障害年金

障害年金がもらえる条件
3つの受給要件を解説

老後資金と使ってよいお金を逆算して家計を整える場面
年金額だけでなく、医療費、楽しみ、使ってよいお金の余白まで確認します。

障害年金の受給には①初診日に年金加入 ②保険料納付要件を満たす ③障害等級に該当の3条件が必要

記事の答えを確認した次に

申請できるか分からない。まず何を確認すればいい?

決めるタイミング: 初診日、家族の死亡、支援の通知など、申請のきっかけになる出来事があったとき。

相談で繰り返される本音

  • 対象かどうかだけでも早く知りたい
  • 書類が足りず、何度も窓口へ行くのは避けたい
  • 受け取れない場合の生活費も先に考えておきたい

初回で口頭整理できること

初回は、起きた出来事、手元の記録、公式窓口へ確認する質問を口頭で整理します。

その次に分けること

公式機関の確認結果をもとに、申請準備と家計への影響を分けて考えます。

初回の範囲: 受給可否の判定、診断書等の作成、申請代行、金融商品の見積り・申込みは初回に行いません。

初回で最初の確認事項を聞く

初回は口頭で整理します。資料がなくても、分かる範囲から始められます

相談前のFAQ

資料がそろっていなくても相談できますか?

はい。初回は、いま分かる範囲から迷いと確認順を整理します。通知書、通帳、財産や家計のメモなどが手元にあれば、分かる範囲だけご用意ください。

初回で何を持ち帰れますか?

いま決めること、まだ決めなくてよいこと、次に確認する数字や窓口を口頭で整理して持ち帰れます。初回当日の資料完成は約束していません。

初回に商品や契約の話がありますか?

初回は迷いと数字の整理に使います。金融商品の見積り、申込み、契約変更は初回の範囲に含みません。

目次(13セクション)
  1. 障害年金の受給条件|3つの要件
  2. 要件①:初診日要件
  3. 要件②:保険料納付要件
  4. 要件③:障害等級要件
  5. 障害基礎年金と障害厚生年金の違い
  6. 障害年金の受給額|等級別の年額・月額
  7. 障害認定日と請求のタイミング
  8. 事後重症請求について
  9. 20歳前傷病による障害基礎年金
  10. 障害年金の対象となる傷病の例
  11. 申請前の自己チェックリスト
  12. 障害年金を受給しながら働けるか
  13. よくある質問

障害年金の受給条件|3つの要件

障害年金を受給するには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。

要件内容確認先
①初診日要件初診日に国民年金または厚生年金の被保険者であること年金事務所・医療機関
②保険料納付要件保険料を一定以上納付(または免除)していること年金事務所・ねんきんネット
③障害等級要件障害認定日に障害等級1〜3級に該当すること主治医の診断書・年金機構の審査

3つすべてを満たさなければ受給できません。以下でそれぞれの要件を詳しく解説します。

要件①:初診日要件

障害の原因となった病気やケガで初めて医療機関を受診した日(初診日)が、以下のいずれかの期間中であること。

  • 国民年金の被保険者期間中
  • 厚生年金の被保険者期間中
  • 国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の方で、日本国内に住所がある期間中

初診日は「その傷病について初めて医師の診療を受けた日」であり、紹介元の医療機関の受診日が初診日になるケースが多いです。同一傷病で転医している場合は、最初に受診した医療機関の日付が初診日となります。

初診日の証明方法

  • 最も確実:初診の医療機関の受診状況等証明書
  • カルテが廃棄されている場合:診察券・紹介状・健康診断の記録・薬の処方記録等で第三者証明
  • 5年以上前のカルテが残っていない場合でも、複数の間接証拠で認められるケースあり
  • 健康診断で異常を指摘された日は初診日にならない(医療機関を受診した日が初診日)

