税金・節税

住民税の給与天引き(特別徴収)
6月〜翌5月の仕組みと金額

記事の一般例と自分の通知書・申告内容が違う場合は、手続きを進める前に公式窓口へ確認します。

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住民税の給与天引き(特別徴収)の仕組み。

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目次(7セクション)
  1. 給与天引きの仕組み
  2. 6月だけ高い理由
  3. 年収別の月額天引き額の目安
  4. 転職・退職時の切り替え
  5. 住民税が引かれていない場合
  6. 特別徴収と普通徴収の違い
  7. FPに相談すべきケース

給与天引きの仕組み

住民税の給与天引きは「特別徴収」と呼ばれ、会社(事業主)が従業員に代わって住民税を毎月の給与から差し引き、自治体に納付する仕組みです。毎年5月頃に自治体から会社へ「特別徴収税額決定通知書」が届き、そこに記載された月割額が6月の給与から翌年5月の給与まで12回に分けて天引きされます。

特別徴収は原則としてすべての給与支払者(事業所)に義務付けられています。従業員が自分で納付する「普通徴収」は、個人事業主やフリーランス、退職者など給与から天引きできない場合に限られます。会社員であれば自分で納付手続きをする必要がなく、納め忘れの心配がないのが大きなメリットです。

特別徴収のスケジュール

  • 1月末 — 会社が従業員の「給与支払報告書」を自治体に提出
  • 5月頃 — 自治体が「特別徴収税額決定通知書」を会社に送付
  • 6月給与 — 新年度の住民税天引きがスタート(端数を含むため金額がやや高い)
  • 7月〜翌5月給与 — 均等割りされた月額で天引きが続く
  • 翌6月 — 次年度の税額に切り替わり、再度スタート

住民税は「前年の所得」に基づいて計算されるため、天引き額は1年遅れで反映されます。昇給や残業増で前年の所得が上がると、翌年6月からの天引き額が増える仕組みです。自分の住民税の月額がいくらになるかを把握しておくと、手取り額の変動に備えられます。

6月だけ高い理由

給与明細を見て「6月だけ住民税が高い」と感じた方は多いでしょう。これは計算上の端数処理が原因です。年税額を12で割ると、100円未満の端数が出ることがあります。この端数は7月〜翌5月の11回分には含めず、6月分にまとめて加算するルールになっています。

たとえば年税額が235,600円の場合、12で割ると1か月あたり19,633.3...円です。7月〜翌5月は19,600円×11回=215,600円となり、残りの20,000円が6月分に割り当てられます。そのため6月だけ数百円ほど高くなります(端数は1か月100円未満なので、上乗せは最大でも11か月分の約1,100円まで)。これは税率が上がったわけではなく、あくまで端数の調整です。

もう一つ「6月に住民税が急に上がった」と感じるパターンとして、前年の昇給・賞与増・副業収入の増加などにより年税額自体が上がったケースがあります。住民税は前年所得に連動するため、前年の収入が増えれば翌年6月からの天引き額は確実に増えます。逆に、ふるさと納税やiDeCoなどの控除を活用すれば、翌年の住民税を減らすことができます。

年収別の月額天引き額の目安

住民税の天引き額は年収(給与収入)と扶養人数によって大きく変わります。以下の表は、独身(扶養なし)・社会保険料控除(年収の15%)と基礎控除のみを適用した場合の概算です。実際の金額は各種控除(ふるさと納税・iDeCo・医療費控除・住宅ローン控除など)の有無で変動します。

年収(給与収入) 住民税の年額(概算) 月額天引き額(7月〜翌5月) 6月の天引き額(端数込み)
300万円 約11.7万円 約9,700円 約9,800円
400万円 約17.6万円 約14,600円 約14,900円
500万円 約24.1万円 約20,000円 約20,500円
600万円 約30.6万円 約25,400円 約26,100円
700万円 約37.5万円 約31,200円 約31,300円
800万円 約45.0万円 約37,400円 約38,100円
1,000万円 約61.5万円 約51,200円 約51,300円

前提: 2026年度分(2025年の給与収入)・独身・会社員、社会保険料を年収の15%、住民税の基礎控除43万円のみ、所得割10%から調整控除2,500円を引き、均等割等5,000円(均等割4,000円+森林環境税1,000円)を加えた概算。月額は年税額÷12の100円未満を切り捨てた額、6月は年税額から11か月分を引いた額。出典: 総務省「個人住民税」、横浜市『税の知識 令和8年度ウェブ版』、地方税法第321条の5・第20条の4の2第6項・第8項(特別徴収の月割と100円未満の端数)、2026年10月確認

※上記は独身・扶養なし・社会保険料控除のみの概算です。配偶者控除・扶養控除がある場合は年額が数万円〜十数万円下がります。より正確な金額は住民税の月額計算ページで確認できます。

転職・退職時の切り替え

転職や退職をすると、住民税の徴収方法の切り替えが必要になります。退職時期によって対応が異なり、1月〜5月に退職する場合は退職月の給与から残りの住民税を一括で天引き(一括徴収)するのが原則です。6月〜12月に退職する場合は、普通徴収に切り替えて自分で納付するか、退職時に残額を一括徴収してもらうかを選択できます。

