障害年金

障害年金の申請方法
必要書類と手続きの流れ

老後資金と使ってよいお金を逆算して家計を整える場面
年金額だけでなく、医療費、楽しみ、使ってよいお金の余白まで確認します。

障害年金の申請は年金事務所で「年金請求書」を提出。診断書・病歴就労状況等申立書が必要

記事の答えを確認した次に

申請できるか分からない。まず何を確認すればいい?

決めるタイミング: 初診日、家族の死亡、支援の通知など、申請のきっかけになる出来事があったとき。

相談で繰り返される本音

  • 対象かどうかだけでも早く知りたい
  • 書類が足りず、何度も窓口へ行くのは避けたい
  • 受け取れない場合の生活費も先に考えておきたい

初回で口頭整理できること

初回は、起きた出来事、手元の記録、公式窓口へ確認する質問を口頭で整理します。

その次に分けること

公式機関の確認結果をもとに、申請準備と家計への影響を分けて考えます。

初回の範囲: 受給可否の判定、診断書等の作成、申請代行、金融商品の見積り・申込みは初回に行いません。

初回で最初の確認事項を聞く

初回は口頭で整理します。資料がなくても、分かる範囲から始められます

相談前のFAQ

資料がそろっていなくても相談できますか?

はい。初回は、いま分かる範囲から迷いと確認順を整理します。通知書、通帳、財産や家計のメモなどが手元にあれば、分かる範囲だけご用意ください。

初回で何を持ち帰れますか?

いま決めること、まだ決めなくてよいこと、次に確認する数字や窓口を口頭で整理して持ち帰れます。初回当日の資料完成は約束していません。

初回に商品や契約の話がありますか?

初回は迷いと数字の整理に使います。金融商品の見積り、申込み、契約変更は初回の範囲に含みません。

目次(12セクション)
  1. 障害年金とは|制度の全体像
  2. 1級・2級・3級の違い|等級別の認定基準と年金額
  3. 初診日の重要性|なぜ初診日が申請の鍵になるのか
  4. 保険料納付要件|申請前に必ず確認すべき条件
  5. 申請から受給までの流れ|6ステップ完全ガイド
  6. 診断書の取得方法|医師への依頼と記載のポイント
  7. 病歴・就労状況等申立書の書き方|審査を左右する自己申告書類
  8. 必要書類チェックリスト|提出前の最終確認
  9. 不支給決定への審査請求|納得できない結果への対処法
  10. 更新手続き(障害状態確認届)|等級維持のために知っておくこと
  11. 併給調整と他制度との関係|障害年金と他の年金・手当の組み合わせ
  12. よくある質問(FAQ)

障害年金とは|制度の全体像

障害年金は、病気やケガによって生活や仕事に支障が出た場合に、現役世代でも受給できる公的年金です。「年金=老後にもらうもの」というイメージが強いですが、障害年金は20代・30代でも受給対象になります。

障害年金の2つの種類

障害年金には障害基礎年金と障害厚生年金の2種類があります。どちらが適用されるかは、初診日にどの年金制度に加入していたかで決まります。

項目障害基礎年金障害厚生年金
対象者初診日に国民年金に加入(自営業・学生・主婦等)初診日に厚生年金に加入(会社員・公務員等)
等級1級・2級1級・2級・3級+障害手当金
年金額(2026年度)1級:約102万円
2級:約82万円
報酬比例の年金額に基づく
(3級の最低保障額:約62万円)
子の加算あり(18歳年度末まで)なし(ただし配偶者加給年金あり)
請求先市区町村役場年金事務所

厚生年金加入中に初診日がある場合は、障害基礎年金と障害厚生年金の両方が支給されます(1級・2級の場合)。3級は障害厚生年金のみの支給です。

障害年金の対象となる傷病

障害年金の対象は身体障害だけではありません。以下のような幅広い傷病が対象です。

  • 精神障害:うつ病、双極性障害、統合失調症、発達障害(ASD・ADHD)、知的障害、てんかん
  • 内部障害:心疾患、腎疾患(人工透析)、肝疾患、糖尿病(合併症)、がん(悪性新生物)、HIV
  • 肢体の障害:脳血管障害後遺症、脊髄損傷、関節リウマチ、人工関節
  • 眼の障害:視力低下、視野狭窄
  • 聴覚・言語の障害:難聴、失語症
  • 呼吸器の障害:喘息、COPD、間質性肺炎