初診日の証明が難しいケース

  • 医療機関が廃院:後継の医療機関、市区町村の医療機関台帳、健康保険組合のレセプト記録を探す
  • カルテの保存期限(5年)経過:お薬手帳、診察券の日付印、紹介状のコピー、入院記録を活用
  • 第三者証明:当時の状況を知る2名以上(家族を除く隣人・同僚・友人など)の申立書で証明

要件②:保険料納付要件

初診日の前日時点で、以下のいずれかを満たすこと。

原則要件特例要件(2026年3月まで)
初診日の月の前々月までの加入期間のうち、保険料納付済期間+免除期間が全体の2/3以上 初診日の月の前々月までの直近1年間に未納がない

20歳前に初診日がある場合は、保険料納付要件は問われません(20歳前傷病による障害基礎年金)。

免除・猶予期間のカウント方法

保険料の全額免除・一部免除・納付猶予・学生納付特例を受けていた期間は、納付要件の判定上は「未納」にはなりません。ただし、年金額への反映率は納付状況によって異なります。

免除の種類納付要件での扱い年金額への反映
全額免除納付済期間に算入1/2として反映
3/4免除(1/4納付)納付済期間に算入5/8として反映
半額免除(1/2納付)納付済期間に算入3/4として反映
1/4免除(3/4納付)納付済期間に算入7/8として反映
学生納付特例・納付猶予納付済期間に算入反映なし(追納すれば反映)

要件③:障害等級要件

障害認定日(初診日から1年6ヶ月後、またはそれ以前に症状固定した日)に、障害等級1〜3級に該当すること。

等級状態の目安受給できる年金
1級他人の介助がなければ日常生活がほぼ不可能障害基礎年金+障害厚生年金
2級日常生活に著しい制限がある(家庭内の簡単な活動程度)障害基礎年金+障害厚生年金
3級労働に著しい制限がある障害厚生年金のみ

障害等級は身体障害者手帳の等級とは異なる独自の基準で判定されます。手帳の等級が低くても、障害年金では上位等級に認定される場合があります。

また、3級に該当しない程度の障害でも、厚生年金加入中の初診日の場合は障害手当金(一時金)が支給される場合があります。

障害基礎年金と障害厚生年金の違い

初診日にどの年金制度に加入していたかによって、受給できる年金の種類が変わります。

比較項目障害基礎年金障害厚生年金
加入制度国民年金厚生年金
対象等級1級・2級のみ1級・2級・3級+障害手当金
年金額の計算定額(等級による)報酬比例(加入期間・給与による)
子の加算あり(18歳年度末まで)なし(基礎年金側で加算)
配偶者加給なし1級・2級のみあり
最低保障額あり(定額のため)あり(3級に最低保障額)

厚生年金に加入していた方は、障害厚生年金に加えて障害基礎年金も受給できる(1級・2級の場合)ため、受給額が手厚くなります。

障害年金の受給額|等級別の年額・月額

2026年度(令和8年度)の障害基礎年金の年金額は以下のとおりです(昭和31年4月2日以降生まれの場合)。

等級年額月額(概算)
1級1,017,125円(816,000円×1.25)約84,760円
2級816,000円約68,000円

子の加算額

障害基礎年金の受給権者に生計を維持されている子がいる場合、加算があります。

子の人数加算額(年額)
1人目・2人目(各)234,800円
3人目以降(各)78,300円

「子」とは18歳になった年度末(3月31日)までの子、または20歳未満で障害等級1級・2級の子です。

障害厚生年金の計算

障害厚生年金は報酬比例で計算されるため、加入期間や給与額によって金額が異なります。加入月数が300月(25年)未満の場合は300月とみなして計算されます(最低保障)。

  • 1級:報酬比例の年金額×1.25 + 配偶者加給年金額
  • 2級:報酬比例の年金額 + 配偶者加給年金額
  • 3級:報酬比例の年金額(最低保障額 612,000円)
  • 障害手当金:報酬比例の年金額×2(最低保障額 1,224,000円)※一時金

