税金・節税

退職後の住民税
辞めた翌月からの支払いパターンと負担の備え方

退職後の住民税の支払いパターン(一括徴収・普通徴収)と、退職前に備えておくべき金額を解説。

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目次(6セクション)
  1. 退職後の住民税が重い理由
  2. 退職月別の住民税支払いパターン表
  3. 一括徴収と普通徴収
  4. 退職前に備えておく金額
  5. 減免制度と転職時の引き継ぎ
  6. FPに相談すべきケース

退職後の住民税が重い理由

退職後に届く住民税の納付書を見て金額の大きさに驚く方は非常に多いです。これは住民税が「前年の所得」に対して翌年6月から課税される仕組みだからです。在職中の高い給与所得をもとに計算された住民税を、退職して収入が減った状態で納めなければなりません。

たとえば年収500万円で退職した場合、翌年度の住民税は約20万円前後になることがあります。退職後に再就職しなければ収入はゼロまたは失業保険のみですが、失業保険(基本手当)は非課税のため住民税の軽減にはつながりません。前年の所得に対する住民税を丸1年分納める必要がある点が、退職後の家計を圧迫する大きな要因です。

さらに、退職金を受け取る場合は退職金に対する住民税も別途かかります。ただし退職金の住民税は支払時に天引きされる分離課税で完結するため、翌年度の住民税には影響しません。退職金の住民税の計算については退職金と住民税をご覧ください。

退職月別の住民税支払いパターン表

退職の時期によって住民税の納め方が変わります。以下の表は、住民税の年額を18万円(月額1.5万円の天引き)と仮定した場合の退職月別のパターンです。

退職月当年度の残額徴収方法最後の給与からの天引き退職後の自己納付
1月約7.5万円(2〜5月分)一括徴収(原則)約7.5万円なし
3月約3万円(4〜5月分)一括徴収(原則)約3万円なし
5月約1.5万円(5月分)一括徴収(原則)約1.5万円なし
6月約16.5万円(7〜翌5月分)普通徴収に切替6月分のみ天引き約16.5万円を4回払い
9月約12万円(10〜翌5月分)普通徴収に切替9月分のみ天引き約12万円を残り期で按分
12月約7.5万円(1〜5月分)普通徴収 or 一括希望すれば一括可一括でなければ約7.5万円

1月から5月に退職する場合は、その年度の住民税の残額が最後の給与や退職金から一括で天引きされます。これは地方税法で定められた取り扱いであり、会社は原則として一括徴収を行います。

6月から12月に退職する場合は、退職月の翌月以降の住民税が普通徴収に切り替わり、自治体から届く納付書で自分で納める形になります。ただし、本人が希望すれば退職時に翌年5月分までを一括で天引きしてもらうことも可能です。退職が決まったら、残りの住民税をどう納めるか会社の経理部門に確認しておきましょう。

注意すべきは、上記はあくまで「当年度」の住民税残額です。これに加えて、退職した年の所得に対する「翌年度」の住民税が別途発生します。たとえば9月に退職した場合、当年度の残額約12万円に加えて、翌年6月からは退職年の1月〜9月の給与に対する住民税(年額15万〜20万円程度)が普通徴収で届きます。

一括徴収と普通徴収

一括徴収とは、退職時にその年度の残りの住民税をまとめて給与や退職金から天引きする方法です。1月〜5月退職の場合は原則として一括徴収が行われ、6月〜12月退職の場合は本人が希望した場合に適用されます。一括で納め終えるため退職後に自分で納付する手間がなくなる反面、最後の給与の手取りが大きく減るデメリットがあります。

普通徴収は、自治体から届く納付書で自分で納める方法です。年4回(6月・8月・10月・翌1月)の分割払いが基本で、口座振替も選択できます。退職後に転職した場合は、新しい勤務先で再び特別徴収(給与天引き)に切り替えることができます。転職先の会社に「特別徴収への切替届」を依頼すれば、翌月以降の住民税を給与から天引きしてもらえます。

退職後にしばらく無職の期間が続く場合は、住民税の負担が重くなります。無職期間中の住民税の対処法については無職の住民税で詳しく解説しています。

退職前に備えておく金額

退職前に備えておくべき住民税の金額は、直近の給与明細の住民税天引き額×残りの月数で概算できます。たとえば毎月の天引きが1.5万円で、退職後に6か月分の普通徴収が発生する見込みなら、約9万円を確保しておく必要があります。これに加えて、退職した年の所得に対する翌年度の住民税も発生するため、退職年にフルで働いていた場合はさらに1年分(年額15万〜25万円程度)の備えが必要です。

