国民年金

国民年金まとめ
保険料・満額・免除・受給額

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国民年金は20〜60歳の全国民が加入する基礎年金。2026年度の保険料は月17,510円、40年満額で年831,700円(月約69,308円)

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目次(12セクション+FAQ)
  1. 国民年金の全体像|制度の目的と歴史
  2. 被保険者の3種類|第1号・第2号・第3号
  3. 保険料と納付方法|2026年度は月17,510円
  4. 免除・猶予制度|払えないときの正しい対処
  5. 老齢基礎年金の計算|満額と受給額の求め方
  6. 繰上げ受給・繰下げ受給|損益分岐点は何歳?
  7. 障害基礎年金|受給要件と年金額
  8. 遺族基礎年金|受給要件と年金額
  9. 任意加入と追納|未納期間を埋める方法
  10. 付加年金・国民年金基金|上乗せで老後を厚くする
  11. 年金手帳からマイナンバーへ|届出・手続きの変化
  12. よくある質問(FAQ)

国民年金の全体像|制度の目的と歴史

国民年金(基礎年金)は、20歳以上60歳未満のすべての日本居住者が加入する公的年金制度です。1961年(昭和36年)の「国民皆年金」の実現により、自営業者・農業者・学生など、それまで公的年金の対象外だった人々も年金制度に加わりました。

国民年金は次の3つのリスクに対する給付を行います。

  • 老齢:65歳から受け取る「老齢基礎年金」
  • 障害:病気やケガで障害が残った場合の「障害基礎年金」
  • 死亡:被保険者が亡くなった場合の「遺族基礎年金」

国民年金の基本情報(2026年度)

  • 保険料:月17,510円(定額)
  • 満額受給額:年831,700円(月約69,308円)── 40年間納付した場合
  • 受給開始:原則65歳(繰上げ60歳〜、繰下げ〜75歳)
  • 受給資格期間:保険料納付済期間+免除期間+合算対象期間が10年以上
  • 根拠法:国民年金法(昭和34年法律第141号)

厚生年金は国民年金の「2階部分」にあたり、会社員・公務員は厚生年金に加入することで自動的に国民年金(基礎年金)にも加入した扱いになります。一方、自営業・フリーランスは国民年金のみが公的年金となるため、付加年金や国民年金基金などの上乗せ対策が重要です。

被保険者の3種類|第1号・第2号・第3号

国民年金の被保険者は、職業や働き方によって3つの種別に分かれます。種別ごとに保険料の負担方法が異なります。

種別対象者保険料の負担届出先
第1号被保険者自営業・フリーランス・学生・無職自分で納付(月17,510円)市区町村役場
第2号被保険者会社員・公務員(厚生年金加入者)厚生年金保険料に含まれる(労使折半)勤務先が届出
第3号被保険者第2号の被扶養配偶者(年収130万円未満)個人負担なし(配偶者の厚生年金制度が負担)配偶者の勤務先経由

種別変更が必要になるケース

ライフイベントに応じて被保険者の種別は変わります。届出を忘れると未納期間が発生し、将来の年金額に直結するため注意が必要です。

  • 退職:第2号 → 第1号(退職日の翌日から14日以内に市区町村で手続き)
  • 結婚・扶養に入る:第1号 → 第3号(配偶者の勤務先経由で届出)
  • 配偶者の退職・離婚:第3号 → 第1号(市区町村で手続き)
  • 収入増加で扶養を外れる:第3号 → 第1号(年収130万円以上になった場合)

保険料と納付方法|2026年度は月17,510円

国民年金の保険料は所得に関係なく定額です。2026年度(令和8年度)の保険料は月17,510円。年額に換算すると210,120円です。

前納による割引

まとめて前払い(前納)すると割引が適用されます。口座振替のほうがクレジットカード・現金納付より割引額が大きくなります。

納付方法割引額(年間目安)実質月額
毎月納付(翌月末振替)なし17,510円
口座振替・早割(当月末振替)約600円約17,460円
6ヶ月前納(口座振替)約1,160円約17,413円
1年前納(口座振替)約4,270円約17,154円
2年前納(口座振替)約16,100円/2年約16,839円