なお、人工透析を受けている場合は原則2級、人工関節を挿入した場合は原則3級というように、一定の状態で等級が決まるケースもあります。

1級・2級・3級の違い|等級別の認定基準と年金額

障害年金の等級は、日常生活や就労にどの程度の制限があるかで判定されます。障害者手帳の等級とは別の基準で審査されるため、手帳の等級と年金の等級が異なることは珍しくありません。

等級ごとの認定基準

等級日常生活の状態具体的な目安
1級他人の介助がなければ日常生活がほぼ不可能身の回りのことはかろうじてできるが、活動範囲がベッド周辺に限られる。入院・在宅介護レベル
2級日常生活に著しい制限がある家庭内で軽い活動はできるが、外出にはつきそいが必要。就労は困難
3級労働に著しい制限がある日常生活はおおむね送れるが、フルタイム就労や以前と同等の仕事は困難。障害厚生年金のみ
障害手当金障害が軽度で固定3級に該当しないが一定の障害が残った場合。一時金で支給(障害厚生年金のみ)

等級別の年金額(2026年度)

障害基礎年金の額は定額で、以下のとおりです。障害厚生年金は報酬比例部分(在職時の給与・賞与と加入期間で計算)のため個人差があります。

等級障害基礎年金(年額)障害厚生年金加算
1級約102万円(月額約8.5万円)報酬比例額×1.25子の加算+配偶者加給
2級約82万円(月額約6.8万円)報酬比例額×1.0子の加算+配偶者加給
3級なし報酬比例額×1.0(最低保障:約62万円)なし

子の加算額(2026年度)

  • 第1子・第2子:各 約23万円(年額)
  • 第3子以降:各 約7.7万円(年額)
  • 対象:18歳到達年度末までの子、または20歳未満で障害等級1級・2級の子

精神障害の等級判定で重視されるポイント

精神障害(うつ病・双極性障害・統合失調症・発達障害等)の等級判定は、「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」に基づきます。診断書の「日常生活能力の判定」(7項目)と「日常生活能力の程度」(5段階)の組み合わせで等級の目安が決まります。

たとえば日常生活能力の判定の平均が3.0以上で、日常生活能力の程度が(4)であれば、2級の目安となります。ただし、就労状況・療養状況・生活環境など総合的に判断されるため、目安どおりにならないケースもあります。

初診日の重要性|なぜ初診日が申請の鍵になるのか

障害年金の申請において、初診日は最も重要な要素のひとつです。初診日とは、障害の原因となった傷病について初めて医師の診療を受けた日です。初診日によって以下の3点が決まります。

  1. どの年金制度で請求するか:初診日に加入していた年金制度(国民年金 or 厚生年金)で障害基礎年金か障害厚生年金かが決まる
  2. 保険料納付要件の判定基準日:初診日の前日時点の納付状況で判定される
  3. 障害認定日:初診日から1年6ヶ月後が障害認定日(この日の障害状態で等級が判定される)

初診日の証明方法

初診の医療機関に「受診状況等証明書」を依頼するのが原則です。しかし、初診から長期間が経過している場合、カルテが廃棄されていることがあります(医療法上のカルテ保存義務は5年間)。

カルテがない場合の初診日証明(間接証拠の例)

  • 診察券(受診日の記載があるもの)
  • 紹介状のコピー
  • お薬手帳・処方箋のコピー
  • 健康保険の給付記録(レセプト開示請求)
  • 障害者手帳の申請時の診断書コピー
  • 生命保険の給付申請時の診断書コピー
  • 第三者証明書(当時の状況を知る2名以上の証言)
  • 日記・ブログ等の記録

初診日が特定できない場合のリスク

初診日が証明できないと、申請自体が受理されません。特に以下のケースは初診日の特定が困難になりがちです。

  • 発達障害:幼少期の受診記録が残っていない
  • 精神疾患:複数の病名を転々としている(最初の傷病と因果関係があるかが争点に)
  • 慢性疾患:「いつから症状があったか」が曖昧

