相続・贈与

110万円贈与は廃止されていない
7年持ち戻しの2024〜2031年移行【2026】

相続税と納税資金を家族で確認しもめない準備を進める場面
税額だけでなく、納税資金、家族の分け方、親の意思を早めに整理します。

2026年時点で、暦年贈与の110万円基礎控除そのものが廃止されたわけではありません。大きく変わったのは、相続前贈与の加算期間が3年から7年へ段階的に延びたことと、相続時精算課税にも年110万円の基礎控除ができたことです。

相続・贈与は、税額だけでなく家族関係、住まい、老後資金までつながるテーマです。まずは全体像を整理してから動きましょう。

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目次(5セクション)
  1. 結論早見表|110万円贈与は廃止ではなく、暦年課税の使い方が変わった
  2. 110万円贈与は廃止された?
  3. 何がいつから変わったか
  4. これからの使い方
  5. よくある質問

結論早見表|110万円贈与は廃止ではなく、暦年課税の使い方が変わった

2026年時点で、暦年課税の基礎控除110万円は廃止されていません。ただし、相続開始前の贈与を相続財産に加算する期間が段階的に7年へ延びたため、相続税対策としての使い方は変わっています。

知りたいこと2026年時点の答え実務で見るポイント
110万円贈与は廃止?廃止されていません。暦年課税の基礎控除は年110万円です110万円以下でも相続前加算の対象になることがある
いつから変わった?2024年1月1日以後の贈与から改正後ルールを確認します相続開始時期により、加算される年数は段階的に広がる
7年持ち戻しとは?相続開始前の一定期間内の暦年課税贈与を相続財産に加算する仕組みです延長された4年間分は総額100万円の控除があります
相続時精算課税はどう変わった?相続時精算課税にも年110万円の基礎控除が設けられています一度選ぶと同じ贈与者からの贈与は暦年課税に戻れない点に注意
申告期限は?贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までが原則です贈与契約書、入金記録、通帳、使途を残す

出典:国税庁「相続税及び贈与税の税制改正のあらまし」「贈与財産の加算と税額控除」「相続時精算課税の選択」をもとに編集部整理

2024年以後の贈与|持ち戻し期間の見方

7年持ち戻しは一気に全員へ7年分が戻るという意味ではなく、相続開始時期に応じて段階的に広がります。実務では「何年に贈与したか」と「いつ相続が起きたか」を並べて確認します。

確認する時期見るポイント実務メモ
2024年以後の贈与改正後ルールの対象になり得る贈与契約書と入金記録を必ず残す
相続開始前3年以内従来どおり加算対象になりやすい110万円以下でも相続税側で確認
延長された4年間段階的に加算期間が広がる合計100万円控除の扱いを確認
相続人以外への贈与持ち戻し対象になるかを個別確認孫・子の配偶者・教育資金などは目的と証拠を分ける

毎年110万円を渡すだけでは、家族間の公平感や名義預金リスクは解決しません。贈与契約書、誰に渡すか、いつ使うか、相続人以外への贈与も含めて、相続全体で設計します。

110万円贈与は廃止された?

結論から言うと、暦年贈与の基礎控除110万円は2026年時点で残っています。ただし、「相続税対策として毎年110万円を渡せば安心」という時代ではなくなりました。

2024年以後の贈与から、相続開始前の加算期間が段階的に7年へ延長されています。相続直前の贈与は、相続税計算上戻される可能性が高まっています。

何がいつから変わったか

従来は相続開始前3年以内の贈与が相続財産に加算されていました。改正後は2024年1月1日以後の贈与について、加算期間が段階的に7年へ伸びます。延長された4年間分については、合計100万円を控除する経過的な扱いがあります。

同時に、相続時精算課税制度にも年110万円の基礎控除が新設され、制度選択の考え方が変わりました。

これからの使い方

110万円贈与は、早期に始める、相続人以外への贈与も検討する、教育資金や住宅資金の制度と組み合わせる、家族間の公平感を残す、という発想が必要です。

廃止という言葉だけで焦って動くのではなく、相続税・贈与税・遺産分割をまとめて設計しましょう。

よくある質問

110万円贈与は廃止されましたか?