退職時期別の対応まとめ

  • 1月〜5月に退職 — 残りの住民税(退職月〜5月分)を最後の給与から一括徴収。退職金がある場合は退職金から差し引くことも可能です。
  • 6月〜12月に退職 — 以下3つから選択できます。(1) 普通徴収に切り替えて自分で残額を納付 (2) 最後の給与から残額を一括徴収 (3) 転職先での特別徴収を継続

転職先がすでに決まっている場合は、「特別徴収の継続」を選ぶこともできます。前の会社から新しい会社へ「給与所得者異動届出書」を引き継ぐことで、中断なく新しい会社の給与から天引きが続きます。この手続きは退職する会社と転職先の会社が連携して行うため、両方の総務・人事部門に早めに相談しておくとスムーズです。

退職後の住民税の負担は、前年の高い所得に基づくため予想以上に重くなることがあります。退職が決まったら、翌年の住民税額を事前に概算し、納税資金を確保しておくことが大切です。普通徴収に切り替わった場合、支払いが困難なときは分割納付や猶予制度も利用できます。

住民税が引かれていない場合

給与明細に住民税の天引きがない場合、いくつかの原因が考えられます。最も多いのは、入社1年目(新卒)のケースです。住民税は前年の所得に基づいて課税されるため、前年に所得がなかった新卒社員は、入社した年の6月〜翌5月まで住民税がゼロになります。2年目の6月から天引きが始まるため、「2年目で手取りが減った」と感じることがあります。

そのほか、前年の所得が非課税基準以下だった場合も住民税は発生しません。非課税基準は自治体や扶養人数によって異なりますが、単身者の場合はおおむね給与収入100万円以下が目安です。もし一定の所得があるのに天引きされていない場合は、会社が特別徴収の手続きを行っていない可能性があるため、総務・人事部門に確認しましょう。

なお、副業・フリーランス収入がある場合、確定申告で「住民税の徴収方法」を「自分で納付(普通徴収)」に選択すると、副業分の住民税は給与天引きではなく自宅に届く納付書で納めることになります。この場合はクレジットカード払いやスマホ決済を活用できます。

特別徴収と普通徴収の違い

住民税の納付方法には「特別徴収(給与天引き)」と「普通徴収(自分で納付)」の2つがあります。それぞれの違いを把握しておくと、転職時や副業時の対応がスムーズです。

  • 特別徴収 — 会社が毎月の給与から天引きして自治体に納付。年12回払い(6月〜翌5月)。納め忘れなし。会社員の原則形態。
  • 普通徴収 — 自治体から届く納付書で自分で納付。年4回払い(6月・8月・10月・翌1月)。フリーランス・退職者・事業所得者が対象。

普通徴収のほうが1回あたりの納付額が大きいため、資金繰りに注意が必要です。たとえば年額24万円の住民税の場合、特別徴収なら月約2万円ですが、普通徴収では1回あたり6万円になります。まとまった金額の支出に備え、計画的に資金を積み立てておきましょう。普通徴収の場合、支払いが困難になったら滞納のリスクを避けるために早めに自治体に相談してください。

💬 相談事例から

📋 60代前半のAさん(退職後)

退職後に届いた住民税の納付書の金額が予想以上に高く、一括納付が難しかったAさん。FPが分割納付の手続き方法を案内するとともに、退職所得控除の適用状況を確認。翌年以降は大幅に税額が下がる見通しを示し、資金繰りの計画を一緒に立てました。

事例#0050を読む →

📋 自営業のBさん(住宅ローンあり)

自営業で確定申告後の住民税納付が毎年負担だったBさん。FPが口座振替やクレジットカード払いへの変更手続きを案内し、住宅ローン控除との調整で年間の資金繰りを改善。納付忘れによる延滞金リスクも解消しました。

事例#0038を読む →

FPに相談すべきケース

住民税の給与天引きは自動で行われるため、普段は意識する必要がありません。しかし、以下のようなケースではFPへの相談が家計改善につながります。

  • 天引き額が前年より大幅に増えた — 昇給・賞与・副業収入の増加が原因の可能性があります。ふるさと納税やiDeCoの活用で翌年の住民税を効果的に減らせるかもしれません。
  • 転職・退職を控えている — 退職後の住民税負担は予想以上に重くなることがあります。退職前に翌年の住民税額を概算し、納税資金と生活資金の計画を立てましょう。
  • 2年目で手取りが減って困っている — 新卒2年目の住民税開始に伴う手取り減少は、家計の見直しで対応可能です。固定費の最適化や貯蓄計画の再設計をFPと一緒に行えます。
  • 副業収入の税金を最適化したい — 副業の住民税を普通徴収にするか、経費の計上方法をどう整理するかなど、申告方法によって手取りが変わります。

住民税は所得税と合わせて手取り額を大きく左右する税目です。控除制度のフル活用で年間数万円〜数十万円の差が出ることも珍しくないため、家計全体の最適化をFPと一緒に検討することをおすすめします。

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本ページの制度概要・要件・税率は、以下の公式情報を編集部が確認のうえ整理しています(執筆時点)。最新かつ正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。FPは記事を直接監修してはおらず、関連テーマでご相談を受けるFPとしてご紹介しています。

最終確認日:2026-05-14

※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本ページの情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。

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