初診日の証明が困難なケースでは、社会保険労務士(社労士)に依頼することで、適切な間接証拠の収集や「受診状況等証明書が添付できない申立書」の作成をサポートしてもらえます。

保険料納付要件|申請前に必ず確認すべき条件

障害年金を受給するには、初診日の前日時点で保険料納付要件を満たしている必要があります。初診日の後に保険料を納めても、要件は満たせません。

2つの納付要件(いずれか一方を満たせばOK)

要件内容具体例
原則要件初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間+免除期間が全体の3分の2以上加入期間120ヶ月のうち、80ヶ月以上が納付済み+免除済み
特例要件初診日の属する月の前々月までの直近1年間に未納がない(2026年3月末まで延長中)2026年1月が初診日なら、2024年11月〜2025年10月に未納なし

注意:20歳前障害の特例

初診日が20歳前にある場合は、保険料納付要件は問われません。ただし、本人の所得制限(2人世帯で年収約518万円以上で半額停止、約620万円以上で全額停止)があります。

学生時代の未納が影響するケース

大学生や専門学校生は「学生納付特例制度」を利用していれば、その期間は免除期間として扱われます。しかし、特例の届出をしていなかった場合は「未納」扱いとなり、在学中に初診日がある傷病の障害年金を受給できない可能性があります。

年金事務所で納付記録を確認し、もし免除申請をしていなかった期間がある場合は、初診日との関係を慎重に検討する必要があります。

申請から受給までの流れ|6ステップ完全ガイド

障害年金の申請(請求)は、以下の6ステップで進めます。全体の所要期間は、書類準備に1〜3ヶ月、審査に2〜3ヶ月で、合計3〜6ヶ月が目安です。

ステップ1:初診日を特定し証明書を取得

障害の原因となった病気やケガで初めて医療機関を受診した日を特定します。転院している場合、最初に受診した医療機関が初診です。

  • 初診の医療機関に「受診状況等証明書」を依頼(費用:3,000〜5,000円程度)
  • カルテが廃棄されている場合は、間接証拠を収集して「受診状況等証明書が添付できない申立書」を作成
  • 初診の医療機関と現在の医療機関が同じ場合は、受診状況等証明書は不要

ステップ2:年金事務所で事前相談

最寄りの年金事務所に電話で予約のうえ来所し、以下を確認します。

  • 初診日時点の保険料納付要件を満たしているか
  • 障害基礎年金・障害厚生年金のどちらに該当するか
  • 必要な書類の種類と取得先
  • 請求方法(認定日請求 or 事後重症請求)の確認

この段階で受給可能性の見通しが立ちます。年金事務所では書類一式も受け取れます。

ステップ3:診断書を主治医に依頼

主治医に障害年金用の診断書(年金機構所定の様式)を依頼します。詳細は次のセクション(診断書の取得方法)で解説します。

ステップ4:病歴・就労状況等申立書を作成

発症から現在までの経緯を時系列で記載する自己申告書類です。詳細は病歴・就労状況等申立書の書き方で解説します。

ステップ5:年金事務所に書類を提出

必要書類を揃えて年金事務所(障害基礎年金のみの場合は市区町村役場でも可)に提出します。書類に不備がなければ受理され、受付控えが交付されます。

ステップ6:審査・決定・支給開始

提出から約2〜3ヶ月(精神障害は3ヶ月前後かかることが多い)で、日本年金機構から結果が通知されます。

  • 支給決定の場合:年金証書と決定通知書が届き、請求月の翌月分から支給開始。初回の振込は決定から約1〜2ヶ月後
  • 不支給決定の場合:不支給決定通知書が届く。審査請求が可能(審査請求の詳細)

認定日請求と事後重症請求の違い

  • 認定日請求:障害認定日(初診日から1年6ヶ月後)に障害状態にあったことを証明して請求。最大5年分の遡及支給が可能
  • 事後重症請求:障害認定日には軽かったが、その後悪化した場合に請求。遡及支給はなく、請求月の翌月分からの支給

