税金・節税

住民税の申告が必要な人
会社員でも申告すべき5つのケース

税金と固定費を確認して毎月の手取りの余白を整える場面
税金や控除の確認を、毎月の手取りと将来資金の判断につなげます。

住民税申告が必要な人の条件を解説。

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目次(6セクション)
  1. 住民税申告が必要な5つのケース
  2. 申告が必要な人・不要な人の判定フロー
  3. 確定申告との違い
  4. 申告しなくてよい人
  5. 申告の時期と方法
  6. FPに相談すべきケース

住民税申告が必要な5つのケース

会社員は通常、勤務先が年末調整と給与支払報告書の提出を行うため、住民税の手続きを自分でする必要はありません。しかし、以下の5つのケースに該当する場合は、別途申告が必要になります。

1. 副業の所得が20万円以下の場合。所得税では確定申告が不要とされる20万円以下の副業所得でも、住民税にはこの免除ルールが適用されません。副業の所得がある人は、金額にかかわらず住民税の申告が必要です。たとえばフリマアプリやクラウドソーシングで年間5万円の利益が出た場合でも、住民税申告の対象になります。副業の所得を会社に知られたくない場合は、住民税申告書の「普通徴収(自分で納付)」にチェックを入れることで、副業分の住民税が給与天引きではなく自宅に届く納付書で支払えます。

2. 医療費控除を受けたい場合。年間の医療費が10万円(または総所得金額等の5%)を超えた場合、医療費控除を申告すれば住民税が軽減されます。年末調整では医療費控除を申告できないため、確定申告または住民税申告が必要です。たとえば年間の医療費が25万円で所得が400万円の場合、課税所得が15万円減り、住民税が約1万5,000円安くなります。歯科矯正やレーシック手術も対象になるため、領収書は年間を通じて保管しておきましょう。

3. ふるさと納税の寄附先が6自治体以上の場合。ワンストップ特例制度が使えるのは寄附先が5自治体以内の場合に限られます。6自治体以上に寄附した場合は、確定申告または住民税申告で寄附金控除を申告しなければ、住民税の減額が受けられません。なお、ワンストップ特例を申請済みでも、確定申告を行うとワンストップ特例は無効になるため、すべての寄附先を確定申告で申告し直す必要があります。ふるさと納税の住民税反映の確認方法もあわせてご確認ください。

4. 年の途中で退職した場合。年の途中で退職し、年末時点で再就職していない場合、年末調整が行われません。退職後の期間の所得や控除の情報が自治体に伝わらないため、自分で申告する必要があります。たとえば9月末に退職した場合、10月以降に支払った生命保険料や国民健康保険料は年末調整に含まれません。これらを住民税申告(または確定申告)で申告することで、翌年の住民税を正しい金額に減額できます。退職金については分離課税で完結するため、住民税申告に含める必要はありません。

5. 扶養家族に変更があった場合。年末調整後に扶養家族の追加や削除があった場合(離婚・子の独立・親の扶養追加など)、変更内容を確定申告または住民税申告で届け出ないと、住民税の計算が正しく行われません。たとえば12月31日時点で70歳以上の親を扶養に入れた場合、老人扶養控除(同居で58万円、別居で48万円)が適用され、住民税が年間約4万8,000円~5万8,000円安くなります。

申告が必要な人・不要な人の判定フロー

自分が住民税申告をすべきかどうか迷う方のために、判定フローを表にまとめました。上から順に確認し、最初に該当した項目があなたの結論になります。

あなたの状況住民税申告理由・補足
確定申告を提出済み不要税務署から自治体にデータが自動連携される
給与1か所のみ+年末調整済み+上記5ケースに非該当不要勤務先が給与支払報告書を提出済み
副業所得あり(20万円以下を含む)必要所得税の20万円以下免除は住民税に適用されない
医療費控除・雑損控除を受けたい必要年末調整では申告できない控除
ふるさと納税の寄附先が6自治体以上必要ワンストップ特例の上限5自治体を超過
年途中退職(年末時点で無職)必要年末調整が行われず、控除情報が未連携
扶養変更あり(年末調整後)必要変更内容が自治体に届いていない
収入ゼロだが非課税証明書が必要必要「収入なし」で申告しないと証明書が出ない
公的年金のみ(400万円以下)で控除追加なし不要年金支払者が報告書を提出する

住民税の申告をしないとどうなるかでは、申告漏れによる不利益を詳しく解説しています。判定に迷った場合はそちらもあわせてご確認ください。

確定申告との違い

住民税申告と確定申告は、どちらも所得と控除を届け出る手続きですが、提出先と対象となる税が異なります。確定申告は税務署に提出し、所得税の精算を行う手続きです。一方、住民税申告は市区町村の税務課に提出し、住民税の計算に必要な情報を届け出る手続きです。

重要なのは、確定申告を済ませた人は住民税申告が不要という点です。確定申告のデータは税務署から各自治体に自動で連携されるため、住民税の計算に必要な情報はすべて届きます。つまり住民税申告が必要になるのは、確定申告をしない人のうち、年末調整だけではカバーできない控除や所得がある場合に限られます。確定申告と住民税の関係についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

