住民税の特別徴収と普通徴収の違い|
会社員・個人事業主・副業ありの人の選び方【2026】
住民税の納め方には「特別徴収(給与天引き)」と「普通徴収(自分で納付)」の2種類があり、会社員は原則として特別徴収、個人事業主・フリーランス・年金生活者は普通徴収が基本です。副業をしている方は、確定申告時に普通徴収を選ぶことで、副業分の住民税だけ自分で納める選択もできます。この記事では、両者の違い・切替タイミング・副業時の注意点まで整理します。
結論
- 会社員は特別徴収:6月〜翌5月の12回で給与天引き(法令で原則義務化)
- 個人事業主は普通徴収:6月・8月・10月・翌1月の年4回を納付書で支払う
- 副業ありの方は確定申告書の「自分で納付」欄をチェックで副業分のみ普通徴収
- 転職・退職時は会社に「一括徴収/普通徴収/新職場で特別徴収継続」を伝える
特別徴収と普通徴収の基本
住民税の徴収方法には2つの種類があります。違いを一枚で整理すると次の通りです。
| 項目 | 特別徴収 | 普通徴収 |
|---|---|---|
| 誰が納める | 会社が本人に代わって納付 | 本人が自分で納付 |
| 対象者 | 会社員・公務員 | 個人事業主・フリーランス・年金生活者・退職者 |
| 頻度 | 毎月(年12回) | 年4回(6・8・10・翌1月) |
| 期間 | 6月〜翌5月 | 6月〜翌1月 |
| 支払方法 | 給与から自動天引き | 納付書・口座振替・スマホ決済 |
2017年度以降、地方税法上給与所得者に対する特別徴収は原則として全国一律の義務となっており、会社側が「普通徴収にしておいて」と申請しても、よほどの事情(従業員2人以下・退職予定など)がなければ認められません。
特別徴収の仕組み(会社員の場合)
会社員の住民税は、次の流れで天引きされます。
- 1月末:会社が前年の給与支払報告書を市区町村へ提出
- 5月:市区町村が「特別徴収税額通知書」を会社へ送付
- 6月給与:新年度の住民税が初めて天引きされる(6月分は端数調整で他月と金額が違うことが多い)
- 7月〜翌5月:均等額で毎月天引き
6月の住民税が前年より急に上がったり下がったりするのは、前年所得の変動がここで反映されるためです。「手取りが減った」と感じる人の大半は、この6月の切り替えが原因です。
注意
6月の給与明細で住民税欄が前年の1.5倍〜2倍になっている場合、前年にボーナス・副業・退職金・株式売却などで所得が増えていた可能性が高いです。計算ミスではないので、まずは決定通知書を確認しましょう。
普通徴収の仕組み(個人事業主・退職者の場合)
個人事業主・フリーランス・退職後無職の方は、自治体から納付書が4枚セットで送られてきます。
- 第1期:6月末まで
- 第2期:8月末まで
- 第3期:10月末まで
- 第4期:翌年1月末まで
支払方法はコンビニ・銀行窓口・口座振替・クレジットカード・PayPay/LINE Pay等のスマホ決済などから選べます。6月に第1期から第4期までまとめて支払う「前納」も可能で、自治体によっては前納報奨金(割引)が付く場合があります。
副業している人の住民税
副業している会社員で「会社に副業を知られたくない」という方が気にするのが、住民税の金額だけが跳ね上がって会社に感づかれる問題です。
回避策は、確定申告書の第二表「住民税・事業税に関する事項」欄で「自分で納付(普通徴収)」を選択することです。これにより、本業の給与分は特別徴収のまま、副業分だけ自宅に納付書が届く形に分離できます。
Point
普通徴収を選べるのは給与以外の所得(事業・雑・不動産など)だけです。ダブルワーク(両方とも給与)の場合、メイン会社の特別徴収に合算されるのが原則で、分離はできません。アルバイトの副業バレを防ぎたい方は特にご注意を。
切替タイミングと手続き
会社員 → 退職(退職者)
退職月によって対応が3通りに分かれます。詳しくは転職・退職時の住民税で解説していますが、概略は次の通りです。
- 1〜5月退職:残月分を最終給与で一括徴収が原則
- 6〜12月退職:希望すれば一括徴収、またはその後は普通徴収に切替
- 転職先が決まっている場合:「特別徴収継続」の書類を新旧の会社・自治体で回せば切れ目なく天引き継続
個人事業主 → 会社員(転職)
納付書で支払い中の方が就職した場合は、会社に「特別徴収にしてほしい」と伝えると、残りの期分を給与天引きに切り替えられます。
よくある質問
Q. 会社に内緒で普通徴収にはできる?
給与所得分の住民税は法令上、原則として特別徴収です。本業給与だけを普通徴収に切り替えることは基本的にできません。
Q. 住民税はクレジットカードで払える?
自治体ごとに対応状況が異なります。多くの自治体で「地方税お支払サイト(eL-TAX)」経由のクレジット納付が導入されつつあります。決済手数料がかかる点に注意しましょう。
Q. 給料が少ない月に住民税が引ききれなかったら?
会社が翌月以降の給与で調整するか、差額を本人に請求します。扱いは会社の経理規程によるため、人事・経理に確認してください。
まとめ
- 会社員は特別徴収(6月〜翌5月の給与天引き)が原則
- 個人事業主・退職者は普通徴収(年4回の納付書払い)
- 副業ありの方は確定申告で「自分で納付」を選べば副業分だけ分離できる
- 退職・転職のタイミングで徴収方式の切替が必要。会社に早めに相談