診断書の取得方法|医師への依頼と記載のポイント

診断書は障害年金の審査で最も重視される書類です。医師が記載する書類ですが、患者側の情報提供が審査結果を左右します。

診断書の種類(8種類)

障害の部位・種類によって使用する診断書の様式が異なります。

様式番号対象となる障害
様式第120号の1眼の障害
様式第120号の2聴覚・鼻腔機能・平衡機能・そしゃく・嚥下・言語機能の障害
様式第120号の3肢体の障害
様式第120号の4精神の障害
様式第120号の5呼吸器疾患の障害
様式第120号の6-1循環器疾患の障害
様式第120号の6-2腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害
様式第120号の7血液・造血器・その他の障害

医師に診断書を依頼するときのポイント

障害年金の診断書は、通常の診断書と異なり、日常生活能力や就労能力に関する詳細な記載が求められます。短い診察時間では医師に伝わらない情報があるため、事前にメモを作成して渡すことが重要です。

医師に渡すメモに書くべき内容

  • 一日の過ごし方(起床・食事・入浴・外出の状況)
  • 自分でできないこと、介助が必要なこと
  • 服薬の状況と副作用
  • 通院の頻度と移動手段
  • 就労している場合:勤務時間・配慮事項・休職歴
  • 家事ができる範囲(料理・掃除・洗濯・買い物)
  • コミュニケーションの困難さ
  • 症状が悪化する場面・頻度

診断書の費用と注意点

  • 診断書作成費は1通あたり5,000〜10,000円程度(医療機関による・保険適用外)
  • 認定日請求の場合、認定日時点の診断書と現在の診断書の2通が必要になることがある
  • 作成に2〜4週間かかるのが一般的。余裕をもって依頼する
  • 完成した診断書は提出前に必ずコピーを取っておく(審査請求時に必要になることがある)

病歴・就労状況等申立書の書き方|審査を左右する自己申告書類

病歴・就労状況等申立書は、発症から現在までの経過を請求者本人(または家族・代理人)が記載する書類です。診断書が医師から見た障害状態であるのに対し、申立書は本人の生活実態を伝える唯一の書類です。

記載の基本ルール

  • 発症から現在までを3〜5年ごとの期間に区切って記載(精神障害の場合、受診していない期間も含む)
  • 各期間ごとに、通院先・頻度・治療内容・日常生活の状況・就労状況を記載
  • 医療機関を変更した場合は、その時期で期間を区切る
  • 診断書の内容と矛盾しないように記載する(日付・病名・症状の程度など)

効果的な書き方のコツ

審査員に伝わる申立書の書き方

  • 具体的なエピソードで書く:「家事ができない」ではなく「食器を洗おうとしても手が震えて落としてしまう。週に2〜3回割っている」
  • 頻度・回数を入れる:「よく休む」ではなく「月に5〜6日は起き上がれず終日臥床している」
  • 「できること」も正直に書く:調子の良い日に短時間だけ散歩できる程度なら、そのまま書く。できることを隠すと不信感を招く
  • 家族の介助内容を具体的に:「家族が食事を用意している」「入浴は声掛けがないとできない」
  • 就労していても受給できることを理解したうえで、就労上の配慮事項(時短勤務・単純作業のみ・常時見守りなど)を記載

やってはいけない書き方

  • 過度に症状を誇張する(診断書と矛盾すると不信感を招く)
  • すべての期間を「同上」で済ませる(症状の変化・治療経過がわからない)
  • 空白期間を作る(受診していない期間も「自宅で療養していた」等を記載)
  • 2〜3行の極端に短い記載(審査側の判断材料が不足する)

必要書類チェックリスト|提出前の最終確認

障害年金の申請に必要な書類は多岐にわたります。書類不備による差し戻しで審査が遅れないよう、以下のチェックリストで最終確認をしてください。

全員が必要な書類

書類名入手先費用の目安備考
年金請求書年金事務所・市区町村役場無料様式は障害基礎/厚生で異なる
診断書主治医(医療機関)5,000〜10,000円/通障害の種類に応じた様式
病歴・就労状況等申立書年金事務所で様式入手、本人記載無料発症から現在まで時系列で
基礎年金番号通知書または年金手帳本人保管—マイナンバーで代替可
戸籍謄本または抄本本籍地の市区町村450円加算対象の配偶者・子がいる場合
世帯全員の住民票住所地の市区町村300円マイナンバー記載不要
預金口座の通帳コピー本人—本人名義の口座
マイナンバーカードまたは通知カード本人—本人確認書類としても使用