障害認定日と請求のタイミング

障害年金の請求方法には主に2つのパターンがあります。

認定日請求(本来請求)

障害認定日に等級に該当していた場合に行う請求です。障害認定日は原則として初診日から1年6ヶ月後ですが、以下のように例外があります。

傷病の状態認定日の特例
人工透析を開始透析開始日から3ヶ月経過日
人工骨頭・人工関節を挿入置換挿入置換日
心臓ペースメーカー・ICD装着装着日
人工肛門造設・尿路変更術造設・手術日から6ヶ月経過日
喉頭全摘出全摘出日
四肢の切断・離断切断・離断日(障害が確定した日)
在宅酸素療法を開始開始日

認定日請求では、障害認定日から1年以内に請求すれば認定日の翌月分から遡って受給できます。1年以上経過してから請求する場合は遡及請求(最大5年分)が可能です。

事後重症請求との比較

比較項目認定日請求事後重症請求
請求時期障害認定日以降いつでも65歳の誕生日の前々日まで
遡及最大5年分なし(請求日の翌月から)
診断書障害認定日から3ヶ月以内の診断書請求日前3ヶ月以内の現症の診断書

事後重症請求について

障害認定日には等級に該当しなかったが、その後悪化して等級に該当した場合、「事後重症請求」ができます。

  • 請求日の翌月分から支給(遡及なし)
  • 65歳の誕生日の前々日までに請求が必要
  • 現在の診断書を提出

事後重症請求の注意点

  • 遡及がないため、請求が遅れるほど受給開始が遅れる(早めの請求が有利)
  • 65歳以降は原則として事後重症請求ができない
  • 認定日請求と事後重症請求を同時に提出することも可能(認定日請求が不支給でも事後重症で認められるケースあり)
  • 「初めて2級以上」に該当した場合の特例(基準障害による請求)もある

20歳前傷病による障害基礎年金

20歳前(年金制度に加入する前)に初診日がある場合は、保険料納付要件が問われない特別な制度があります。先天性の疾患や、幼少期の事故・病気による障害が該当します。

20歳前傷病の特徴

項目通常の障害基礎年金20歳前傷病
保険料納付要件必要不要
所得制限なしあり
認定日初診日から1年6ヶ月後20歳の誕生日前日(初診日から1年6ヶ月後が20歳以降の場合はその日)
支給開始認定日の翌月20歳に達した月の翌月

所得制限の基準

20歳前傷病による障害基礎年金には所得制限があります。本人の前年所得(扶養親族の人数で変動)が一定額を超えると、年金の全額または半額が支給停止になります。

  • 全額停止:所得が約472万円を超える場合(扶養0人のとき)
  • 半額停止:所得が約370万円を超える場合(扶養0人のとき)
  • 扶養親族1人につき約38万円が上限に加算される

障害年金の対象となる傷病の例

障害年金は特定の傷病名に限定されていません。日常生活や労働に制限がある状態であれば、幅広い傷病が対象になります。

分類主な対象傷病
精神障害うつ病、双極性障害、統合失調症、発達障害(ASD・ADHD)、知的障害、てんかん、高次脳機能障害
肢体の障害脳梗塞・脳出血後の片麻痺、脊髄損傷、関節リウマチ、変形性股関節症、人工関節、切断
内部障害心疾患(心筋梗塞・弁膜症・ペースメーカー)、腎疾患(人工透析)、肝疾患、呼吸器疾患、糖尿病の合併症
眼の障害視力障害、視野障害、網膜色素変性症、緑内障
聴覚の障害感音性難聴、突発性難聴、人工内耳
がん悪性新生物による機能障害、抗がん剤の副作用による全身衰弱
その他HIV感染症、慢性疲労症候群、線維筋痛症、化学物質過敏症

