査されます(配偶者・世帯主の所得は通常どおり審査)。失業した年度の翌々年度の6月まで申請可能です。
- 必要書類:雇用保険受給資格者証・離職票・健康保険資格喪失証明書のいずれか
- 自己都合退職でも適用される
- 会社都合退職・倒産の場合も同様
災害による特例免除
震災・風水害・火災その他これらに類する災害により、住宅・家財等の財産について被害金額がその価格のおおむね1/2以上の場合、特例免除の対象になります。罹災証明書を添えて申請します。
DV被害者の特例
配偶者からの暴力(DV)により配偶者と住居が異なる場合、配偶者の所得を除外して審査を受けられます。配偶者暴力相談支援センターや裁判所の証明書が必要です。
よくある質問(FAQ)
- Q. 国民年金の免除と未納はどう違いますか?
- A. 免除期間は年金の受給資格期間に算入され、全額免除でも国庫負担分(1/2)が年金額に反映されます。一方、未納期間は受給資格期間に含まれず、年金額にも反映されません。また未納のままだと障害年金・遺族年金を受け取れないリスクがあります。
- Q. 免除申請に必要な書類は何ですか?
- A. 基本はマイナンバーカードまたは基礎年金番号通知書です。失業による申請では雇用保険受給資格者証または離職票、災害の場合は罹災証明書が必要です。配偶者がいる場合は配偶者のマイナンバーも求められます。
- Q. 免除を受けると将来の年金はどのくらい減りますか?
- A. 全額免除で通常の1/2、3/4免除で5/8、半額免除で3/4、1/4免除で7/8が年金額に反映されます。2026年度の満額(年831,700円)を基準にすると、全額免除1年あたり約10,400円の減額です。追納すれば満額に戻せます。
- Q. 学生納付特例と一般の免除制度の違いは?
- A. 学生納付特例は20歳以上の学生が対象で、本人の所得のみで審査されます(世帯主・配偶者の所得は問われません)。ただし免除と異なり年金額への反映はなく、追納しなければその期間の年金額はゼロです。
- Q. 追納はいつまでにすればよいですか?
- A. 免除・猶予を受けた月から10年以内に追納できます。ただし3年度目以降の追納には加算額が上乗せされるため、経済的に余裕ができたら早めの追納が有利です。
- Q. 産前産後期間の免除は届出が必要ですか?
- A. はい。出産予定日の6か月前から届出が可能です。届出先は住所地の市区町村役場で、母子健康手帳など出産予定日がわかる書類が必要です。届出をしないと免除が適用されません。
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本ページの制度概要・要件・税率は、以下の公式情報を編集部が確認のうえ整理しています(執筆時点)。最新かつ正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。FPは記事を直接監修してはおらず、関連テーマでご相談を受けるFPとしてご紹介しています。
最終確認日:2026-05-15
※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・金額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。
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