場合によって必要な書類

書類名必要なケース
受診状況等証明書初診の医療機関と現在の医療機関が異なる場合
受診状況等証明書が添付できない申立書初診の医療機関のカルテが廃棄されている場合
配偶者の収入を確認できる書類配偶者加給年金を請求する場合
子の在学証明書18歳到達年度末の子がいる場合
障害認定日時点の診断書認定日請求(遡及請求)をする場合
第三者証明書初診日の証明が困難な場合の補助資料

提出前の最終チェックポイント

  • 診断書の日付が3ヶ月以内か(古いと無効になることがある)
  • 診断書と申立書で病名・初診日・症状の記載に矛盾がないか
  • 戸籍謄本・住民票の発行日が6ヶ月以内か
  • 年金請求書の記入漏れ(印鑑・口座番号・マイナンバー)がないか
  • すべての書類のコピーを手元に保管しているか

不支給決定への審査請求|納得できない結果への対処法

障害年金の申請が「不支給」または「想定より低い等級」で決定された場合でも、不服申立て(審査請求)の道があります。実際に審査請求で決定が覆るケースも少なくありません。

不服申立ての3段階

段階申立て先期限審理期間の目安
1. 審査請求地方厚生局の社会保険審査官決定を知った日の翌日から3ヶ月以内2〜4ヶ月
2. 再審査請求社会保険審査会(厚生労働省内)審査請求の決定書送付から2ヶ月以内半年〜1年
3. 行政訴訟裁判所再審査請求の裁決から6ヶ月以内1〜2年

審査請求が認められやすいケース

  • 診断書の記載内容と決定等級に明らかな乖離がある
  • 診断書の一部が審査で見落とされている(記載項目の読み飛ばし)
  • 新たな医学的証拠(追加の診断書・意見書)を提出できる
  • ガイドラインの等級目安と決定等級が合致しない

額改定請求という選択肢

審査請求とは別に、現在の障害状態が悪化した場合は額改定請求ができます。受給権発生日または前回の審査から1年を経過した後に請求可能です。新しい診断書を取得して、現在の障害状態が上位等級に該当することを証明します。

更新手続き(障害状態確認届)|等級維持のために知っておくこと

障害年金は一度認定されても、多くの場合有期認定(1〜5年ごとに更新審査あり)です。更新時期が近づくと日本年金機構から「障害状態確認届」(診断書用紙)が届きます。

更新の流れ

  1. 誕生月の3ヶ月前に障害状態確認届(診断書用紙)が届く
  2. 主治医に診断書を記載してもらう
  3. 誕生月の末日までに日本年金機構に提出(郵送可)
  4. 審査結果が通知される(現等級維持 / 等級変更 / 支給停止)

更新審査で等級が下がるリスクへの対策

更新時の診断書で気をつけること

  • 初回申請時と同じ医師に依頼するのが望ましい(医師が変わると評価基準が変わる可能性)
  • 「調子の良い日」の状態ではなく、平均的な状態・悪い日の状態も含めて伝える
  • 就労している場合、職場の配慮事項(短時間勤務・業務限定・常時見守り等)を具体的に伝える
  • 前回の診断書のコピーを医師に見せて、大幅な記載変更がないか確認してもらう
  • 提出前に診断書のコピーを取り、内容を確認する

永久認定の場合

四肢切断・人工透析・失明など、障害の状態が固定している場合は永久認定となり、更新手続きは不要です。年金証書に「次回診断書提出年月」が記載されていなければ永久認定です。