住民税に加えて、退職後は国民健康保険料や国民年金保険料の負担も発生します。住民税・国保・国民年金を合計すると、退職後の固定費は月3万〜5万円程度になることも珍しくありません。退職を考え始めた段階で、これらの費用を含めた半年〜1年分の生活防衛資金を準備しておくことが、退職後の生活を安定させるポイントです。住民税の計算方法を詳しく知りたい方は住民税はいくら?年収別の計算方法をご覧ください。

減免制度と転職時の引き継ぎ

退職後に住民税の納付が難しい場合は、市区町村の税務課で減免・徴収猶予・分割納付の相談が可能です。とくに会社都合退職(特定受給資格者・特定理由離職者)の場合は、国民健康保険料の軽減制度(前年給与所得を30/100とみなす)が利用できるため、住民税と国保の両方について窓口で相談するのが効率的です。詳しくは住民税が払えないときの対処法をご覧ください。

転職した場合の住民税の引き継ぎは比較的スムーズです。新しい勤務先の経理部門に「特別徴収への切替」を依頼するだけで、翌月以降の住民税は新しい給与から天引きされます。切替の際に旧勤務先の「特別徴収に係る給与所得者異動届出書」の写しがあるとスムーズです。

退職後に引っ越しを伴う場合は、住民税の課税先が1月1日基準で決まる点にも注意が必要です。引っ越しと住民税の関係については引っ越し後の住民税をご確認ください。また、住民税が非課税になる条件に該当するかどうかも確認しておきましょう。

💬 相談事例から

📋 60代前半のAさん

定年退職後、アルバイトと年金で暮らすAさん。退職翌年の住民税が前年の高い給与所得をもとに計算されることを知らず、請求額に驚きました。FPが退職所得控除の適用確認と翌年以降の税額シミュレーションを行い、納付計画を整理しました。

事例#0050を読む →

📋 独立起業したばかりのBさん(法人設立済み)

会社員から独立したBさん。個人事業と法人の所得の線引きや、住民税の普通徴収への切り替え手続きがわからず相談。FPが収入見込みに合わせた住民税・社会保険料のシミュレーションを行い、経費計上と控除の組み合わせで節税計画を作成しました。

事例#0037を読む →

📋 30代会社員のCさん(副業あり)

副業収入のある会社員Cさん。副業分の住民税を普通徴収にする方法がわからず、会社に知られるのを心配していました。FPが確定申告書の「住民税に関する事項」の記入方法を案内し、青色申告化で年30万円の節税も実現しました。

事例#0003を読む →

FPに相談すべきケース

退職は住民税だけでなく、退職金の受け取り方(一括 vs 年金形式)、iDeCoの受取時期、国保 vs 任意継続の選択、失業保険の受給計画など、複数の判断が同時に求められるライフイベントです。とくに退職金が大きい場合は、退職所得控除の活用と翌年度の住民税への影響を総合的に見る必要があります。定年退職で年金受給開始が近い方は、年金受給者の住民税も合わせて確認し、FPに退職前後のキャッシュフロー計画を相談することで、退職後の税負担を最小化できます。

関連トピック(あとで読む)

給付金の確認から、我慢していた支出を選び直す家計へ

ここで確認したいのは、受け取れるお金だけではありません。いま我慢している「休む・任せる・移動する・学ぶ」支出を、いつなら選べるかまで数字で見ることです。

たとえば最初に見るのは「安心して休める時間」。日帰りホテルの個室、寝具、食洗機やミールキットのように、物価高で後回しにしがちな支出を家計の中で選べるかを確認します。

お金の不安が強いと、働き方も、家族との時間も、自分のやりたいことも、どうしても後回しになりがちです。

FPに家計を相談する目的は、ただ節約することではありません。

給付金を確認し、毎月のお金の流れを整えることで、我慢していた支出を「いつ・いくらまでなら選べるか」まで整理し、休む、任せる、移動する、学ぶ、親や家族との時間を作る、といった選択肢が見えやすくなります。

なぜFP相談で変わるのか。使える給付金、毎月の固定費、教育費、住宅費、老後資金を同じ表に並べると、「削るべき支出」と「取り戻したい暮らしに使ってよい支出」の境目が見えやすくなるからです。

