厚生年金

厚生年金保険料はいくら?
計算方法と早見表

老後資金と使ってよいお金を逆算して家計を整える場面
年金額だけでなく、医療費、楽しみ、休める時間に使える余白まで確認します。

厚生年金保険料は標準報酬月額×18.3%で、労使折半。月収30万円なら本人負担は月約27,450円

老後資金を調べたあとに

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相談者の声

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相談を担当するFP

ファイナンシャルプランナー 増岡 真奈美

増岡 真奈美 (ますおか まなみ)

FP2級相談実績 1,500件超資産形成、老後準備、不動産、ライフプラン

女性ならではの視点で、将来に向けた資産形成やライフプランをサポート。 年金・医療費・介護費・楽しみの予算を同じ年表で整理します。

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目次(13セクション)
  1. 厚生年金保険料の計算方法
  2. 保険料率18.3%の経緯と今後
  3. 標準報酬月額の決定方法
  4. 定時決定と随時改定の違い
  5. 賞与(ボーナス)の保険料
  6. 労使折半の仕組み
  7. 産前産後・育児休業中の保険料免除
  8. 年収別の保険料早見表(2026年度)
  9. パート・短時間労働者の厚生年金保険料
  10. 厚生年金基金と代行返上
  11. 保険料と将来の年金額の関係
  12. 65歳以上の在職者と保険料
  13. よくある質問(FAQ)

厚生年金保険料の計算方法

厚生年金保険料は、毎月の給与から天引きされる社会保険料の一つです。計算式はシンプルで、以下のとおりです。

基本の計算式

標準報酬月額 × 18.3%(保険料率) = 保険料総額

保険料総額 ÷ 2(労使折半) = 本人負担額

たとえば月収30万円(標準報酬月額30万円)の場合、保険料総額は30万円×18.3%=54,900円。労使折半なので本人負担は月27,450円です。

注意点として、ここでいう「月収」は基本給だけでなく、残業手当・通勤手当・住宅手当・家族手当など、労働の対価として受け取る報酬のほぼすべてを含みます。ただし、臨時に受けるもの(結婚祝い金など)や年3回以下の賞与は含まれません。

保険料率18.3%の経緯と今後

現在の厚生年金保険料率は18.3%ですが、この料率は最初から固定されていたわけではありません。

段階的な引き上げの歴史

2004年(平成16年)の年金制度改正で、保険料率を毎年0.354%ずつ引き上げ、2017年(平成29年)9月に18.3%で固定する方針が決まりました。

年度保険料率備考
2004年9月13.934%段階引上げ開始
2010年9月16.058%中間時点
2017年9月〜18.3%上限固定(現在も同率)

今後の見通し

18.3%は法律上の上限として固定されており、現行制度の枠組みでは引き上げは予定されていません。ただし、少子高齢化の進行により将来の給付水準(所得代替率)は低下が見込まれ、制度改正の議論は継続しています。保険料率が今後も据え置かれる保証はないため、制度の動向を注視しておく必要があります。

標準報酬月額の決定方法

保険料計算の基盤となる標準報酬月額は、実際の給与額そのものではなく、一定の幅で区切られた等級表に当てはめた金額です。

等級表の仕組み

厚生年金の標準報酬月額は1等級(88,000円)から32等級(650,000円)まで32段階に分かれています。各等級には報酬月額の範囲が定められており、実際の月収がその範囲に該当する等級の標準報酬月額が適用されます。

等級標準報酬月額報酬月額の範囲本人負担(月額)
1等級88,000円93,000円未満8,052円
8等級150,000円146,000〜155,000円13,725円
14等級220,000円210,000〜230,000円20,130円
20等級300,000円290,000〜310,000円27,450円
26等級410,000円395,000〜425,000円37,515円
30等級560,000円545,000〜575,000円51,240円
32等級650,000円635,000円以上59,475円

報酬に含まれるもの・含まれないもの

  • 含まれる:基本給、残業手当、通勤手当、住宅手当、家族手当、役職手当
  • 含まれない:結婚祝い金、見舞金、退職手当、年3回以下の賞与、出張旅費の実費弁償分

特に通勤手当は所得税では非課税でも、社会保険では報酬に含まれる点に注意が必要です。

定時決定と随時改定の違い

標準報酬月額は一度決まったら永久に固定されるわけではなく、定期的に見直されます。見直しの方法は主に2つあります。

定時決定(算定基礎届)

毎年4月・5月・6月に支払われた報酬の平均で標準報酬月額を再計算し、その年の9月から翌年8月まで適用します。事業主は7月1日〜10日に「算定基礎届」を日本年金機構へ提出します。

4〜6月の残業が多いと保険料が上がる?