なお、副業の所得を会社に知られたくない場合は、住民税申告で「普通徴収(自分で納付)」を選択する方法があります。確定申告でも同じ欄がありますが、住民税申告のほうが手続きがシンプルです。ただし、自治体によっては普通徴収への切り替えが認められないケースもあるため、事前に住所地の税務課に確認しておくと安心です。

申告しなくてよい人

以下のいずれかに該当する人は、住民税の申告をする必要がありません。まず、確定申告を済ませた人は、税務署経由で自治体にデータが届くため住民税申告は不要です。個人事業主やフリーランスで毎年確定申告をしている人は、住民税申告を別途行う必要はありません。

次に、給与所得のみで勤務先が年末調整を行っている人も申告不要です。勤務先が翌年1月末までに給与支払報告書を自治体に提出するため、住民税は自動的に計算されます。ただし、前述の5つのケースに該当する場合はこの限りではありません。

また、所得が一定以下で住民税が非課税となる人も原則として申告は不要ですが、非課税証明書の発行が必要な場合(奨学金申請・公営住宅・給付金など)は、収入がゼロでも住民税申告をしておくことが重要です。非課税証明書は児童手当の現況届や保育料の算定にも使われるため、子育て世帯は特に注意が必要です。

公的年金の収入が400万円以下で、年金以外の所得が20万円以下の場合も、所得税の確定申告は不要とされています(確定申告不要制度)。ただし、この場合でも医療費控除で住民税を減らしたいときは住民税申告が有効です。年金受給者で入院や通院が多い方は、医療費の領収書を集計してみる価値があります。

申告の時期と方法

住民税申告の期限は、確定申告と同じく毎年3月15日です。申告書は、住所地の市区町村役場の税務課窓口で入手できるほか、多くの自治体がホームページからPDFをダウンロードできるようにしています。eLTAX(地方税の電子申告システム)に対応している自治体であれば、オンラインでの提出も可能です。

提出方法は、窓口への持参・郵送・電子申請の3通りがあります。窓口では職員に相談しながら記入できるため、初めての方は窓口での申告がおすすめです。2月中旬~3月中旬には多くの自治体で臨時の申告相談会場が開設され、税理士や職員がマンツーマンで対応してくれます。

必要書類として、本人確認書類(マイナンバーカードまたは通知カード+運転免許証等)、源泉徴収票、控除証明書(生命保険料・医療費など)を持参してください。医療費控除を申告する場合は「医療費控除の明細書」を事前に作成しておくと窓口での手続きがスムーズです。

3月15日を過ぎても申告は受理されますが(期限後申告)、6月に届く住民税の決定通知書に反映されず、後日「更正通知」として訂正されることになります。非課税証明書が必要な時期が迫っている場合は、早めの提出を心がけましょう。ふるさと納税の控除が住民税に正しく反映されているかは、ふるさと納税で住民税が安くならないときの確認方法で解説しています。

💬 相談事例から

📋 30代会社員のAさん(副業収入年200万円)

副業収入を白色申告で処理していたAさん。FPに相談して青色申告承認申請・複式簿記の導入を進め、青色申告特別控除65万円を適用。確定申告で住民税・所得税あわせて年30万円の節税に成功しました。

事例#0003を読む →

📋 60代前半のBさん(共働き夫婦)

iDeCoの掛金変更で住民税がいくら変わるか知りたかったBさん。FPが年末調整と確定申告それぞれでの控除の反映タイミングを整理し、iDeCo掛金の満額化による節税額を具体的に試算しました。

事例#0001を読む →

FPに相談すべきケース

住民税の申告は基本的に自分で行えますが、以下のようなケースではFP(ファイナンシャルプランナー)に相談することで、申告漏れや控除の取りこぼしを防げます。

副業と本業の収入バランスが複雑な場合。複数の収入源があると、所得の区分(給与所得・雑所得・事業所得)の判定や、経費の計上方法に迷うことがあります。FPに家計全体を見てもらうことで、最適な申告方法と節税プランを整理できます。

医療費控除・ふるさと納税・iDeCoなど複数の控除を併用する場合。控除を組み合わせると、住民税だけでなく所得税や社会保険料にも影響が及びます。全体を見渡して手取りを最大化するには、税制と家計の両面に詳しいFPの視点が役立ちます。

退職・転職・育休など、ライフイベントが重なった年。年の途中で収入や控除の構成が大きく変わった場合、何を申告すべきか・どの控除が使えるかの判断が難しくなります。申告の要否だけでなく、翌年の住民税額の見通しまで含めてFPに相談しておくと、家計の見通しが立てやすくなります。

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※相談内容をもとに個人が特定されない形で要約した例です。実際の提案内容は家計・制度・時期により異なります。

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相談を担当するFP

ファイナンシャルプランナー 三谷 望

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最終確認日:2026-05-14

※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本ページの情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。

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