たとえば、こんな選択肢を数字で確認できます。

安心して休める時間

誰にも要求されない時間、眠れる環境、責任を一時停止できる仕組みにお金を使えるか。

日帰りホテルの個室を予約し、誰にも要求されない時間を買う親

日帰りホテルの個室

数時間だけでも呼ばれない場所を確保する。

ノイズキャンセリングヘッドホンを選び、家の中で一人の時間を作る親

ノイズキャンセリングヘッドホン

家にいながら、要求の音量を下げる。

一人掛けのラウンジチェアを買い、自分だけの休憩場所を作る人

自分専用の休憩椅子

座った瞬間に休んでいい場所を作る。

我慢していたマットレスを選び、睡眠できる環境を整える親

マットレスの買い替え

眠りの浅さを、根性ではなく環境で変える。

枕と掛け布団を選び、朝まで眠れる環境を買う人

枕と掛け布団

小さな寝具投資で、毎日の回復を守る。

遮光カーテンを購入し、睡眠の質を整える家族

遮光カーテン

眠れる部屋を作り、朝の疲れを減らす。

食洗機を購入し、夜の片付け責任を一時停止する家族

食洗機

夕食後の責任を機械に渡して休む。

ミールキットを注文し、献立を考える責任を一時停止する親

ミールキット

献立を考える負担を買って減らす。

ロボット掃除機を購入し、掃除の責任を一時停止する家族

ロボット掃除機

掃除しなきゃ、から少し自由になる。

家事・育児・段取りからの解放

名もなき家事、献立、送迎、連絡、調整を一人で抱えない形にできるか。

乾燥機付き洗濯機を選び、洗濯物の段取りから解放される親

乾燥機付き洗濯機

干す、取り込む、天気を見る時間を減らす。

家事代行サービスを申し込み、名もなき家事から解放される家族

家事代行サービス

家族の機嫌ではなく、仕組みで家事を軽くする。

家事と段取りから一息つける時間を持つ人

段取りの外注

予約、連絡、調整を一人で背負わない。

食事準備の負担を減らすためにキッチンの段取りを整える場面

食材宅配・作り置き

買い物と下ごしらえを、毎日の気力から切り離す。

家計と将来不安の軽減

物価高、教育費、住宅ローン、老後資金の不安を見える化できるか。

住宅ローンや固定費の資料と電卓を並べ、将来不安を数字で整理する場面

住宅ローンの見直し

毎月の固定費を整え、選べる余白を増やす。

教育費の積立を相談し、子どもの将来資金を整理する親

教育費の積立設計

不安を金額と時期に分けて、今できる形にする。

家族の将来を見据えて家計の計画を話し合う場面

家族の将来表

教育費、車、旅行、老後を同じ年表で見る。

子どもを育てる家計の安心を整える親

もしもの生活費

収入が揺れても暮らしを守る余白を作る。

子どもの選択肢を広げる教育・体験

英語、体験、旅行、習い事など、世界を見せる予算を作れるか。

親子で地球儀を見ながら、英語や世界に触れる体験を選ぶ場面

英語プログラム

将来の選択肢に使うお金を、家計に組み込む。

展示や体験施設のチケットを購入し、子どもの体験機会を広げる場面

体験型ワークショップ

覚える学びだけでなく、触れる学びに投資する。

教室で学ぶ子どものために学習機会を用意する場面

短期講座・探究学習

興味が出た瞬間に、試せる予算を持つ。

ノートを開いて学習計画を立てる子どもの手元

教材・読書の予算

欲しい本や教材を、毎回我慢にしない。

家族の再起動としての旅行・非日常

連泊、温泉、自然の中で家族会話を回復する余白を作れるか。

近場リゾートの連泊を予約し、家族で非日常を取り戻す場面

近場リゾートの連泊

予定を詰めず、家族が話せる時間を買う。

自然の中で過ごす小旅行を選び、日常から離れる時間を作る場面

自然への小旅行

近場でも、日常から離れる予算を持つ。

家族旅行や非日常を楽しむために旅の予定を立てる夫婦

家族旅行の積立

行けたら行く、ではなく先に行ける形を作る。

旅先で非日常を味わい、家族の会話を取り戻す場面

記念日の一泊

節目の時間を、家計の中で消えない予定にする。

健康回復・睡眠・老化対策

疲れが抜ける、痛くない、眠れる、朝動ける状態に投資できるか。

整体やケアの回数券を購入し、健康回復に投資する人

整体・ケアの回数券

痛みを我慢する前提を、予算から変える。