2年前納の口座振替なら約16,100円(月あたり約670円)の割引です。詳しくは国民年金保険料をご覧ください。

納付方法の選択肢

  • 口座振替:最も割引が大きい。早割・前納の組み合わせが可能
  • クレジットカード:ポイント還元と前納割引を両取りできる場合がある
  • 納付書(コンビニ・金融機関):割引なし。届いた納付書で支払い
  • スマホアプリ(PayPay・au PAY等):2023年度から対応。バーコード付き納付書が必要

保険料は全額が社会保険料控除の対象です。確定申告・年末調整で所得から差し引けるため、所得税・住民税が軽減されます。家族の分を代わりに支払った場合も、支払った本人の控除に使えます。

免除・猶予制度|払えないときの正しい対処

経済的に保険料の納付が困難な場合は、未納のまま放置せず必ず免除・猶予を申請しましょう。免除・猶予制度を利用すれば、受給資格期間にカウントされ、年金額にも一部反映されます。

制度保険料負担年金額への反映受給資格期間
全額免除0円1/2(国庫負担分のみ)カウントされる
3/4免除1/4を納付5/8カウントされる
半額免除1/2を納付6/8カウントされる
1/4免除3/4を納付7/8カウントされる
学生納付特例猶予(0円)反映なし(追納すれば反映)カウントされる
納付猶予(50歳未満)猶予(0円)反映なし(追納すれば反映)カウントされる
未納0円反映なしカウントされない

未納と免除は全く異なります。免除は受給資格期間にカウントされ、障害基礎年金や遺族基礎年金の受給要件にも影響します。一方、未納は何も反映されず、さらに督促・差押えの対象にもなり得ます。

免除の所得基準(目安)

  • 全額免除:前年所得が「(扶養親族の数+1)×35万円+32万円」以下
  • 一部免除:所得に応じて段階的に判定
  • 学生納付特例:本人の所得が128万円+扶養親族等控除額以下
  • 納付猶予:本人・配偶者の所得が全額免除の基準以下(世帯主の所得は問わない)

申請は市区町村の国民年金窓口または年金事務所で行います。7月〜翌年6月が1サイクルで、毎年の申請が必要です(継続審査の届出をしている場合は不要)。

老齢基礎年金の計算|満額と受給額の求め方

老齢基礎年金は、保険料を納付した月数に応じて受給額が決まります。2026年度の満額は年831,700円(月約69,308円)です。

老齢基礎年金の計算式

年金額 = 831,700円 ×(保険料納付月数 + 免除月数 × 免除割合に応じた反映率)÷ 480月

計算例

例えば、納付380月+全額免除24月の場合:

  • 全額免除の反映率 = 1/2
  • 年金額 = 831,700円 ×(380 + 24 × 0.5)÷ 480 = 831,700円 × 392 ÷ 480 ≒ 約679,221円(月約56,602円)

未納期間が長いほど受給額は減ります。40年(480月)すべて納付して初めて満額になるため、未納期間をできるだけ作らないことが老後の安心につながります。

受給資格期間の10年ルール

老齢基礎年金を受け取るには、保険料納付済期間+免除期間+合算対象期間(カラ期間)が合計10年以上必要です。2017年8月の法改正で、それまでの25年から10年に短縮されました。ただし、期間が短いと受給額は少なくなります。

繰上げ受給・繰下げ受給|損益分岐点は何歳?

老齢基礎年金は原則65歳から受給しますが、60〜64歳に繰り上げたり、66〜75歳に繰り下げたりできます。

受給開始年齢増減率満額の場合の年額(目安)
60歳(5年繰上げ)−24.0%約632,092円
62歳(3年繰上げ)−14.4%約711,534円
65歳(原則)±0%831,700円
67歳(2年繰下げ)+16.8%約971,426円
70歳(5年繰下げ)+42.0%約1,181,014円
75歳(10年繰下げ)+84.0%約1,530,328円

繰上げの注意点

  • 減額率は1月あたり0.4%(2022年4月以降の請求者)。一度繰り上げると生涯減額のまま
  • 繰上げ中に障害を負っても、原則として障害基礎年金を請求できない
  • 遺族年金との併給調整が発生する