定時決定の対象期間に残業が集中すると、標準報酬月額が上がり保険料も増えます。ただし保険料が上がった分だけ将来の年金受給額も増えるため、短期的な負担増=損とは限りません。

随時改定(月額変更届)

昇給・降給・手当の新設・廃止などで、固定的賃金に変動があった場合に行う臨時の改定です。以下の3要件をすべて満たすと随時改定の対象になります。

  1. 固定的賃金(基本給・通勤手当など)に変動があった
  2. 変動月以後の連続した3ヶ月間の報酬の平均と、現在の標準報酬月額に2等級以上の差がある
  3. その3ヶ月間いずれも支払基礎日数が17日以上ある

随時改定が行われると、変動月から4ヶ月目に新しい標準報酬月額が適用されます。

賞与(ボーナス)の保険料

毎月の給与だけでなく、賞与(ボーナス)にも厚生年金保険料がかかります。2003年(平成15年)の「総報酬制」導入により、賞与にも月収と同じ保険料率が適用されるようになりました。

賞与の保険料計算

標準賞与額 × 18.3% ÷ 2 = 本人負担額

標準賞与額のルール

  • 標準賞与額は賞与支給額の1,000円未満を切り捨てた額
  • 上限は1回あたり150万円(同月に複数回支給されても合算で150万円が上限)
  • 年3回以下の支給が対象。年4回以上支給される場合は報酬月額に加算される

例:夏のボーナスが80万円の場合、80万円×18.3%÷2=73,200円が本人負担です。

労使折半の仕組み

厚生年金保険料の最大の特徴は、保険料を事業主(会社)と被保険者(本人)が半額ずつ負担する「労使折半」の仕組みです。

給与明細での確認方法

給与明細に記載される「厚生年金保険料」は、折半後の本人負担分です。つまり実際の保険料総額はその2倍で、残りの半分は会社が負担しています。月収30万円の場合、本人負担27,450円+会社負担27,450円=保険料総額54,900円です。

端数の処理

折半した際に端数(1円未満)が出る場合の処理方法は以下のとおりです。

  • 給与天引きの場合:50銭以下切り捨て、50銭超切り上げ(五捨六入)
  • 労使間で特約がある場合:特約に従う(被保険者負担を切り捨てにする例が多い)

産前産後・育児休業中の保険料免除

出産・育児で休業する期間は、申請することで保険料が全額免除されます。免除期間中も年金の加入記録は継続するため、将来の受給額に影響しません。

産前産後休業期間の免除

  • 対象期間:産前42日(多胎98日)+産後56日のうち、妊娠・出産を理由に労務に服さなかった期間
  • 届出:事業主が「産前産後休業取得者申出書」を日本年金機構に提出
  • 免除範囲:被保険者分・事業主分ともに全額免除

育児休業期間の免除

  • 対象期間:子が3歳に達するまでの育児休業等の期間
  • 開始月の保険料から免除(ただし2022年10月以降、月末時点で育休中であるか、同月内に14日以上育休を取得した場合に限る)
  • 賞与の保険料免除は連続して1ヶ月超の育休を取得した場合のみ

養育期間の従前標準報酬月額みなし措置

3歳未満の子を養育する期間に時短勤務等で給与が下がった場合、申出により従前の高い標準報酬月額で年金額を計算してもらえる特例があります。保険料は実際の(低い)標準報酬月額で計算されるため、実質的に有利な制度です。

年収別の保険料早見表(2026年度)

年収ベースで厚生年金保険料の本人負担額を一覧にしました。賞与は年2回・計4ヶ月分と仮定しています。

年収(目安)月収(額面)標準報酬月額月額の本人負担賞与の本人負担(年)年間合計負担
240万円15万円15万円13,725円約5.5万円約22万円
320万円20万円20万円18,300円約7.3万円約29.3万円
400万円25万円26万円23,790円約9.1万円約37.7万円
480万円30万円30万円27,450円約11万円約40.9万円
560万円35万円36万円32,940円約12.8万円約52.3万円
640万円40万円41万円37,515円約14.6万円約59.6万円
800万円50万円50万円45,750円約18.3万円約73.2万円
1,040万円〜65万円〜65万円(上限)59,475円約27.5万円約99万円

※賞与の標準賞与額にも上限(1回150万円)があるため、高年収帯では実際の負担額が表より低くなる場合があります。

パート・短時間労働者の厚生年金保険料

2024年10月から、厚生年金の適用対象がさらに拡大されました。現在は従業員51人以上の企業で働く短時間労働者も加入対象です。

加入要件

以下のすべてを満たすパート・アルバイトは厚生年金に加入します。

  1. 週の所定労働時間が20時間以上
  2. 月額賃金が88,000円以上(年収約106万円)
  3. 雇用期間の見込みが2ヶ月超
  4. 学生でないこと(休学中・夜間学生は対象)
  5. 従業員51人以上の企業に勤務

「106万円の壁」と保険料負担

年収106万円のパートが厚生年金に加入すると、月収88,000円×18.3%÷2=約8,052円の保険料が発生します。年間約96,600円の負担増ですが、将来の厚生年金を受給できるメリットがあります。

加入した方が得なケースが多い

厚生年金に加入すると、国民年金だけの場合に比べて老齢厚生年金・障害厚生年金・遺族厚生年金が上乗せされます。加入期間が短くても、生涯で受け取る年金総額は増える計算になるケースがほとんどです。

厚生年金基金と代行返上

厚生年金基金は、厚生年金の一部を国に代わって運用・給付する企業年金制度でした。1966年に創設され、最盛期には約1,800の基金がありましたが、現在はほぼ解散しています。

代行返上とは

厚生年金基金が国の厚生年金の給付を代行していた部分(代行部分)を国に返上することを「代行返上」と呼びます。運用難により積立不足に陥る基金が相次ぎ、2014年の法改正で原則として厚生年金基金の新設が禁止され、多くの基金が解散・代行返上しました。

代行返上後の保険料はどうなる?