傷病名だけで受給の可否が決まるわけではなく、日常生活や労働への支障の程度が審査の中心になります。

申請前の自己チェックリスト

障害年金の申請を検討する方は、以下のチェックリストで受給の可能性を確認してみましょう。

受給要件チェックリスト

  • ☐ 初診日がいつか把握している(または調べる手段がある)
  • ☐ 初診日に国民年金または厚生年金に加入していた
  • ☐ ねんきんネット等で保険料の納付状況を確認した
  • ☐ 保険料の納付要件(2/3以上、または直近1年間未納なし)を満たしている
  • ☐ 初診日から1年6ヶ月以上経過している(または認定日の特例に該当する)
  • ☐ 日常生活または就労に著しい制限がある
  • ☐ 主治医に障害年金の診断書作成について相談した

申請に必要な主な書類

書類取得先備考
年金請求書年金事務所・市区町村窓口基礎年金は市区町村、厚生年金は年金事務所
診断書主治医障害の種類によって様式が異なる(8種類)
受診状況等証明書初診の医療機関初診と診断書作成が別の医療機関の場合に必要
病歴・就労状況等申立書本人が作成発病から現在までの経過を時系列で記載
戸籍謄本・住民票市区町村窓口加算対象の配偶者・子がいる場合
所得証明書市区町村窓口加算対象者の収入確認用

障害年金を受給しながら働けるか

障害年金は働いていても受給できます。「働いているから障害年金はもらえない」は誤解です。ただし、就労状況は審査に影響する場合があります。

等級別の就労との関係

等級就労との関係
1級就労は想定されていないが、ごく軽微な作業は可能。働いていても受給できる
2級就労は著しく制限。障害者雇用・短時間勤務・在宅ワークなどで働きながら受給しているケースは多い
3級就労は可能だが著しい制限がある。フルタイム勤務でも受給できるケースがある

就労と審査のポイント

  • 精神障害・知的障害では、就労状況が審査に影響しやすい(特に一般企業でフルタイム勤務の場合)
  • 身体障害や内部障害では、就労していても等級に該当すれば受給できるケースが多い
  • 障害者雇用(合理的配慮あり)で働いている場合は、その旨を申立書に明記する
  • 就労収入と障害年金は併給可能(所得制限があるのは20歳前傷病のみ)

よくある質問

未納期間があると障害年金はもらえませんか?
必ずしもそうではありません。特例要件(直近1年間に未納なし)を満たしていれば受給できます。また、免除期間は納付済とカウントされます。まずは年金事務所で加入記録を確認しましょう。
初診日が不明な場合はどうすればいいですか?
健康診断の結果、お薬手帳、診察券の日付、第三者(家族・友人を除く同僚・隣人等)の申立書など、複数の証拠を組み合わせて証明できるケースがあります。年金事務所や社労士に相談することをお勧めします。
障害年金と老齢年金は同時に受け取れますか?
65歳以降は障害基礎年金と老齢厚生年金の併給が可能です。ただし、障害厚生年金と老齢厚生年金はどちらか一方の選択となります。年金事務所で有利な組み合わせを試算してもらいましょう。
障害年金を受給すると税金はかかりますか?
障害年金は所得税・住民税ともに非課税です。確定申告の必要もありません。ただし、障害年金以外に給与所得等がある場合は、それらの所得に対しては通常どおり課税されます。
精神疾患(うつ病・発達障害など)でも障害年金はもらえますか?
精神疾患も障害年金の対象です。うつ病・双極性障害・統合失調症・発達障害・知的障害などで、日常生活や就労に著しい制限がある場合、障害等級に該当すれば受給できます。精神の障害用の診断書(様式第120号の4)で申請します。
障害年金の申請にはどのくらいの期間がかかりますか?
書類の準備に1〜3ヶ月、年金機構の審査に約3ヶ月が目安です。合計で4〜6ヶ月程度かかることが一般的です。初診日証明に時間がかかるケースではさらに長期化することもあります。早めの準備を心がけましょう。

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最終確認日:2026-05-15

※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・金額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。

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