繰下げの注意点

  • 増額率は1月あたり0.7%。最大75歳まで繰り下げると84%増
  • 繰下げ待機中に亡くなった場合、遺族は65歳時点の年金額で未受給分を請求可能
  • 繰下げすると加給年金・振替加算が支給停止になる点に注意
  • 年金額が増えると所得税・住民税・社会保険料も上がるため、手取りベースでの試算が重要

繰上げ・繰下げどちらが得かは何歳まで生きるか(損益分岐点)で決まります。繰下げ70歳開始の場合、損益分岐点はおおむね81〜82歳。平均寿命を考えると繰下げが有利な人は多いですが、健康状態・他の収入源・税負担を含めた判断が必要です。詳しくは年金繰下げ・繰上げ受給のメリット・デメリットをご覧ください。

障害基礎年金|受給要件と年金額

国民年金の加入期間中(または20歳前、もしくは60〜65歳の国内居住期間中)に初診日がある病気やケガで、障害等級1級または2級に該当した場合に支給されます。

受給要件

  • 初診日要件:初診日に国民年金の被保険者であること(または被保険者であった60〜65歳で日本国内居住)
  • 保険料納付要件:初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間+免除期間が2/3以上。または直近1年間に未納がないこと(特例)
  • 障害認定日要件:初診日から1年6ヶ月後(障害認定日)に障害等級1級または2級に該当

年金額(2026年度)

等級年金額(年額)子の加算
1級1,039,625円(2級の1.25倍)1人目・2人目:各234,800円
3人目以降:各78,300円
2級831,700円(老齢基礎年金の満額と同額)同上

障害基礎年金は非課税です。また、所得制限は20歳前傷病の場合のみ適用され、保険料を自分で納めていた期間の障害には所得制限はありません。

遺族基礎年金|受給要件と年金額

国民年金の被保険者(または被保険者であった人で老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上の人)が亡くなった場合、「子のある配偶者」または「子」に支給されます。

受給要件

  • 亡くなった人の保険料納付済期間+免除期間が被保険者期間の2/3以上(または直近1年間に未納がないこと)
  • 「子」とは:18歳到達年度末(高校卒業時)までの子、または障害等級1級・2級の20歳未満の子

年金額(2026年度)

受給者基本額(年額)加算
子のある配偶者831,700円1人目・2人目の子:各234,800円
3人目以降の子:各78,300円
子(配偶者がいない場合)831,700円を子の数で按分2人目:234,800円
3人目以降:78,300円

遺族基礎年金は子のない配偶者には支給されません。ただし、第1号被保険者の独自給付として「寡婦年金」や「死亡一時金」の制度があります。

  • 寡婦年金:夫が老齢基礎年金を受けずに亡くなった場合、妻に60〜65歳の間、夫の老齢基礎年金額の3/4を支給
  • 死亡一時金:保険料を3年以上納付した人が年金を受けずに亡くなった場合、遺族に12万〜32万円を一時金として支給

任意加入と追納|未納期間を埋める方法

任意加入制度

60歳時点で満額(480月)に達していない場合、60〜65歳の5年間は任意加入して保険料を納付し、受給額を増やすことができます。

  • 日本国内に住所がある60〜65歳の人
  • 海外在住の日本国籍保有者(20〜65歳)
  • 受給資格期間が足りない65〜70歳の人(1965年4月1日以前生まれの特例)

任意加入中も付加年金を併せて納付できるため、受給額の上乗せ効果が高まります。

追納制度

免除・猶予を受けた期間は、10年以内であれば後から保険料を追納できます。追納すれば、その期間は保険料納付済期間として扱われ、年金額に全額反映されます。

  • 追納は古い月から順に行う必要がある
  • 免除・猶予を受けた年度の翌年度から起算して3年度目以降の追納には加算額(利息相当)が上乗せされる
  • 追納した保険料は全額社会保険料控除の対象

詳しくは国民年金の追納をご覧ください。

付加年金・国民年金基金|上乗せで老後を厚くする

第1号被保険者(自営業・フリーランスなど)が老後資金を上乗せする方法は複数あります。

付加年金

毎月の保険料に400円を上乗せするだけで、受給額が年「200円×納付月数」増加します。

  • 20年(240月)付加保険料を納付した場合:年額 200円 × 240月 = 48,000円/年の上乗せ
  • 付加保険料の総額:400円 × 240月 = 96,000円 → 2年で元が取れる計算
  • 国民年金基金に加入すると付加年金には加入できない(選択制)

