相続・贈与

相続税の改正史<br>基礎控除の縮小・生前贈与・タワマン評価の変遷【2026】

相続の手続きと税金・財産の整理を家族で確認し、もめない準備を進める場面
相続の手続きと対策の確認を、家族が揉めない準備と将来資金の判断につなげます。

相続税は毎年のように改正される。2015年に基礎控除が約4割縮小し課税対象が約2倍に。

目次(5セクション)
  1. なぜ相続税は変わり続けるのか
  2. 2015年:基礎控除の大幅縮小(課税対象が約2倍に)
  3. 2024年〜:生前贈与のルール変更
  4. 2024年:タワーマンション評価の見直し
  5. よくある質問(FAQ)

なぜ相続税は変わり続けるのか

相続税は、毎年12月の税制改正大綱と翌春の改正法で見直される分野です。格差是正・資産移転の促進・課税の公平といった政策目的に合わせて、基礎控除・贈与のルール・評価方法が頻繁に調整されてきました。だからこそ、「数年前に調べた知識」のままだと前提がズレている可能性があります。以下、主要な変遷を時系列で見ていきます。

2015年:基礎控除の大幅縮小(課税対象が約2倍に)

最大の転換点が2015年(平成27年)の基礎控除縮小です。

時期基礎控除
〜2014年5,000万円+1,000万円×法定相続人
2015年〜(現行)3,000万円+600万円×法定相続人

相続人が配偶者と子2人なら、基礎控除は8,000万円→4,800万円へ。これにより相続税の課税対象者が全国でおよそ2倍に拡大し、「相続税は資産家だけのもの」ではなくなりました。基礎控除の詳細は相続税の基礎控除を参照してください。

2024年〜:生前贈与のルール変更

2024年からは生前贈与のルールが大きく動いています。

  • 暦年贈与の持ち戻し期間延長:相続開始前の贈与を相続財産に加算する期間が、従来の3年から順次7年へ延長(2024年贈与分から段階的に)。直前の駆け込み贈与が効きにくくなりました。
  • 相続時精算課税に年110万円の基礎控除を新設:これまで使いにくかった相続時精算課税が、年110万円までは贈与税も相続財産加算もなしで使える、より実用的な制度になりました。

どちらが有利かは資産規模と年齢で変わります。生前贈与の基本は生前贈与とはで解説しています。

2024年:タワーマンション評価の見直し

市場価格と相続税評価額の乖離が大きいタワーマンションを使った行き過ぎた節税に対し、2022年の最高裁判決を経て、2024年から評価方法が見直されました。市場価格との乖離率に応じて評価額を補正する仕組みが導入され、過度な圧縮は難しくなっています。不動産を使った対策はアパート・収益不動産による相続税対策で、効く仕組みと否認リスクの両面を解説しています。今後も毎年の改正が続くため、大きな対策の前には最新の制度を確認してください。

よくある質問(FAQ)

2015年の相続税改正で何が変わりましたか?
基礎控除が「5,000万円+1,000万円×法定相続人」から「3,000万円+600万円×法定相続人」へ約4割縮小されました。これにより相続税の課税対象者が全国でおよそ2倍に拡大し、相続税が身近なものになりました。
生前贈与の「7年持ち戻し」とは何ですか?
相続開始前の一定期間内に行われた暦年贈与を相続財産に加算するルールで、従来の3年から2024年の贈与分以降、段階的に7年へ延長されています。相続直前の駆け込み贈与の効果が薄れるため、生前贈与は早く始めるほど有利です。
相続時精算課税はどう変わりましたか?
2024年から年110万円の基礎控除が新設され、年110万円までは贈与税も相続財産への加算もなしで使えるようになりました。これまで使いにくかった制度が、暦年贈与と並ぶ実用的な選択肢になりました。どちらが有利かは資産規模と年齢で変わります。
タワーマンション節税はもうできないのですか?
2024年の評価見直しで、市場価格と相続税評価額の乖離が大きいタワーマンションは乖離率に応じて評価が補正されるようになり、過度な圧縮は難しくなりました。評価減自体がゼロになるわけではありませんが、行き過ぎた節税目的の購入は慎重に判断すべきです。
昔調べた相続対策のままで大丈夫ですか?
危険です。基礎控除・贈与のルール・不動産評価は数年で変わっており、過去の前提のままだと使える特例を取り逃したり、廃止・縮小された手法を当てにしたりする恐れがあります。大きな対策の前には必ず最新の制度を確認しましょう。

相続を調べたあとに

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最終確認日:2026年6月23日

※本記事は2026年6月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。