睡眠や体調の相談を予約し、朝動ける状態を取り戻すために備える場面

睡眠・体調相談

朝動けることを、毎日の投資対象にする。

健康回復と睡眠のために自分の体調を整える女性

定期的なメンテナンス

限界まで待たず、回復する日を先に確保する。

医療や検査の相談を通じて健康不安を早めに確認する場面

検査・予防の予算

不安を放置せず、早めに確認するお金を残す。

夫婦の関係回復

運営組織ではなく、伴侶として話せる時間を取り戻せるか。

ベビーシッターを手配し、夫婦で食事に出かける準備をする夫婦

ベビーシッターと外食

夫婦の時間を、余ったらではなく先に確保する。

コンサートと夕食のチケットを購入し、夫婦の関係を回復する二人

チケットと夕食

ただの予定調整から、楽しみに戻す。

夫婦で落ち着いて話せる時間を取り戻す場面

夫婦で話す時間

家計会議だけで終わらない予定を持つ。

信頼できる人に子どもを預けて夫婦の時間を作る家族

預かり先の確保

罪悪感ではなく、必要な休みとして予定に入れる。

親の介護・親との時間への備え

介護、見守り、帰省、親孝行、自分の老後準備に備えられるか。

親の見守り機器を購入し、離れて暮らす家族の安心を整える人

親の見守り機器

心配を気合いで抱えず、仕組みで支える。

介護タクシーを予約し、親との通院や帰省を楽にする家族

介護タクシー・送迎

親との時間を、疲労だけで終わらせない。

親の介護や親との時間に備えて家族で安心を整える場面

帰省・見守り費

会いに行くお金を、急な出費にしない。

親世代との時間を持つために家族の予定を整える場面

親孝行の予定

いつかではなく、元気なうちの時間を買う。

自分の物理的逃げ場

書斎、椅子、ベランダ、サウナ、カフェのような避難場所を持てるか。

自分用の机と椅子を購入し、家の中に物理的な逃げ場を作る人

机とワークチェア

自分だけの場所を、家計の中で正当化する。

カフェやワークスペースの利用券を購入し、一人の逃げ場を持つ人

カフェ・ワークスペース利用券

家の外に、息を整える場所を持つ。

自分の物理的な逃げ場で落ち着いて過ごす女性

自分だけの小部屋

誰かの用事に戻る前に、整える場所を持つ。

静かな場所で一人になり、気持ちを整える時間

一人になれる宿

短い滞在でも、考え直す余白を確保する。

疲れない移動

駅近、送迎、グリーン車、ミニバン、近場高級宿を選べるか。

疲れない移動のためにミニバン購入を検討する家族

家族用ミニバン

移動のしんどさを、家族の行動範囲から取り除く。

グリーン車のチケットを購入し、疲れない移動を選ぶ人

グリーン車・指定席

到着後に動ける体力まで、移動費に含めて考える。

疲れない移動のために家族の移動手段を選び直す場面

送迎・タクシー

疲れる日だけでも、無理な徒歩や乗換を減らす。

移動の負担を軽くし、外出しやすい暮らしを整える場面

駅近・近場の選択

安さだけでなく、疲れにくさで場所を選ぶ。

人生がまだ動く感覚

学び直し、副業、趣味、旅、挑戦にもう一度向かえるか。

オンライン講座を申し込み、学び直しで人生がまだ動く感覚を取り戻す人

オンライン講座

学び直しを、後回しではなく予算に入れる。

カメラを購入し、趣味と挑戦を再開する人

趣味のカメラ

自分のために使うお金を、もう一度許可する。

学び直しや挑戦に向けて前向きに準備する人

挑戦の準備費

資格、道具、移動費まで含めて最初の一歩を作る。

仲間と学び直しを始め、人生がまだ動く感覚を取り戻す場面

学びのコミュニティ

一人で頑張る以外の再開ルートを持つ。

お金の不安だけで、働き方や暮らし方を決めなくてよくなる。FPと一緒に、我慢の家計から選べる家計へ戻すための確認です。

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最終確認日:2026-05-14

※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本ページの情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。

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