併給調整と他制度との関係|障害年金と他の年金・手当の組み合わせ

障害年金を受給しながら、他の公的給付も受けられるのか。併給の可否は制度によって異なります。

併給の可否一覧

他の制度障害年金との併給備考
老齢基礎年金選択(どちらか一方)65歳以降は障害基礎+老齢厚生の組み合わせが可能
老齢厚生年金65歳以降に併給可障害基礎年金+老齢厚生年金の組み合わせが有利なケースが多い
遺族年金65歳以降に併給可障害基礎年金+遺族厚生年金の組み合わせ
傷病手当金調整あり障害厚生年金が支給される場合、傷病手当金は差額のみ支給
労災の障害補償年金併給可(調整あり)労災側が減額される(障害年金は全額支給)
特別障害者手当併給可20歳以上で重度の障害がある在宅者。月額約2.8万円
生活保護併給可(調整あり)障害年金は収入認定されるが、障害者加算がつくことで総額が増える場合あり
障害者手帳の各種割引併給可別制度のため影響なし

65歳以降の年金選択シミュレーション

65歳以降は、以下の3つの組み合わせから最も有利なものを選択できます。

  1. 障害基礎年金+障害厚生年金
  2. 障害基礎年金+老齢厚生年金(報酬比例部分が大きい場合に有利)
  3. 老齢基礎年金+老齢厚生年金

特に、厚生年金の加入期間が長く報酬比例部分が多い方は、2番目の「障害基礎年金+老齢厚生年金」が最も受給額が大きくなるケースがあります。年金事務所やFPに試算してもらうことをおすすめします。

障害年金と税金・社会保険料

  • 所得税・住民税:障害年金は非課税(確定申告の必要なし)
  • 国民健康保険料:障害年金は収入に算入されないため、保険料計算に影響しない
  • 国民年金保険料:障害基礎年金1級・2級の受給者は法定免除(届出により保険料免除)
  • 障害者控除:障害年金の受給者は所得税の障害者控除(27万円)または特別障害者控除(40万円)が適用される

よくある質問(FAQ)

障害年金は遡及してもらえますか?
障害認定日(初診日から1年6ヶ月後)時点で障害状態にあったことを証明できれば、認定日請求(遡及請求)が可能です。最大5年分の遡及支給を受けられます。ただし、認定日時点の診断書が必要です。5年を超えた分は時効により受給できません。認定日が10年以上前の場合でも、認定日当時のカルテが残っていれば診断書を作成してもらえる可能性があります。
障害年金を受給しながら働くことはできますか?
障害年金は原則として就労していても受給できます。身体障害の場合、就労の有無は等級判定に直接影響しません。精神障害・知的障害の場合は就労状況が審査で考慮されますが、就労=不支給ではありません。短時間勤務・配慮あり・単純作業のみ等の就労状況を診断書と申立書に正確に記載することが重要です。障害者雇用で一般企業に勤務しながら2級を受給しているケースも多数あります。
初診日の医療機関が廃院している場合はどうすればよいですか?
まず、カルテが後継の医療機関に引き継がれていないか確認します。地域の医師会や保健所に問い合わせると情報が得られることがあります。カルテが見つからない場合は、診察券・お薬手帳・紹介状・健康保険の給付記録(レセプト開示請求)・生命保険の給付申請時の診断書・第三者証明書など、複数の間接証拠を組み合わせて初診日を証明します。証拠が乏しい場合は社労士への相談をおすすめします。
障害年金の更新(障害状態確認届)で等級が下がることはありますか?
更新時の診断書の内容次第で、等級が下がる(減額改定)または支給停止になる可能性はあります。特に精神障害の場合、就労状況の変化や症状の軽減が診断書に反映されると等級が下がることがあります。対策としては、日常生活の困難さを具体的に医師に伝えること、前回の診断書を医師に見せること、調子の悪い日の状態も正確に伝えることが重要です。等級が下がった場合は、額改定請求や審査請求で争うことも可能です。
障害年金と障害者手帳の等級は連動していますか?
障害年金と障害者手帳(身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳)は別制度であり、等級は連動しません。判定基準・審査機関・根拠法令がそれぞれ異なります。たとえば精神障害者保健福祉手帳3級でも障害年金2級が認定されるケースや、手帳を持っていなくても障害年金を受給できるケースがあります。手帳の有無や等級にかかわらず、障害年金の申請は検討する価値があります。

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最終確認日:2026-05-15

※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・金額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。

本相談は年金事務所・自治体・勤務先の手続きや受給額の確定を代行するものではありません。