個人版事業承継税制<br>個人事業の承継で贈与税・相続税を猶予【2026】
個人版事業承継税制は、青色申告の個人事業者が後継者へ事業用資産(土地400㎡・建物800㎡・機械等)を承継する際の贈与税・相続税を100%納税猶予する制度。
個人版事業承継税制とは
2019年に創設された制度で、青色申告を行う個人事業者が後継者へ事業を引き継ぐとき、後継者が取得した特定事業用資産に係る贈与税・相続税を100%納税猶予します。法人版事業承継税制が自社株式を対象とするのに対し、個人版は事業に使う資産そのものを対象とする点が大きな違いです。事業承継の基本は事業承継の基本も参照してください。
対象となる特定事業用資産
猶予の対象は、先代事業者の事業に使われていた次の資産です。
| 資産 | 上限の目安 |
|---|---|
| 宅地等(土地) | 400㎡まで |
| 建物 | 床面積800㎡まで |
| 機械・器具備品、車両、生物(果樹等)、一定の無形固定資産 | 事業用として使用 |
不動産賃貸業などは原則対象外です。対象資産・上限は改正される場合があるため、適用前に国税庁で確認してください。
手続きと法人版との違い
適用には、認定経営革新等支援機関の指導・助言を受けて作成した個人事業承継計画を都道府県に提出し、確認を受ける必要があります(提出期限は制度上設定されており要確認)。贈与・相続後は、事業の継続・資産の保有などの継続要件を満たし続ける必要があり、廃業・譲渡で打ち切られると猶予税額+利子税の納付が生じます。
| 個人版 | 法人版 | |
|---|---|---|
| 対象 | 特定事業用資産 | 自社株式 |
| 猶予割合 | 100% | 特例措置で100% |
| 計画提出 | 個人事業承継計画 | 特例承継計画 |
小規模宅地等の特例との関係・注意点
重要な注意点として、個人版事業承継税制(事業用資産)と小規模宅地等の特例(特定事業用宅地)は、同じ宅地について併用できない(選択制)のが原則です。どちらが有利かは、納税猶予の継続要件を満たし続けられるか、将来の廃業・譲渡の可能性などで変わります。納税猶予は「税が消える」のではなく、要件を満たし続けることが前提の「猶予」である点を理解し、専門家と長期目線で選ぶことが大切です。自社株(法人)の場合は自社株評価の引き下げと事業承継税制の変遷もあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
- 個人版事業承継税制と法人版の違いは何ですか?
- 対象が違います。法人版は会社の自社株式を対象に納税猶予するのに対し、個人版は個人事業の特定事業用資産(土地400㎡・建物800㎡・機械等)を対象に贈与税・相続税を100%納税猶予します。どちらも青色申告と承継計画の提出が前提です。
- どんな資産が対象になりますか?
- 先代事業者の事業に使われていた宅地等(400㎡まで)、建物(床面積800㎡まで)、機械・器具備品・車両・一定の無形固定資産などです。不動産賃貸業などは原則対象外です。対象範囲は改正されることがあるため国税庁で確認してください。
- 小規模宅地等の特例と併用できますか?
- 同じ宅地については原則併用できず、選択制です。納税猶予の継続要件を満たし続けられるか、将来の廃業・譲渡の可能性などを踏まえ、どちらが有利かを専門家と検討する必要があります。
- 途中で廃業したら猶予はどうなりますか?
- 納税猶予は事業の継続・資産の保有などの継続要件が前提です。廃業や対象資産の譲渡で要件を満たせなくなると猶予が打ち切られ、猶予されていた税額に加えて利子税の納付が必要になります。「税が消える」のではなく「猶予」である点に注意が必要です。
- 適用するには何を準備しますか?
- 認定経営革新等支援機関の指導・助言を受けて個人事業承継計画を作成し、都道府県に提出して確認を受ける必要があります。提出期限が制度上設定されているため、早めに専門家へ相談し、最新の期限・要件を国税庁・中小企業庁で確認してください。
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最終確認日:2026年6月23日
※本記事は2026年6月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。