2026年時点で暦年贈与の110万円基礎控除そのものは廃止されていません。

何が変わったのですか?

相続前贈与の加算期間が3年から7年へ段階的に延長されました。

毎年110万円贈与は意味がないですか?

意味がなくなったわけではありませんが、相続時期や相手、制度選択を含めた設計が重要です。

相続を調べたあとに

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相続税対策の基礎4本セット

相続税の整理は「基礎控除 → 非課税枠 → 贈与での前倒し」の3層で考えると全体像が掴めます。本記事と合わせて読んでおきたい関連解説です。

よくある質問(追補)

「110万円贈与は廃止される」と聞いたけど本当はどうなのですか?

110万円贈与は廃止されていません。暦年贈与の年間110万円の基礎控除は2024年改正後も維持されています。「廃止される」という噂は、2023年税制改正で「相続前の持ち戻し期間が3年→7年に段階的に延長された」ことが「実質廃止」と誤って広まったものです。つまり「贈与しても相続発生前7年以内なら相続財産に戻して計算する」というルールが強化されただけで、110万円贈与そのものは引き続き有効です。

7年持ち戻しはいつから完全移行ですか?

段階的移行のスケジュールは:

  • 2023年12月31日以前の贈与 → 3年持ち戻し(旧ルール)
  • 2024年1月1日以降の贈与 → 4〜7年に段階拡大
  • 2031年1月1日以降の相続 → 完全に7年持ち戻し適用
段階期間中は「2024年贈与+2027年相続」のように贈与年と相続年の組み合わせで持ち戻し期間が変わります。なお4〜7年前の贈与は合計100万円までは持ち戻し対象から除外される緩和策があります。

暦年贈与と相続時精算課税はどちらが得ですか?

状況によって変わります。判断軸:①毎年コツコツ110万円ずつ贈与したい・受贈者が複数 → 暦年贈与が有利(受贈者ごとに110万円枠)。②2,500万円の大型贈与を一度にしたい・収益不動産を贈与して将来の値上がり分を相続財産から外したい → 相続時精算課税が有利。③相続時精算課税にも2024年から年110万円の基礎控除が追加され、その範囲内なら持ち戻しなしで贈与可能(暦年贈与の7年持ち戻しが不要)。一度相続時精算課税を選ぶと暦年贈与に戻れないので、慎重に判断してください。

110万円を超えて贈与したらどうなりますか?

超過分に贈与税がかかります。一般贈与(兄弟・配偶者・他人間)と特例贈与(直系尊属から18歳以上の子・孫へ)で税率が異なります。例:父から子へ200万円贈与→課税対象90万円→特例贈与税率10%=9万円。父から子へ500万円贈与→課税対象390万円→特例贈与税率15%(控除10万)=48.5万円。国税庁 No.4408に税率表があります。ただし住宅取得資金贈与や教育資金一括贈与など個別の非課税制度を併用すれば、より多く贈与できます。

持ち戻しの対象になる人・対象外の人の違いは?

持ち戻しの対象は「相続または遺贈で財産を取得した人」に限られます。具体的には:

  • 対象 → 配偶者、子(法定相続人)、遺言で遺贈を受けた人
  • 対象外 → 法定相続人ではなく、遺贈も受けていない人
つまり、孫(子が健在で代襲相続人でない場合)に毎年110万円ずつ贈与しても、孫が遺言で何も受けなければ持ち戻しの対象外=7年内贈与でも非課税です。これが「孫贈与」が相続税対策で重視される理由です。ただし孫を生命保険の受取人にしたり遺言で何かを遺贈すると対象になるので注意してください。

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本ページは、以下の公式情報を編集部が確認のうえ、一般向けに要点を整理しています。最新かつ正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。FPは記事を直接監修してはおらず、関連テーマでご相談を受けるFPとしてご紹介しています。

最終確認日:

※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・司法書士・弁護士・FPなど専門家にご相談ください。

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