所得税とは|計算方法・税率・控除の全体像
【2026年版】
所得税は「収入 − 経費等 − 所得控除 = 課税所得」に、超過累進の税率(5〜45%)を掛けて計算する国税です。会社員は毎月の給与から源泉徴収され、11〜12月の年末調整で精算されます。この記事では、所得税の仕組みを「収入→所得→課税所得→税額」の4ステップに分け、2026年の税率表・主要な控除額・住民税との違い・源泉所得税の読み方まで、関連キーワードを横断して1ページで整理します。
まず押さえておきたい結論
- 給与所得者の所得税は「給与収入 − 給与所得控除 − 所得控除」×税率で決まる。
- 2026年の基礎控除は所得税48万円・住民税43万円(合計所得2,400万円以下)。
- 税率は課税所得に応じて5・10・20・23・33・40・45%の7段階+復興特別所得税2.1%。
- 独身・扶養なしなら年収103万円を超えた分から所得税が発生する。
所得税とは|国税としての位置づけ
所得税は、個人の1年間(1月1日〜12月31日)の所得に対して国が課す税金です。課税方式は超過累進課税で、所得が多いほど高い税率がかかる仕組みになっています。会社員は源泉徴収+年末調整、個人事業主は確定申告、という形で最終的な税額を精算します。
「所得税」と一口に言っても、実際に私たちが負担するのは以下の3つを合算した金額です。
- 所得税(本税):課税所得 × 税率 − 控除額
- 復興特別所得税:所得税額 × 2.1%(2037年まで)
- 源泉所得税:給与・報酬支払時に天引きされる所得税(最終的には上記2つに含まれる)
所得税の計算方法 4ステップ
所得税の計算は、次の4ステップで整理すると迷いません。
Step1. 収入を把握する
給与・賞与・副業・年金・株式の譲渡益など、1年間に得た総額を集計します。会社員は源泉徴収票の「支払金額」欄がこれに該当します。
Step2. 所得を計算する(収入 − 経費等)
収入から、給与所得控除(会社員)や必要経費(事業所得)、公的年金等控除(年金受給者)を差し引きます。
| 給与収入(年収) | 給与所得控除額(2026年) |
|---|---|
| 162.5万円以下 | 55万円 |
| 162.5万円超〜180万円以下 | 収入×40% − 10万円 |
| 180万円超〜360万円以下 | 収入×30% + 8万円 |
| 360万円超〜660万円以下 | 収入×20% + 44万円 |
| 660万円超〜850万円以下 | 収入×10% + 110万円 |
| 850万円超 | 195万円(上限) |
Step3. 課税所得を計算する(所得 − 所得控除)
所得から、基礎控除・配偶者控除・扶養控除・社会保険料控除・生命保険料控除・医療費控除・iDeCo掛金控除などを差し引いた金額が課税所得です。各控除の金額は次章の一覧を参照してください。
Step4. 税額を計算する(課税所得 × 税率 − 控除額)
課税所得に超過累進税率を掛け、区分ごとの速算控除額を引くと所得税額が求まります。そこに復興特別所得税2.1%を上乗せし、住宅ローン控除など税額控除があれば最後に差し引きます。
計算例:年収500万円・独身・扶養なし
給与所得=500万 − 給与所得控除144万=356万円/社会保険料控除75万(年収×15%概算)+基礎控除48万=控除合計123万円/課税所得=356万 − 123万=233万円/所得税=233万×10% − 9.75万=13.55万円/復興特別所得税込みで約13.8万円。
2026年の所得税率表
課税所得に対する所得税率は、次の7段階の超過累進課税です。詳細な税率の読み方と早見表は別記事で解説しています。
| 課税所得 | 税率 | 速算控除額 |
|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 0円 |
| 195万円超〜330万円以下 | 10% | 97,500円 |
| 330万円超〜695万円以下 | 20% | 427,500円 |
| 695万円超〜900万円以下 | 23% | 636,000円 |
| 900万円超〜1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
| 1,800万円超〜4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
| 4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
たとえば課税所得500万円なら、500万×20% − 42.75万=57.25万円。500万円全体に20%がかかるのではなく、195万までは5%、195〜330万は10%、330〜500万は20%、という階段状の計算を速算控除額で簡略化しているのがポイントです。
主要な所得控除一覧
| 控除の種類 | 所得税の控除額 | 対象 |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 48万円 | 合計所得2,400万円以下の納税者全員 |
| 配偶者控除 | 38万円(70歳以上48万) | 配偶者の合計所得48万円以下 |
| 配偶者特別控除 | 最大38万円 | 配偶者の合計所得48万円超〜133万円以下 |
| 扶養控除(一般) | 38万円 | 16歳以上の扶養親族 |
| 特定扶養控除 | 63万円 | 19歳以上23歳未満の扶養親族 |
| 社会保険料控除 | 全額 | 本人・家族の社会保険料の支払額 |
| 生命保険料控除 | 最大12万円 | 一般・介護医療・個人年金の3区分合算 |
| iDeCo(小規模企業共済等掛金) | 全額 | iDeCoの年間掛金 |
| 医療費控除 | 支払額 − 10万円(総所得200万未満は総所得×5%) | 本人・家族の医療費 |
| 寄附金控除(ふるさと納税) | 寄附額 − 2,000円 | ふるさと納税等 |
住民税の控除額はこれよりやや少なめ(基礎控除43万、配偶者・扶養33万など)です。詳細は住民税の控除一覧で確認できます。
源泉所得税と年末調整の関係
会社員の給与明細の「所得税」欄に書かれているのが源泉所得税です。会社は「源泉徴収税額表」に基づき、毎月の給与から概算の所得税を天引きしています。このままだと生命保険料控除や扶養人数の変化が反映されないため、11〜12月の年末調整で実際の控除を加味して精算します。
年末調整で精算しきれない控除(医療費控除・ふるさと納税6自治体超・住宅ローン控除の初年度・副業の赤字など)は、翌年2月16日〜3月15日の確定申告で取り戻します。詳しくは源泉所得税の仕組みと年末調整の書き方をあわせてご覧ください。
住民税との違い
| 項目 | 所得税 | 住民税 |
|---|---|---|
| 課税主体 | 国 | 都道府県・市区町村 |
| 対象所得 | 当年の所得 | 前年の所得 |
| 徴収方法(会社員) | 源泉徴収+年末調整 | 6月〜翌5月の特別徴収 |
| 税率 | 5〜45%(累進) | 所得割10%+均等割5,000円(一律) |
| 基礎控除 | 48万円 | 43万円 |
転職や退職で所得が大きく減った年でも、住民税は前年の所得をベースに計算されるため、翌年6月以降に高い住民税の請求が届いてしまう点に注意が必要です。年収別の住民税シミュレーションは住民税・年収早見表で確認できます。
よくある質問(FAQ)
所得税はいくらから発生しますか?
独身・扶養なしの給与所得者なら、年収103万円(給与所得控除55万+基礎控除48万)を超えた金額から所得税が発生します。配偶者や扶養親族がいればこのラインはさらに上がります。所得税はいくらから?年収別の非課税ラインで家族構成別に整理しています。
副業の所得税はどう計算しますか?
副業の所得(収入 − 必要経費)が年20万円を超えたら、本業の年末調整とは別に確定申告が必要です。給与所得と合算して課税所得を出し、累進税率を適用します。
退職金の所得税は高いですか?
退職金は退職所得控除(勤続年数×40万/20年超は70万)があり、さらに課税所得は1/2にされるため、通常の給与よりかなり軽い税負担になります。勤続20年・退職金800万なら、課税退職所得は0円で所得税非課税となるケースも多いです。
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