  • 基金加入中は、厚生年金保険料の一部を基金に納めていた(免除保険料率の適用)
  • 基金解散・代行返上後は、通常の18.3%に戻る
  • 基金で積み立てられた代行部分は国が引き継ぎ、将来の年金として給付される
  • 代行部分を超える「プラスアルファ」部分は、確定給付企業年金(DB)や確定拠出年金(DC)に移行されるケースが多い

保険料と将来の年金額の関係

厚生年金は「報酬比例」の年金です。保険料を多く払った人ほど、将来受け取る年金額も多くなります。

老齢厚生年金の計算式(概算)

報酬比例部分の概算式

平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 加入月数

(2003年4月以降の加入分。それ以前の分は異なる乗率が適用されます)

年収別の年金額の目安

平均年収(40年加入)老齢厚生年金(年額概算)基礎年金と合計(年額概算)
300万円約39万円約120万円
400万円約53万円約134万円
500万円約66万円約147万円
600万円約79万円約160万円
700万円約92万円約173万円
800万円約105万円約186万円

※老齢基礎年金は満額約81万円(2026年度)として合算。実際の年金額は加入期間・報酬の推移により異なります。

保険料が「もったいない」は本当か

厚生年金保険料は労使折半のため、実質的に自分が払った保険料の2倍の掛金で年金が計算されます。また、障害年金や遺族年金の保障もあるため、民間の個人年金保険と比較しても保障範囲が広い制度です。

65歳以上の在職者と保険料

65歳以降も厚生年金適用事業所で働く場合、70歳になるまで厚生年金保険料の支払いが続きます。

在職老齢年金制度

老齢厚生年金を受給しながら働く場合、年金と給与(賞与含む)の合計額が一定基準を超えると年金の一部または全部が支給停止されます。

2024年度以降の支給停止基準

基本月額(年金の月額)+総報酬月額相当額が50万円を超えると、超えた額の半分が支給停止。

70歳以上の場合

  • 70歳以上は厚生年金の被保険者ではなくなるため、保険料の負担はなくなる
  • ただし、在職老齢年金の支給停止の仕組みは引き続き適用される
  • 70歳以降も会社に勤務し続ける場合、事業主は「70歳以上被用者該当届」を届け出る

在職定時改定(2022年4月〜)

以前は退職するか70歳になるまで年金額に反映されなかった在職中の保険料が、毎年10月に年金額に反映されるようになりました。65歳以降も働き続けるメリットが増した改正です。

よくある質問(FAQ)

厚生年金保険料を自分で計算する方法は?
給与明細の「厚生年金保険料」欄を確認するのが最も簡単です。自分で計算する場合は、日本年金機構の保険料額表で標準報酬月額の等級を確認し、等級に対応する保険料を読み取ります。
4〜6月の残業が多いと保険料が上がるのは本当?
はい。標準報酬月額は4〜6月の平均報酬で決まる(定時決定)ため、この期間の残業代が多いと保険料が上がります。ただし、保険料が上がれば将来の厚生年金受給額も増えるため、一概にデメリットとは言えません。
育児休業中の保険料免除は自動的に適用される?
いいえ、事業主が日本年金機構に届出を行う必要があります。届出を忘れると免除が適用されないため、育休開始時に会社の人事・総務部門に届出の提出を確認してください。
パートで年収106万円を超えそうな場合、厚生年金に入った方が得?
多くの場合、加入した方が長期的には有利です。保険料の半分は会社が負担してくれるうえ、将来の老齢厚生年金が上乗せされ、障害厚生年金・遺族厚生年金の保障も得られます。ただし個別の事情(配偶者の扶養、他の収入源など)もあるため、判断に迷う場合はFPに相談するのがおすすめです。
退職後も厚生年金保険料を払う必要はある?
ありません。厚生年金は会社に勤務している間のみ加入する制度です。退職後は国民年金への切り替え(第1号被保険者)が必要になります。60歳未満であれば国民年金保険料の納付義務があり、60歳以上であれば任意加入制度を利用できます。
厚生年金保険料に上限はある?
あります。標準報酬月額の上限は32等級の650,000円で、月収がそれ以上でも保険料は59,475円(本人負担)で頭打ちになります。賞与についても1回あたり150万円が標準賞与額の上限です。

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本ページの制度概要・要件・税率は、以下の公式情報を編集部が確認のうえ整理しています(執筆時点)。最新かつ正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。FPは記事を直接監修してはおらず、関連テーマでご相談を受けるFPとしてご紹介しています。

最終確認日:2026-05-15

※本記事は2026年5月15日時点の一般的な情報であり、個別の税務・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・金額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。

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