詳しくは付加年金とはをご覧ください。

国民年金基金

第1号被保険者が加入できる公的な上乗せ年金制度です。掛金は月68,000円まで全額所得控除。受け取り方(終身型・確定型)と口数を自分で設計できます。

  • 掛金は年齢・性別・給付タイプによって異なる
  • iDeCoとの合計で月68,000円が上限
  • 一度加入すると原則として途中で脱退できない

詳しくは国民年金基金をご覧ください。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

自分で掛金を拠出し、投資信託や定期預金などで運用する制度です。掛金全額所得控除+運用益非課税+受取時の税優遇という3つの税メリットがあります。第1号被保険者は月68,000円(国民年金基金との合計)まで拠出可能です。詳しくはiDeCo(確定拠出年金)とはをご覧ください。

年金手帳からマイナンバーへ|届出・手続きの変化

2022年4月以降、従来の「年金手帳」に代わり「基礎年金番号通知書」が発行されるようになりました。既に発行されている年金手帳(青色・オレンジ色)は引き続き基礎年金番号を確認する書類として使えます。

マイナンバーと年金手続き

  • 年金事務所での届出・申請にはマイナンバーまたは基礎年金番号のどちらでも使える
  • 「ねんきんネット」でマイナンバーカードを使った本人認証が可能に
  • 住所変更届や死亡届がマイナンバーで自動連携されるケースが増えている

ねんきん定期便・ねんきんネットの活用

毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」で、納付状況と見込み年金額を確認できます。35歳・45歳・59歳の節目には、全加入期間の詳細が記載された封書が届きます。

  • ねんきんネット:24時間いつでも自分の年金記録を確認可能。将来の受給見込額の試算も可能
  • 年金記録の確認:転職や結婚で記録が統合されていないケースがある。「もれ」や「誤り」は年金事務所で訂正を申し出る

よくある質問(FAQ)

国民年金を40年払って満額でも月約6.9万円。それだけで生活できますか?
国民年金だけでは生活費を賄うのは困難です。総務省の家計調査では、高齢単身世帯の平均支出は月約15万円程度。自営業の方は付加年金国民年金基金iDeCo・小規模企業共済等を組み合わせた上乗せ対策が重要です。老後の収支全体を見通すには老後資金の計算をご覧ください。
国民年金を払わないとどうなりますか?
未納が続くと将来の年金額が減るだけでなく、障害基礎年金や遺族基礎年金の受給資格も失われます。さらに、所得や財産があるのに納付しない場合は強制徴収(差押え)の対象になります。払えない場合は必ず免除・猶予制度を申請しましょう。
学生のときに払っていなかった期間は、後から納められますか?
学生納付特例を申請していた期間は、10年以内であれば追納できます。追納すれば保険料納付済期間として扱われ、年金額に全額反映されます。ただし、免除・猶予を受けた翌年度から3年度目以降は加算額(利息相当)が上乗せされるため、早めの追納がお得です。
繰下げ受給はいつまで待てますか?何歳からが得ですか?
2022年4月以降、最大75歳まで繰り下げが可能になりました(従来は70歳まで)。75歳まで繰り下げると84%増額です。損益分岐点は繰下げ年数や税・社会保険料の影響によりますが、70歳開始なら概ね81〜82歳が目安。平均寿命(男性約81歳・女性約87歳)を考慮して判断しましょう。
第3号被保険者の廃止が議論されていますが、どうなりますか?
社会保障審議会の年金部会等で、第3号被保険者制度の見直しが長年議論されています。2025年の年金制度改正では廃止には至っていませんが、今後段階的に縮小・見直しされる可能性があります。制度変更があった場合の影響を事前に把握しておくことが大切です。
海外に住んでいても国民年金に入れますか?
日本国籍を持つ海外居住者は、20歳以上65歳未満であれば任意加入が可能です。加入しない期間は「合算対象期間(カラ期間)」として受給資格期間にはカウントされますが、年金額には反映されません。将来の年金額を確保したい場合は任意加入をおすすめします。届出は最後に住んでいた市区町村、または協力機関を通じて行います。

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最終確認日:2026-05-15

※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・金額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。

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